小池真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短編集。
『終の道づれ』を読んで、なんか読んだことある気が…昔の読書ノートをパラパラとめくってみたら、2003年9月に読んでいた。あは、最近こんなことが多いよ。
『妻と未亡人』友人が亡くなり、その若い未亡人が困っていたら手を貸したくなるものなのだろうか? それが男というもの? いやー、未亡人の方がうわてだったよね。
『家鳴り』ちゃんと仕事としてお願いしているのに、これはいただけない。人との付き合いもあるかもしれないが、こんな具合だとよそへ頼みます。
『終の道づれ』おせっかいな従姉妹も考えもの。やはり、いやなことはいやと言えないと。
『寺田家の花嫁』えー、田舎暮らしにあこがれてお見合いで相手を見 -
Posted by ブクログ
惹かれあった相手が実は兄妹(あるいは姉弟)だった後で発覚するという話やドラマはこれまでにも見たり読んだりしたことがあったけど、最初から姉弟だと知りながら惹かれあうというパターンはあまり読んだことがないので新鮮だった。
24年振りに記憶にも残っていない弟が目の前に現れて、その弟が亡き父親にそっくりの美男なら惹かれるのも判らなくない。
惹かれてはいけないと思いながらも相手に目がいってしまう、その弟くんを表現している文章がとても色っぽい。
そして、相変わらず風景の描写がうっとりするくらい素敵だ。
ヒロインの澪は自堕落な生活しているので、壁を越えインモラルな方向へと辿りつくのかと思いながら読んでいたの -
Posted by ブクログ
静かに引き込まれていった。なんというかこういう性的描写もあるのか。と思うような精神のエロスでした。
インポになってしまったイケメンと繰り広げるなんとも複雑な恋愛小説なんだけど、特にどうってことないっちゃ、ない。ものすごい事件もないのに気がつくと周りの音が聞こえなくなるほどに本に取り込まれるような感覚。
なんか、なんかわからないけど、不幸でも幸せでも懐かしくもないのに、なぜか目が離せない展開を繰り広げる主人公たち。
なんだろう。なんだか性的な精神的な不思議な国のアリス感漂う、夢の中のの出来事のようなそんな一冊です。
この人の小説。なんか気になる。 -
Posted by ブクログ
「贅肉」
美貌の姉が太り始めたのは母の死がきっかけだったか。
それとも失恋だったのか。大切な人を失うことで、自分も失ってしまったのか。
思いもかけない事故で姉が死んだ時、妹も壊れてゆく。
「刺繍の家」
偶然再会した友人。話すのは両親の事ばかりで自分の来し方には触れない。その友人に誘われて友人宅に行く事になるが、友人が母と呼ぶ人は家族が嫌っていたはずの姉だった。
何故姉が母の立場になったのか。その辺りの倒錯した心理が不明のため、割り切れなさが残った。
「終の道づれ」
年老いて、出かけるのは億劫になった。家にいるのが一番なのに従妹が煩く誘ってくる。挙句に外で知り合った男と自分を結びつけようとする。