小池真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
定年退職後はそれまで勤めていた出版社の関係で、文芸アカデミーの講師を努めてした澤。
癌が見つかり、その職も退くことに。
妻と娘は、澤の愛人問題で離婚してから疎遠となっており、孤独な身である。
そこへ現れたのが、文芸アカデミーの生徒だった樹里だった。
澤が引退の日にやって来て、澤の病気を知って何かしたいと申し出る。
少しの間に二人の時間はあったが、澤は自分の最期を決めており、樹里を遠ざける。
孤独な者が自分の最期を感じた時、どのように幕を下ろすか…決して他人事ではないと感じる場面が多く、胸が締め付けられるような感覚が襲った。
2022.11.13 -
Posted by ブクログ
1991(平成3)年刊。
ホラーではないサスペンス小説。ペストと、女性キャスターを狙う変態ストーカーの犯罪との2つが絡むストーリー。
コロナ禍を経験した現在から見れば、ここでのペストには「勢い」が足りなく、犠牲者が少ないのが、パニック小説としては物足りなく感じられてしまう。
一方ストーカーの変態心理については、ステレオタイプな理解しか語られず凡庸な感じがする。
例の淡々とした特徴の無い文体で語られていくのは良いが、時として地の文で特定の世界観・人間観が織り込まれてくると、その浅さが気になってしまう。
とはいえ、面白い小説ではあって、水準には達していると思う。ちゃんと伏線が回収されて -
ネタバレ
オチがない。
聞いたことのある本だったので手に取りました。
日常と非日常の交差、生と死の交差、序盤から色々な伏線が散りばめられており、ドキドキしながら少しずつ読み進め、後半、怪異が本格的に顔を出し始めてから一気に読み終えました。
文章が上手いので面白い…といえば面白いのですが、あれだけ大風呂敷を広げながら、意味ありげに出てきた前妻の位牌も、火葬場や墓地も、打ち捨てられた町おこしの計画やトンネルも、何一つ伏線が拾われないまま、いつの間にか物語が終わりました。
正直、仕事をやり切らないままに放っていかれたようなこの読後感にはかなり不満。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編でも長編でも、小池氏の物語の主人公は比較的中年層の人物が多いのだが、本作品の主人公は25歳の現役大学院生である「珠」。その点でも新鮮味があって楽しめたし、珠の当て所なく街を歩く描写やカロリーオーバーになってることに気付きながらも食事を進める姿には、当時大学生だった自分自身と重なるところがあり、個人的には親近感を覚えた。
物語は安定の小池節が炸裂し、日常風景に潜む心理サスペンスに見事に惹きつけられた。
中盤の展開は、ページをめくる手を止められないほど夢中で読み進められたが、その分期待が大きくなり過ぎてしまったのか、ラストはやや消化不良に感じた。
馴染みある鉄道会社の名前が出てきた為、