小池真理子のレビュー一覧

  • ふたりの季節

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    若い頃に愛した人は忘れないというのは本当のことだと思います。
    二人でいる時間が混ざり合って一つの思い出になるからこそ、数年後に会っても色褪せずに思い出が浮かび上がってくるのだと感じます。
    私も二人の思い出を沢山作って一生忘れられない恋をしていきたいです。

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    2023年12月30日
  • 日暮れのあと

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    2015年から23年までの7つの短編集。ほとんどが高齢期の女性が主人公。大きな出来事も山場もない淡々とした描写だが、物語丸ごと抱きしめたくなるような描き方が素敵だと思う。
    過ぎてみれば全部どうってなかったような、、、
    実感できるのは私が年とったせいかな。

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    2023年12月23日
  • 神よ憐れみたまえ(新潮文庫)

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    いち読者として、作家・小池真理子との付き合いもいつの間にやら長くなった。今から三十数年前、彼女の書いたエッセイを知人に薦められて書店へと出向いた私が棚から選んでレジへ差し出したのは、魅惑的なタイトル(「知的悪女のすすめ」)が付された随筆とは別のサスペンス小説(「プワゾンの匂う女」)で、それが著者の作品に触れるきっかけとなった。非常に多作なため、出版物全てに目を通すことは出来ないが、時々ふとその品格漂うセンテンスに逢いたくなる。そんな「付かず離れず」のままに、これまで小池文学を愛読してきた。文庫最新刊に当たる本作は、自分の留守中に両親が殺害されるという過去を背負った少女の人生を周囲との交わりを絡

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    2023年12月09日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    ユーミンの曲をモチーフにした短編集。

    どれもほろ苦い、大人の作品集かな。
    綿矢りささんのは、ちょっと怖かった。多くは読んでいないのだけど、ちょっと危うい女性を描くのが得意な作家さんなのかなと感じた。
    川上弘美さんの作品は、辛い描写もありつつ、それでも希望を持たせる終わり方でよかった。女の子がしあわせであるようにと、私も願った。

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    2023年12月05日
  • 日暮れのあと

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    生きづらさを抱えながらも愛に縋る者。人との繋がりに辟易し、自分の人生を生きようと決意する者。大事な人の死を受け入れられない者。何とかして受け入れようとする者。無邪気な恋慕に情熱を滾らせる者。切なさと清々しさ、ほんの少しの恐怖と愛おしさ。優しい夕日を眺める様な読後感。

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    2023年11月28日
  • 神よ憐れみたまえ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    何もかも恵まれて生まれた美しい少女が
    ある日両親を殺され亡くす。
    最初は色んな人の目線で描かれて物語は進んでいく。犯人もわりと最初の段階で分かるので
    犯人を予想するというサスペンス要素はない。
    ただなぜ、殺したのか
    なぜ捕まらずに生きてこれたのか
    は読み進めて段々と分かってくる。

    偶然重なった事故によって
    アリバイができ捕まらずに
    姪のことを異常なまでの愛情によって
    それに気付いた姉が激昂し、思わず殺すという展開。

    彼にとっての幸せとは?

    百々子の人生で何度も襲ってくる別れ、悲劇
    最後百々子はアルツハイマーになるが
    彼女の記憶に最後に残るものが
    美しいもので幸せな日々であることを願った

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    2023年11月28日
  • 異形のものたち

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    うーん。微妙。ジャンルではホラーだけれど、文学作品になってるのは、さすがという感じだが、オチがない。これからどうなるの?で終わるのばっかりだから、消化不良。
    映像にしようとしたら、かなり話を付け足さないとダメだなあ。
    悪くはないけど、話は普通。

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    2023年11月01日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    ネタバレ

    カバーイラストは濱口真央。

    ■綾辻行人 「再生」 (『亀裂』、『眼球綺譚』)
    中高生の頃に既読。再読。
    思った以上に・・・・の「・・」で笑ってしまった。

    ■鈴木光司 「夢の島クルーズ」 (『仄暗い水の底から』)
    中高生の頃に既読。再読。
    当時はすごい大人の話だと思っていたが、マルチ勧誘というしょぼさとヨットという対比が、実に大人っぽい。
    またヨット好きの作者らしい描写(専門用語)もきりっとしている。

    ■井上雅彦 「よけいなものが」 (『怪奇幻想短編集 異形博覧会』)★
    面白いアイデア。
    よく会話文が連続するときに陥りがちな混乱を逆手にとって。巧み。

    ■福澤徹三 「五月の陥穽」 (『怪談

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    2023年10月24日
  • 水底(みなそこ)の光

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    ドロっとした要素が多めな短編集でした。どれもなんか鬱屈とした雰囲気なのですが、それぞれに美しさがあり楽しめました。

    最後の「ミーシャ」はちょっと寂しいです。

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    2023年10月01日
  • 怪談

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    ネタバレ

    正体不明の不思議な現象の話でした。短編で読みやすかったですが人によっては最後モヤモヤが残るかもしれません。モヤモヤを楽しみたい方向け。カーディガンの話が特に面白かったです。

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    2023年09月28日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    松任谷由実さんの楽曲をテーマに各作家さんが書いた短編集。
    個人的には「春よ、来い」が一番好きだった。3人の視点から描かれるストーリーで、一見全く設定のない3人がどう関わってくるのか楽しかったし、ちょっとファンタジー的要素もあって(読んだ人にはわかる「あれ」)、なんだかあったかい作品で素敵だった。そして、ちゃんとユーミンのことが書かれてた。

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    2023年09月20日
  • 無花果の森

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    いただき本

    DVから逃れひっそりと暮らす女性と、無実の罪をきせられた男性。
    ここに老人の画家やサクラちゃんなどが絡む。
    男女がそれぞれの暮らしを仕切り直すまでの話。
    案外サラッとした感じ。

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    2023年08月18日
  • 異形のものたち

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    ネタバレ

    ひたひたと怪異が迫ってくる感じがじわじわ怖い短編集でした。どのお話も面白かった。
    怖かったのは「山荘奇譚」。この不条理な恐怖がここで終わってるのもいい。
    「日影歯科医院」「緋色の窓」の、情念のような想いが残っている怪異が特に好きでした。この人たちは現れるだけだし、歯科医院は治療までしてくれるから…全く痛くないのも凄腕。
    解説も面白かったです。お母さまが視える体質だったみたいだけれど、小池先生にもちょっと引き継がれたのかなぁ。

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    2023年08月17日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    読んだことのある話が最初2話続いたので
    同じ本を買ったかと焦った。
    オーストリア人の幽霊にイラつく。

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    2023年07月30日
  • 日暮れのあと

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    死や老いについて考えることは
    これまでの自分の人生を
    振り返ることでもあるなー。
    死というものに直面した人たちの
    心の揺れが
    その季節の花、鳥、風、雨
    そして月などと重ね合わせ
    細やかに丁寧に描かれている。
    死は特別なことではなく
    いつでもそこに
    生きているそばに
    当たり前のようにあるのだと思う。

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    2023年07月22日
  • 日暮れのあと

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    誰かの死と、残されたものの生と性、過去を思い出すきっかけとなったもの。それは鳥だったり花だったり月だったり音だったり。そういう過去への導き方が抜群にいい7つの短編集。

    どこかひんやりとした静けさ、背筋を冷たいもので撫でられるような感覚は小池さんならでは。そしてその静謐の世界を紡ぐ美しい言葉の数々。
    すっごく面白いとか、ハラハラドキドキとは対極にある、作品世界に没入し、しみじみと読後の余韻に浸れる作家さん。
    年齢を重ね、伴侶を亡くしてますます作品に深みが加わったような印象。
    人生を振り返る年代の自分には極上の短編集でした。

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    2023年07月14日
  • 二重生活

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    映画と本の両方を比べてみた。
    個人的には本のストーリーのほうが好みだ。映画は事件をつくり過ぎていて、終わり方も暗く悲しい感じがした。小池真理子さんの短編集の贅肉を読んで、面白くて、映画化されてる本作を読んでみた。ちょっとまどろっこしい表現と感じるところもあったが、表現力は流石だと思う。
    最後の終わり方には★5つけたい。

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    2023年06月12日
  • 仮面のマドンナ

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    間違いを正そうとしていると事故に巻き込まれる。そこから先は訂正することもできず。チャンスが巡ってきたと思ったら、どうでも良くなるようなできごとがあったり。人生どうなるかわからないもんだ。

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    2023年06月06日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    あまり歌詞リンクしている感じはしなかった気がする(あまりユーミン詳しくないのもあるかもだけど)

    綿矢りささんの青春のリグレットは綿谷さんらしいぶっとんで振り切った感じの主人公で面白かったし、歌詞と相まって忘れられない恋がある人には刺さると思う。
    「尽くされるより尽くす方が好き、自分が心から愛せる相手と一緒になることん夢見ていた20代のころ」

    春よ、来い
    「合コンが苦手じゃない男や女ってあんがい少ないんだよ」合コンって結局、互いを値踏みしてアピールする競技でしょうそんなのが好きな人間ってスポ根マンガに出てくるようなタイプの人間だけだから。

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    2023年05月31日
  • 怪談

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    文章がしっとりしている。「闇に惹かれる」というのがぴったり、そんな雰囲気を味わえる。読んでると死にたくなっちゃう本だ。

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    2023年05月16日