小池真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
相変わらず「日常に潜む官能」の描き方は巧いですよね、小池さんは。
エマという女性、顔をはっきり想像する事は出来ないのに、唇や物腰なんかはリアルすぎるくらいに想像がついてしまう。とても魅力的に書けています。
但し、小池さん愛な私ですが、彼女の長編についてはシビアにならざるを得ません。
上に書いたように、彼女の「描写力」には素晴らしい物があります。
ところが、人物の設定ときたら毎回どの長編でも同じとしか言えません。
・女2人、男1人の三角関係
・女?の女?への異常なまでの陶酔、羨望
・女?のただならぬセックスアピール(官能的すぎるまでに官能的)
・女?への憧れのあまりか、女?の生涯ただ一人愛した男を寝取ってしまう女?
これらの点が私の読んだ中でも「恋」「欲望」「薔薇いろのメランコリヤ」に共通しています。
(私が読んだ長編でこうでなかったのは「ノスタルジア」くらい…)
そして更に悪い事は、これらの点の多くが、彼女の出世作「妻の女友達」の流れを汲んでいると思われる事です。
その設定自身が嫌いだとか言っている訳ではないのですが、余りに同じ設定が続くと、やはりこちらとしても食傷気味になってしまいます。
あ、勘違いしないで下さいね、私は彼女の作品を愛しています。本当に好きです。
「倒錯の庭」「ひぐらし荘の女主人」に至っては至高の本だとさえ思っています。
だからこそ、厳しい目で見てしまうのかもしれません。
(というか私、そのものが好きとか嫌いとかに拘わらず、批評体質なんですよね…) -
Posted by ブクログ
「名作!」、「すごく怖い!」という評判を聞いたことがあったので、ならばと思い読みました。
読んだ結果、「まあまあおもしろい」という感じでした。
決してつまらない作品ではないです。
が、特別おもしろいわけでもなかったように思いました。
期待値上げすぎたかなぁ。
大きな出来事が起きてさあ大変だ!という感じではなく、ちょっとずつちょっとずつ違和感が積み重なって、じわじわと追い詰められていく感じでした。
最近の作品では、作品の序盤とか、遅くとも前半までに大きな出来事が起きる作品が多いように感じています。
しかし、本作は前述のようにじわじわ系なので、最近の作品に慣れていると、もどかしく感じるかもしれません。
本作は1988年7月に単行本が刊行されたようです。
そのため、出てくる単語とか会話の言葉遣いとか当時のジェンダー感とか、時代を感じさせるものとなっていました。
こういう部分は、読みにくいということはなく、当時の雰囲気を体験できる良い要素でした。
なお、私が読んだことのある本の中では、一番古い作品となりました。
当時のホラー小説界隈がどんな雰囲気だったのか興味が湧きました。
まだ「リング」も発売されてない時代のホラー小説って、今ほど社会的立場が高くなかったのではと想像します。(「リング」は1991年6月発売)
そう思うと、現代のホラー小説の礎となった作品を読んだような気がして、良い出会いだったなぁと感慨深くなりました。
たまにはこういった古めの作品に触れるのも良いことだなと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画監督の夫と結婚して十年、凄まじい暴力に身も心も限界だった泉。
家を飛び出し隠れ場所をさがし降りたった街で、狷介な高齢の女性画家八重子に家政婦として雇われることになる。
気難しい八重子の我が儘も、夫と暮らした日々に比べたら何でもない。
献身的に働く泉に少しずつ心を開いた八重子。
ある日、友人サクラが経営するゲイバーに泉を同伴させる。
同じくしてそこには怪我をしたサクラを駅で助けたという訳ありの男が働いていた。
カウンターの男を見て泉は驚愕する。
そこには以前、夫のDV疑惑について取材したいと泉を追い掛けまわしていた週刊誌の記者の鉄治が居た。
鉄治はある事件を取材中に無実の罪を着せられ警察から逃亡中にサクラに拾われたという。
お互いの事情を知った二人は罪の共有からひかれあうようになり逢瀬を重ねる。
二人の関係性に気づいたサクラが激昂するもノンケしか愛せないからいつも片思いだと、泉に暴言はきながらも鉄治を匿う。
日陰の二人が初めてドライブに出掛けた日、鉄治は警察に出頭して行く。
口の悪い八重子とサクラがお互いをボロクソに貶しながらも唯一無二の関係性が素敵だと思った。
小池さんの作品はいつも上手くいきそうで実らない恋愛が多い気がしていたのでラスト少し意外だった。
ねちねちと粗探ししてはなじられ、歯向かっても暴力謝っても暴力のDVの描写が酷く読み進めていくうちに身体に力が入ってしまう程だった。