小池真理子のレビュー一覧
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ネタバレ他人の生活を尾行によって覗き込むような感覚がいつの間にか、そこに心を置いてしまって自分と重なる部分に注目置いてしまう
この本の中で卓也だけ秘密を持たないように書かれているけど、
誰しもが秘密を抱えて過ごす中で卓也も同様ではないかと思った
卓也の言葉に安堵する珠も表面だけ見えてる
私自身疑い深いからか、珠を自分に置き換えて考えても尾行の終始、自分から相手が見えて観察している限り相手から自分も筒抜けだと思う、から上手く誤魔化せたと表現してる珠は間抜けに思えたし思慮浅いと思った
でも、人を疑い深いのは普段から私が周りに対して何かしら秘密を抱えて過ごしているからで
相手にも自分自身同様に見えてい -
Posted by ブクログ
ホラー作品の路線は大別すると、絶叫系のテンションの高いホラーか、秘めやかに忍びよるような静かなホラーに分かれると思うのですが、この『懐かしい家』に収録されている短編たちは概ね後者の印象。怖さ・不気味さの中にどこか格式高さというか、上品な怖さや哀しさ、憂いや寂しさを感じた気がします。
ピアノ教室の先生である語り手と、老婆とその孫を描いた「ミミ」
夫と別居し、かつて住んでいた家に一人暮らしすることになる女性を描いた表題作の「懐かしい家」
設定は違えど、生者と死者の距離が曖昧になり、そして生死の概念を超えた人の孤独を浮き彫りにします。
周囲の人間が死に瀕した時にだけ現れる蛇口。その蛇口が見えてし -
Posted by ブクログ
私の読書の楽しみは、筋を楽しむよりも、物語のディテールを味わいたくて読む。
この作家もディテールが好きで読んでいる。
うーん。繭子と千春はお互いのことを見下してる。
主人公の繭子の目線での姉の千春の描写は、馬鹿にしているみたい。
読んでいくと、繭子も千春も何か欠けているのか、どちらかに異常に偏っているだけなのか、人物としてどちらにも共感は出来なかった。
共感はする必要は全くないが、なんというか、好きになれなかった。
繭子の不倫に共感できず、千春の繭子への異常な関心も分からない。
繭子は妻子ある男性(親子ほどの歳の差、22歳)との不倫について軽蔑する千春について、
年上との恋愛があると -
Posted by ブクログ
十人の人気作家が作る、妖しげな世界。
「ANNIVERSARY」は言葉の持つ明るい世界とは異なる、なんだか奇妙な、悲しい世界だ。
世界がループするのだ。
ちょうど今読み返している『D.Gray-man』にも、繰り返される日々の話が出てきていた。
この漫画について語るのはまた別の機会として、とにかく元の世界においてきた子供のことが気になってしまう。
愛する者との離別を考えると、胸が苦しくなる。
『李果を食む」は、私が感じ取ったおぞましさは二つあった。
どちらだ。
どっちなんだ。
いや、どちらでも構わないだろう。
もうすぐ、スモモの季節。
あの甘酸っぱいすももを、私はこの話を思い出さずに食べら