小池真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
時代背景は1970年、舞台は仙台、25歳年上の版画家:柚木と結婚した紗江は歳は違うものの大恋愛の末に結婚したこともあり、ラブラブな毎日を送っていた。
そこに紗江より二歳年下の東北大学の学生で、柚木に弟子入りしたいと言う眉目秀麗な青年:寺島東吾の出現により、3人での生活が始まるのだが、綺麗に噛み合っていた歯車が少しずつ狂い始める・・
前回の本格小説 といい、私は自分より5〜10歳位上の登場人物が出てくる本が好きだ。
でもって、時代背景も昔、私が子供の頃に既に大人になっている人たちが出てくる、そういう本が好き・・
携帯電話のない頃の恋愛小説は、心の機微が実に丁寧に書かれていると思う。
あるものをないと想定して考えることなんか出来ないから、今の若い人たちに対して、ないことを想定してごらん?なんて言うのは甚だナンセンスだとは思うけど、言い直しが利かなかったり、デートだって1回ごとに完結されたり、電話だって日に1回出来ればいい方だったり・・郷ひろみの唄じゃないけど『会えない時間が 愛育てるのさ 目をつぶれば君がいる』ってね・・・
そういう時代に恋愛できたこと、つくづく良かったな・・・って思う今日この頃・・・
自分の置かれている立場上、空想の中で遊ぶ。
だからか、小説の中に理想だったり好みの男性像を見ることがある。
実に平和だ(笑)
今回もまた見つけちゃった・・・
寺島東吾・・・いい男だ・・・・・^_^;
この本を”最後まで”読んだ人なら、わかるだろうな・・・
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Posted by ブクログ
相変わらず「日常に潜む官能」の描き方は巧いですよね、小池さんは。
エマという女性、顔をはっきり想像する事は出来ないのに、唇や物腰なんかはリアルすぎるくらいに想像がついてしまう。とても魅力的に書けています。
但し、小池さん愛な私ですが、彼女の長編についてはシビアにならざるを得ません。
上に書いたように、彼女の「描写力」には素晴らしい物があります。
ところが、人物の設定ときたら毎回どの長編でも同じとしか言えません。
・女2人、男1人の三角関係
・女?の女?への異常なまでの陶酔、羨望
・女?のただならぬセックスアピール(官能的すぎるまでに官能的)
・女?への憧れのあまりか、女?の生涯ただ一人愛した男を寝取ってしまう女?
これらの点が私の読んだ中でも「恋」「欲望」「薔薇いろのメランコリヤ」に共通しています。
(私が読んだ長編でこうでなかったのは「ノスタルジア」くらい…)
そして更に悪い事は、これらの点の多くが、彼女の出世作「妻の女友達」の流れを汲んでいると思われる事です。
その設定自身が嫌いだとか言っている訳ではないのですが、余りに同じ設定が続くと、やはりこちらとしても食傷気味になってしまいます。
あ、勘違いしないで下さいね、私は彼女の作品を愛しています。本当に好きです。
「倒錯の庭」「ひぐらし荘の女主人」に至っては至高の本だとさえ思っています。
だからこそ、厳しい目で見てしまうのかもしれません。
(というか私、そのものが好きとか嫌いとかに拘わらず、批評体質なんですよね…) -
Posted by ブクログ
なんともすごいものを読んだ感じがする。
途中までは犯人が誰か、何故両親は殺されたのかに注目していて、終盤犯人は百々子も殺すのかと不安になって、最後にやっと百々子の人生を落ち着いて眺められたと思う。
百々子という1人の人間の人生というには、犯人側の独白等もあるので一本道ではない感じがする。
多角的に描かれているとも言える。
一番印象に残ったのは百々子の結婚生活と律を養子にするところだった。
流産した女性に寄り添うのは現実に仲のよい夫婦でも難しいことではあるけれど、あまりにも寄り添ってもらえない百々子が可哀想だと思った。
離婚し、律を養子に迎えられて百々子はやっと安心出来たのだろうか?
最後まで強く生き抜く百々子はすごかった。