小池真理子のレビュー一覧

  • 妖し

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    10人の執筆者が怪異をテーマに描く短編アンソロジー。
    ぞくぞくっとするお話。
    李果を食む、フクライ駅から、かぐわしきひとが好き。

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    2020年03月27日
  • 沈黙のひと

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     小池真理子さん。この人はなんて美しい文章を書くんだろう。謙虚で、上品で、過剰な装飾や誇張の一切ない洗練された文章がとめどなく続いていく。小難しい用語を使うわけでも、まくし立てるようにありったけの情報を文章に詰め込もうとするわけでもない。透き通った小川にさらさらと流れていく笹舟みたいに、滑らかに言葉が紡がれていく。ずっと読んでいたいと思う。あっという間に読み終わってしまって、もっとその文才の中に浸っていたかったという名残惜しさが募る。感想文を書くなんておこがましいと気が引けてしまうくらい。書くけどさ。
     主人公は50代女性。幼い頃、女を作って自分と母を捨てた父と、付かず離れずの不思議な関係を続

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    2020年03月10日
  • ノスタルジア 〈新装版〉

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    読んでる間、ずっと色々な展開を想像しながら読めて楽しかった。
    このちょっと不気味な感じも
    甘美な感じも
    小池真理子さんらしくて、ファンを実感してました。
    読んでる途中で小池さんの旦那様がお亡くなりになったニュースを見て
    このお話とも重なる部分もあり
    ただただご冥福をお祈りするばかりです。
    読後は
    雅之さんは俊之さんを使わなくても
    そのまま現れれば…
    俊之さんの気持ちはどうなの?って
    雪の降る日の最後の逢瀬
    46歳の俊之さんの肉体が必要なのか?
    ちょっとモヤモヤした気持ちになりました。

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    2020年02月13日
  • 妖し

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    ちょっと怖い話のアンソロジー。
    どの作品も、良かったのですが、あえて1つというなら、風鈴が出てくる話かなあ。
    読んだことのない作家さんに出会えるので、アンソロジーはおすすめです。

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    2020年02月12日
  • 妖し

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    10人の作家による十の世界。怖い 恐い 引きずり込まれる 目が離せない 読み続けてしまう。

    戻ってこれて良かった

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    2020年01月15日
  • 沈黙のひと

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    両親が元気なうちに読んで良かった。
    最後、ハガキをもらった後の文章で号泣…いつかこんな風に、記憶が渦巻いて、という表現がぴったりな感じで自分の父親を思い出すことになるのかな…

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    2020年01月11日
  • 妻の女友達

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    サスペンス短編集

    本格的な推理物とはまた違う、
    心理的な描写が多いなと感じた


    悪女達のお話。

    中には違うものもあるけど、女はやはり強いんだなって思わされる


    全ての話が女性が最終的に「勝利」している、と解説に書いてあってあー!確かに!ってなりました

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    2020年01月04日
  • う わ さ

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     「独楽の回転」「災厄の犬」「ひぐらし荘の女主人」「うわさ」の4編を収めるホラーミステリー集。短編集だが、それぞれの物語には独自の存在感があり、全ての話において引き込まれてしまう。
     個人的には「ひぐらし荘の女主人」がストーリー性、ミステリアス性において一番引き込まれた。日常的に起こり得そうな場面を切り取った「独楽の回転」はストーリーの意外性には欠ける(読み進めていくと展開が読めてしまう)が、何といってもタイトルがいい。「あぁ、そういうことか~」と最後まで読むとタイトルの意味が分かってくる。
     どの話も「世にも奇妙な物語」で取り上げられそうな内容であり、実写化したら面白いような気がする。

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    2019年11月29日
  • 沈黙のひと

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    ただただ、哀しかった。
    リリーフランキーの東京タワーを読んだ時もそうだったけれど、両親が元気なうちに、たくさん会おう、たくさん話そう。
    日常に忙しく忘れてしまうけど。

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    2019年10月16日
  • 恋

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    私はもう片瀬夫妻に憧れたりはしないけど、ふうちゃんが夫妻を自己同一化してしまう気持ちはわかるなあ‥。
    それが破滅を迎えるとしたら、やはり誰かを殺さなくてはならず、殺すとしたら大久保なのだろう。
    最後の「支えてくれた」「思い出を山のようにくれた」(だっけ?)という一文に、うるっとくる。
    山田詠美が大久保を「いい!」と言ってたけど、私は無理だなあ‥。
    とまれ、京極夏彦の言う母系集団であれば、異母きょうだいはきょうだいには非ず、さればこんな悲劇は起こらなかったのであーる。

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    2019年10月08日
  • 墓地を見おろす家

    購入済み

    最後がすき

    皆さん書いてますが、伏線回収はあまり無く、?が最後まで残ります。
    ホラーな雰囲気を楽しみたいなら文章も読みやすくライトに読める1冊です。

    疑問点は多く残りますが、最後の描写が個人的にはかなり好みです。

    関係ないですが、この本を読み終えてから急に浴室のシャワーヘッドから水滴がぽたぽたと落ちてきて別の意味でも怖かったです。
    夜の1人読書では結構勇気がいるかもしれませんね。

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    2019年09月12日
  • 沈黙のひと

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    パーキンソン病になった父は吃音しか出せずやがて会話=意思の疎通が行えなくなり、母は痴呆症でこれまた会話が成り立たない=意思の疎通が行えない、故に沈黙のひととなる。
    そんな両親を持った長女の生き様がリアルに人間くさく描かれており、決して他人事ではない。
    小池さんの本は知人からのすすめでとりあえず一冊と選んだ本だけど非常に人間くささの描写が克明に描かれておりぐいぐい物語に引き込まれる感じで、題材は暗いながらも興味深く読むことが出来た。多くの著書があるのでまた読んでみたいと思える作家さんだった。

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    2019年08月17日
  • 恋

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    内容
    連合赤軍が浅間山荘事件を起こし、日本国中を震撼させた1972年冬。当時学生だった矢野布美子は、大学助教授の片瀬信太郎と妻の雛子の優雅で奔放な魅力に心奪われ、彼ら二人との倒錯した恋にのめりこんでいた。だが幸福な三角関係も崩壊する時が訪れ、嫉妬と激情の果てに恐るべき事件が!?香りたつ官能、美しき異端、乾いた虚無感。比類なき美と官能に彩られた小池文学の最高峰!ジャンルを越えて絶賛された直木賞受賞作。

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    2019年07月09日
  • 柩の中の猫

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    内容紹介
    芸術家と娘と家庭教師、それなりに平穏だった三人の生活はあの女の出現で崩れさった。悲劇的なツイストが光る心理サスペンス。

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    2019年07月09日
  • 贅肉 新装版

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    短編集だと思わないで購入してしまったので、「贅肉」がもっと長いと良かったが、どの話もまあまあ面白かった。

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    2019年06月02日
  • 殺意の爪

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    【何度目かの再読】女流作家に目覚めたきっかけがこの一冊でした。何年も間が空いての再読で犯人やところどころ覚えていても忘れていることが多く新鮮でした。全体的にまとまっていてサスペンスの様で恋愛小説でもある。小池調の綺麗な表現と硝子のような言葉で鮮やかに斬っています。全ての人が怪しい。ラストはもうドキドキで肩に力が!思いもよらぬ犯人の不気味さと主人公の交差する思いとショックは計り知れない。久々に読んでやっぱり小池氏の表現の美しさ構成は素晴らしい。

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    2019年04月19日
  • ふたりの季節

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    面白かったです。
    かつての恋人と、30年ぶりに偶然再会するなんてファンタジーだと思ってしまいましたが、こんなお話があってもいいよなと思います。さすがに現実でも…みたいな夢は見ませんが。
    由香と拓が恋人として過ごした1970年代は、以前小池さんの「無伴奏」でも読みましたが、今とは違う若者像がなんだか新鮮で好きです。自分の十代の頃よりかなり大人な人たち…と思って読んでいます。
    ふたりの人生はまた繋がるのか、それとも一時の夢なのか…でもなんだかハッピーエンドなところも良いです。

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    2019年03月30日
  • 二重生活

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    小説としても面白いし、東京の知っている場所が舞台なのでより臨場感を持って読めた。
    ともすれば特殊な感情と受け止められがちなストーカー行為について、人間の本質的な欲求という側面からの研究として紐解くような感覚が導入となるが、徐々に研究だけにとどまらない感情が芽生えていってしまう話。

    自分がコントロールできなくなっていく描写がリアル。

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    2019年03月12日
  • 怪談

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    夜中に一人で読んでいると背中の辺りがちょっとぞくっと
    する、何気ない日常の中の異世界。
    何気ない話だからこその湿った空気感と冷んやりした霊気
    がやけにリアルで怖い。

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    2019年03月08日
  • 第三水曜日の情事

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    小池真理子さんの小説家デビュー作となるアメリカを舞台に外国人の男女が主役を務める20編のショート・ミステリー短編集。本書の感想はまさに外国の推理ドラマを見ているかの様な鮮やかなストーリー展開で新鮮さはありませんが最長でも10頁でスイスイ読めて普通に面白かったです。贅沢にモノクロのフォトが一話に1つずつ20頁もついていて洒落ていますし、こういうのは今時ほとんど見かけませんよね。意外なオチを軽く楽しみたい方にはお奨めですね。あと(洒落?)阿刀田高さんの美形と作家の関係について書かれた解説文も面白かったですね。

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    2019年03月01日