小池真理子のレビュー一覧
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哲学的・文学的尾行をやってみたら…と好奇心で動く珠に共感できず、なんかずっと気持ち悪さが付き纏っていました。
ずっと下手くそな尾行をしているのに悦に入ってるし、その上タクを疑いまくりなのがキモいな〜と思いました。でも結局タクとも仲良くやっていけそうだし、石坂とも和解?しちゃって…いいの?こんなに赦されまくって良いのかしら?とちょっとモヤモヤ。
篠原教授と珠が2人きりで尾行について話す時「恭しく箱に並べられていないところがいいですね。チョコレートというものは、こんなふうにぎゅうぎゅうに、乱暴に詰めこまれているほうが、〜」というチョコのくだりはそうそう!と思いました(笑) -
Posted by ブクログ
ユーミンの名曲と作家が紡ぐ6編のストーリー。
○あの日にかえりたい〜小池真理子
ちょっとした嘘で気まずくなった友、苦い思い出。
○DESTINY〜桐野夏生
規則正しい生活の中に運命の人だと感じた出会い。
○夕涼み〜江國香織
老女たちの沈黙の中に見えてくる感情。
○青春のリグレット〜綿矢りさ
身勝手な主人公はどうするのだろう。
○冬の終わり〜柚木麻子
女たちの感情のやりとりがあるある。
○春よ、来い〜川上弘美
願いを叶える能力があれば、どう使うのか。
きっと春は来る…という結末。
ユーミンの歌は、どことなく哀愁があって心にじんわり沁みてくる。
それに合わせて物語もありふれた日常 -
Posted by ブクログ
定年退職後はそれまで勤めていた出版社の関係で、文芸アカデミーの講師を努めてした澤。
癌が見つかり、その職も退くことに。
妻と娘は、澤の愛人問題で離婚してから疎遠となっており、孤独な身である。
そこへ現れたのが、文芸アカデミーの生徒だった樹里だった。
澤が引退の日にやって来て、澤の病気を知って何かしたいと申し出る。
少しの間に二人の時間はあったが、澤は自分の最期を決めており、樹里を遠ざける。
孤独な者が自分の最期を感じた時、どのように幕を下ろすか…決して他人事ではないと感じる場面が多く、胸が締め付けられるような感覚が襲った。
2022.11.13