小池真理子のレビュー一覧

  • レモン・インセスト

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    再読。ずっと会っていなかった肉親に会った時の感情は恋とよく似たものです。でもやっぱり似て非なるもの。昭吾にはその違いを見極めることができなかったんでしょうね。切ない終わり方でした。

    小池さんの新しい物語が読みたいなあ…

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    2022年05月19日
  • 妖し

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    ネタバレ

    「喪中の客」終始いやな予感にドキドキさせられ、身構えていたのにやはり最後にゾクリ。やられた。

    「細川相模守清氏討死ノ事」時代物は苦手だが我慢して読み続けただけの価値はあった。読後爽快!ニンマリ

    「フクライ駅から」なーんだネット系の都市伝説かぁ…期待せず読み進めたら意外な展開になり引き込まれた。フェスタのその後を知りたくなる。

    「真珠星スピカ」なんて素敵な家族。泣けた。

    「わたしキャベンディッシュ」バナナに対する認識が変わった。シゲルの味が気になって仕方ない。

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    2022年05月19日
  • 記憶の隠れ家

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    記憶と家とは切っても切り離せないもの。。。
    外からは分からない何かが潜んでいる。

    冬の伽藍に続く小池真理子2作目。
    雰囲気がガラッと変わり
    こういうゾクっとする話も書く方なんだと
    1話目から興味深く読ませてもらった。

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    2022年05月17日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    澤村伊智、岩井志麻子、鈴木光司さんの作品は既読だったので、それ以外の作品を。こういう感じの怖さか、という作品が多かったけど、中では鳥の話が面白かったです。短編は手っ取り早く面白くていい。

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    2022年05月01日
  • ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選

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    美しいホラーを始めて味わった。
    ひたすら恐怖を感じる作品も良いが、たまにはこういったものに手を出したみるのも悪くないと感じた。

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    2022年04月25日
  • 青い夜の底 小池真理子怪奇幻想傑作選2

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     小池真理子さんのホラー短編小説集。初出のデータが不備のため個々の作品の年代は不明。主に80年代から20世紀末にかけての作品と思われる。KADOKAWAの編集者はちゃんと仕事してほしい。
     やはり小池さんのホラー小説はとても良い。どうやら作者自身、「美しさ」を心がけて書いているらしいが、全くその通り、美しいのである。淡々とした大人しい筆致で、どの短編も途中までは普通小説として書き上げられている。それから怪異が起こっても、その淡々としたたたずまいは変わらず、絶叫などはない。むしろごく当たり前の日常であるかのようにさえスーパーナチュラルな事象が馴染んでおり、その静かなタッチにはいささかのケレン味もなく、夢野久作などとは真逆である。
     小池真理子さんはホラーよりもメインは恋愛小説の方なのかも知れず、私はそちらはまだ読んだことが無いのだが、ホラーにおいてこそ、この文体は生えるのではないかと思う。
     以前にも書いたが、これでもうちょっと文章に工夫を凝らせば、立派な第1級の芸術小説である。ただしその際でもメインストリームの文学史は、こういう幻想文学は無視するであろう。坪内逍遙が上田秋成を無視したように。正しく評価されるには、少なくとも100年はかかるだろう。

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    2022年04月23日
  • 私の居る場所 小池真理子怪奇譚傑作選

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    読んでる途中からそうじゃないかなそうじゃないかなと思わされ、やっぱりそうなのにやっぱり背筋がザワっとする『幸福の家』『坂の上の家』『囚われて』が◎。

    『カーディガン』ははっきりしないからこその不安定な怖さもあると思うけれど、私としてははっきりしてほしかった。

    ねばねばした感じは苦手と思う作品もありながら、結局は全部読んでしまった。

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    2022年04月14日
  • 怪談

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    短編小説
    面白いが、ん?って思う短編もあり
    中には飛ばして読んでしまったのもあり、
    星を一つ下げました。

    個人の感想です。

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    2022年04月11日
  • 青山娼館

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    ネタバレ

    前半は友達との話だったので、娼館の話全然出てこない。
    新しいパートナーを見つけるでもないけど、気持ちの整理は付いてよかったなと思います。
    マダムの話やお客さんの話はあまりなかったので、期待した感じとは少し違ったけど、空気感を感じられて面白かったです。

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    2022年03月07日
  • エリカ

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    リーダブルなストーリーと細部まで美しい文章、恋とも言い難い割りきれない感情。
    丁寧に書かれた小説でした。

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    2022年02月15日
  • 懐かしい家 小池真理子怪奇幻想傑作選1

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     小池真理子さんのホラー短編小説アンソロジー。初出誌は巻末に記載されているが、年代が全部は載っていない。「1991年」と「2011年」のものがあることだけは分かるので、その辺りの頃、と推測するしかない。
     とても良い作品集だった。抑制された堅実な文体で淡々と醸し出される「恐怖の」イメージが、美しい。もう少し文章が磨かれれば、泉鏡花とまでは行かないまでも彫琢されれば、これは立派な芸術作品になると思う。
     ただ一つ、「蛇口」だけは、ストーリーは悪くないが文章が良くなくて、1991年の作だからもしかしたら作者のごく初期のものなのかもしれない。
    「ミミ」のような、一種の詩情さえ湛える形象の美しさを、更に「言葉」それ自体の輝きと共に構築できれば、それは素晴らしい芸術になるだろう。

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    2022年02月08日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    表題「再生」は伊藤潤二の「富江」のような不気味さがあり、
    それを受け入れてしまう語り手もまた気持ち悪すぎる。

    「鳥の巣」の結末にもひんやりとさせられた。

    「依って件の如し」
    「ぼっけぇきょうてぇ」でも読んだけど
    今読み返しても岩井志麻子の作品はこの作品集のなかでも圧倒的だと思う。

    明治時代(?)の陰鬱で貧しい小さな村で交わされる会話や
    情景描写は読んでいて息が詰まりそうになる。
    結末まで一気に読んでしまえるほど引き込まれた。

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    2022年01月23日
  • ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選

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     2021年刊、文庫オリジナルのホラー短編アンソロジー。2001年から2017年に発表された作品が収められている。
     冒頭の3編はエッセイである。著者の母親が霊感の強い人だったそうで、著者自身も幾らか霊感があり、何度も霊を見る体験があるとのこと。なるほど、それで幽霊の出てくる物語を多く書いてきたのかと納得。
     続く「恋慕」「花車」「慕情」は『律子慕情』なる単行本に収録された連作で、主人公律子の霊体験を、幼女時代からの成長に伴って描いている。この3編が、とても良い。一般的にこれは「ホラー小説」なのか?という疑問もあり、「恐怖をメインとした小説」という定義からは外れ、普通小説としての滋味を持って物語が進む末に、最後に故人の幽霊が出現する。その故人は主人公にとって親しい人々で、遺恨を遺して死んだわけでもないから「うらめしや」ではなく、生者への優しい愛惜を持って立ち現れるのだから、ほとんど怖くない。怖いホラー小説ではないが、怪異小説と呼ぶなら当てはまる。しかしそれよりも普通小説として「良い作品」だと思う。読んだことはないが、小池さんは恋愛小説を多く書いてきた作家なので、さすが、恋愛体験の細かな機微を巧みに描いている。
     掌編小説も何編か入っているが、ちょっとしたスケッチといったところか。小池さんは川端康成の『掌の小説』を愛読しているそうだ。
     ホラー小説らしく恐ろしい物語を紡いでいる時も、作者の文体は淡々としていていたずらに情動に揺れることは無い。特に文学的に優れた表現は見当たらないが、改行が多すぎることも無く、地味ながら却ってホラーの味わいを際立たせて効果的である。その点、こんにちの他のホラー作家の作品よりもぐっと優れている。
     普通小説の味わいを持ち、ふつうに優れた短編小説の入った、良い作品集だった。
     

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    2021年12月23日
  • 異形のものたち

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    短編の名手ありき!
    ふわっとしてるなぁとは思ったけど
    鮮やかな緋色には著者が心に留める官能がありました。

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    2021年12月07日
  • 怪談

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    全ての物語の主人公に人生が感じられるのがいい。怖さは控えめだけど物語の味わいを十分に楽しめた。それでも『座敷』は怖かった。

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    2021年12月06日
  • 二重生活

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    「文学的・哲学的尾行」の物語。
    この話を読んで、実際に全く知らない人を、
    ただただ尾行する楽しさは確かにありそうだなと感じた。
    人の生活の一部を安全な場所で覗き見ることは
    好奇心をそそられ、若干の優越感を得られると思う。

    「結局のところ、人は秘密が好きなのだ。
    彼が失いたくないのは、特定の誰か、ではなく、秘密そのものなのではないだろうか。」

    このフレーズは、秘密を抱えた人間は誰しも少しは考えることではないかと思った。

    秘密を抱えている人間は相手に対して猜疑心を持ちやすくなったり、
    尾行相手と自分の取り巻く環境の共通点を見出すと、自分は同じルートを辿っているのではないかと不安にかられるという点は、納得できるものがありました。

    結末がどうなるかハラハラして最後まで一気に読めました。
    人間の知りたいという好奇心をついた興味深い作品でした。

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    2021年12月01日
  • 異形のものたち

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    ネタバレ

    じっとりとした怖さと寂しさ、なんとも言えない後味の悪さ、非日常なはずなのに、すぐそばにあるような物語
    自分が死んでることに気づかず、山の奥の家に住み続ける話と、あるはずのない歯医者で治療後、その歯医者の後味の悪い話を聞かされる話がお気に入り

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    2021年11月25日
  • 夏の吐息

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    「恋」や「愛」という言葉で言い表すことの難しさを感じるような不思議な空気が漂った作品だった。

    恋人になったから、結婚したから、体の関係を持ったからそこに愛が生まれるとは限らないし、愛はもっと果てしなく深いところにあるものなのかな、ともひょっとしたらもっと軽いものなのかなとも考えさせられた。

    表題作も素敵だけど『パロール』が特に好き。
    一つの作品の中から暖かさと寒さが同時に漂ってきた。
    「死」と隣り合わせにあるからこそ「愛」がより引き立って不思議な暖かさと痛さを放って魅力的なものになるのではないかと思った。

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    2021年08月26日
  • 怪談

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    「怪談」っていっても、最初からおどろおどろしいとか、ぞわぞわするとかではありませんでした。
    普通の小説のようにはじまり、気が付くとこの世のものではないものとの関わっているという感じでした。でも、やっぱり、心に何か残るお話ばかりでした。

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    2021年08月21日
  • 沈黙のひと

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    2012年刊行、小池真理子さんの長編小説。裏表紙の解説を見ると、離婚によって疎遠になっていた父が難病にかかって死に、娘が遺されたワープロ原稿などを発見しそこに父の心の叫びを知る、という話だというので、これこそ私が読むべき本、読んで号泣しなければ! と衝動的に買った。
     私も2年前に離婚して家族を失い一人娘と離ればなれになり孤独になった状態なので、まさに「身につまされる話」なのである。
     もっとも、本作では冒頭で死ぬ父親は85歳、娘は50代ということで、私にとっては30年以上未来の状況ということになる。
     本作は全然エンターテイメントではないし、恋愛小説でもなく、際だったストーリーもない普通小説である。むしろ純文学に属していると言って良い。もともと地味な文体を持つ小池真理子さんの小説世界は、ホラーにおいてはむしろそれが効果的だったりしたが、本作は地味な物語を地味に語り続けているので、とても地味地味である。吉川英治文学賞を受賞しているが、あまり多くの読者を喜ばせなかったのではないかと推察する。
     先妻と離婚したのは父が浮気したためで、彼は浮気相手と再婚して更に二人の娘を持つ。老いてパーキンソン病に罹患した父は歩けなくなり、またほとんど口をきけなくなって、やたらと冷たく意地悪な後妻に疎まれて老人ホームへと追いやられる。妻は絶対に老人ホームを訪れない。先妻の娘である主人公の「私」=衿子が、すでにじゅうぶん大人となりかつて母と自分を「捨てた」父のもとに足繁く通い始める。もともと父は3人の娘の内衿子を最も愛していたようだ。娘が来るたびにとても喜ぶ。
     文学趣味をもつ父はワープロを使ってたくさんの手紙を送ってきたほか、ワープロ内に日記のようなものを書き綴ってきたことが、死後に分かる。短歌仲間である女性との親交や、密かな浮気のことなども判明していく。遺品の中から裏ビデオとともに、老女のビニ本が発掘されるところは笑った(そんなのあるのか・・・)。死後、生のありようの全てが、裸形となってあからさまになってしまうのである。しかしそれでも、故人の心的な真摯さや重みのある人生の軌跡は貶められることがない、
     死の直前、もはやワープロも打つことが出来なくなった父は、娘衿子に「生きてきて後悔してることってある?」と問われ、彼女の考案した「文字表」を使って「かぞく」と答える。ここが最も哀切である。衿子もまた、離婚して孤独に生きており、家族を避けるようにしてきた人間なので、父と娘のふたつの孤独さがダブるのである。
     孤独ななかにも灯され続けた「愛」が、晩年の父子のあいだに点滅するさまが、この小説の核心だ。
     私は本書をずっと自分の境遇と比較しつつ読んだ。私がこれくらい長生きしたとして、何か病に冒されて娘が果たしてこんなに接近してくれるかどうか、心許ない。もっと徹底的に孤独に私は死んでいくのかも知れない。
     本作中、チョイ出の或る作家が
    「男はね、最後は家族に戻るんだよ。自分勝手と言われようと何だろうと、晩年になって家族に受け入れてもらえるかどうかが、男の最後の勝負どこなんだよ」
    と言うのこ台詞は、私には刺さった。私にはその戻るべき家族がもうない、と思うからだ。しかも、本作の「父」は趣味でやっていた短歌を通して親身な異性の友人と交流しているのに対し、長年音楽をやってきたにもかかわらず私にはそんなリアルな友人は一人も居ないのだ。
     地味なこの小説は身につまされることのない多くの読者にとっては退屈かもしれないが、私にとっては、自分の残りの人生を深く考え直させるような、重要な本であった。私も「終活」したくなってきた。

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    2021年08月12日