小池真理子のレビュー一覧

  • 死の島

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    読んでいて決して愉快な気分になる本ではない。が、死を前にした、そこそこ社会的な地位を得ながらも身寄りのない、孤独な人の内面が突き詰められ、丁寧に描き出されており、引き込まれる。

    周りの風景や人々のちょっとした動き、表情などが見逃さず描写されており、そこからまた想像が膨らみ、状況がリアルに迫ってくる。楽しい終わり方ではないが、何かにつながる事も予感させ、
    「重い.暗い」だけではない、力強さも感じさせてくれる物語だった。

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    2023年03月29日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの名曲と作家が紡ぐ6編のストーリー。

    ○あの日にかえりたい〜小池真理子
     ちょっとした嘘で気まずくなった友、苦い思い出。
    ○DESTINY〜桐野夏生
     規則正しい生活の中に運命の人だと感じた出会い。
    ○夕涼み〜江國香織
     老女たちの沈黙の中に見えてくる感情。
    ○青春のリグレット〜綿矢りさ
     身勝手な主人公はどうするのだろう。
    ○冬の終わり〜柚木麻子
     女たちの感情のやりとりがあるある。
    ○春よ、来い〜川上弘美
     願いを叶える能力があれば、どう使うのか。
     きっと春は来る…という結末。

    ユーミンの歌は、どことなく哀愁があって心にじんわり沁みてくる。
    それに合わせて物語もありふれた日常

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    2023年03月24日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    毎週末スキー三昧だった20代の頃。クルマでユーミンの番組をラジオで聞きながら帰路に着くのが常だった。ラジオからはユーミンの曲とリスナーから寄せられた葉書がオーバーラップしてた。

    50周年記念のアルバムから6つのストーリーが作られている。ユーミン、全曲聴きながらストーリーを妄想したくなる。
    「あの頃に帰りたい」帰れないけど、思い出にはひとり帰ることはできる。せつない。

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    2023年03月07日
  • 沈黙のひと

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    いざ介護となった時に、その人の心を拾えるのか。
    過去を受け入れられるのか。みたいな感じ。
    愛情ってのは形が変わってもあるべき姿があるんだな、そんな話し。

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    2023年03月04日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    「あの日にかえりたい」「DESTINY」「夕涼み」
    「青春のリグレット」「冬の終り」「春よ、来い」

    ユーミンの名曲に乗せて6人の女性作家が書き下ろした短編集。

    原曲に忠実にと言うよりは其々の作家さんが発想を飛ばして紡いだ物語。

    異性を挟み些細な事で仲違いをしてしまった女性を描いた小池さんの『あの日にかえりたい』は誰しもこれに近い経験がありそう。

    男性を主人公にした桐野さんの『DESTINY』には悲喜劇的なものを感じ、大学職員の彼にちょっと同情。

    川上さんが描く『春よ、来い』は辛辣さもありながら最後は温かな余韻が残る。

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    2023年02月18日
  • 蜜月

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    何もかもお洒落だったし、この短編集のテーマというかシチュエーションが最高だった。
    辻堂環はクズだしそれにホイホイついてく女たちもどうかしてるけど、圧倒的魅力のある男性を前に人間性を捨てていく女たちの様子が楽しかった。
    似たような作りの話何作でも読みたい。
    一番最初の恭子が一番傷が浅くて健全な失恋体験なのかなと思った。
    千里と知美の関係がとても良かった。
    こういう女同士の傷の舐め合いみたいなのすごい好き。

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    2023年02月02日
  • 異形のものたち

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    日本的な、精神に来るタイプのホラー短編、サクサク読める。サクサク読めるが、しっくり来ずに終わりまくる。怪談めいた実話があっても、正体がわかることなんてないんだろうし、そう思うとリアリティがあるじんわり怖い系。

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    2023年01月15日
  • 妻の女友達

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    ネタバレ

    タイトルに惹かれ購入した、サスペンス短編集。タイトルから連想する痴情のもつれから収拾がつかなくなっていく系?と思えば、そうではない。若干ではあるが芦沢ミステリー感もあり(イヤミス?)しかしながら、どこかしら品を感じるのは作家の持つ文才が成せる技か?どの話もサラッと読め面白いが、まぁ普通。

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    2023年01月15日
  • 私の居る場所 小池真理子怪奇譚傑作選

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     角川ホラー文庫版、小池真理子傑作選の第2冊。収録作品は1997年から2017年辺りに発表されたものらしい。
     巻頭の「幸福の家」が最も印象が強く、途中までは普通小説として読めて、冷静な文体にそれなりの詩情も漂う。油断していると思いがけない暗転に至るのだが、そこまでに醸成された情趣を言及することで、作品としての完結を示している。
     他は、今ひとつかなという結末のものもあるが、総じてこの人のホラー小説は悪くない。書こうと思えばごくオーソドックスな普通小説も書ける人なので、それなりに力量が高いのだろう。

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    2023年01月11日
  • 夜の寝覚め

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    漫然と朝を迎え、夜を迎える
    永遠に持続する関係などないのである。愛も情熱も友情も、変容がそれに取って代わる。私たちは一刻も同じ形をしていないのだ。
    私たちは変わっていく

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    2022年12月03日
  • 欲望

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    著者の直木賞受賞作「恋」よりはまだ理解できる内容。だけどやはり、そこまでこじらせなくてもよくない?今ある現実に満足しようよと思ってしまう私にはあまり共感できない。三島由紀夫オマージュという内容だったけど、三島由紀夫もこじらせ系なのか。読んだことないけど。

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    2022年11月22日
  • 死の島

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    定年退職後はそれまで勤めていた出版社の関係で、文芸アカデミーの講師を努めてした澤。
    癌が見つかり、その職も退くことに。
    妻と娘は、澤の愛人問題で離婚してから疎遠となっており、孤独な身である。
    そこへ現れたのが、文芸アカデミーの生徒だった樹里だった。
    澤が引退の日にやって来て、澤の病気を知って何かしたいと申し出る。
    少しの間に二人の時間はあったが、澤は自分の最期を決めており、樹里を遠ざける。
    孤独な者が自分の最期を感じた時、どのように幕を下ろすか…決して他人事ではないと感じる場面が多く、胸が締め付けられるような感覚が襲った。

    2022.11.13

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    2022年11月13日
  • 怪談

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    毎晩寝る前に一話ずつ読んで、ゾワゾワ。
    それぞれの短編にオチがなくて、逆に気になって読んでしまいました。

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    2022年10月22日
  • 無伴奏

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    恋3部作の第1作。第2部の「恋」を先に読んでしまった私にも充分楽しめた作品。
    70年代の若者の混沌を知っている私には、時代背景がスッと入って来てわかりやすかった。響子の心の描き方、渉の仕草や言葉遣いの描き方、私が小池作品を好む理由。
    恋を先に読んでしまいそちらのインパクトが強過ぎた故の評価となってしまった。星半分もあればいいのになぁ

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    2022年10月09日
  • 死の島

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    中々重みのある作品だった。人の死というテーマに真っ向勝負する圧倒的な筆致の高さに舌を巻いた。そしてあまり知られていない尊厳死ということについても、考えるきっかけになった。人は死をどう選ぶか。死を選ぶことは権利なのか、それとも悪なのか。

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    2022年10月24日
  • 沈黙のひと

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    重いテーマの小説。しかし、非常にためになりました。親の介護、病気とどう向き合うか、本人の意思、パーキンソン病の辛さ、やっぱり人の命って、重いものですね。

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    2022年09月19日
  • 恐怖配達人

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    短編小説がいくつも書いてあり、
    2つ程、途中でやめてしまったが、
    基本的にはとても面白いです。
    個人の感想です。

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    2022年09月08日
  • 彼方の悪魔

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     1991(平成3)年刊。
     ホラーではないサスペンス小説。ペストと、女性キャスターを狙う変態ストーカーの犯罪との2つが絡むストーリー。
     コロナ禍を経験した現在から見れば、ここでのペストには「勢い」が足りなく、犠牲者が少ないのが、パニック小説としては物足りなく感じられてしまう。
     一方ストーカーの変態心理については、ステレオタイプな理解しか語られず凡庸な感じがする。
     例の淡々とした特徴の無い文体で語られていくのは良いが、時として地の文で特定の世界観・人間観が織り込まれてくると、その浅さが気になってしまう。
     とはいえ、面白い小説ではあって、水準には達していると思う。ちゃんと伏線が回収されて

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    2022年08月30日
  • 墓地を見おろす家

    ネタバレ

    オチがない。

    聞いたことのある本だったので手に取りました。
    日常と非日常の交差、生と死の交差、序盤から色々な伏線が散りばめられており、ドキドキしながら少しずつ読み進め、後半、怪異が本格的に顔を出し始めてから一気に読み終えました。
    文章が上手いので面白い…といえば面白いのですが、あれだけ大風呂敷を広げながら、意味ありげに出てきた前妻の位牌も、火葬場や墓地も、打ち捨てられた町おこしの計画やトンネルも、何一つ伏線が拾われないまま、いつの間にか物語が終わりました。
    正直、仕事をやり切らないままに放っていかれたようなこの読後感にはかなり不満。

    #ダーク #怖い #ドロドロ

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    2022年09月28日
  • ソナチネ

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    2022年8月8日
    最後の話は読んだ記憶があり。
    ピアノの先生の仕事も婚約者のこともほったらかして熱に浮かされる。
    あるかもね。

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    2022年08月09日