小池真理子のレビュー一覧
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ネタバレ久しぶり、そして2冊目になる小池さんの作品。語り手が女性のお話が7篇、男性が語り手のお話が一篇の短編集。
主人公はどれも30代から40代。恋も仕事も色々と経験し、その人の過去を垣間見ながらこの先どうなるのか…と思った所で終わってしまうので、続きを読みたくなる物もあった。
『風』は衝撃的。学生時代の同級生と不倫していた千晶。その相手である川原とした約束。まさか通夜にやってきて約束を果たすとは…。
そして『父の手、父の声』は二ヶ月に一度新幹線に乗って不倫相手に会いに行く香織。
どちらも夫と子供のいる普通の主婦なのに家族には見せない顔を持っている。しかし、誰しも本当の顔は自分しか知らないのかもしれない。 -
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ネタバレ角川ホラー文庫だったので、手に取りましたが、怖い要素は少な目でした。
短編集だからと目次から摘まんで読んでみたら、時系列でつながっているお話もあったので、順に読む方が分かりやすいです。
死者の想いと触れ合う物語たち。読んでいて、死者と生者の境界線の揺らぎを感じ取れました。読み終わった後は、古い友人と再会した時のような、嬉しさ、寂しさと懐かしさが綺麗に混ざったような気持になりました。これがノスタルジーでしょうか。
---13編の中から何個かあらすじと感想---
『死者と生者をつなぐ糸』
あらすじ:私は14年ほど前、いるはずのない場所で、母の形をした何かとすれ違う。
こういう奇妙な体験がいくつもある。昨年、母が死んだ。もう現世にはいないが、
「母」の見た目を保った何かとすれ違うかもしれない。(中身は多分母ではない)
感想:理解不能な領域に踏み込もうとしているなーって感じがした。14年前、すれ違った「母」は、本当に何だったんだろう、、。
『現実と異界』
あらすじ:母は、空想好きの可愛らしい人。母から日常的に怪異譚を聞かされて育った私。これは本当に怖い!という話を聞くと、母はあっさりした口調で、死者を恐れていない様子。母は、日常の一つとして死者と交流している。
私は、母の影響もあってか幽霊話などが好きだった。作家になった私は、ホラー小説を書いている。
感想:
(一部要約)母から聞かされた怪談話は、死者と生者が一体化し、妙に現実的。特に理由もなく、ふらっと現世に顔を出す死者というのは、美しい情景だ①。いくら震えあがるような怖い話であっても、読み手の美意識をくすぐるような情景が潜んでいなければならない②。
①「ふらっと現世に顔を出す死者というのは、美しい情景だ」個人的には美しさというより神秘的という感覚に近いものを感じた。
②「いくら震えあがるような怖い話であっても、読み手の美意識をくすぐるような情景が潜んでいなければならない。」他の話を何個か読んでから「現実と異界」を読んだので、確かにどのお話も一貫してその情景が感じられたなあと思った。
『恋慕』
あらすじ:私の叔父が死んだ。
叔父は亡くなる前、行き先を告げずに家を出て音信不通だったが、死ぬ前日、私に大好き、かわいいと電話をかけてきた。次の日、自殺で死んだ。
アメリカで映画俳優の夢破れ、実家に居候し始めた叔父。叔父は父よりはるかに美男子。叔父は酒におぼれてだらしない男だった。私と同様、母も叔父に惹かれているらしい。私は叔父を大人の男性として意識するが、叔父が好きなのは私の母。しかも母が父と結婚する前から。そんな三角関係で揺れる私。それなのに叔父は、私をお嫁さんにしたいと冗談を言ってくる。思わせぶりなのか本気なのかつかめない。
そして突然の死。何で死んでしまったんだろう。ある夜、叔父が化けて出て、慈しみの念を感じた。私を見たあと、母のところへ向かう、叔父。絡まった感情が伝わってくる。叔父は、名残惜し気に夏の空へ消えていった。
感想:いるよね、叔父さんみたいなどんな年代の女性も惹きつける人。
顔は整ってて、だらしないところが、母性本能くすぐりそう。
私(主人公)の叔父さんへの感情は恋でも愛でもない。ファンとか推しが近いのかな。叔父さんも思わせぶりな言動ばかりして、ホストと女の子みたい。 -
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小池真理子さんのホラー短編集。
「面」
「森の奥の家」
「日影歯科医院」
「ゾフィーの手袋」
「山荘奇譚」
「緋色の恋」
それぞれ、ホラー部分だけでざわざわではなく、全作品に男女関係(多くは男性の不貞)のざわつく感情と共に読ませてくださいます。
しかもこのうちの何作かは、見える方だったらしいお母様からの言い伝えがあるらしく、再びざわざわ。
そして、何が怖いか書ききらないところが、よろし。
解説の東雅夫さんの肩書きにアンソロジストとあり、アンソロジーを編纂する者という言葉があるらしい。
確かに最近アンソロジーが増えた。増えすぎて重複している作品も見かけるけれど。
東さんは、「時代の評価が定まった名作佳作」を編むタイプらしい。なるほど。 -
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大人の愛、日常に潜んでいそうな心かき乱される7つの短編からなります。
◾️鍵
死んだ夫から見つかる鍵をめぐる物語。夫への愛おしさと次の世界への旅立ち。ドキドキします。
◾️木陰の家
愛人へのくるおしい心と父親への思い。複雑に絡まり、虚しさが込み上げてきます。
◾️終の伴侶
何の面白みがなくて別れた夫との結末。人生の最後に孤独であることへの慟哭に感動です。
◾️ソナチネ
ピアノ練習曲ソナチネ演奏中におこる熱情。心の動き、燃え上がる激情の描き方、臨場感が凄いです。ここで終わり?と言いたくなる短編。
◾️千年萬年
マッサージを巡る女性の抑えられない気持ちが詳細に描かれていますね。性描写までいかないギリギリが綺麗な文体になり、引き込まれてしまいます。ここで終わり?II 叫びたくなる短編。
◾️交感
手紙のやりとりで成り立つ物語。老人と若手作家の組み合わせが面白い。最後は、、、
◾️美代や
手紙からフラッシュバックする美代やの思い出。母と父の思い出も美代やを中心に巡っていく。やはり!と思いながも最後まで引き込まれます。
女性心理が、さまざまな角度から描かれています。ギュッと味わって、ジワーっとひろがるような短編の面白さを満喫できる一冊です。 -
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【2024年10冊目】
ホラー小説のアンソロジー!1作目から怖くて、「どうしよう寝れない怖い」となりましたが、いろんな作家さんのホラー小説が味わえて、結果オーライでした!
1番怖かったのは、やはり「浮遊する水」でしょうか。「仄暗い水の底から」も拝読したことがあるので、多分読んでるはずなんですが、当然のように覚えてなくて、恐怖再来でした。今でもCM覚えてます、蛇口から髪の毛出てくるやつ。あれようお茶の間に向けて流してたな。
「猿祈願」もぎょっとする話で、あんまり想像しないようにして読みました。因果応報なのだろうか、でも子どもに罪はないのに…。
「影牢」はさすがの宮部みゆきさん!といった文体と、ただでは済まさないぞという結末が素晴らしかったです。本当に何読んでも外れない方ですね。
読んだことのない作家さんの話も読めて楽しかったです。でも、怖かったんで話の内容はなるべく記憶から消すようにしたいと思います!