小池真理子のレビュー一覧
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小池真理子の世界。克明な表現。ついついつられて読んでします。友人、蘭子の死をきっかけとして、蘭子の不倫の相手、湯浅と恋に落ちていく。エリカは最初は、亡くなったすぐに不倫を求める湯浅に毛嫌いをしていたが、41歳の誕生日を契機に、プレイボーイの湯浅の恋のわなに落ちていく。ハンバーガの店員「宮本洗一」が仕掛けた盗聴器に愕然でする。会って問いただすと「好きだったと、あなたは湯浅にだまされているという」いわれる。正直な青年に引かれる。最後は、その青年からも拒絶される。何不自由なく生きている思われる都会の寂しい女性の姿を描き出している。2008.04.27
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Posted by ブクログ
どろどろした〜。ひっさしぶりにどろどろしたぁ〜。
40才の未婚女性(起業家)と、43才?くらいの既婚男性(嫁と別居中)の
なんともベーシックな不倫のお話。
細かい仕込みはいろいろあるわけだけど、そんなのただの飾り。
まぁホントにまぁ。よくもまぁここまで、典型的な女の気持ちを書けるもんですね。
8割方、はい、おっしゃるとおり。おっしゃるとーーーりっ!
でも。読みながら。だから何なんだろうって思う。
グダグダ言ったころで、どこにも出口はないわけだし。
って、そんなこと言ってしまったら、書くほうも読むほうも、まったく甲斐ないね(笑)
それなりに楽しかったです。値段分の価値 -
Posted by ブクログ
新潮社からも文庫版が出てるようなのですが、読んだ本はこちら、集英社文庫。
ある意味懐かしい、70年安保闘争の時代。文庫本のカバーに書いてあるあらすじ(?)に引かれて読みました。
短い序章と終章が今(1990年頃)、本文が20年程前の回想、と言う形になっています。
高校生の主人公響子の初恋の相手は大学生の渉、渉の同居人の裕之介、裕之介の恋人のエマ。4人の間に起こった、忌まわしい出来事が永遠に4人を引き裂きます。
物語は、40歳になった響子が渉の姉の勢津子に(20年ぶりに?)会いに、仙台に出かける所から始まります。
タイトルの「無伴奏」というのは、20年前の話の中心となるクラシック喫 -
Posted by ブクログ
サスペンスや恋愛小説も書く作家の為か、ホラーとはいえただ怖いだけの作品ではありませんでした。
勿論、怖いです。ただ、じわじわとやってくる怖さあり、愛憎あり、現実と夢の交錯がありと、色々な面で楽しめる作品だったと思います。正直、その重なりで気持ち悪ささえありました(きっとそれがいちばんの狙いでは、とも思います)。
この世の中で最も恐ろしいのは、霊でもお化けでも妖怪でもなく、人間なんだと改めて感じました。
最近は恋愛小説の目立つ作者ではありますが、初期の頃のサスペンス等も好きな方にはオススメ(ホラーが苦手ではない、という前提つきですが)ではないかと思います。
(2005年4月30日) -
Posted by ブクログ
小池真理子の小説を読んでいると粘度の高い生暖かい水の中に沈み込んでいるような気がしてくる。回りの音が何も聞こえなくてほのかな幸福感に満ちた孤独な暗闇にいるような そんな気がしてくる。そして 息が出来なくなる。互いに家庭を持つ40代半ばの男と女の狂おしいほどの恋。同じように許されない恋に堕ちた結果自らの命を絶った母の物語と、作中小説の『月狂い』と3つの恋が絡み合い美しく静かな官能へと沈み込んでいく。許されない恋の行く末には何が待っているのか。死 か 別れ か月には狂気が隠れているのかもしれない文庫化にあたり改題されているのだけれど 私は元の『月狂い』の方がぴったりくると思う。浪漫的恋愛 には 苦