あらすじ
恋に落ちたら、相手に配偶者がいようがいまいが、恋心が止まらなくなる姉。その一生は奔放すぎた。彼女を“美しく風変わりな淫売”とよんだ妹が、心をこめて姉の人生を振り返る「最後の男」。家で洋裁の仕事をしながら、ひっそりと愛人の訪れを待つ美枝子の「仄暗い部屋」。失恋して帰ってきた故郷で、あらたな出会いの予感が…表題作「雪ひらく」。前へ前へ、恋にだけはとびきり大胆に突き進む女たち。その奥に秘められた官能の炎を描きつくす傑作短篇集。
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Posted by ブクログ
小池真理子さんの小説は、読んでいてとても心地よく、癒される。上品で、自然に流れる文章に引き込まれ、気付くと物語の世界に自分が居る感覚・・何度も味わっている。大好きな作家さん。
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短編6話。
おき火
最後の男
仄暗い部屋
雪ひらく
場所
パラサイト
文庫版あとがきにかえて
なんとなく,後ろ向きの言葉が多い。
生きていることが良いことだという確信は,誰でも持てるとは限らない。
著者が何が書きたいかが分からないまま読み進むのは辛いかも。いろいろな女性がいるということと,女性のありのままの姿を知るきっかけを掴むことができるかどうかが理解の鍵かもしれない。
Posted by ブクログ
「仄暗い部屋」と「雪ひらく」が好き。
“終わることがわかっている、どうしようもない切なさが、好きで好きでたまらない”なんかいい。
色恋がなくなってもずっと一緒にいたいと思うことも、一生側に居たいなんて思わないけどドキドキする瞬間を過ごす相手が欲しくなるのも、どっちも“好き”ってことじゃないかなーと。だとしたらそのどちらの感情もが同時期に湧いたとしても駄目ではないと思う。
Posted by ブクログ
6編からなる短編集。各話の話の主人公は皆もう若さの盛りも過ぎ、老いること、身近にある死、それでも身体の裡にくすぶるかのような官能を感じられ、短いお話でしたが小池さんのエッセンスがぎゅっと凝縮されていて楽しめました。いつもながらの美しい描写に、匂い立つような官能の表現が素晴らしかった。
Posted by ブクログ
6作品の中で いちばん 記憶に残ったのは
『場 所』 というタイトルの話だった
既婚者の早希子が恋をして 別れて 3年・・・
別れた彼の事で 思いがけない知らせを受けて
動揺する 早希子の行動が 切なかった
自分は何が欲しかったんだろう・・・何を求めていたんだろう・・・っと
【愛?恋愛感情?友情?それともただ単に日常から逃れること?】
全てが当たりで 同時に全てが違うような気がする・・・
そう考える 早希子の気持ち 何となく わかる気がした
この小説の作者 小池真理子さんが あとがきから・・・
『意識して不倫を書いているわけではない。-中略-
気が付けば、男と女の叶わぬ夢を書いているにすぎないのだが
きっと私は、男女のそうしたかかわりを描くことによって、人生の不条理
わからない部分をこそなんとかして表現したいと試みているのだろう。』
これを読んで なるほど・・・わからないから 私も読んでるんだと納得できた