小池真理子のレビュー一覧

  • 浪漫的恋愛

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    時代による倫ならぬ恋愛の結末の相違が面白い。月の魔物、母の幻想から逃れて、生きることを選んだ千津は潔くて格好いい。

    恋は魔物。いくつになっても結婚してようが子供がいようが恋は落ちるもの。落ちたら最後後戻りできない情熱的な狂気の世界が待っている。でも理性的な大人の恋の結末を迎えなさいと、小池真理子は言っているのかな?

    前半はまどろっこしいが、作中作の「月狂ひ」が幻想的で小説のスパイスとなっており、後半は千津の心の揺らぎが手に取るように分かって面白かった。

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    2010年08月29日
  • エリカ

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    誰もが不毛の愛に悩み、苦しんでいるこの時代に
    自分はまた、性懲りもなく真実だと錯覚できる愛を求め、
    愛し、愛されていこうとするのだろうか。

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    2010年08月27日
  • 冬の伽藍

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    小池真理子さんの本はこれで3冊目。

    面白いように引きこまれていくのは今回も同じだったけど、
    いつもパターンが似ていますねぇ。
    ちょっと3回続くともう良いかなって感じです。

    ちょっとした男女関係のもつれでの殺人というところが。

    前に読んだのは、殺人を犯してしまった女性がガンに侵されると言うもの。
    今回のは、殺人犯の彼女が余命わずか、というストーリー。

    殺人と病人を掛け合わせるのか小池さんの持ち味なのでしょうか?

    なにはともあれ、ちょっと出来過ぎたストーリーだけれど、
    一気に読めるくらい面白かったです。

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    2010年08月03日
  • 美神

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    美しい少女

    美し過ぎるが故に、男はそれを自分の人生に添わせることはできない。


    ただ束の間、同じ季節を過ごすのみ

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    2010年08月02日
  • 妻の女友達

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    悪女の物語。

    ここで描かれる悪女のありようは、男が思い描く「悪女」とはステージが異なると言わざるを得ない。


    それは究極的には男とは関係なく成立する特性なのだ。

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    2010年08月02日
  • 冬の伽藍

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    雪国を背景に置くと、なぜ物悲しい感じが出るのだろう…。
    昼ドラのどろどろした感じが楽しめますが、なんとなくしつこくない感じでした。
    恋愛を軸にして生きた女性のお話です。

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    2010年07月21日
  • 水の翼

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    美しいものを生み出す人々がたゆたう宇宙に、
    すっぽりと入り込むような感覚。

    凄く人間臭い部分も、
    ドロドロした部分も多々あるのに、
    どこまでも透明で儚くて、
    触れた途端に壊れてしまいそう。

    切なくて悲しくて、
    だからこそとても美しい。

    ☆☆☆★ ホシ3.5つ

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    2010年07月13日
  • ひるの幻 よるの夢

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    ①夢のかたみ
    ・夢を見ていた、と春恵は思った。馬鹿げた滑稽な夢。老いてゆく女にふさわしい。
     愚かしいほどのおめでたい夢。
    ②静かな妾宅
    ・「私は今が幸せなのよ。ここでこうやって、ポンコと一緒にいることが幸せなのよ。どこにも行きたくないし、誰とも会いたくない。どうしてわからないの?」と77歳の橋爪にせまる。
    「若いうちは誰でも、そんな気持ちになることがある。」橋爪は乾いた指先で素子の額にかかった髪の毛をそっと払いのけた。
    「一種のハシカみたいなものだろうね。自分に酔っているだけなんだ。そのうち、素子はわたしから巣立って行く。巣立たなければいけない。わたしのことを哀れに思わないでほしいんだ、素子。わたしは愛している女性には、決して同情されたくない。いい年をしてカッコつけていたいんだよ」
    ③秋桜の家
    ・志保は和馬と並んだまま、この男は嘘をついたかのか、それともあの轢き逃げ話は本当だったのか、と考える。今となっては、嘘のようであり、本当のようでもある。どちらでもいいような気もするし、それでは腹の虫が治まらないようなきもする。
    だが、わかっていることが一つある。加地は妻の情事を知らずにいた、ということである。だから、和馬の証拠湮滅を手伝ってくれたのである。それだけは確かなようである。
    この世には、知る必要のないことが山ほどある。知ったら最後、自分の人生を変えざるを得なくなるような不愉快な出来事に何ひとつ直面しないまま、幸福に生を終えていく人もいる。裕次郎や加地のように。
    ⑥シャンプーボーイ
    ・突然の来客があったので、と嘘をついて断ってしまおうかと思ったものの、それも大人げない。そんなことを考えるのは、桂木に何の思いも寄せていない証拠だったが、かといって、無関心なのかというと嘘になる。会って不愉快な男ではなく、むしろ心がなごむ。誘われれば喜んで応じたいと思うし、長い連絡がないと、ふと、どうしたのか、と気になる相手でもある。
     だが桂木は、雨の晩、健介に丁寧にシャンプーをしてもらってまで、いそいそと出掛けていくにふさわしい相手ではなかった。桂木は頼子にとって遠い身内のような、抑制を利かせた交流を心がけている。心やさしい隣人のような男でしかなかった。
    ・この人は、嫉妬にかられているだけなのだ、と頼子は思った。
    たった一度寝ただけなのに。これからもまた、寝る可能性がある、という、そのおめでたい想像にしがみつき、子供じみた嫉妬心を煽(アオ)られているだけなのだ。

    <感想>
    小池真理子氏をよんで女性の考え方が少しでも理解出来ないかと思い、上溝公民館図書で借りた。
    男も女も人間という生き物は、育った環境や生まれ持った宿命みたいの複雑に絡みあっていると思うので、いちがいにはその人(男・女)と付き合っていく中でその人に合うやり方で、触れ合っていくしかないと思う。

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    2010年08月06日
  • 夏の吐息

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    美しい文章で大人の恋愛を描いている。
    いつも思うことは、
    小池作品は容易に情景が浮かぶということ。
    色を持った文章だ。
    いつもほどの官能は感じられないが、
    奥深いトコロに愛を感じさせてくれる短編集。

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    2010年06月21日
  • 無伴奏

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    真実が明らかになった瞬間、どこかで気付いていたのに予想以上にショックを受けた自分に驚いた。
    繊細で美しい描写によって、物語に酔わされていたからだと思います。
    過去の自分の記憶を永遠に封じ込めるラストシーンは読んでいて痛いくらい。
    安っぽい恋愛小説にはない気品があり、上質の「切なさ」を味わえる作品です。

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    2010年06月18日
  • 水無月の墓

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    幻想小説の短編集。

    1話を見ただけだと、その叙述トリック的な部分が、奇を衒うでもなく、ただ驚いて終わるのでもなく、「腑に落ちる」という感覚に落ち着くのが心地良かったんだけど、どうも似たような構成の話が多くてさ。

    8編合わせると登場人物の7割がもう死んどる。

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    2010年05月20日
  • 無伴奏

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    高校生の響子の話。高校生でこんなに大人びていて感受性のゆたかな子がいるのかと思うとちょっと自己嫌悪というか、ガクっときてブルーになる。
    うらやましい体験とは言えないが、経験としてはうらやましい。
    みんながすごく自分の感情にまっすぐで痛々しいけどうらやましかった。
    これに比べると、私は自分の感情をごまかしてばかり。と思ってしまう。

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    2010年07月25日
  • 冬の伽藍

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    主人公の心の葛藤みたいなのを書いてある。
    私には結構理解できない所もあった。
    でも一人の人を愛し想い、続ける想いはすごいな、と思った。
    まさにその人に一生をかけている。そういう人がいる事は幸せだと思うけど、そういう生き方が幸せかとは分からない。
    私はやっぱり見返りとか期待しちゃうのかな・・・・
    引用したコメント。大好きな考え方

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    2010年05月02日
  • 瑠璃の海

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    設定に惹かれて読み始めた。読みやすい。ただ、夫が亡くなって、それなのに他の男の人に惹かれていく様子が、私にはやっぱりよくわからなかったです。けど、描写はわかりやすくも美しく、平戸や生月のうつくしい穏やかな雰囲気が小説にぴったりで、最期のシーンも静かに、美しく哀しく終わった感じがあった。しかし、無力感に襲われますね。他の方も書いてたけど、お母さんと最後に会うところ、泣きます。悲しい。

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    2010年04月18日
  • 瑠璃の海

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    同じ作者の『欲望』のレビューを見返して、さわやかな印象だと書いてあった。本当にそんな印象を受けたのだろうか?今回の『瑠璃の海』を読んで感じるのは、真逆の印象なので不思議に思う。同じ事故で身内を亡くした男女が惹かれあい恋仲になる。同じ悲しみを背負う二人が行き着く先にあるものは、けっして明るい未来などではあるはずがない。強い絆で結ばれていた生前の夫の浮気を疑い、また幸せだったはずの二人の生活にも疑念を抱き始める。そんな萌だからこそ、遊作が必要だったのだろう。

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    2011年10月12日
  • あなたから逃れられない

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    欲望に忠実なタイプのエゴイストと
    独善的なタイプのエゴイストと
    子供のように受け身なタイプのエゴイスト
    が、出てきます

    モラリストも突き詰めればエゴイストだと思いました
    人がけっこう死にます

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    2010年02月24日
  • 青山娼館

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    ★3.8って感じかなぁ。

    ストーリーは最愛の娘と親友を失った主人公が
    人のぬくもりを求めて親友が働いていた超高級娼館で働くお話。

    主人公、奈月の
    「全ての偶然は必然」
    っていう考え方はとても好き。
    ドライな物事の捉え方も、強さも好き。

    小池真理子らしい、小池真理子による、小説という感じ。

    他人の体温がどん底の心を救ってくれる(ような気がする)っていうのは
    よく分かる。
    主人公は誰にも分かってもらえないだろうって繰り返し主張していたけど、たぶん、そんなことない。

    別世界を覗き見たような
    でも本当はすごく近くにどこにでもころがっているような
    そんな不思議なお話。

    ただ、小池真理子を読むと、
    歳を重ねることや、女であることが誇らしく思えるから不思議。

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    2010年02月07日
  • 瑠璃の海

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    バス事故で夫を失った30代半ばの萌、娘を失った作家・遊作。突然の悲劇に結びつけられた2人は、同じ孤独の淵で愛し合い、終末へと向かう。運命に弄ばれ、静かな絶望に彩られた愛の行方。
    -紹介文より

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    2010年02月02日
  • ひぐらし荘の女主人 短篇セレクション 官能篇

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    「ひぐらし荘の女主人」小池真理子さんの短編小説集です。

    20代の頃、ほぼ毎日、一日一冊は本を読んでいました。

    その頃よく読んだのが小池真理子さんのミステリー。

    この頃の小池真理子さんは恋愛を絡めたミステリーを書く作家さんというイメージでしたが、

    その後、官能的な恋愛小説が多くなりましたね。

    直木賞を受賞した「恋」は私の中でもっとも好きな小説のひとつです。




    「ひぐらし荘の女主人」

    主人公の男性は売れない役者。

    北鎌倉の古い屋敷に住まう美しい女に惹かれ、日常生活を忘れて夢中になり

    最後は犯罪に手を染め、その人生を狂わせていく。

    女の、美しい無邪気な笑顔の下に潜む鬼・・・

    こんな女になら、人生を狂わされてもいい、と思うものなのでしょうか。



    「花ざかりの家」

    15年前に自殺を遂げた妻の不倫相手に出くわす夫。

    その不倫相手の家に「水仙が見頃だから来て欲しい」と招かれる。

    少女のように無邪気だった妻が、その男に関わることで

    徐々に女としての潤いを増してくる・・・

    その妻の様子から、不倫に気がつきながら見知らぬふりをした夫。

    突然の妻の自殺・・・それから15年。

    どうして今更、と思いながら、その家に足を運ぶ。



    清楚な白い花を咲かせる水仙は、冷たい風に揺られ

    可憐というよりもどこか寂しげで弱々しい・・・

    あんなくだらない男にひっかかって、たった一度の情事で死を選ぶなどと

    愚かしいと思いながらも、改めて、その妻の無垢がいとおしい。



    どうして彼女は死を選んだのか。

    物語の陰に潜んでいた「女」の存在が最後、突然姿を表します。




    「彼なりの美学」

    葉子は深夜、渋谷の映画館を出たところで、身なりの良い醜男に声をかけられる・・・

    その醜男はとことん女性の美に執着し、葉子に彼なりの美学に基づいた生活をさせ

    葉子の美しさを賞賛し続ける。

    自分の傍において葉子を飼育するのですが、そこに性的な交わりはありません。




    この本の中に性的な描写はほとんどないにも関わらず、

    全編に渡って官能的な空気が漂っているのが、

    さすが小池真理子さん、というところでしょうか。

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    2010年01月02日
  • 危険な食卓

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    小池さんの小説ははずれなしなのが
    うれしい♪

    今回も不安がつきまとう。

    『同窓の女』が意外な展開ですき。

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    2009年12月18日