小池真理子のレビュー一覧
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角川ホラー文庫30周年記念アンソロジー、2冊目。収録されているのは以下の6編。
宮部みゆき×霊能を持つ従姉とのひと夏の思い出、『あなたを連れてゆく』。新名智×狂気のゲームブック、『竜狩人に祝福を』。芦花公園×河童との三つの取引、『月は空洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ』。内藤了×一等地の土地家屋に秘められた呪い、『函』。三津田信三×怪談作家による怪談論、『湯の中の顔』。小池真理子×死後事務委任契約で訪れたリゾートマンションで遭遇する怪異、『オンリー・ユー―かけがえのないあなた』。
『潰える』と同様、名の知れた作家が名を連ねるホラーアンソロジー。新たな推し作家を見つけられるのを期待していたのだが、残念ながらピンと来る作品はなかった。敢えて挙げるとすれば、新名智『竜狩人に祝福を』だろうか。ゲームブック仕様で物語が進むという新奇な仕様。指示どおりに読み進めると辿り着くことがない隙間ページに、物語の真相が挿入されているのも面白い。仕様で物語の世界を作り上げている良き一作。 -
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ネタバレ女性だけでなく、男性の情念も昏く重くて。
埋み火のように意識の底で燃え続けていても、日々は続いていってしまったりするので。。
ほとんど不倫の話だ…と思いました。相手を壊し、自分も壊され。結婚した後でも恋する事はあるだろうけど、一歩踏み出すか留まるかだけなんだろうな。踏み出すからには何が起こっても受け止めてる人が大半なので信頼できます、小池真理子作品。
「一炊の夢」「妖かし」「一角獣」が特に好きでした。
他の方の感想にもあったけど、「声」は「春琴抄」を思わされました。女の声の美しさと顔の醜さもこの男だけそう思ってるかもしれなくて、実際は全然違うかもしれないと考えると業が深い。 -
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全体的に救いはたづさん(と美村さん)の周りだけ…
息苦しくなるような展開は多かった。
強く生きる人の一生の一例を見た感じ。
本人の魅力(内面も外面も)が良いようにも悪いようにも転ぶわことはあるけど、これはさすがに極端な例だとは思いたい…
ところどころの表現はとても素敵で、つい立ち止まり、メモしてしまった。
下にメモを2箇所分だけ載せる。
十一月の午後の光が世界を領していた。縦に横に斜めに乱反射する光は、枯れかけた無数のススキの穂先で弾け飛び、小さな球のようになって地面に転がっていった。空も大地も、木々も草も、すべてが鬱金色に輝いていた。
石川夫妻には、野を駆けめぐる動物のごとき強靭な生命力がある。喪失の哀しみは、それがどれほど深いものであっても、次の何かと引き換えにできることを彼らは知っている。やがて絶望は絶望ではなくなる。希望の光が射し込んでくる。生きていくための新たな地平が開かれる。 -
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ネタバレ10人の作家さんが描く怪異の短編アンソロジー。多種多様な怖い話。一体、どこからこんなアイデアが出てくるのかと驚きながら楽しみました。
恩田陸『曇天の店』
北陸の料理屋。開けてはいけない勝手口。フェーン現象がつれてくるカワケが人を狂わせる。ラストの夫婦の会話が不穏で、余韻たっぷりで終わる。
米澤穂信『わたしキャベンディッシュ』
バナナの種って貴重なんだなあ。シゲルはどんな味なのかしら。
村山由佳『ANNIVERSARY』
小2のときの儀式が35歳で効果を発揮?
夫と息子と幸せに暮らしていたのに、少し違う世界で小2からやりなおし。新しい世界で新しい家族と幸せになっても、新旧、どちらも裏切っている気持ちになるのはしんどいですね。何回も繰り返すのかな。おかしくなりそう。
窪美澄『真珠星スピカ』
いじめられてる女の子。死んだお母さんが自分だけには見えている。空気の読めない担任(隣のお兄ちゃん)、いいお姉さん感がすごい保健の先生、不器用なお父さん。中学生の女の子の一人称で書かれていて、思春期のヒリヒリやヒヤヒヤが感じられてよかったです。ラストのお父さんのセリフ、泣いちゃいました。
彩瀬まる『マイ、マイマイ』
鈴白くんと別れることになるだろう。好きなのに。鈴白くんの落とした白い石には、彼の“恥”が入っていた。マイマイを戻さない選択をした主人公が偉いなと。
阿部智里『李果を食む』
兄弟で同じ現象を体験してるはずなのに、見てるものがまっっったく違う。怖い。スモモ?リカ?どっち!? 読み返しました。
朱川湊人『フクライ駅から』
友人が精神病院に入院した。彼の妹曰く、彼が都市伝説の生みの親だという。それがきっかけでおかしくなったと。しかし、友人は主人公にだけあるメッセージを送ってきて。人の裏の顔。そして、ラストは自爆していくのかな。疑心暗鬼のおまじないをかけられたのだろうか。こうなったらもう、戻れない。怖い。
武川佑『細川相模守清氏討死ノ事』
時代もの。幕府から追放された細川清氏と、彼に仕える小姓、孫七郎。彼らと烏天狗の因縁。時代ものは分からないところもあるのですが、アクションあり、情ありでおもしろかったです。烏天狗になるのは嫌なことかもしれないけれど、なってしまったら、それすら嘲笑うようになるのかな。
乾ルカ『かぐわしきひと』
自殺した双子の兄の遺品整理中に見つけた写真。そこに写っている美女に魅入られて…。そっちか!と見事にだまされました。残酷で美しい話。
小池真理子『喪中の客』
鳴らないはずのブザーが鳴った。訪ねてきたのは、妹の不倫相手の妻。終始、不穏な空気が流れていて、ゾクゾクしました。ラストは怖いからあんまり想像しないようにします。笑