小池真理子のレビュー一覧

  • 水無月の墓

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    死者との交流をテーマにした短編集といってよいでしょう。生きている、あるいは死んでいるというのがどういうことなのか一瞬わからなくなる幻想的な作品集です。ただ怖いかといわれると、あまり怖くはありません。そういった意味では怪談というには弱いのでしょうが、不可思議な味わいがあって読後感はよいです。
    幽霊というのは足がないものとは決まってないようです。「足」の藤椅子から白い足が伸びていて真っ赤なペディキュアを塗っているというのはなんだか幽霊話としてかえって生々しくて秀逸。他には「夜顔」と「私の居る場所」がいい。特に後者はじつに奇妙な味わいのある話ですね。

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    2026年01月26日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    宮部みゆき/新名智/芦花公園/内藤了/三津田信三/小池真理子   

    角川ホラー文庫30周年を記念する豪華作家陣によるホラーアンソロジー。
    以前読んだ「潰える」と比べるとホラーとしての面白さはあまり感じなかった。
    内藤さんはいちばんの得意分野ともいえそうな建築×ホラー。
    芦花公園さん、三津田信三さんは名前だけはずっと知っていて、はじめて作品に触れることができた。
    新名さんの作品は挑戦作としてはおもしろかったけれど、ホラーアンソロジーに載せるものなのかは疑問。

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    2026年01月04日
  • 墓地を見おろす家

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    ネタバレ

    怪異の原因が結局明言されずにモヤモヤする人も多いみたいだけど、わたしは嫌いじゃないよ。正直、墓地関係ない説もアリなくらいだよ。でも光線が差して人が蒸発する点については、あまりにも家という構造と関係なくてマイナスです。

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    2025年12月26日
  • 墓地を見おろす家

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    ネタバレ

    パニックホラーものだった。
    じわじわと迫るホラーものが好きなので好みには合わなかったけど、ラストは良かった。来るんかい笑

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    2025年12月13日
  • ウロボロスの環

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    ネタバレ

    なんだか昼ドラ的なドロドロ感もありつつ。
    下品な話になりそうだけど、小池真理子さんの筆力でなんだか情緒深く仕上がっていた。
    主人公には共感できなかったなあ。
    夫に疑われているのを知りながら、出張に出たとたん会いにいくあたりが浅はか。

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    2025年12月05日
  • ウロボロスの環

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    2025年。
    この方のスノビズムみたいなのが鼻について、長年読まなかったのだが、最近は新刊出れば読む。
    あいかわらず軽井沢だの骨董通りのアンティークショップだし、妻の不貞を疑う病的な夫とかなのだが、文章が丁寧なせいか、純文学を読んでる感じがしてしまう。
    夫の死後のどんでん返しも、ちょっと苦笑w ストーリーで読んでるわけではないね。スノビズム雰囲気を凌駕する筆力。

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    2025年12月10日
  • 贅肉 新装版

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    じんわりと来る怖さ。なかでも、ねじれた偶像が、好きだ。思い出すだけで、手に汗握る。その他もとてもトリッキーで良い。

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    2025年11月29日
  • 墓地を見おろす家

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    ネタバレ

    家系ホラーが好みなので購入。
    約20年前の作品ということだが、読みにくい等はなかった。
    タイトル通り墓地の側のマンションを購入したある一家に様々な怪異が起こっていくという話。そもそも墓地だけじゃなくてお寺や火葬場等も併設されているということでなかなか気味の悪い立地で何か起こらない方がおかしいだろうなという感じ。最初にペットの白文鳥が亡くなったことから始まるが、そこから怪異が始まっているように感じる。
    ただ単にマンションに何かがいるといった怪異だけでなく、この一家の夫婦の後ろめたい過去から序盤は起こっている怪異に対して気のせいだと思い、相談できない雰囲気なのも気味が悪い。

    最近のホラー小説のようなラストがあっけらかんとした感じはなく、最後までしっかり一家の様子が描写されている。ただ、結局のところ怪異の正体が何だったのか(過去に建設途中だった地下通路とマンションがつながったままであり、地下通路の上に墓地やら人が埋葬されていたりとやらで人ではないものと繋がっているみたいな話?)が、お寺の住職などがはっきりさせてくれるかなーと思っていたのでそこが残念だった。

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    2025年11月26日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    ホラーやミステリーで有名な6人の短編集。
    書き下ろし短編集ということもありそれぞれの特色が出ており始めて読む著書の作品も読むことができてお得な一冊だと思う。
    ただ、ホラー好きの方には若干ホラー要素は少なめな気がする。

    私自身のおすすめは新名智さんと小池真理子さんの作品。
    新名さんは本にしては珍しく読んでいくとゲームのような選択肢があり読者側に物語を選択させるという斬新なものであった。選択肢を変えれば何通りもの物語もある為、再読しても面白いと思う。ファンタジーかと思いきやしっかりオチもあり。
    小池さんは主人公が少し訳ありでそちらに目を向けすぎて全然真相に気づけなかった。最後は少し謎が残るが、主人公も大事な人を亡くして仲睦まじい家庭を羨むばかりか幻覚を見ていたのかなと…。

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    2025年11月17日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

    購入済み

    堕ちる

    内藤了さんの作品はいつも怖い。他の方も怖いと言えば怖いですが、、読み慣れてないせいか途中で読むのをやめてしまった物もありました。

    #怖い

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    2025年11月12日
  • ウロボロスの環

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    読み終えるのに5日くらいかかった。
    ひとつのシーンが長いせいか、内容云々というより、全体にもどかしさを感じてしまった。

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    2025年11月08日
  • 墓地を見おろす家

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    ネタバレ

     主人公一家が引っ越してきた新居はまさかの墓地に囲まれた家。怪談のシチュエーションとしてはもってこいのロケーション。何も起きないはずがない(笑)。
     テッペイ(夫)はミサオ(妻)とタマオ(娘)との3人暮らし。それにクッキーという飼い犬。近所に住む仲良くなったママ友や管理人さん。しかし、幸せな新居生活はすぐに一変してしまう。
     住むマンションには地下室があるがタマオがそこで遊んでいると膝をかまいたちに遭ったように怪我をしてしまう。それを機に怪奇現象が起き始める。止まるエレベーター、窓の手形。そして、家族が転居を試みる度に起きる不幸ごと。マンションは一家を手放す気などないのである。
     最終的には家族以外の住人は全て転居してしまう。家族も何とか転居の目途をつけ、引っ越しの準備を弟夫婦とするが、怪奇現象に弟夫婦も巻き込まれてしまう。マンション内からは出られなくなり、次第に関係の悪化が見られてくる。弟と非常食を取りに地下室へ行った際に一つの穴を発見、それは地下道らしきものに繋がっていた。
     地下道があったと弟は妻や義姉を呼び戻しに行くが…。最終的には姿なき亡霊の様なものにより弟夫婦は襲撃されてしまう!?テッペイたちは一度自室へ戻り、夫婦で愛を確かめ合おうとする矢先で、ぞろぞろと大勢の者がテッペイ宅を訪れる。果たして彼らは救助隊なのか、それともマンションに巣食う亡霊だったのか…!?

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    2025年11月05日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー第2弾。
    第1弾と第3弾は読んだので、読み残してた1冊。

    以下印象的だった作品。
    新名智「竜狩人に祝福を」
    ドラゴンに支配された世界でドラゴンを倒すために旅立つ主人公。
    ゲームブック形式は無条件にわくわくしてしまう。通常ルートで進むとたどり着かないページが点在していてそこを読むと主人公の背景が徐々にわかってくるんだけど、そのページが結構ぶつ切りになっていて、どうせならゲームブックの中に組み込まれて自然にたどり着くようになってたらさらによかったのになぁと思った。

    内藤了「函」
    突然一等地のお屋敷を相続することになった主人公。売れば3億円の価値があるという。喜ぶ主人公だが、その土地は呪われた土地だった。
    古いお屋敷の描写や、その家のいわくがどんどん明かされていくところがぞくぞくする。座敷牢ってなんであんなに怖いんだろう。ハエとか虫の描写で不快感抉ってくるところが内藤了さんだなぁと思った。

    三津田信三「湯の中の顔」
    バーでたまたま隣り合った男から聞いた湯治先での怪異体験。
    夜の温泉や山小屋での怪異との遭遇からの、そこから逃げる描写が怖くてさすがの三津田氏。最初の長々としたイニシャルトークは元ネタから拝借したけどパクったわけじゃないからねっていう言い訳かなと思ってしまうのは性格が悪いだろうか。Aの「K」とSの「M」しかわからん…。「怪異十三」は読んだので「竈の中の顔」も読んでるはずなんだけどさっぱり覚えていない。改めて青空文庫で読んでみたけど、言うほど類似してるとは思えなくて、なおさら最初のくだりが不要のように思えた。

    小池真理子「オンリー・ユーーかけがえのないあなた」
    司法書士事務所の助手として勤める主人公。故人の所有するセカンドハウスの整理に出かけたところ、そのマンションの管理人一家の暖かいもてなしを受けるが…
    怖い、というよりは悲しい話だった。

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    2025年10月30日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    小池真理子さんのが1番よかった。
    小池真理子さんのあの日にかえりたい は、なんか後をひく寂寥感があったなぁ。人生で自分と狭い周りのことだけ考えていればいい、無責任でキラキラした時限的な日々。
    私も学生時代によく遊んだ場所(いまは、100年に一度の大開発で全く変わってしまったけど)を時々思い出す。今も私の中の一種 パラレルワールドであのまま存在すると信じて。その当時の友達とは、全国バラバラでずっと会っていないけれど、やはり あの時のままパラレルワールドで一緒に遊んでいる。
    でも、思い出すと楽しいけれど、なんか寂しくなる。

    そんな気持ち。

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    2025年10月26日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミン、中学生の時、同級生女子からアルバム借りたな。思春期だな、嫁がファンじゃ無いから疎遠になったけど、ホントはこんな世界観が自分にはあってたかもね。

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    2025年10月11日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    ネタバレ

    とても豪華なアンソロジー集。
    ただ、傑作選ということもあり決まったテーマは特にないので、なんとなくとっ散らかったイメージがある。
    最もインパクトがある…というよりは厭な印象を受けたのは、鈴木光司さんの『浮遊する水』。再読のはずだけれど、やはり厭だ。

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    2025年09月30日
  • 懐かしい家 小池真理子怪奇幻想傑作選1

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    ネタバレ

    怪奇幻想傑作選1

    日常の隣に異形や幻想がひそむ―小池真理子さんらしさが詰まった短編集。
    死者との再会、過去の記憶、愛と恐怖の同居といったテーマが、静かな筆致で描かれる。

    『ミミ』 (集英社文庫『命日』初出)
    両親と婚約者を同時に事故で失った女性。絶望から立ち上がるために開いたピアノ教室に、一人の少女が通い始める。
    少女との交流は、主人公にとって救いであり、同時に過去と死者との境界を揺るがすような出来事を招いていく。

    「神かくし」 (新潮文庫『水無月の墓』初出)
    神隠しの能力を持ってしまった少女の物語。
    一見すると怪異譚だが、それはむしろ少女が生き延びるために編み出した「生き方の術」なのかもしれない。

    「首」 (ハヤカワ文庫『薔薇船』初出)
    兄に「この世は常世だ」と教えられた少女。やがて兄は亡くなり、首だけの姿となって現世に現れる。
    現世で再び亡くなった兄は、今度は「この世の常世」に生まれ変わっていく。

    「蛇口」 (『コットン』1991年8月号初出)
    人が死ぬとき、必ず「蛇口」が見えるという男。その異能がもたらす不可思議な運命。
    やがて彼自身が最後に目にすることになる「蛇口」とは――。これは 世にも奇妙な物語でドラマ化されたのを観た記憶があります。

    「車影」 (中央公論『見えない情事』初出)
    不可思議な「よみ交通」の車影。
    「貴方様を無事にお運びすることを使命としています」という言葉のもと、どこへ向かうのかも知れぬ旅が始まる。これもドラマ化された記憶。

    「康平の背中」 (新潮文庫『夜は満ちる』初出)
    望まぬ求婚を受ける女性の前に、4年前に事故死した愛する男が現れる。
    目の前にいるのは、果たして彼なのか―それとも異形の何かか。
    実はこれが一番怖い。ラストの一言をそこに持っていくセンス。

    「くちづけ」 (祥伝社文庫『午後のロマネスク』初出)
    わずか5ページほどの小品。
    罪を積み重ねながらも、どうしても結ばれたいと願う二人。
    果てしなく続くような長い旅路の先にあるのは。

    「懐かしい家」 (『デジタル野性時代』2011年初出)
    生まれ育った懐かしい家に、一人戻った女性。
    そこに広がるのは、かつての楽しかった記憶
    しかしそれは、幻想に過ぎないのかもしれない。
    山田太一『異人たちとの夏』を思わせるような、過去の幸福な時間との邂逅。懐かしさと幻想が溶け合う。表題作らしく、小池真理子の「記憶と死者の交錯」というテーマが凝縮されている。

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    2025年09月28日
  • 墓地を見おろす家

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    蔵書を整理してたら未読が発覚。有名なだけにとっくに読んだ気でいた。初出は1988年らしい。

    近頃の理詰めの怪異(どういう経緯で誰が誰をどうして呪って、だからこういう現象で、だから呪いを解くための行動は云々)と違って、怪異が純粋に怪異ってのが新鮮。やたらと解像度の高い昔話や、妄想じみた推理は(ほぼ)なし。冒頭、ペットの小鳥が変死するシーンから、夫婦の暗い過去の説明、どこか影のある住人たち登場と、ゆったり静かで不穏な空気感は嫌いじゃない。クライマックスのフィジカルっぷりにはちょっと笑っちゃったけど。

    和ホラーを体系的に把握しているわけではないけど、本作の功績はおそらく分譲マンションというモダンな場にホラーを持ち込んで、後続作品の足がかりを作ったことにあるんだろうと予想。単体で語り継がれるような作品ではないけど、雰囲気は好きだし、数時間で読めたのでまあよしとする。

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    2025年09月28日
  • 私の居る場所 小池真理子怪奇譚傑作選

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    小池真理子怪奇譚傑作選 第2弾

    小品ですが粒揃い
    個人的覚書です

    「仄暗い廊下の果てに」
    時折見る同じ廊下の夢

    「優しい既視感」
    日本家屋の光の妖しさ

    「襖の向こう側」
    古く大きな日本家屋の襖の向こう側

    「幸福の家」
    幸福だったその時に留まる哀しい魂

    「坂の上の家」
    その家はドールハウスの中に

    「私の居る場所」
    私しか居ない場所

    「千年烈日」
    小池真理子の造語と思われる
    千年の厳しい日々を示唆?
    ストーリーとしては、不倫でありながら純愛
    花の使い方とあわせ、夏目漱石『夢十夜』を思わせる

    「妖かし」
    無自覚に為出す怨念

    「灰色の猫」
    過去と繋ぐ公衆電話
    ただ、ここまで公衆電話が社会から減ってしまうとは思っていなかったろうな、と感じる

    「柘榴の木の下」
    生きている間に大事にしてくださいね

    「一角獣」
    好きであったであろう男の自死の後
    彼の話に出てきた一角獣と、彼の猫を待つ

    「囚われて」
    逃避の為の甘い幻想

    「カーディガン」
    カーディガンによってもたらされた安寧の場所は、あちらとの境界なのかな

    エッセイ編
    「狂おしい精神」
    三島由紀夫愛に溢れるエッセイ

    「神が降りた」
    直木賞受賞作『恋』執筆時に体験した、奇跡のようで奇妙な出来事についてのエッセイ

    「骸たちの静かな気配」
    軽井沢の別荘地での暮らしについて綴ったエッセイ

    私は小池真理子さんの小説が好きだと改めて思う。直木賞受賞作『恋』はもちろんのこと、数々のホラー・怪異系作品は、短編でも掌編でも、単なるホラーの恐怖で終わらせない多様なストーリーが読める。
    さらに、女子高生の頃から三島由紀夫を深く愛読されてきたことを知り、その背景に触れて、三島由紀夫の文章が好きだったとのことで、ますます惹かれました。

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    2025年09月17日
  • ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選

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    怪奇譚傑作選として甘美恐怖と戦慄の世界の
    エッセイと小説集

    「霊の話」
    小池さんの心霊経験談と母親からの体験談エッセイ。怪異の闇への起点。
    「死者と生者をつなぐ糸」
    お住まいの別荘地での出来事。生霊系エッセイ。
    「現世と異界」
    霊感の強いお母様の体験談エッセイ。
    生と死のあわいに存在する意識。
    「恋慕」
    父の弟である叔父は、美しい母に恋をしていた。叔父の死を悼む母と少女。
    死してもなお、慕われるのは母。
    「花車」
    学生運動のただ中の大学生活。
    妊娠も結婚も、案外深くは考えられていなかったのかもしれない。誤って命を落とした女性が、死後に見せる幸福な姿。
    「慕情」
    「恋慕」の続編。
    叔父との二度目の別れが、新しい出会いの扉を開く。
    「ふしぎな話」
    家出中の従兄弟の生霊と過ごした夏の一夜。
    彼の手には、その夜の記憶が残る。
    「夏の雨」
    夏の雨の中、魅惑的な夫の裏切りに快楽を見いだすのか。
    「年始客」
    長い歳月を漂った女が、年老いたかつての恋人に巡り合う。
    「旅路」
    好きな彼との二十歳の最愛の一瞬から、死の瞬間を繰り返す旅路。
    「声」
    醜い女の声を愛する男。自ら眼を潰して女を愛することを選ぶが、潰れたのは耳。
    「水無月の墓」
    不倫相手の突然の事故死。
    その死を受け入れていた女性が、後に知る真相。
    襖の先に和室が果てしなく続くような描写が、恐ろしげで印象的だった。
    「やまざくら」
    予感していた結末へと、不倫の行き着く先が静かに収束していく。


    小池真理子さんの怪異は、ご本人もおっしゃる通り、死んだことに気づかない魂の存在が多く現れる。
    また、不倫や血縁といった成就し得ない関係性を、多方面からパラレルに描き出しているように感じた。

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    2025年09月16日