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Posted by ブクログ
あれ、小池真理子、だよね?
変化したような気がした。
今まで持っていた、硬質な美意識とか、孤高の激しさ、とかのイメージがいい意味で裏切られて。
人はみな、複雑で多面的で、色んなものを内包しながは生きている。そんな豊かさとか、優しさとか、深みを増した切なさとか、ひとすじ縄ではいかないさまざまな感情とか。
小池真理子、がもっと好きになった。
Posted by ブクログ
美しくロマンチックな家族の物語。共有できない時間を超えての結末。
ごく微量だだけれど虚無的な諦めたような雰囲気をたたえた登場人物たち。ひせさしぶりに小池真理子ワールド堪能。しばし素敵な世界にたゆたいました。
Posted by ブクログ
連続短編集(というのかな)。
小池真理子の中では、家族というか血のつながりを題材にした作品ってめずらしいのかなと思った。
離れて暮らした異父兄妹を中心に、その家族にまつわる話。すべて読み終わると、タイトルの意味が少しわかる気がする。
プラハとウィーンが舞台になっている最初と最後の話は、小池真理子の美しい文体と上手く重なって、中央ヨーロッパの情景が目に浮かぶよう。まるで映画のような。
Posted by ブクログ
母、奈緒子から異父兄がいることを大人になって知らされた榛名。
第1章「プラハ逍遥」は、母の死をきっかけに、兄、聡が住むプラハへ向う榛名が描かれている。
そして続く第二章以降では、
母―奈緒子、
深田芳雄―奈緒子の同僚、
玉岡知沙―榛名の父信彦の会社の女性、
芹沢史恵―聡の継母、
恵理―聡の異母妹、
聡
・・・それぞれの視点でそれぞれの人生が綴られてゆく。視点―角度を変えることで全く違う景色が見えてくる。まるで万華鏡のよう。
ただ、重大な当事者であるはずの二人の男(芹沢 喬、後藤信彦)の語りが欠落していることが残念。
プラハ、そしてウィーンの街並みが美しく描かれています。
第一章 プラハ逍遥 (榛名)
第二章 天空のアンナ (奈緒子)
第三章 我々は戦士だ (深田芳雄)
第四章 ただの一度 (玉岡知沙)
第五章 荘厳の日々 (史恵)
第六章 片割れの月 (恵理)
第七章 ウィーン残照 (聡)