山崎ナオコーラのレビュー一覧
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山崎ナオコーラさんといえば、「モサ」や、「母の友」で連載されていた「線の上のママとぼく」のように、世の中には『マジョリティに合わせた社会システムの中で、自分たちがただそのままで生きるということにも辛さが伴う』人たちがいるんだよということを様々な視点から描く印象が強く、本書(2025年)では、『ノンバイナリー』の「向井アマネ」が『友情を築くために生きていく』人生が描かれております。
ノンバイナリーとは、『男か女という既存の性別区分にとらわれない、多様なジェンダーアイデンティティの一つ』だそうで、正直なところ私には理解できない部分もありながら、そう感じるのならそれでいいんじゃないのという心境 -
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ノンバイナリーの自認を公言している著者による源氏物語の読み方ガイド。
わかりやすい語り口で、源氏物語、めっちゃヤバいよねー!て感じで読みやすい。現代だったら性犯罪!という当時の恋愛観を断罪でも評論でもなく、面白がりながら読んでいく。今ならありえない設定だけど、心情的にはわかるし、よくないことだけど、この描写にはカタルシスがある、など、なるほどー、面白い!とすらすら読めた。
恋愛が生活と切り離せず、女性が主体的に生きることが許されなかった時代。その時代にとっての恋愛を光源氏側からではなく、その相手側からの視点に切り込んでいるのが新鮮だった。ノンバイナリー自認にも関係しているのか(いないのか)、中 -
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ネタバレキラーワードいっぱい書いてあるじゃん!
「ユリの世代は、オレの世代よりも安定した時代に青春を過ごした世代なんじゃないだろうか。「甘さ」や「弱さ」が見える。
オレは人生について考えるとき、「自分の中身」や「自分の成功」というようなことより、「サバイバル」という感覚の方が強い。」
「恋してみると、形に好みなどないことがわかる。好きになると、その形に心が食い込む。そういうことだ。オレのファンタジーにぴったりな形がある訳ではない。」
「この人は相当の変わり者だ。でも、おそらく常識も持っていて、人に合わせることができる。しかしその能力がある分、殻が厚く、中は風変わりなものがそのままになっている。ユ -
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ネタバレ先にエッセイを読んでいたので何が言いたいかが分かりやすい
これは小説…?小説というよりエッセイ…?
文学なのかいなこれは、と序盤では思う
この人は私ができないことうっすら分かってるけどきちんと理解していないことを理解して受け止めているのがすごいな〜
女姉妹欲しかったよ〜
無条件で仲のいい人
女友達は時として離れるけど姉妹なら離れなくていいもん
でもやりにくい面もあるだろうけどね
血のつながった姉妹こその干渉的で遠慮のないお気持ち表明を受けながら、肉親ではなかなかやる機会のない腹割った話し合いを逃げずにやり、お互いの価値観を認めること=お互いを肉親でない1人の人間として認め、適切な距離感を保ち -
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ネタバレ面白かった!
源氏物語とか光源氏とか紫式部とか
今まで幾度となく耳にしてきた名前だけど
ぜんっぜん興味なかったんだなーって痛感してしまった。
こんなにも面白い話なのに
学校の授業では難しすぎて、全く好きになれなかったもんなあ。
この物語が、どの程度事実を反映しているかはわからない。
だけど、女性に対する目の向け方や、接し方があまりにもひどくて
憤慨しそうでした。
兎にも角にも、全体的に
その人物を愛しているというよりも
誰かに似てる、誰かの血縁だから愛するっていう方向性で
なんだか、これを純愛と言っていいのか?な話が多かった。
男性陣は好きに恋をして、相手の気持ちなんてほとんど考えずに -
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私も働きながら子育てをしている母親として、共感できることが多かった。
そしてジェンダーや世間一般の夫婦感への疑問は、自分と同じように考え、より深くまで思考していてうなった。
女性の社会進出による少子高齢化という概念に物申していて、そうそう!私が言いたかったのはこういう事!と読みながら共感した。
社会の風潮や流行りの思想などにぼんやりと考えたり問題提起をしたりするが、私の場合は考えがぐるぐるぐるぐる回って終着点のない観覧車みたいになってしまっているが、著者はしっかりと考えを着地されるので読んでいてスッキリする。
他の著書も読んでみたい。
著者のすごいところは、 -
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医者が用意した人生ではなく、妻自身の人生をまっとうしてほしい
この言葉の本当の意味が、小説全体を通して段々とわかってきます。
医療職として終末期をみることもある者としては、この小説の医療者の見え方はかなりショックなものでした。特に、医師との噛み合わない話の場面では、医師側の気持ちも大いにわかってしまいました。トラブルを避けるために、事実ベースかつ最悪の想定を常に話しておき、それを理解してほしいという思いが先走ってしまうのです。
仕事を効率よくこなすことに躍起になり、疎かになっていた、病気ではなくそのひと自身をみるということを思い出させてくれる、苦しい読書となりました。
ネガティブなことばかり -
Posted by ブクログ
最後まで読むとタイトルの良さが分かる。とても良い、とてもマッチしたタイトル。まさに美しい。
近い時も遠い時も、近づく時も遠のく時も、相手を想うことで「美しい距離」となるのだなぁと。
この小説の紹介文に“がん患者が最期まで社会人でいられるかを問う病院小説”とあったのだけど、読んでみると印象は全く違うなぁと思った。視点がそのがん患者の夫だからそう感じたのかもしれないけれど。
豊崎由美さんの解説に、“小説は書かれた言葉だけで成り立っているのではない。書かれていないことにも語らせる力を持った小説こそが、いい小説なのだと、わたしは思う。”とあった。「まさに」!
この小説は、静かな中にも、ひしひしと夫の -