小池真理子のレビュー一覧

  • 墓地を見おろす家

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    ネタバレ

     主人公一家が引っ越してきた新居はまさかの墓地に囲まれた家。怪談のシチュエーションとしてはもってこいのロケーション。何も起きるはずがない(笑)。
     テッペイ(夫)はミサオ(妻)とタマオ(娘)との3人暮らし。それにクッキーという飼い犬。近所に住む仲良くなったママ友や管理人さん。しかし、幸せな新居生活はすぐに一変してしまう。
     住むマンションには地下室があるがタマオがそこで遊んでいると膝をかまいたちに遭ったように怪我をしてしまう。それを機に怪奇現象が起き始める。止まるエレベーター、窓の手形。そして、家族が転居を試みる度に起きる不幸ごと。マンションは一家を手放す気などないのである。
     最終的には家族

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    2025年11月05日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー第2弾。
    第1弾と第3弾は読んだので、読み残してた1冊。

    以下印象的だった作品。
    新名智「竜狩人に祝福を」
    ドラゴンに支配された世界でドラゴンを倒すために旅立つ主人公。
    ゲームブック形式は無条件にわくわくしてしまう。通常ルートで進むとたどり着かないページが点在していてそこを読むと主人公の背景が徐々にわかってくるんだけど、そのページが結構ぶつ切りになっていて、どうせならゲームブックの中に組み込まれて自然にたどり着くようになってたらさらによかったのになぁと思った。

    内藤了「函」
    突然一等地のお屋敷を相続することになった主人公。売

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    2025年10月30日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    小池真理子さんのが1番よかった。
    小池真理子さんのあの日にかえりたい は、なんか後をひく寂寥感があったなぁ。人生で自分と狭い周りのことだけ考えていればいい、無責任でキラキラした時限的な日々。
    私も学生時代によく遊んだ場所(いまは、100年に一度の大開発で全く変わってしまったけど)を時々思い出す。今も私の中の一種 パラレルワールドであのまま存在すると信じて。その当時の友達とは、全国バラバラでずっと会っていないけれど、やはり あの時のままパラレルワールドで一緒に遊んでいる。
    でも、思い出すと楽しいけれど、なんか寂しくなる。

    そんな気持ち。

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    2025年10月26日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミン、中学生の時、同級生女子からアルバム借りたな。思春期だな、嫁がファンじゃ無いから疎遠になったけど、ホントはこんな世界観が自分にはあってたかもね。

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    2025年10月11日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    とても豪華なアンソロジー集。
    ただ、傑作選ということもあり決まったテーマは特にないので、なんとなくとっ散らかったイメージがある。
    最もインパクトがある…というよりは厭な印象を受けたのは、鈴木光司さんの『浮遊する水』。再読のはずだけれど、やはり厭だ。

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    2025年09月30日
  • 懐かしい家 小池真理子怪奇幻想傑作選1

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    怪奇幻想傑作選1

    日常の隣に異形や幻想がひそむ―小池真理子さんらしさが詰まった短編集。
    死者との再会、過去の記憶、愛と恐怖の同居といったテーマが、静かな筆致で描かれる。

    『ミミ』 (集英社文庫『命日』初出)
    両親と婚約者を同時に事故で失った女性。絶望から立ち上がるために開いたピアノ教室に、一人の少女が通い始める。
    少女との交流は、主人公にとって救いであり、同時に過去と死者との境界を揺るがすような出来事を招いていく。

    「神かくし」 (新潮文庫『水無月の墓』初出)
    神隠しの能力を持ってしまった少女の物語。
    一見すると怪異譚だが、それはむしろ少女が生き延びるために編み出した「生き方の術」なのか

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    2025年09月28日
  • 墓地を見おろす家

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    蔵書を整理してたら未読が発覚。有名なだけにとっくに読んだ気でいた。初出は1988年らしい。

    近頃の理詰めの怪異(どういう経緯で誰が誰をどうして呪って、だからこういう現象で、だから呪いを解くための行動は云々)と違って、怪異が純粋に怪異ってのが新鮮。やたらと解像度の高い昔話や、妄想じみた推理は(ほぼ)なし。冒頭、ペットの小鳥が変死するシーンから、夫婦の暗い過去の説明、どこか影のある住人たち登場と、ゆったり静かで不穏な空気感は嫌いじゃない。クライマックスのフィジカルっぷりにはちょっと笑っちゃったけど。

    和ホラーを体系的に把握しているわけではないけど、本作の功績はおそらく分譲マンションというモダン

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    2025年09月28日
  • 私の居る場所 小池真理子怪奇譚傑作選

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    小池真理子怪奇譚傑作選 第2弾

    小品ですが粒揃い
    個人的覚書です

    「仄暗い廊下の果てに」
    時折見る同じ廊下の夢

    「優しい既視感」
    日本家屋の光の妖しさ

    「襖の向こう側」
    古く大きな日本家屋の襖の向こう側

    「幸福の家」
    幸福だったその時に留まる哀しい魂

    「坂の上の家」
    その家はドールハウスの中に

    「私の居る場所」
    私しか居ない場所

    「千年烈日」
    小池真理子の造語と思われる
    千年の厳しい日々を示唆?
    ストーリーとしては、不倫でありながら純愛
    花の使い方とあわせ、夏目漱石『夢十夜』を思わせる

    「妖かし」
    無自覚に為出す怨念

    「灰色の猫」
    過去と繋ぐ公衆電話
    ただ、ここまで公衆電話

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    2025年09月17日
  • ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選

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    怪奇譚傑作選として甘美恐怖と戦慄の世界の
    エッセイと小説集

    「霊の話」
    小池さんの心霊経験談と母親からの体験談エッセイ。怪異の闇への起点。
    「死者と生者をつなぐ糸」
    お住まいの別荘地での出来事。生霊系エッセイ。
    「現世と異界」
    霊感の強いお母様の体験談エッセイ。
    生と死のあわいに存在する意識。
    「恋慕」
    父の弟である叔父は、美しい母に恋をしていた。叔父の死を悼む母と少女。
    死してもなお、慕われるのは母。
    「花車」
    学生運動のただ中の大学生活。
    妊娠も結婚も、案外深くは考えられていなかったのかもしれない。誤って命を落とした女性が、死後に見せる幸福な姿。
    「慕情」
    「恋慕」の続編。
    叔父との二度

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    2025年09月16日
  • 墓地を見おろす家

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    1988年書き下ろしの本作
    国産“モダンホラー”の先駆けと言われているとか
    現代社会のリアルな日常の中の恐怖を描く、という流れです。

    1980年代後半、日本は分譲マンションが急速に普及していきます。
    小説では、「都心から電車で20分、新築かつ格安」
    という魅力的なセールスコピーが出てきます。

    そんな住宅トレンドと現代的ホラーの融合です。
    マンションを手に入れて得た幸福感を徐々に覆す恐怖。違和感が不安感となり、そして孤立。

    古いマンションのホラーは何作もありますけど
    新築マンションホラーは珍しいかな。
    建物というより残穢的でした。

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    2025年09月14日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    個人的に好きな女性作家ばかりのアンソロジー。
    ユーミンの曲を主軸に描かれる物語は、柔らかい表現だが女の「業」というものを彷彿させる。

    私が好きだったのは『あの日にかえりたい』貧乏暮らし学生の青春謳歌がきれいだった。
    壊れた後の関係値も儚くてうつくしい。

    空想と現実が入り交じるのがユーミンに沿っていてる人選だった。

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    2025年09月14日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    ネタバレ

    宮部みゆきさん目当てで読みました。
    ネタバレ感想

    あなたを連れてゆく
    ふんわりホラー
    アキラは幸せなのかな不幸なのかな?と思ったり。
    とても怖い!というよりか少しノスタルジー感じるホラーファンタジーみたいな作品でした。

    竜狩人に祝福を
    この本はこの話を読んだだけでもいい収穫になると思います。新感覚選択式ストーリーでかつラストに驚愕の真実を得ます。順々に選択していくと…。
    この作品はもっと評価されて欲しい、この作品だけで小説を出して欲しいです。

    月は空洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ
    河童のお話
    ナメてかかって読んだら意外と怖かったです。
    この分野はなんていうんだろう…


    あぁ…やっ

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    2025年09月13日
  • 無花果の森

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    古本屋さんで題名に惹かれ手に取りました。
    さらさらと読める美しい文章。大きなことは起きないけれど、ページを捲る手が止まらず一気に読みました。個人的にサクラさんに勇気をたくさんもらった。書かれた時代のマイノリティは今よりもっともっと大変だっただろうに、その精神の強さと美しさに感服。全ての人が愛する人たちと幸せであってほしい願う小説でした。

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    2025年09月12日
  • 無花果の森

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    人生を半分くらい生きると、隠したいこと、隠さなければいけないことくらい誰だってある。そんなときにだから会える人もいる。

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    2025年09月08日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    シンガーソングライターというのは物語を音に乗せて紡ぐ人なのだなと思った。
    ユーミンの曲にちなんだ短編のすべてよりユーミンの曲の方が何かを伝える熱量がある。

    これを読んでからあらためてこの6曲をSpotifyのプレイリストにして聴いてみた。
    その後もう一度読んでみたけど、やっぱり同じ気持ちだった。

    ユーミンが歌う情景は現実よりくっきりしている。

    本を読んだのに何故かユーミンの凄さを再認識した不思議な体験。

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    2025年09月07日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの歌が好きで買ったけど本はのめり込むほど刺さらなかった。歌詞と小説でまた違うんだなあ。違いを楽しめるようになったらまた読みたい。

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    2025年08月30日
  • 日暮れのあと

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    ネタバレ

    短編集。どの話も、最終的な判断は読者しだい、みたいなはっきり結末が分からなかった。想像があっているのかモヤモヤ。

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    2025年08月16日
  • 怪談

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    暑いので怪談を読んで涼しくなりたくて手に取った本。
    短編集なのでさくっと読める。
    あまり怖くなくちょっとぞわっとするくらい。

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    2025年08月08日
  • 二重生活

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    文学的・哲学的尾行を実現する女子大学院生。
    他人の秘密を知ることで自分の中にも変化が起こるのかということも興味深い。

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    2025年08月02日
  • 会いたかった人

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    6つの短編
    どの話もちょっとスリルがある感じ
    妬み、怨みとか、魔がさすとか。
    一番記憶にあるのは、
    結婚式に登場する老女。
    散々遊んだ男には、痛い仕打ちが待っていた。人生、コツコツ真面目が一番だよ

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    2025年07月20日