小池真理子のレビュー一覧

  • ソナチネ

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    ネタバレ

    生と死とエロスかあ。著者の得意分野ですね。
    若干ミステリーというかホラー分野も取り入れた本作は、なんだか気味が悪いような、でもエロティック。文体が美しいので気味の悪さが増すのかな。
    「千年萬年」はどこかで読んだことある。

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    2017年03月10日
  • 狂王の庭

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    映画化された小池さんの「二重生活」がとても面白かったので、「青山娼館」に続いて3冊目。
    少しどんなだろうと心ひかれる設定は、お上手。帯に書かれると、思わず手に取ってしまう気になる度。
    でも、3冊にして、3冊とも不倫が関わってくる。私は、不倫を目の当たりにしたこともあり、その実際の不潔さを気持ち悪く思っており、安易に本で煽りたてるネタではないと思っているので、不倫が出てくるとよくある設定に感じて、がっかりしてしまう。

    今度は、妹が惚れてやまない相手を奪うという人間的にも下衆な関係を描いていて、食傷してしまった。

    もう小池さんは、しばらくいい。

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    2017年03月05日
  • 雪ひらく

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    6編からなる短編集。各話の話の主人公は皆もう若さの盛りも過ぎ、老いること、身近にある死、それでも身体の裡にくすぶるかのような官能を感じられ、短いお話でしたが小池さんのエッセンスがぎゅっと凝縮されていて楽しめました。いつもながらの美しい描写に、匂い立つような官能の表現が素晴らしかった。

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    2017年02月27日
  • 青山娼館

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    小池さんは、「二重生活」がものすごくワクワクしたのでもう一冊読んでみたけど、これはまぁまぁかな。
    でも、やっぱり独自性はあると思う。
    どうなるんだろう?っていうのは、あったので、悪いお話ではないと思う。ただ、私、やっぱり基本不倫ものは好きじゃないんだなー。。。安易なネタに逃げている気がどうしてもしてしまうし、そんないいものじゃない。

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    2017年01月15日
  • ふたりの季節

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    本書を何気なく購入し、読み始めた直後、なんとなくその洗練された文体が鼻につき読むのをやめた。
    それが今ではサクサクと一時間と少しで読めたのだから読書も本人のそのときの心の持ちようで大きく変わるのだな、と実感。
    余談はさておき最初にも書いた通り何気ない風景や心の有り様を実に洗練された文章で表現されていて、終始キラキラしたものを目にするような感覚でいた。
    登場する由香と拓はすっかりおじさん、おばさんという年齢なのに非常に美しい2人を想像してしまう。
    様々な苦悩や喜びを含んだ経験を重ねてなお瑞々しい人生を歩める、随分遠くまで来ても尚、道はさらに続いている。
    学生時代にこんな熱い思いを交わした2人にも

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    2016年09月23日
  • 映画は恋の教科書

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    いきなり、ジュエット・ルイス、グウィネス・パルトウ、ヘレナ・ボナム・カーター・・・???
    映画をそれほど多く見ていないので、馴染みの女優がいない。
    そこは恋愛小説の名手が描く、俳優・女優たちのデッサンと銘打っての通り、見た事もない?女優がいきいきと描き出される。
    描写力というのはこういうものかという思いがする。
    伊達に筆で生計を立てているのではないという根性に参ってしまうが、ジョニー・デップ、リチャード・ギア、アンソニー・ポプキンス、堤真一、高倉健等の知った俳優が出て来ると、ホッとするのも事実だ。
    映画好きの人には堪らない魅力の本に映るのではないだろうか。

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    2016年09月12日
  • 欲望

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    小池真理子らしい、濃密な物語。
    阿佐緒の奔放さが切ない。能勢と主人公との交わりも、正己の秘密も。ぐいぐいと読ませるけれど、なんだか読後感はどっとくる感じ。

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    2016年08月17日
  • 柩の中の猫

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    帯の〝この体験は読書の恐ろしさを教えてくれる〟に惹かれてセレクトしましたが…。
    なんとも、そのまんま…というか、先が丸見えで、驚きもショックもなく、実に規則正しい素直なミステリーでした。

    描写が丁寧で、綺麗で、田舎のゆっくりと過ぎる時間が風景として見える美しい文体。
    その、ゆっくりとした時間の中にある、人物らの喜びや嫉妬、様々に揺れ動く心の乱れ。
    相反する静と動が感情を際立たせている。
    表現はとてもいいのだけど、先が見えすぎて…終わりまで「ああ、やっぱり」の連続なのが、残念でした。
    2016.08.16
    今年の19冊目

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    2016年08月16日
  • 無花果の森

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    表紙の無花果のイラスト(と思ったら実は写真でした)が綺麗だったので、そこまで惹かれるあらすじじゃなかったけど購入。小池作品にある大人のしっとりとした色気と激しい情熱を押し込めたような雰囲気が好きです。
    とにかく八重子とサクラが良いキャラだなぁ。2人ともただ主人公を助けるための脇役じゃなくて、ちゃんと歳を重ねるごとに刻まれていく良い感じの小狡さみたいなのもあって、味わい深いキャラクターだなと思いました。
    個人的に鉄治に魅力を感じなかったので2人の恋愛に関してはさらーっと読み流しました。それよりも泉が岐阜まで逃げてきて鉄治と再会するまでが面白かったです。大崖に関して、岐阜って大垣の他にも似たような

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    2016年08月19日
  • 沈黙のひと

    購入済み

    写実的小説でした

    やはり作者を主人公にした実話に基づくものでしたね。
    実に淡々と美化もせず写実的にさらけ出した作品に感動しました。
    最後に作者のこれまでの人生を振り返るところ、同じ年代の当方自身の人生も省みる機会を与えられました。

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    2016年05月29日
  • ふたりの季節

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    30数年ぶりに再会した男女の話。小池さんらしい端整な文章で綺麗にまとまっていますが、2時間程度でさらりと読めてしまうので、短編で十分ではないかという印象。

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    2016年05月08日
  • モンローが死んだ日

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    終盤おもしろくなるのを知ってたのもあると思うけどそこに至るまでの長さは気にならなかったし,終盤も期待どおりおもしろかった。量刑が緩い気がしたけど,背景事情がきちんと理解されたらこのくらいになるのかな,と考えさせられ面白かった。
    小池真理子は読むことはないだろう部類の人だったけど,他の本も読んでみようかなと思う。

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    2016年02月29日
  • 瑠璃の海

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    結局のところ、ラストをいかに正当化というか美化というか、読者に納得させるための話しかな・・・
    ラストから読んだ後に「ふーん・・・?」となってしまったので、イマイチ。

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    2016年02月13日
  • 会いたかった人

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    ネタバレ

    会いたかった人
    結婚式の客
    寄生虫
    木陰の墓
    運の問題
    甘いキスの果て


     在りがちな、どこかで読んだことのあるような展開と結末。でも、娯楽としてはとても楽しめる話ばかり。
     平易な描写表現、テンポのいい展開。おもしろくて、楽しめる話ばかりだった。
     『会いたかった人』、『結婚式の客』、『甘いキスの果て』、どこかでその思い詰め過ぎるサイクルを止められれば、そのような結末は起こらなかったのに。人間は、一人で思い詰めて一人でそこから抜け出そうとして、どこか間違った方向に出てしまう傾向があるのかな、と思った。
     何か教訓を得る、とか、知らない世界を垣間見る、とか、あまりそういうタイプではない、娯楽

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    2016年02月07日
  • モンローが死んだ日

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    あらすじは。
    軽井沢に住む未亡人が精神を病み、精神科に通うようになる。治療を受けていくなかでその精神科医と恋に落ちる…その精神科医がある日突然姿を消す。

    この作家さんは軽井沢の四季の移り変わりを表現するのがとてもうまい。精神を病んでいるシーンは重く続けて読めるかな?っと思いましたが

    二人が心を通じあわせて行くシーンになると、穏やかで暖かく読むペースもあがりました。

    何故医師が失踪したのか。
    真相はなんとなく無理がありそうな話ではある
    けれど、題名のモンローが死んだ日という意味が
    最後まで読むと分かる。


    ミステリーとしては弱いけれど
    50代の大人の恋は穏やかで優しい気持ちにさせる。

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    2015年12月05日
  • 死に向かうアダージョ 新装版

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    ネタバレ

    読んでて辛ーい。なんで不倫の結果、死ななきゃいけないの?二人で生きていくから幸せなはずなのに。
    すごい展開だった。。

    首を絞められるとあんなに体がボロボロになるんだな。。こわいこわい。

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    2015年11月17日
  • 雪ひらく

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    不倫ネタばかりの短編集。表題作が一番良かった。一人でテレビを見てる大晦日の描写が秀逸。著者は短編作りと情景描写が本当に上手いと感じる一冊。

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    2015年10月22日
  • Kiss

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    どの話も短編として無難に纏まっているけど、印象に残る話は少ないかな。
    驚くようなオチが用意されているわけでもなく、淡々と終わってしまう。
    キスをモチーフにした短編集の割にはハッピーな恋愛は少なく、甘い恋愛を想像して読みたいのであれば不向きです。

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    2015年10月22日
  • モンローが死んだ日

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    小池さんの描く世界は、静かで落ち着いていて、自分自身の日常と対照的なので、とても憧れてしまう。
    舞台になる軽井沢あたりの自然や風景も素敵。還暦前の女性の恋もすんなり受け入れられる。
    予備知識なしに読んだものだから、恋愛模様がずっと描かれるのかと思っていたら・・・
    ニセ医者の可能性はわりとはじめの方に書かれていたので、それに関しては安心?して読んでいたが、主人公と一緒になって、正体を確かめるのはおもしろかったし、タイトルの意味も明らかになった。
    ただ、小説だから、どんな筋立てにでもできるよな、と当たり前のことを改めて感じ、そんなことを改めて思わされたところに不満が残った。

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    2015年10月18日
  • ひぐらし荘の女主人 短篇セレクション 官能篇

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    意外な展開を伴う。美と犯罪が巧妙に描かれている。表題作『ひぐらし荘の女主人』が特に良かった。女主人とは大げさな表現と思ったが、読後はなるほどと思った。

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    2015年10月12日