小池真理子のレビュー一覧
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映画化された小池さんの「二重生活」がとても面白かったので、「青山娼館」に続いて3冊目。
少しどんなだろうと心ひかれる設定は、お上手。帯に書かれると、思わず手に取ってしまう気になる度。
でも、3冊にして、3冊とも不倫が関わってくる。私は、不倫を目の当たりにしたこともあり、その実際の不潔さを気持ち悪く思っており、安易に本で煽りたてるネタではないと思っているので、不倫が出てくるとよくある設定に感じて、がっかりしてしまう。
今度は、妹が惚れてやまない相手を奪うという人間的にも下衆な関係を描いていて、食傷してしまった。
もう小池さんは、しばらくいい。 -
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本書を何気なく購入し、読み始めた直後、なんとなくその洗練された文体が鼻につき読むのをやめた。
それが今ではサクサクと一時間と少しで読めたのだから読書も本人のそのときの心の持ちようで大きく変わるのだな、と実感。
余談はさておき最初にも書いた通り何気ない風景や心の有り様を実に洗練された文章で表現されていて、終始キラキラしたものを目にするような感覚でいた。
登場する由香と拓はすっかりおじさん、おばさんという年齢なのに非常に美しい2人を想像してしまう。
様々な苦悩や喜びを含んだ経験を重ねてなお瑞々しい人生を歩める、随分遠くまで来ても尚、道はさらに続いている。
学生時代にこんな熱い思いを交わした2人にも -
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いきなり、ジュエット・ルイス、グウィネス・パルトウ、ヘレナ・ボナム・カーター・・・???
映画をそれほど多く見ていないので、馴染みの女優がいない。
そこは恋愛小説の名手が描く、俳優・女優たちのデッサンと銘打っての通り、見た事もない?女優がいきいきと描き出される。
描写力というのはこういうものかという思いがする。
伊達に筆で生計を立てているのではないという根性に参ってしまうが、ジョニー・デップ、リチャード・ギア、アンソニー・ポプキンス、堤真一、高倉健等の知った俳優が出て来ると、ホッとするのも事実だ。
映画好きの人には堪らない魅力の本に映るのではないだろうか。 -
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表紙の無花果のイラスト(と思ったら実は写真でした)が綺麗だったので、そこまで惹かれるあらすじじゃなかったけど購入。小池作品にある大人のしっとりとした色気と激しい情熱を押し込めたような雰囲気が好きです。
とにかく八重子とサクラが良いキャラだなぁ。2人ともただ主人公を助けるための脇役じゃなくて、ちゃんと歳を重ねるごとに刻まれていく良い感じの小狡さみたいなのもあって、味わい深いキャラクターだなと思いました。
個人的に鉄治に魅力を感じなかったので2人の恋愛に関してはさらーっと読み流しました。それよりも泉が岐阜まで逃げてきて鉄治と再会するまでが面白かったです。大崖に関して、岐阜って大垣の他にも似たような -
購入済み
写実的小説でした
やはり作者を主人公にした実話に基づくものでしたね。
実に淡々と美化もせず写実的にさらけ出した作品に感動しました。
最後に作者のこれまでの人生を振り返るところ、同じ年代の当方自身の人生も省みる機会を与えられました。 -
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ネタバレ会いたかった人
結婚式の客
寄生虫
木陰の墓
運の問題
甘いキスの果て
在りがちな、どこかで読んだことのあるような展開と結末。でも、娯楽としてはとても楽しめる話ばかり。
平易な描写表現、テンポのいい展開。おもしろくて、楽しめる話ばかりだった。
『会いたかった人』、『結婚式の客』、『甘いキスの果て』、どこかでその思い詰め過ぎるサイクルを止められれば、そのような結末は起こらなかったのに。人間は、一人で思い詰めて一人でそこから抜け出そうとして、どこか間違った方向に出てしまう傾向があるのかな、と思った。
何か教訓を得る、とか、知らない世界を垣間見る、とか、あまりそういうタイプではない、娯楽 -
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あらすじは。
軽井沢に住む未亡人が精神を病み、精神科に通うようになる。治療を受けていくなかでその精神科医と恋に落ちる…その精神科医がある日突然姿を消す。
この作家さんは軽井沢の四季の移り変わりを表現するのがとてもうまい。精神を病んでいるシーンは重く続けて読めるかな?っと思いましたが
二人が心を通じあわせて行くシーンになると、穏やかで暖かく読むペースもあがりました。
何故医師が失踪したのか。
真相はなんとなく無理がありそうな話ではある
けれど、題名のモンローが死んだ日という意味が
最後まで読むと分かる。
ミステリーとしては弱いけれど
50代の大人の恋は穏やかで優しい気持ちにさせる。 -
Posted by ブクログ
小池さんの描く世界は、静かで落ち着いていて、自分自身の日常と対照的なので、とても憧れてしまう。
舞台になる軽井沢あたりの自然や風景も素敵。還暦前の女性の恋もすんなり受け入れられる。
予備知識なしに読んだものだから、恋愛模様がずっと描かれるのかと思っていたら・・・
ニセ医者の可能性はわりとはじめの方に書かれていたので、それに関しては安心?して読んでいたが、主人公と一緒になって、正体を確かめるのはおもしろかったし、タイトルの意味も明らかになった。
ただ、小説だから、どんな筋立てにでもできるよな、と当たり前のことを改めて感じ、そんなことを改めて思わされたところに不満が残った。