小池真理子のレビュー一覧

  • 水の翼

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    2009年12月4日。主人公と一緒に恋を体験できた気がする。だからこそ、切なく、苦しくなることも多く、特に読後は不安定な空虚さに襲われた。読後、再度冒頭を読み直して救われ、主人公のその後の人生を想像した。個人的に、この始まりかたや終わり方がいいなと思う。小池氏の文章は、普段人にはとてもさらせないようなみっともない、でも自然な感情や行動が書かれており、それによって作品と自分が近づけるのだと思う。
    それにしても、1960年代の日本は今から考えると別の国のようだ。当時の若い世代も時代や環境というものがあるとはいえ、現代のそれとの違いについて考えてしまう。

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    2009年12月05日
  • 恋

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    初めて終わらないでと念じながら読んでいた本。
    懐かしい。数年ぶりに読むとあのときの興奮は
    色褪せてしまったが、今でも好きな作品だった。

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    2009年10月04日
  • 雪ひらく

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    女たちの愛と哀しみと、刹那の喜びを描いた短編集。
    官能と共に語られる女の真実の姿。
    個人的・好きな本ランキング第1位の神作品。

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    2009年10月04日
  • 水無月の墓

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    小池真理子は恋愛ものより、幽霊ものでしょう。
    怖くて、妖しい。
    そして、もちろん官能も盛り込んで。
    ぞくっ。

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    2009年10月04日
  • 柩の中の猫

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    20歳の雅代は、美大で油絵を教える川久保悟郎の家に、娘の桃子の家庭教師を条件に住み込むことになる。
    モダンな明るさに満ちたその家に母親の存在はなく、孤独な少女の心には飼い猫のララだけが入れるのだった。
    緊張をはらみつつも表面は平穏な日々。
    悟郎に惹かれる雅代は、ララと少女の心を捉えようとしていた。

    その均衡を破ったのは悟郎の美しき恋人だった―

    30年の時を経た今語られる悲劇的な事件の真相とは。

    女性の心情が表現豊かにつづられる本作は、一度読み出すとページをめくる手が止まらない。
    涙せずには読めない一冊。


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    2009年10月04日
  • 愛するということ

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    エッセイなのかと思ったら、小説でした。
    エーリッヒ・フロムの評論と同名。でも内容は人を愛して、別れて、その後どうやって立ち直るかが描かれてる。立ち直るために必要な男として登場する、愛だの恋だの感情や情緒は人生に必要なものではないと言い切るおじさんが魅力的だった。

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    2009年10月04日
  • 柩の中の猫

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    「東京郊外に暮らす美術大学の講師、川久保悟郎。その娘でララという名の猫にだけ心を開く孤独な少女、桃子。そして、家庭教師として川久保家にやってきた画家志望の雅代。微妙な緊張を抱きながらもバランスのとれた三人の生活はそれなりに平穏だった。そう、あの日、あの女が現れるまでは…丹念に描かれた心の襞と悲劇的なツイスト、直木賞作家の隠れた名作」――どうでもいいですが、うちのおばあちゃんは凄い読書家で、押入れに入りきらないほど膨大な数の本があります。というのも、うちのおばあちゃんは軽い不眠症で、それを紛らわす為に夜いつも本を読んでたんです。それが積み重なって、渡辺淳一、平岩弓枝、曽野綾子、小池真理子、三浦綾

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    2009年10月04日
  • 天の刻(とき)

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    主人公の女達の年齢にはまだ20年程届いてないけど
    読んで良かった。傷ついて泣いてばかりだった気持ちが楽になった。
    感情移入できるかどうかは別として。

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    2009年10月04日
  • 無伴奏

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    とても好きで、何度も読んでいるのに、いつも読み始めると呼吸が浅くなってしまう。あのシーンにたどり着くと、胸が締め付けられる。そして渉の手紙で泣いてしまう。
    この時代には生まれていないし、知らないのに、とても鮮やかに情景が見えるのは、やっぱり真理子さんの書く文書のが繊細だからだと思う。
    ここ数年の作品は好きになれないけれど、「恋」三部作は大好きです。

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    2009年10月04日
  • 浪漫的恋愛

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    内容(「BOOK」データベースより)
    禁断の恋の果てに自殺した母。
    その記憶に因われる46歳の編集者・千津は、編纂中のアンソロジーに「月狂ひ」という幻想短編を収録する許可を得るため、作者の遺族である倉田柊介のもとを訪れる。
    その日から、身も心も灼きつくすような恋に堕ちていくとも知らずに…。
    作中小説の世界をなぞるかのように、狂気にも似た恋へと誘われていく男女の、静謐なる激情の物語。

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    2009年10月04日
  • 夜ごとの闇の奥底で

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    サスペンス長編。これぞ!!心理サスペンスの白眉!!めちゃくちゃ怖い。読めば分かります。私は読みながら心臓ばくばくだし、手に汗握るし、ページ捲るのが怖くて仕方なかった。さすが、小池真理子さん。

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    2009年10月04日
  • 蠍のいる森

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    小池作品はどれもセクシーで男女が持つ悲しみを見せてくれる。普通の日常に潜む誰もが持つ孤独、そしてそれが他人によって救われる希望の物語。

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    2009年10月04日
  • 短篇セレクション サイコ・サスペンス篇2 贅肉

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    小池真理子の短篇はやっぱり凄い、と思った作品。
    異常な狂気なんだけど"穏やかな異常"みたいな、その身近な狂気にドキドキさせられてしまいました。

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    2009年10月04日
  • 夜ごとの闇の奥底で

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    小池真理子作品は狂気感が良くてもの凄く好きです。
    その狂気の中にもちゃんと純愛があって、凄くツボでした。

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    2009年10月04日
  • 泣かない女 短篇セレクション ミステリー篇

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    私はよく泣くので、ついこのタイトルに惹かれたのですが、「泣かないようになる」ための参考にはなりませんでした(笑) が、
    お見事!
    好きだな〜こういうの。
    実際こんなに怖くないけど、
    世の中って結局こんなものなのでしょう

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    2009年10月04日
  • 蜜月

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    環が魅力に溢れてます。ヴィジュアル的に、なぜか若い頃の藤田さんを当て嵌めてしまったのですが・・・。とにかく恋に溺れてしまいたくなります。

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    2009年10月04日
  • 死者はまどろむ

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    著者のホラー第2弾らしい。読んでから知った。幸せを呼ぶ夢の村に隠された真実とは?!
    相変わらず、真相が明らかになるにつれ心拍数が上がる。ドキドキが止まらない!

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    2009年10月04日
  • 柩の中の猫

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    二つの殺意、少女の繊細な心と殺人、すれ違い。 さまざまな複雑な背景を持った登場人物たちがお互いに、淡い恋心を抱いてはいるもののすれ違う。そのすれ違いはとても丁寧に構成されていて、これこそ芸術の領域に達しているといえるだろう。サガンや綿矢りさを思い出させる繊細な心理風景が、ララ(途中ママと関連付けられる)という猫や、殺人の舞台となる雪の麦畠と古井戸、そして、主人公たちが生活する過度にアメリカ的な雰囲気の住居などを舞台に展開される。小説には二つの殺害があり、そのどちらも怪しいまでに人間の心の真相に迫っている。幼い孤独な少女に芽生えた殺意を美しく描写した物語としては、世界文学のレベルに達しているだ

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    2009年10月04日
  • 天の刻(とき)

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    これが大人の小説なんだって思いました。40代の女性のいろんな形の恋愛。そして死についての思い。確かにR35にしてもいいと思います。ヒロインたちの気持ちが痛いほど伝わってきます。ついに私も熟女の仲間入り?

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    2009年10月04日
  • 柩の中の猫

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    閉じられた世界での甘美な幸福を描かせたら、小池真理子の右に出る者はいない。その幸福には必ず悲劇が潜んでいる。直木賞受賞作「恋」にも通じる世界。引きこまれます。

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    2009年10月04日