小池真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
相変わらず「日常に潜む官能」の描き方は巧いですよね、小池さんは。
エマという女性、顔をはっきり想像する事は出来ないのに、唇や物腰なんかはリアルすぎるくらいに想像がついてしまう。とても魅力的に書けています。
但し、小池さん愛な私ですが、彼女の長編についてはシビアにならざるを得ません。
上に書いたように、彼女の「描写力」には素晴らしい物があります。
ところが、人物の設定ときたら毎回どの長編でも同じとしか言えません。
・女2人、男1人の三角関係
・女?の女?への異常なまでの陶酔、羨望
・女?のただならぬセックスアピール(官能的すぎるまでに官能的)
・女?への憧れのあまりか、女?の生涯ただ一 -
Posted by ブクログ
残念ながらタイトル負けしてる感じでした。
何故、主人公の夫があれ程までに疑い深くなり、死ななければならなかったのか、何故、離婚した妻が後妻ともあれ程円満に出来るのかも、読者にはイマイチ納得感がなかった。
ウロボロスについての記述も詳細ではあるものの、もっと上手くストーリーに絡ませる事ができたように思う。
娘さんは何の問題も無く育ち、結婚した、と言う事だったのだろうか?彼女もまたウロボロスに飲み込まれて行く事を予感させるような終わり方にならなかったのだろうか。
最後、あれ程までに無口キャラを貫いた男が数ページに渡り、永遠と語させたのか。無理矢理ネタバラシを語らせている感じでちょっと工夫が足りなか -
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『角川ホラー文庫30周年記念 最恐の書き下ろしアンソロジー 特装版BOXセット』2冊め。
宮部みゆきさんと小池真理子さんの作品は、正直「これもホラーなの?」という感じ。お二人の柔らかい口調もあって、期待したほど怖くはなかった。
『函(はこ)』がいちばん怖かった。残った穢れに起因するものか?と思い読み進めたが、そうではないどんでん返しに絶句。建物の持つ意味、タイトルが「箱」ではなく「函」である意味が分かるともう、救われない。
救われないといえば芦花公園さん。何の話なのこれはと思いながら読んで、カッパの子憎たらしさに恐ろしさを感じながらも、やはり人が「堕ちていく」様はとても恐ろしい。
私的 -
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綾辻行人の再生が読みたくて買いました。
再生/綾辻行人
ジワジワくる怖さ、ずっと続く薄気味悪さが良い。
そして綾辻ホラー全開な感じが良い。
夢の島クルーズ/鈴木光司
グロさ強めでした。
ついでに人間の怖さもあって良かった。
よけいなものが/井上雅彦
めちゃくちゃ短いがシンプルだからこその怖さがある。
五月の陥穽/福澤徹三
日常の一つ壁の向こうにある恐怖。
手の届く範囲にある恐怖を気にしていない生きてる人間が1番怖いですね。
鳥の巣/今邑彩
最後にひっくり返るし怖いし、このタイプのホラー好きです。
依って件の如し/岩井志麻子
古い言葉や言い回しで不気味さがさらに増していると思うが、そ -
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まるで飼い犬のように従順に慣らされた彩和の姿。娘のためにこの生活を手放すわけには行かないとただひたすらに夫に付き従う姿は哀れ。
そしてその夫の猜疑心が却って事態を悪化させていく悲劇。
表面的には夫に従順でありながら、心の深いところで歩に傾倒していく過程。夫への気持ちを残しながらも、憎しみさえ生まれていく彩和の心理描写が丁寧で読ませる。
俊輔が影山と共有していた秘密を話してくれていたら、もっと違った現在があっただろうという彩和の想像が哀しすぎる。俊輔は彩和も歩も本当に愛していたんだろうな。それにしても愛し方が下手だった。
秘密にし、話せないことで昏い思いを溜め込み、自家中毒のようになって堕 -
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死者との交流をテーマにした短編集といってよいでしょう。生きている、あるいは死んでいるというのがどういうことなのか一瞬わからなくなる幻想的な作品集です。ただ怖いかといわれると、あまり怖くはありません。そういった意味では怪談というには弱いのでしょうが、不可思議な味わいがあって読後感はよいです。
幽霊というのは足がないものとは決まってないようです。「足」の藤椅子から白い足が伸びていて真っ赤なペディキュアを塗っているというのはなんだか幽霊話としてかえって生々しくて秀逸。他には「夜顔」と「私の居る場所」がいい。特に後者はじつに奇妙な味わいのある話ですね。