あらすじ
恋のときめき、愛しい人たちとの別れ、書くことの神秘――。喜びと哀しみに身をゆだね、生きていく。生と死とエロスの世界を瑞々しい筆致で描き、読者を魅了し続ける著者の芳醇なエッセイ。
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Posted by ブクログ
小池真理子さんの代表作はほとんど読んでます。どの作品からも感じられる、鋭い心の機微や美しい情景描写、匂いや温度は、小池さんが過ごしてきた幼少期や思春期の家族との思い出。大人になってから出会った、魅力的な作家たちとその別れ。愛しい生き物たちからヒントを得て、作られているのだなぁとしみじみ感じた。作ること、食べることの章では、小池真理子さんという女性が身近に感じられた。面白かったです。これからも作品、読み続けます。
Posted by ブクログ
「大小の嵐をくぐり抜けつつも、人生を誠実に生きてきた人だけに神が特別に与えてくれる本物の力、本物の感受性、本物のやさしさ」という言葉が印象的だった。それは無理でも、少しでも近くにいきたいな、と思う。
Posted by ブクログ
小池さんの文章は本当に手触りの良い上質なガーゼケットのよう。
過去に読んだことのある本について、小池さんの目を通すとそう捉えるのかと新たな発見もあった。谷崎潤一郎を再読したくなった。
フランス映画の視点についても興味深い。
特に心に残った箇所
「本物のときめき」
私自身はもう若者ではなくなってしまったけど、若い頃から“なんとなく無難”を選んでしまっていたので痛いところを突かれたなーと感じた。何かとコスパ、タイパや断捨離など無駄を極力省いたものが好まれるけど、無駄こそ人生の楽しみというのもまた一理。
「至福のほろ酔い旅行日記」
オランダは自己責任の国。運河にはどこにも柵や手すりが設けられていないそうで、こどもたちは服を着たままプールに飛び込み、自力で這い上がる訓練をするという。日本もそういう傾向になってほしいなと思った。