小池真理子のレビュー一覧

  • 墓地を見おろす家

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    広大な墓地と火葬場に囲まれた格安マンションに、家族で引っ越してきて...というどうしても期待してしまう設定のホラー作品。
    “恐怖”の助走の取り方、シチュエーションの活かし方、ラストも悪く無いが、途中かなり意見が分かれであろう恐怖描写が幾つか。
    個人的には無しと思いつつ、作品の作り出す雰囲気は良質だと感じた。

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    2024年09月26日
  • 沈黙のひと

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    今、自分が読むべき本だと思って手に取ったけれど重たい内容だった。著者もまた自分の父親を重ねた内容だったようだったけれど娘が父親に抱く感情の流れが共感する部分もあった。今後、人は長命となり最後は施設が終の住処となるケースも多くなるだろう、けれど誰しも自分の家を出ていく決心はなかなかつかないと思う。自分は衿子に自分を重ねたけれど、華代の気持ちも全く分からないとは言えなかった。読後は何とも言えぬ焦燥感が残った。

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    2024年09月25日
  • 墓地を見おろす家

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    ネタバレ

    無駄が多いとは思うけど、普通に楽しめた

    引っ越した人達は無事なのかな?とか
    色々気になる部分はあるけど
    あまり深く考えないのが正解かな

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    2024年09月21日
  • 神よ憐れみたまえ(新潮文庫)

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    全体的に救いはたづさん(と美村さん)の周りだけ…
    息苦しくなるような展開は多かった。
    強く生きる人の一生の一例を見た感じ。
    本人の魅力(内面も外面も)が良いようにも悪いようにも転ぶわことはあるけど、これはさすがに極端な例だとは思いたい…

    ところどころの表現はとても素敵で、つい立ち止まり、メモしてしまった。
    下にメモを2箇所分だけ載せる。


    十一月の午後の光が世界を領していた。縦に横に斜めに乱反射する光は、枯れかけた無数のススキの穂先で弾け飛び、小さな球のようになって地面に転がっていった。空も大地も、木々も草も、すべてが鬱金色に輝いていた。

    石川夫妻には、野を駆けめぐる動物のごとき強靭な生

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    2024年09月18日
  • 墓地を見おろす家

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    はっきりと断言できるわけではないけれど、何か得体の知れないものが忍び寄ってくる恐怖。
    というには、恐怖をもたらすものは中途半端に姿を見せてくるし、想像してゾッとするようなおどろおどろしさでもない。
    不完全燃焼な感じです。

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    2024年09月16日
  • 墓地を見おろす家

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    ネタバレ

    小学5年生の時に初めて買ったホラー小説がこの作品でした。当時小学生だった私は、純粋に『墓地マンション』の地下に潜む得体の知れない怪異に恐怖しましたが、大人になった今は得体の知れない怪異よりもどちらかと言うと、主人公夫婦の方が恐ろしいと思ってしまいます…。

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    2024年09月12日
  • 沈黙のひと

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    亡くなった父親への想いや過去が明らかになっていく、故人への恋愛小説だなと感じました。

    実際に、小池真理子のお父様が亡くなられた体験を元にしているというだけあってか、病気の父の描写がとても鮮明です。読む時の精神状態によっては、なんだか寂しくてつらくて読み切れないかも…。

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    2024年09月05日
  • 日暮れのあと

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    小池真理子さんの短編集。老いや死をテーマにしているので全編暗め。しっとりした世界感は相変わらず素敵。

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    2024年08月31日
  • ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選

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    おどろおどろしいホラーではなく、日常にそっと寄り添う幽霊譚でした。
    哀愁漂う感じもあり、
    恋慕と慕情の律子物語が善き。

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    2024年08月25日
  • 墓地を見おろす家

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    ネタバレ

    ヒトコワ系かと思っていたが、オカルト系。
    特段怖いとは思わなかったけど、身近に感じられるような怖さは良かった。
    ただ自分の中でこういう建物内で起こる怖い話というと残穢のように謎を追っていき原因が明かされる方が好きなので、星は3かな。

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    2024年08月25日
  • 妖し

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    ネタバレ

    10人の作家さんが描く怪異の短編アンソロジー。多種多様な怖い話。一体、どこからこんなアイデアが出てくるのかと驚きながら楽しみました。

    恩田陸『曇天の店』
    北陸の料理屋。開けてはいけない勝手口。フェーン現象がつれてくるカワケが人を狂わせる。ラストの夫婦の会話が不穏で、余韻たっぷりで終わる。

    米澤穂信『わたしキャベンディッシュ』
    バナナの種って貴重なんだなあ。シゲルはどんな味なのかしら。

    村山由佳『ANNIVERSARY』
    小2のときの儀式が35歳で効果を発揮?
    夫と息子と幸せに暮らしていたのに、少し違う世界で小2からやりなおし。新しい世界で新しい家族と幸せになっても、新旧、どちらも裏切って

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    2024年08月16日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    ベストと謳ってるので、一定水準はクリアしてる読み応えのある作品が多いけど、その分既読も多かったり。特に綾辻行人、澤村伊智の両作品が印象深かったかな。

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    2024年08月15日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    ネタバレ

    ホラーも、文章なら耐えられるようになった気がします。面白かった。
    ショートショートの広場で初読だったらしくて読みたかった「よけいなものが」を再び読めて嬉しいです。
    「依って件のごとし」が哀しくてよかった。さすが志麻子…「再生」は弱い富◯か…好き。
    澤村伊智さんのお話も初読だったので、この姉妹は比嘉姉妹だったのだと他のレビューを読んで知りました。

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    2024年08月11日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    【収録作品】
    鈴木光司「浮遊する水」…『仄暗い水の底から』
    坂東眞砂子「猿祈願」…『屍の聲』
    宮部みゆき「影牢」…『あやし』
    三津田信三「集まった四人」…『怪談のテープ起こし』
    小池真理子「山荘奇譚」…『異形のものたち』
    綾辻行人「バースデー・プレゼント」…『眼球綺譚』
    加門七海「迷(まよ)い子」…『美しい家』
    有栖川有栖「赤い月、廃駅の上に」…『赤い月、廃駅の上に』

    ホラーは理不尽で怖い。
    きれいに見えるものは怖い。
    曖昧な記憶が怖い。

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    2024年08月07日
  • 墓地を見おろす家

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    「得体の知れない何か」が最後まで「得体の知れない何か」だったのが怖いし、物語の締め方も怖かった。結局やつらは何者だったのか?何故他の住人ではなく加納一家を狙ったのか?色々と謎を残したまま物語は終わってしまうが、それが怖さを増幅させている。
    最後の入居者募集は誰が何の目的で出してるのか。「入居者募集」のためじゃないよね...


    夫婦の過去が物語のキーになるのかなと思ってたけどそういうわけではなかったので、単純にこいつら(特に哲平)最低な夫婦だなとしか思えなかったwもうちょっと前妻のことを絡めてもよかった気もする。

    昭和に書かれた作品とは思えないほど古さを感じさせなかった。
    でももうちょっと和

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    2024年07月26日
  • ふたりの季節

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    三十年ぶりに偶然会えた恋人との時間。
    記憶がよみがえり、今目の前にいる人との
    時と思い出が鮮明に浮かび上がる。

    と、これだけ書くと、ありふれた話のようなのに、
    小池真理子さんが描くと、美しい夕暮れの
    かつて恋人だった美しい二人の情景が
    浮かび上がり、心躍らせて一気読みしてしまう。

    ほろ苦い中にも、今を肯定する言葉が
    胸に刺さる。

    特別な時間を過ごしたような読書時間だった。

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    2024年07月14日
  • 東京アクアリウム

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    ネタバレ

    久しぶり、そして2冊目になる小池さんの作品。語り手が女性のお話が7篇、男性が語り手のお話が一篇の短編集。

    主人公はどれも30代から40代。恋も仕事も色々と経験し、その人の過去を垣間見ながらこの先どうなるのか…と思った所で終わってしまうので、続きを読みたくなる物もあった。

    『風』は衝撃的。学生時代の同級生と不倫していた千晶。その相手である川原とした約束。まさか通夜にやってきて約束を果たすとは…。

    そして『父の手、父の声』は二ヶ月に一度新幹線に乗って不倫相手に会いに行く香織。

    どちらも夫と子供のいる普通の主婦なのに家族には見せない顔を持っている。しかし、誰しも本当の顔は自分しか知らないのか

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    2024年05月28日
  • ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選

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    花車が好きだった。どれも恋愛と幽霊を絡めたような話で好みではあるが、恋愛模様によくも悪くも昭和みを濃く感じる。

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    2024年05月25日
  • 死に向かうアダージョ 新装版

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    人里離れた厳冬期の山小屋にひとり残されたうえに、多量の薬を服用していて意識は朦朧、おまけに途中で脚を骨折してしまい、、、しかもそれが携帯電話など存在しない頃の話となればもはや生存は困難。そんな極限状態のヒロインを描いた本作はサスペンスよりもむしろサバイバルものに近い様相を呈す。千尋と多聞の関係に纏わるふたりの心情的な記述にやや物足りなさを感じたが、ストーリー全体として見ればなかなか面白かった。鍵となるのがカセットテープのB面という点も興味深い

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    2024年05月25日
  • 神よ憐れみたまえ(新潮文庫)

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    1963年、菓子製造会社社長夫妻が惨殺された。残された12歳の一人娘が、悩みながらも力強く生きていく大河小説。悲しいことも沢山起こるが、家政婦のたづを始め、心温まる人々も登場する。子供時代の描写や終盤の60代の心の動きなどが丁寧に描かれており、心が揺さぶられる。

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    2024年05月23日