小池真理子のレビュー一覧
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ネタバレ母、奈緒子から異父兄がいることを大人になって知らされた榛名。
第1章「プラハ逍遥」は、母の死をきっかけに、兄、聡が住むプラハへ向う榛名が描かれている。
そして続く第二章以降では、
母―奈緒子、
深田芳雄―奈緒子の同僚、
玉岡知沙―榛名の父信彦の会社の女性、
芹沢史恵―聡の継母、
恵理―聡の異母妹、
聡
・・・それぞれの視点でそれぞれの人生が綴られてゆく。視点―角度を変えることで全く違う景色が見えてくる。まるで万華鏡のよう。
ただ、重大な当事者であるはずの二人の男(芹沢 喬、後藤信彦)の語りが欠落していることが残念。
プラハ、そしてウィーンの街並みが美しく描かれています -
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彼が黙っていると榛名は頑なな表情で彼から目をそらし
「母は」といった。・・・亡くなる前、まだ意識のあった時、
聡さんのことをよく話していました。
私に全部教えておきたかったんです。
聡さんを残して家を出た時からずっとずっと、母は聡さんのことを
気にかけて生きてきたんだと思う。
忘れた事なんか1日もなかったと思う。
どんなにつらかっただろうって思います。
昔はわからなかった。でも、今はわかる。 私は・・私は・・
母の代わりにプラハに来て、聡さんと会ったような気がします。
無心に栗をむく、その姿を見ながら、聡は生まれて初めて、
自分が真に孤独でないこと、どこか目の見えないところで綿々と何かと -
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東吾の匂い
木版の匂い
インクの匂い
本の匂い
煙草の匂い
匂いの中で何故これほど惹かれ自尊心すら見失って
やみくもに身を投げ出してしまいそうになるのか。
底に渦巻くのは生と死、愛と芸術がとりまく。
小池小説の最高峰といってもいいかもしれない。
《文中より》
ふと、紗江は自分今の自分が柚木の側ではない、明らか
に東吾の側に東吾の世界にいると感じた。
紗江は柚木に「いとおしかった。いとおしくてならず、
立ち止まった石段の途中で紗江は胸の熱さに抗しきれな
くなって、思わず涙ぐんでしまうことすらあった。」
紗江は柚木と死以外の形で別れることはなかっただろう
断じてそれ以外の別れ方は考えられ -
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実らない恋に身を寄せる女の短編集。
って、書いちゃうと安っぽく聞こえるけど、内容はずっしり重い。。。
私は40超えてますが。。。。うーーん。こういう心境になったことないので、いまいち理解出来ないとこが多かった。
「ふーん、そういうものなのかな~?」って感じで読み進めた。
最初の4編は、
夢も希望も生きがいもない人生に飽きて「なんとなく死にたい」と思い「死」を選択してしまう心情がわからなかった。
でも、この大きい世の中に数え切れない人がいて、その中でこういう生き方や考え方をしてる人はいるんだよね。
私としては、「もう死んじゃってもいいや」と思って「死」を選ぶのって卑怯な気もするけど。。。。
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旅先で泊まった宿にあったから、という理由で手に取った。そういうきっかけがなければ読むことはなかったであろう。ということで、こういう出会いはおもしろい。
しかしまあ~読んだ感想は、1997年って、こんな昔だったけか!?
三島を根底においてるせいもあるのかもだけど、とりあえず出てくるキャラがみんな昭和~。そしてキャラクターが平気で作中未成年飲酒やら、飲酒運転やらしまくる描写が出てくるんだけど、こういうのって今でもあるのかな・・・?
そして話の結末は、やっぱちょっと「ええー」と思った。なんていうのか、自分が道徳的過ぎるだろうが、実際にインポで悩んでる人だって世の中にはたくさんいるだろうに、こういう結 -
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学生闘争に邁進する活動家との不毛な関係に疲れた布美子の前に現れた美しいカップル、信太郎と雛子。彼らを神のように崇める布美子の愛によって、2人はより完璧に近づくように見えた。ある男が現れて3人の関係を破壊するまでは・・・。あさま山荘事件の裏側で、ひとつの時代の終焉を示すように、殺人で終わったある個人的な物語。
作家がこの物語をなみなみならぬ思い入れをもって書いたことはよくわかる。だが、このカップルの異常な完璧さを形成していた核心の「秘密」には、ほんとうにこれだけの重さが与えられるべきだったのだろうか?それこそ、この禁忌を過度に神聖化することになりはしないか。また、殺人にいたる布美子の心理は実に説