小池真理子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大学院生の珠は、大学時代のゼミで知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「何の目的もない、知らない人の尾行」の実行を思い立ち、近所に暮らす男性、石坂の後をつける。
そこで石坂の不倫現場を目撃し、他人の秘密に魅了された珠は、対象者の観察を繰り返すようになる。
しかし尾行は徐々に、珠自身の恋人との関係をも脅かしていく。
何気なく始めた行動が、自分自身の状況にも影響を与える。この物語の場合は、不倫をしている男を尾行することにより、生々しいその現場を目にしてしまい、結果自分の恋人の女性関係をも疑ってしまうことになる。
尾行までの極端な行動ではなくても、そういうことって案外転がってるのかも、と考えたりし -
Posted by ブクログ
映画化された小池さんの「二重生活」がとても面白かったので、「青山娼館」に続いて3冊目。
少しどんなだろうと心ひかれる設定は、お上手。帯に書かれると、思わず手に取ってしまう気になる度。
でも、3冊にして、3冊とも不倫が関わってくる。私は、不倫を目の当たりにしたこともあり、その実際の不潔さを気持ち悪く思っており、安易に本で煽りたてるネタではないと思っているので、不倫が出てくるとよくある設定に感じて、がっかりしてしまう。
今度は、妹が惚れてやまない相手を奪うという人間的にも下衆な関係を描いていて、食傷してしまった。
もう小池さんは、しばらくいい。 -
Posted by ブクログ
本書を何気なく購入し、読み始めた直後、なんとなくその洗練された文体が鼻につき読むのをやめた。
それが今ではサクサクと一時間と少しで読めたのだから読書も本人のそのときの心の持ちようで大きく変わるのだな、と実感。
余談はさておき最初にも書いた通り何気ない風景や心の有り様を実に洗練された文章で表現されていて、終始キラキラしたものを目にするような感覚でいた。
登場する由香と拓はすっかりおじさん、おばさんという年齢なのに非常に美しい2人を想像してしまう。
様々な苦悩や喜びを含んだ経験を重ねてなお瑞々しい人生を歩める、随分遠くまで来ても尚、道はさらに続いている。
学生時代にこんな熱い思いを交わした2人にも -
Posted by ブクログ
いきなり、ジュエット・ルイス、グウィネス・パルトウ、ヘレナ・ボナム・カーター・・・???
映画をそれほど多く見ていないので、馴染みの女優がいない。
そこは恋愛小説の名手が描く、俳優・女優たちのデッサンと銘打っての通り、見た事もない?女優がいきいきと描き出される。
描写力というのはこういうものかという思いがする。
伊達に筆で生計を立てているのではないという根性に参ってしまうが、ジョニー・デップ、リチャード・ギア、アンソニー・ポプキンス、堤真一、高倉健等の知った俳優が出て来ると、ホッとするのも事実だ。
映画好きの人には堪らない魅力の本に映るのではないだろうか。 -
Posted by ブクログ
表紙の無花果のイラスト(と思ったら実は写真でした)が綺麗だったので、そこまで惹かれるあらすじじゃなかったけど購入。小池作品にある大人のしっとりとした色気と激しい情熱を押し込めたような雰囲気が好きです。
とにかく八重子とサクラが良いキャラだなぁ。2人ともただ主人公を助けるための脇役じゃなくて、ちゃんと歳を重ねるごとに刻まれていく良い感じの小狡さみたいなのもあって、味わい深いキャラクターだなと思いました。
個人的に鉄治に魅力を感じなかったので2人の恋愛に関してはさらーっと読み流しました。それよりも泉が岐阜まで逃げてきて鉄治と再会するまでが面白かったです。大崖に関して、岐阜って大垣の他にも似たような