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帯の言葉。人生の哀歓を謳いあげる至高の短編集。全く❗️
年齢を重ねたからそう思えるのか。20年前ならどんなふうに感じるんだろう。
後味よく、しんみりと、じんわりとできる本でした。
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中篇七話収録。各々、毛色の違う作品で読み応えあり。平穏な日常に、突然煩い事が起こった時の人間の心情が丁寧に描かれていた。『喪中の客』の滝子が不気味だった。
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日常の中で感じる生と死がどの短編にも描かれていて、そこにあるたくさんの感情が静かに濃密に毎日の中に溶け込んでいる。最愛の人を喪ったり、年老いてあの頃に思いを馳せたりと、そのひとつひとつの情景が胸に迫ってくるような、苦しくなるような感じとこれからも生活が続いていく不安と小さくとも感じられる喜びがあって生と死の身近さを実感する作品集。
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主人公のほとんどが、もう若くはない女性で、おどろおどろしい話が多い。
個人的には「白い月」が心に残った。
赤の他人から知らされる、夫の心。奥ゆかしくて素敵。
ひとりになった時の自分を、想像してみたくなる。
とりあえず、次に「月夜の森の梟」を読みたい。
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「生と死、そして性を描く濃密な短編集
過ぎてみれば、全部、どうってことなかった――」
王道の恋愛もの、ミステリー・サスペンス、あるいは幻想怪奇小説など幅広い作風で読者を魅了してきた小池真理子は“短編の名手”でもある。その実力をいかんなく発揮している「日暮れのあと」。
人の生と死、そして性を描き、人生の哀歓をつづる短編は大人の読書を満喫するのにちょうどいい。
ミソサザイ
喪中の客
アネモネ
夜の庭
白い月
微笑み
日暮れのあと
の7作品。
表題作「「日暮れのあと」の主人公は、日々老いを感じつつ山裾の町で暮らす絵本作家の雪代。ある日やってきた植木屋の青年に興味を惹かれ話をしてみると、彼が結婚を望む恋人は、還暦を過ぎた現役の風俗嬢だという。
他6作はどれもが濃厚な年の差恋愛の物語。
亡きおばへの若いころのほのかな想いが切ない「ミソサザイ」
ホラーテイストながらも孤独が沁みる「喪中の客」
罪を犯してしまう人間とその出来事の対極にある純真な女性との対比が悲しい「アネモネ」
「夜の庭」は女性視線では「やられた!」、しかし「男は阿呆やなあ、ざまあみろ!」
夫に突然死なれた妻の「生きている」という感覚の再生までをたどる「白い月」
在りし日の年の差恋との再会「微笑み」
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7篇の短編集ですがどのお話も印象的。生と死、愛、性が共通していて全く違う雰囲気なんだけど、どれもねっとりとした感じで読み応えあり。
『喪中の客』は最後ゾクッとして印象に残りました。好きなお話は『アネモネ』『白い月』『日暮れのあと』
中高年の女性とかなり歳下の男性との恋のお話がいくつかありますが、表題作の『日暮れのあと』はその中でも極めつけという感じでした。26歳の植木職人の男性が結婚したい相手は64歳の現役風俗嬢。なかなかあり得ないお話だけど、男性に興味津津で馴れ初めをを聞く72歳の雪代の気持ちはわかるなぁ。
ナイス
★28
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「ミソサザイ」
「喪中の客」
「アネモネ」
「夜の庭」
「白い月」
「微笑み」
「日暮れのあと」
七話収録の短編集。
洗練された言葉で紡がれる七つの物語は、登場人物や風景が自然と眼前に浮かび上がる。
生と死と性が共通して描かれている本作だが、最も心に迫って来たのは深い孤独感。
時に淫靡で生々しさをを醸し出しつつも、そこに厭らしさは感じられず、老いて死へ向かう者達の寂寥感や悲哀が伝わる。
ホラーテイストの『喪中の客』が一番インパクトが強く背筋が寒くなるが、どの短編もつ粒揃いで味わい深い。
この静謐でしっとりとした世界観が堪らなく好き。
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2015年から23年までの7つの短編集。ほとんどが高齢期の女性が主人公。大きな出来事も山場もない淡々とした描写だが、物語丸ごと抱きしめたくなるような描き方が素敵だと思う。
過ぎてみれば全部どうってなかったような、、、
実感できるのは私が年とったせいかな。
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生きづらさを抱えながらも愛に縋る者。人との繋がりに辟易し、自分の人生を生きようと決意する者。大事な人の死を受け入れられない者。何とかして受け入れようとする者。無邪気な恋慕に情熱を滾らせる者。切なさと清々しさ、ほんの少しの恐怖と愛おしさ。優しい夕日を眺める様な読後感。
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死や老いについて考えることは
これまでの自分の人生を
振り返ることでもあるなー。
死というものに直面した人たちの
心の揺れが
その季節の花、鳥、風、雨
そして月などと重ね合わせ
細やかに丁寧に描かれている。
死は特別なことではなく
いつでもそこに
生きているそばに
当たり前のようにあるのだと思う。