小池真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレまずはなんといっても読みやすい!話の展開が早くって興味深いから、早く先が知りたくなっちゃう。
自分の身の回りに起こらなさそうで起こりそうな身近なお話ばかりの短編集。だけど、最後はぞぞっとさせてくれるのです。
この発想、よく考え付くよね~。
・陰気で成績も悪く、クラスの中でも目立たぬ存在。中学時代のクラスメートが思わぬ方法で自分の前に現れた。
・母一人娘一人、仲良く暮らしていたのに…娘が結婚したと同時に楽しかった二人の生活が奪われた。仲のいい婿に嫉妬するあまり、婿を陥れる言動を取ってしまう。
等々、女の中の狂気を浮き彫りにしたサスペンス、気分転換にちょうどいい軽さの短編集だ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ母、奈緒子から異父兄がいることを大人になって知らされた榛名。
第1章「プラハ逍遥」は、母の死をきっかけに、兄、聡が住むプラハへ向う榛名が描かれている。
そして続く第二章以降では、
母―奈緒子、
深田芳雄―奈緒子の同僚、
玉岡知沙―榛名の父信彦の会社の女性、
芹沢史恵―聡の継母、
恵理―聡の異母妹、
聡
・・・それぞれの視点でそれぞれの人生が綴られてゆく。視点―角度を変えることで全く違う景色が見えてくる。まるで万華鏡のよう。
ただ、重大な当事者であるはずの二人の男(芹沢 喬、後藤信彦)の語りが欠落していることが残念。
プラハ、そしてウィーンの街並みが美しく描かれています -
Posted by ブクログ
彼が黙っていると榛名は頑なな表情で彼から目をそらし
「母は」といった。・・・亡くなる前、まだ意識のあった時、
聡さんのことをよく話していました。
私に全部教えておきたかったんです。
聡さんを残して家を出た時からずっとずっと、母は聡さんのことを
気にかけて生きてきたんだと思う。
忘れた事なんか1日もなかったと思う。
どんなにつらかっただろうって思います。
昔はわからなかった。でも、今はわかる。 私は・・私は・・
母の代わりにプラハに来て、聡さんと会ったような気がします。
無心に栗をむく、その姿を見ながら、聡は生まれて初めて、
自分が真に孤独でないこと、どこか目の見えないところで綿々と何かと