小池真理子のレビュー一覧
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①夢のかたみ
・夢を見ていた、と春恵は思った。馬鹿げた滑稽な夢。老いてゆく女にふさわしい。
愚かしいほどのおめでたい夢。
②静かな妾宅
・「私は今が幸せなのよ。ここでこうやって、ポンコと一緒にいることが幸せなのよ。どこにも行きたくないし、誰とも会いたくない。どうしてわからないの?」と77歳の橋爪にせまる。
「若いうちは誰でも、そんな気持ちになることがある。」橋爪は乾いた指先で素子の額にかかった髪の毛をそっと払いのけた。
「一種のハシカみたいなものだろうね。自分に酔っているだけなんだ。そのうち、素子はわたしから巣立って行く。巣立たなければいけない。わたしのことを哀れに思わないでほしいんだ、素子 -
Posted by ブクログ
★3.8って感じかなぁ。
ストーリーは最愛の娘と親友を失った主人公が
人のぬくもりを求めて親友が働いていた超高級娼館で働くお話。
主人公、奈月の
「全ての偶然は必然」
っていう考え方はとても好き。
ドライな物事の捉え方も、強さも好き。
小池真理子らしい、小池真理子による、小説という感じ。
他人の体温がどん底の心を救ってくれる(ような気がする)っていうのは
よく分かる。
主人公は誰にも分かってもらえないだろうって繰り返し主張していたけど、たぶん、そんなことない。
別世界を覗き見たような
でも本当はすごく近くにどこにでもころがっているような
そんな不思議なお話。
ただ、小池真理子を読む -
Posted by ブクログ
「ひぐらし荘の女主人」小池真理子さんの短編小説集です。
20代の頃、ほぼ毎日、一日一冊は本を読んでいました。
その頃よく読んだのが小池真理子さんのミステリー。
この頃の小池真理子さんは恋愛を絡めたミステリーを書く作家さんというイメージでしたが、
その後、官能的な恋愛小説が多くなりましたね。
直木賞を受賞した「恋」は私の中でもっとも好きな小説のひとつです。
「ひぐらし荘の女主人」
主人公の男性は売れない役者。
北鎌倉の古い屋敷に住まう美しい女に惹かれ、日常生活を忘れて夢中になり
最後は犯罪に手を染め、その人生を狂わせていく。
女の、美しい無邪気な笑顔の下に潜む鬼・・・