小池真理子のレビュー一覧
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大学院生の珠は、大学時代のゼミで知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「何の目的もない、知らない人の尾行」の実行を思い立ち、近所に暮らす男性、石坂の後をつける。
そこで石坂の不倫現場を目撃し、他人の秘密に魅了された珠は、対象者の観察を繰り返すようになる。
しかし尾行は徐々に、珠自身の恋人との関係をも脅かしていく。
何気なく始めた行動が、自分自身の状況にも影響を与える。この物語の場合は、不倫をしている男を尾行することにより、生々しいその現場を目にしてしまい、結果自分の恋人の女性関係をも疑ってしまうことになる。
尾行までの極端な行動ではなくても、そういうことって案外転がってるのかも、と考えたりした。
他人の行動やら経験やらを見ているうちに、いつの間にか自分に重ね合わせて考えてしまう。頭の片隅にその考えが入り込んでしまうと、なかなかそれを排除することが出来なくなる。
この物語の主人公・珠は、自己洗脳みたいな状態に陥ってしまったのだ、と思う。
サスペンス要素もあるからあまり書けないけれど、ちょっと都合が良すぎる展開かな、と思える点もいくつかあった。
“尾行”というのが自分にとって現実的ではないせいもあるかも知れないし、実際やったことがないから分からない感覚もあるけれど、そんな風に展開することってあるだろうか?と。
何かの調査等ではない、目的のない“哲学的尾行”。実際見知らぬ誰かを尾行してみたら…と考えたら、少し面白そうだと思ってしまった。
人には誰しも少なからず秘密がある。行く先、会う人、知られたくないこともある。
既に映画化している作品だけれど、石坂の役が長谷川博己って合ってるかも、と思った。デキる男に見せかけてちょっと抜けてるところもあり、何だかんだ優しくて最後の詰めが甘いところが。 -
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映画化された小池さんの「二重生活」がとても面白かったので、「青山娼館」に続いて3冊目。
少しどんなだろうと心ひかれる設定は、お上手。帯に書かれると、思わず手に取ってしまう気になる度。
でも、3冊にして、3冊とも不倫が関わってくる。私は、不倫を目の当たりにしたこともあり、その実際の不潔さを気持ち悪く思っており、安易に本で煽りたてるネタではないと思っているので、不倫が出てくるとよくある設定に感じて、がっかりしてしまう。
今度は、妹が惚れてやまない相手を奪うという人間的にも下衆な関係を描いていて、食傷してしまった。
もう小池さんは、しばらくいい。 -
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本書を何気なく購入し、読み始めた直後、なんとなくその洗練された文体が鼻につき読むのをやめた。
それが今ではサクサクと一時間と少しで読めたのだから読書も本人のそのときの心の持ちようで大きく変わるのだな、と実感。
余談はさておき最初にも書いた通り何気ない風景や心の有り様を実に洗練された文章で表現されていて、終始キラキラしたものを目にするような感覚でいた。
登場する由香と拓はすっかりおじさん、おばさんという年齢なのに非常に美しい2人を想像してしまう。
様々な苦悩や喜びを含んだ経験を重ねてなお瑞々しい人生を歩める、随分遠くまで来ても尚、道はさらに続いている。
学生時代にこんな熱い思いを交わした2人にも。
そんな熱い経験のない私にも。
そんな気持ちにさせてくれた爽やかな作品でした。 -
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いきなり、ジュエット・ルイス、グウィネス・パルトウ、ヘレナ・ボナム・カーター・・・???
映画をそれほど多く見ていないので、馴染みの女優がいない。
そこは恋愛小説の名手が描く、俳優・女優たちのデッサンと銘打っての通り、見た事もない?女優がいきいきと描き出される。
描写力というのはこういうものかという思いがする。
伊達に筆で生計を立てているのではないという根性に参ってしまうが、ジョニー・デップ、リチャード・ギア、アンソニー・ポプキンス、堤真一、高倉健等の知った俳優が出て来ると、ホッとするのも事実だ。
映画好きの人には堪らない魅力の本に映るのではないだろうか。 -
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表紙の無花果のイラスト(と思ったら実は写真でした)が綺麗だったので、そこまで惹かれるあらすじじゃなかったけど購入。小池作品にある大人のしっとりとした色気と激しい情熱を押し込めたような雰囲気が好きです。
とにかく八重子とサクラが良いキャラだなぁ。2人ともただ主人公を助けるための脇役じゃなくて、ちゃんと歳を重ねるごとに刻まれていく良い感じの小狡さみたいなのもあって、味わい深いキャラクターだなと思いました。
個人的に鉄治に魅力を感じなかったので2人の恋愛に関してはさらーっと読み流しました。それよりも泉が岐阜まで逃げてきて鉄治と再会するまでが面白かったです。大崖に関して、岐阜って大垣の他にも似たような地名があるだと東海地方民なのに知らなかったので調べてみたら、大垣をモデルにした架空の地名だったんですね。地方の都市という感じの描写に懐かしさを覚えます。 -
購入済み
写実的小説でした
やはり作者を主人公にした実話に基づくものでしたね。
実に淡々と美化もせず写実的にさらけ出した作品に感動しました。
最後に作者のこれまでの人生を振り返るところ、同じ年代の当方自身の人生も省みる機会を与えられました。 -
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ネタバレ会いたかった人
結婚式の客
寄生虫
木陰の墓
運の問題
甘いキスの果て
在りがちな、どこかで読んだことのあるような展開と結末。でも、娯楽としてはとても楽しめる話ばかり。
平易な描写表現、テンポのいい展開。おもしろくて、楽しめる話ばかりだった。
『会いたかった人』、『結婚式の客』、『甘いキスの果て』、どこかでその思い詰め過ぎるサイクルを止められれば、そのような結末は起こらなかったのに。人間は、一人で思い詰めて一人でそこから抜け出そうとして、どこか間違った方向に出てしまう傾向があるのかな、と思った。
何か教訓を得る、とか、知らない世界を垣間見る、とか、あまりそういうタイプではない、娯楽としてはとても楽しい本でした。 -
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あらすじは。
軽井沢に住む未亡人が精神を病み、精神科に通うようになる。治療を受けていくなかでその精神科医と恋に落ちる…その精神科医がある日突然姿を消す。
この作家さんは軽井沢の四季の移り変わりを表現するのがとてもうまい。精神を病んでいるシーンは重く続けて読めるかな?っと思いましたが
二人が心を通じあわせて行くシーンになると、穏やかで暖かく読むペースもあがりました。
何故医師が失踪したのか。
真相はなんとなく無理がありそうな話ではある
けれど、題名のモンローが死んだ日という意味が
最後まで読むと分かる。
ミステリーとしては弱いけれど
50代の大人の恋は穏やかで優しい気持ちにさせる。