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美しく賢く、両親に溺愛されて育った3歳違いの姉。母の死、恋人の裏切りを機に、常軌を逸した旺盛な食欲にとらわれ、みるみる太ってゆく。日ごとに醜くなる姉への、かすかな嫌悪が、やがて憎悪に変わったとき“私”は……。表題作「贅肉」ほか、ゆるやかな狂気の淵にたゆたう心のさまを描くサイコ・サスペンス、選りすぐりの全4篇。巻末に著者自作の年譜を収録する。
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Posted by ブクログ
「贅肉」
美貌の姉が太り始めたのは母の死がきっかけだったか。
それとも失恋だったのか。大切な人を失うことで、自分も失ってしまったのか。
思いもかけない事故で姉が死んだ時、妹も壊れてゆく。
「刺繍の家」
偶然再会した友人。話すのは両親の事ばかりで自分の来し方には触れない。その友人に誘われて友人宅に行く事になるが、友人が母と呼ぶ人は家族が嫌っていたはずの姉だった。
何故姉が母の立場になったのか。その辺りの倒錯した心理が不明のため、割り切れなさが残った。
「終の道づれ」
年老いて、出かけるのは億劫になった。家にいるのが一番なのに従妹が煩く誘ってくる。挙句に外で知り合った男と自分を結びつけようとする。
風邪をひいて寝込んだある日、従妹が男と共に見舞いに訪れる。
「どうにかなる」
僅かの年金をもらっているが、住まいも、預金も、もう無くなる。どうしようもない状況で町をふらついていた時知り合った老女。誘われるまま老女の家に行き、泊まる事になった。
依存するものが失われた時、自分の立って依るべき処も見失ってしまう。標題になっている「贅肉」は、誰もが持つ依存をえぐり出す。
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