小池真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何年か前の「CREA」で小出恵介が名作3冊の中のひとつとしてこの作品を取り上げててびっくりしました。女性受けしかしないだろうなーって思ってたので。
その感想の中で、この作品からは煙とかの匂いが立ちこめてるって書いてあって、へーって思いました。正直あたしは最初から最後まで響子視点でしか読んだことなかったから、響子が感じることが全てで、周りの人や物や空気について考えたことも感じたこともなかったんです。
煙草や闘争の煙。確かに彼らと過ごした時間が20年経っても響子の中で燻っている。
渉が響子のことを好きだったのは嘘じゃないと思うんです。響子に対して好きだという感情をもったことと、本能が欲したものが別 -
Posted by ブクログ
初めて読んだ小池真理子さんの著作。
去年の秋頃、とっても色っぽく年を重ねている女性の方とお会いする機会があって、その際におすすめの恋愛小説として小池真理子さんの著作を挙げられた。
彼女曰く、小池真理子は作家の中で特に美人で、きっとものすごくもてていた、そういう人が書く描写はすごく生々しくて、だから好きなのだそう。
それ以来ずーっと読んでみたくて本作を購入し、今年になってようやく読み始めたの。笑
読んでみての感想は、久しぶりにこんなどろどろした気持ちになった。
読んでいて気持ちがずーーーんとなる小説が(特に去年の夏、ロンドンから帰国後)好きだったんだけど、まさにそう。
本作については、読んで -
Posted by ブクログ
世の中が浅間山荘事件一色の時代で、異端な恋をした4人の話
異常なほど仲が良い夫婦だが、互いに夫婦以外の相手と性的な関係を許している。広い世の中探せば、こんな夫婦結構意外といるかもしれないと思いつつ、実は兄妹でしたなんてパターンは異端すぎてないでしょうと思う。そんな二人に巻き込まれた女子大学生が最終的に夫婦の妻が本当に恋した男を射殺してしまうのだが・・・。異端な恋を神聖視までしてしまった女子大生。自分が彼女の立場だったら、果たしてどうしたか。女子大生の孤独感・虚無感が良く伝わってきた。
人を殺すのに理由は要らないという。そこに銃があったから引き金を引いた。その結果、人が死んだ。ただそれだけ