小池真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
惹かれあった相手が実は兄妹(あるいは姉弟)だった後で発覚するという話やドラマはこれまでにも見たり読んだりしたことがあったけど、最初から姉弟だと知りながら惹かれあうというパターンはあまり読んだことがないので新鮮だった。
24年振りに記憶にも残っていない弟が目の前に現れて、その弟が亡き父親にそっくりの美男なら惹かれるのも判らなくない。
惹かれてはいけないと思いながらも相手に目がいってしまう、その弟くんを表現している文章がとても色っぽい。
そして、相変わらず風景の描写がうっとりするくらい素敵だ。
ヒロインの澪は自堕落な生活しているので、壁を越えインモラルな方向へと辿りつくのかと思いながら読んでいたの -
Posted by ブクログ
静かに引き込まれていった。なんというかこういう性的描写もあるのか。と思うような精神のエロスでした。
インポになってしまったイケメンと繰り広げるなんとも複雑な恋愛小説なんだけど、特にどうってことないっちゃ、ない。ものすごい事件もないのに気がつくと周りの音が聞こえなくなるほどに本に取り込まれるような感覚。
なんか、なんかわからないけど、不幸でも幸せでも懐かしくもないのに、なぜか目が離せない展開を繰り広げる主人公たち。
なんだろう。なんだか性的な精神的な不思議な国のアリス感漂う、夢の中のの出来事のようなそんな一冊です。
この人の小説。なんか気になる。 -
Posted by ブクログ
「贅肉」
美貌の姉が太り始めたのは母の死がきっかけだったか。
それとも失恋だったのか。大切な人を失うことで、自分も失ってしまったのか。
思いもかけない事故で姉が死んだ時、妹も壊れてゆく。
「刺繍の家」
偶然再会した友人。話すのは両親の事ばかりで自分の来し方には触れない。その友人に誘われて友人宅に行く事になるが、友人が母と呼ぶ人は家族が嫌っていたはずの姉だった。
何故姉が母の立場になったのか。その辺りの倒錯した心理が不明のため、割り切れなさが残った。
「終の道づれ」
年老いて、出かけるのは億劫になった。家にいるのが一番なのに従妹が煩く誘ってくる。挙句に外で知り合った男と自分を結びつけようとする。 -
Posted by ブクログ
辻堂環という一人の男性と、ほんの短期間関わりあった女性たちの話。
環さんは、とんだプレイボーイだ!と、最初の方は思うんだけど、読み進めていくうちに、彼の孤独の深さや、刹那的に深い愛情をもつそのやり方に、なんだか可哀そうになってきてしまった。
私はでも、こんな生き方をする人は好きではない。
環さんが好きになった、この話の主人公たちは、もともとは、他に大切な人がきちんといたり、自分をちゃんともっていた人たちだった。
環さんが好きになるのはそういう人たちばかりで、彼が関わることで、彼女たちは何かしらを失った。
失わせることでしか、愛せないなんて、なんて哀しいんだろう。 -
Posted by ブクログ
小池作品の文章って本当に美人だなぁと思います。すっと背筋の伸びた美人な文章。でも美人な女の人って綺麗だけどそのせいで近寄りがたくもある。この作品は特にそれが顕著な感じがします。
初めて読んだときは大学生だったけど、エマの「あなたとは、たくさんの男、共有してたわね」って言う言葉が大人っぽくて素敵で、エマにそう言わせた野乃ってすごいなと思いました。大人なエマにそんな風に言われる野乃に憧れました。それは今でも変わらないです。
ただ、野乃の歳を超えたら今度は野乃の幼さが目立つような気がしてならなくなりました。
大人のエマと野乃ではなく、エマと子供の野乃という感じです。
作品を通じてエマの魅力を語り続け