小池真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
時代背景は1970年、舞台は仙台、25歳年上の版画家:柚木と結婚した紗江は歳は違うものの大恋愛の末に結婚したこともあり、ラブラブな毎日を送っていた。
そこに紗江より二歳年下の東北大学の学生で、柚木に弟子入りしたいと言う眉目秀麗な青年:寺島東吾の出現により、3人での生活が始まるのだが、綺麗に噛み合っていた歯車が少しずつ狂い始める・・
前回の本格小説 といい、私は自分より5〜10歳位上の登場人物が出てくる本が好きだ。
でもって、時代背景も昔、私が子供の頃に既に大人になっている人たちが出てくる、そういう本が好き・・
携帯電話のない頃の恋愛小説は、心の機微が実に丁寧に書かれていると思う。 -
Posted by ブクログ
☆4.5くらい。
最近恋愛の相手に独占欲をあまり感じてないから、前半の夫妻のような奔放な関係はちょっとうらやましく、こうありたいとも思った(ちょっとやりすぎな面はあるけど・・・)
でも後半の夫人が恋愛をしてるとこを見ると、本気の恋をしたらその人のことしか考えられなくなっちゃうんだろうな・・・とも思った。私は最近彼氏より仕事とか研究とか友達とかを大事にしたいし、別に相手のこと独占したくないと思ってるけど、それは本気の恋じゃないからかなあ。高校のときは確かに相手のことばかり考えてた気もするし。
ただ最後の秘密はちょっと・・・・ありきたりすぎる気がした。
2006.4.11 -
Posted by ブクログ
相変わらず「日常に潜む官能」の描き方は巧いですよね、小池さんは。
エマという女性、顔をはっきり想像する事は出来ないのに、唇や物腰なんかはリアルすぎるくらいに想像がついてしまう。とても魅力的に書けています。
但し、小池さん愛な私ですが、彼女の長編についてはシビアにならざるを得ません。
上に書いたように、彼女の「描写力」には素晴らしい物があります。
ところが、人物の設定ときたら毎回どの長編でも同じとしか言えません。
・女2人、男1人の三角関係
・女?の女?への異常なまでの陶酔、羨望
・女?のただならぬセックスアピール(官能的すぎるまでに官能的)
・女?への憧れのあまりか、女?の生涯ただ一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ家系ホラーが好みなので購入。
約20年前の作品ということだが、読みにくい等はなかった。
タイトル通り墓地の側のマンションを購入したある一家に様々な怪異が起こっていくという話。そもそも墓地だけじゃなくてお寺や火葬場等も併設されているということでなかなか気味の悪い立地で何か起こらない方がおかしいだろうなという感じ。最初にペットの白文鳥が亡くなったことから始まるが、そこから怪異が始まっているように感じる。
ただ単にマンションに何かがいるといった怪異だけでなく、この一家の夫婦の後ろめたい過去から序盤は起こっている怪異に対して気のせいだと思い、相談できない雰囲気なのも気味が悪い。
最近のホラー小説のよ -
Posted by ブクログ
ホラーやミステリーで有名な6人の短編集。
書き下ろし短編集ということもありそれぞれの特色が出ており始めて読む著書の作品も読むことができてお得な一冊だと思う。
ただ、ホラー好きの方には若干ホラー要素は少なめな気がする。
私自身のおすすめは新名智さんと小池真理子さんの作品。
新名さんは本にしては珍しく読んでいくとゲームのような選択肢があり読者側に物語を選択させるという斬新なものであった。選択肢を変えれば何通りもの物語もある為、再読しても面白いと思う。ファンタジーかと思いきやしっかりオチもあり。
小池さんは主人公が少し訳ありでそちらに目を向けすぎて全然真相に気づけなかった。最後は少し謎が残るが、主