【感想・ネタバレ】存在の美しい哀しみのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

あれ、小池真理子、だよね?
変化したような気がした。
今まで持っていた、硬質な美意識とか、孤高の激しさ、とかのイメージがいい意味で裏切られて。
人はみな、複雑で多面的で、色んなものを内包しながは生きている。そんな豊かさとか、優しさとか、深みを増した切なさとか、ひとすじ縄ではいかないさまざまな感情とか
小池真理子、がもっと好きになった。

0
2016年03月24日

Posted by ブクログ

ストーリーは別として、こういう話の構成は好き。
榛名の母の人生をベースとしながら、かかわる人物の生き様含め、語られている。ここは要らないんじゃ?と感じる部分もあった。
最後の異母兄妹の話で、あまりにきれいにまとまっている気もするが、映画を観ているようなウィーンでのシーンだった。
ただタイトルの「存在の美しい哀しみ」が読後もピンと来ない感じがする。再読すればわかるのかな・・・。

0
2014年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

美しくロマンチックな家族の物語。共有できない時間を超えての結末。
ごく微量だだけれど虚無的な諦めたような雰囲気をたたえた登場人物たち。ひせさしぶりに小池真理子ワールド堪能。しばし素敵な世界にたゆたいました。

0
2013年03月18日

Posted by ブクログ

「家族の秘密」

そんなテーマに惹かれて読んだ。

どこか悲しく、決して幸せとは言えないそれぞれの半生、心の中の惑いに共感してしまう。

誰が悪い、というのではないのだ、と改めて思う。

ほんとうに、そのときを精一杯生きていて、そのときの自分、そのときの相手と、そうなることでしか自分を保てない。
んな悲しいほどの運命が、人生にはあるのだろう。

それでも、家族の歴史は「美しく」紡がれていくし、そんな悲しみを抱えながらでも、「美しく」生きていきたい。

0
2013年03月10日

Posted by ブクログ

家族といえども人それぞれには秘密があり、時にはそれをずっと抱えたまま生きていくことになるかもしれないし、打ち明けて少し楽になったり…、そんなきっとどんな家族、人にもありそうなことを深く流れるように綴った小説。

0
2013年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

連続短編集(というのかな)。

小池真理子の中では、家族というか血のつながりを題材にした作品ってめずらしいのかなと思った。
離れて暮らした異父兄妹を中心に、その家族にまつわる話。すべて読み終わると、タイトルの意味が少しわかる気がする。

プラハとウィーンが舞台になっている最初と最後の話は、小池真理子の美しい文体と上手く重なって、中央ヨーロッパの情景が目に浮かぶよう。まるで映画のような。

0
2013年02月18日

Posted by ブクログ

本屋で平積みになっているのに惹かれてジャケ買い。
プラハだけで進む話だと予想したものの、短編集といった形で。

個人的には「プラハ逍遥」「天空のアンナ」「ウィーン残照」だけでもいいんじゃないかと思っています。
それぞれの話はとても美しく、主人公が皆哀しみを抱いて、それぞれがそういった感情から繋がっていて面白いんですが、一つにまとめる必要はあったのかな?と。

また面白い点として父親は間接的にしか語られていません。父親はあくまでも影響を及ぼす存在ではあるが主人公ではありません。それが分かった上で再度読み直すのも面白いかと思いました。

0
2014年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 母、奈緒子から異父兄がいることを大人になって知らされた榛名。
 第1章「プラハ逍遥」は、母の死をきっかけに、兄、聡が住むプラハへ向う榛名が描かれている。

 そして続く第二章以降では、
 母―奈緒子、
 深田芳雄―奈緒子の同僚、
 玉岡知沙―榛名の父信彦の会社の女性、
 芹沢史恵―聡の継母、
 恵理―聡の異母妹、
 聡
 ・・・それぞれの視点でそれぞれの人生が綴られてゆく。視点―角度を変えることで全く違う景色が見えてくる。まるで万華鏡のよう。
 ただ、重大な当事者であるはずの二人の男(芹沢 喬、後藤信彦)の語りが欠落していることが残念。
 プラハ、そしてウィーンの街並みが美しく描かれています。

 第一章 プラハ逍遥 (榛名)
 第二章 天空のアンナ (奈緒子)
 第三章 我々は戦士だ (深田芳雄)
 第四章 ただの一度 (玉岡知沙)
 第五章 荘厳の日々 (史恵)
 第六章 片割れの月 (恵理)
 第七章 ウィーン残照 (聡)

0
2013年07月02日

Posted by ブクログ

彼が黙っていると榛名は頑なな表情で彼から目をそらし
「母は」といった。・・・亡くなる前、まだ意識のあった時、
聡さんのことをよく話していました。
私に全部教えておきたかったんです。
聡さんを残して家を出た時からずっとずっと、母は聡さんのことを
気にかけて生きてきたんだと思う。
忘れた事なんか1日もなかったと思う。
どんなにつらかっただろうって思います。

昔はわからなかった。でも、今はわかる。  私は・・私は・・
母の代わりにプラハに来て、聡さんと会ったような気がします。

無心に栗をむく、その姿を見ながら、聡は生まれて初めて、
自分が真に孤独でないこと、どこか目の見えないところで綿々と何かと
深くつなり続けてきたことを感じた。

小池真理子という小説家の奥深さを改めて知らされた。
孤独、愛情、情熱を実にうまく表現している。
最後わかりきったストーリーと思っていても深く深く感動し、
心を奪い取られてしまった。

0
2013年06月14日

「小説」ランキング