小池真理子のレビュー一覧
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ネタバレ連合赤軍が世を震撼させていた同じ時期、大学生の布美子は大学教授片瀬信太郎の翻訳の仕事を手伝うことになり定期的に彼の自宅に通ううちに片瀬夫妻を深く知ることになる。
彼の妻雛子は他の男と浮気(これは便宜的表現。)をしており、それを信太郎は咎めていなかった。
雛子も信太郎の浮気(同様)を咎め立てもしない。それで2人の関係はうまくいっていた。
布美子は片瀬夫婦に徐々に惹かれて行き、やがて信太郎とも雛子とも肉体の関係に至るが、この奇妙な男女の三角関係がもたらす至福の時はずっと長く続くかと思われた。
1972年、折しもあさま山荘落城の日、軽井沢の片瀬の別荘で、布美子は猟銃で若い青年を撃ち殺し、居合わせた -
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この時代(政治と思想)の小説がとっても好き。60年代70年代の大学生を描いたものがたまらなく好き。
私らの時代には時代の核とよべるものはもう何もないからなぁ。核の有無は単純な善し悪しでは測れないけど、ぼんやりとした憧れがある。
安穏としているうちに終わりそうな今も好きだけど。
小池真理子さんの作品は3作目。
「恋」(これも政治と思想の季節が描かれている)、「瑠璃の海」。
「恋」はひょっとしたら今まで読んだ恋愛を扱った小説の中でもかなり好きな作品になったんだけど「瑠璃の海」があまりにも陳腐なフリンものだったんで萎えてそれ以来読んでなかった。
「無伴奏」も「恋」と本作と同じような時代が描かれ -
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うーん、これは究極の恋愛ドラマよね~。
『欲望』というタイトルからすると、ちょっとエロっぽい響きがあるけど、これはそのエロさがない。
だって、起たない男を軸にしたストーリーなんだよ。
インポな男に恋した『私』こと類子と、インポな男に愛された女・阿佐緒の三角関係。
こう言葉にすると安っぽく感じるけど、これがとーっても重い内容になってるわけです。
しかも、あの大作家・三島由紀夫の本も絡んでくるのでかなり重厚感あります。
女の私からすると「たたない」「セックスできない」って言うことは、読んで字のごとくそんなこととしか意味しないけど、男からすると言葉以上の重みと意味があるらくしくって、それは男でも -
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タイトルそのまま…恋愛感がたっぷり詰まった作品です。
主人公の恋愛は不倫なんですけど、“愛する”という気持ちは恋愛する人みんなおんなしですからね。
ものすごく共感できる部分が多くて、完全に感情移入してました。。
愛する人との出会い、愛する予感、愛される喜び、失う悲しみ、絶望・・・感情移入し過ぎて、なんだかおかしくなりそうでした。
不思議だったのは、別れが訪れたときの自然な感じ…なんなんでしょね。
相手が離れていくことが自然な流れのように感じて、それが逆に怖くなりました。。
自分に対して愛したように、誰かを愛することがあるわけじゃないですか??
そのとき自分はもう必要な存在 -
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本としてはとても読みごたえがあるし、
さすがに小池真理子さんって事で、一応★は4つにしました。
が、
内容は自分の好みから言えばものすごく気持ちの悪い本でした~。
学生運動盛んな時代に青春を過ごした人には、
あの時代は本当に特別なものなんでしょうが、
その時代を知らない自分には、その特別感がうまく言えませんが
なんだかうっとうしい。
(だからどーした。何がそんなに特別なわけ??って、感じ・・・。)
それに50も超えた男女のあられもない性描写は、なんだか醜悪・・・。
色々理解出来ない感覚が多かったせいか、
人間の内面の毒気にあてられたせいか、
読後感はなんともいえない気持ち悪さ・・・。