山崎ナオコーラのレビュー一覧
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大きな会社の中の小さな班の職場小説。その班には正社員と契約社員がいて、それぞれ立場や生活は違うのだけれども、みんな働いている。思い思いに一生懸命に働いている。
納得いかないことの方が多いし、大変が当然。
でも仕事って内容が良いにこしたことはないと思うが、何より人間同士の付き合いが何より重要なのではないかと思う。
職場に好きな人たちがいる。尊重し合えたり、思いやりを持てたり、優しくしてもらったり。
きっと仕事の内容なんてそこが良ければ、どんなに面倒であろうが、地味な作業であろうが、頑張れるのではないだろうか。
社会ってそんなに居心地の悪い場所ではない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画より好きかも。
きれいな小説です。
なんだかおしゃれ。
んでもって、無駄なところがなにもなくて、シンプルで。
やっぱりユリがかわいすぎる。旦那が猪熊さんっていうのがまたいい。
好きなとこ。
ユリのことば。
「自分が楽しければ、相手も楽しいと信じること。絵と同じ」
年越しのシーン。
もし神様がベッドを覗くことがあって、誰かがありきたりな動作で自分たちに酔っているのを見たとしても、きっと真剣にやっていることだろうから、笑わないでやってほしい。
小説を読んで、うっとりして、いいきもちになりました。
ナオコーラさんって、タイトルの付け方とかむっちゃセンスあるなぁ〜。
2015.10再読
ひさしぶりにあの世界にひたりたいなぁ~と思って手にしたものの、読み始めて、苦しくなった。
ところどころ、飛ばし飛ばしにしか読めなかった。
いやもう、リアルすぎて。
いまの自分にすこしシンクロするというのもあるし。
逆だけど。
どちらかというとユリの年齢に近いのに、いまの状況ってみるめ側だし。
ユリみたいになれない自分がかなしくなってしまった。
逆に振り回したいよ、みたいな。
振り回した事は過去にあるけれど、いまは違うからね。
ユリみたいにさ、相手はいるけど、若い子としてみたいよね。そういう立場になってみたいもんだよね。と思ったけれど、再読してみると、ユリも迷ってる感じがすこしした。じょじょに気持ちは薄れていったのだとは思うけれど。。。
みるめくんかわいいよね。
いちゃいちゃしてみたいよね。
なんか、こんなふうに純粋に恋愛したことあったかなぁ。。きらきらするような。
もう、通り過ぎると、そう思えなくなってるのかな?
でもやっぱ、どれだけ、まわりからは陳腐にみえようと、想っているひととするセックスというのは、しあわせなものだと思うのです。
そこだけ切り取って、たまに思い出して、あたためてもいいと思います。
はじめて読んだときは、
空間をきりとる文章力とか、文字のかんじだとか、小説の間にながれる空気感とか、そういうものに、いいなぁ。。と思っていたのだけど、再読のいまは、内容がグサリときてしまいました。
また、ほとぼりが冷めたころに、読みたい。 -
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ネタバレ面白かった!いろんな考え方があるんだなあと思う。妊娠出産子育てに対して前向きになれた。
女性ということで不利益を被った経験があまりない、という筆者。羨ましい。むしろフェミニンな男性を応援したいという。すごくフラットに物事を見ようとしている筆者だから、女性という理由で不利益を被っているひとたちの存在を過小評価したり問題を矮小化するものではないのだと思うけど、てまもやっぱりみんな自分自身の経験に基づいてものを考えるよな、でもだからみんな違って面白いとも言えるよな、と考えさせられた。
妊娠経験者じゃなくても面白いと思うものを書きたいと書かれていて、確かに面白いのだけど、でもやっぱりこれだけ面白く読めたのはわたしが妊婦だからだなと思った。
ひとのセックスを笑うなを読んだときには感じなかった筆者の考え方がストレートに表現されているエッセイを読めて小説を読んだときよりこの本を読んだときの方が筆者の書く文書に興味を持った。
不妊治療はいまではかなり一般的な治療になっているとかんじるのだが、10年前では繊細な話題だったのか!と知って社会が変わる速さに驚く。
変わるべきは社会の方だ、という視点が多くてそこが共感した。わたしもそう思う。成熟した社会は困っているひとを助けるべきというのも、自己責任論が嫌いなわたしは本当にその通りだと思う。同じように考えているいてすごく嬉しい。努力しているから助ける価値があるとかないとか嫌だとわたしも思う。 -
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ネタバレ特に小さい頃から大学生ぐらいまでのやりとりが面白かったですね。立場が違うとか、意見がぶつかったりとか、刀と刀がキンキンとぶつかっているようで。陽ちゃん、小平さん、そしてアマネ、3人ともなんかかっこいいんですよね。後半はとても穏やかでしたね。友情であるならば人と一緒に居ることができると思えたのかな。けど、私の読後感が悪い。諦念を感じるからかな。学校のくだりがひっかかる。アマネの刀の切れ味が落ちたように思う。余程傷ついたのではないか。穏やかなんだけど、本当にこれはハッピーエンドなのだろうか。それはアマネに対して感じるのか、それともアマネを取り巻くいろんななにかに対して感じるのか、自分でも分からない。
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いつも自分のことばかり考えて、いつか人は死ぬということに囚われ続けてきた自分が、親になるということがずっと想像できなかった。学生時代の友人、同僚が親になったということを知るたびに、自分には人間を育てる資格はないということを思い続けてきた。ロクデナシだった人たちも、子どもを持ち、親になることで、人生の視座みたいなものを変化させていっていることを感じると、自分はそれをどうしても避けたくなってしまったり、逆に面白そうと思ったり、そういうふうに生きてきた。
深く考えると人間、結婚したり、子どもを持ったりということはできないだろう、というようなことを某作家が言っていたらしいとTwitterの名言的なbotで見て以来、それは本当にそうだよなと思ってきた。
それは変わらないけれど、親になるとは具体的にどういうことなのか、本著の山崎ナオコーラの言葉を通じて考えさせられ、新しい視点をもらえた気がした。具体的にどういうことなのか説明は難しいけれど、自分の母親もここに書かれていることと同じようなことを思っていたのなら嬉しいなと素直に思えたことは大きいのかもしれない。理知的な作者はもしかしたら周りからはめんどくさい人と思われているかもしれないけれど、むしろそういうところにこそ私自身には深い共感があって、「深く考えて親になる」ということだってあるのだと思わせられた。とてもいい本だった。 -
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ネタバレ久々のエッセイ。
普段家事を担っているので親しみやすくサクッと読めた。
『この時間を活用して身にしてやる』と思いながらの家事をしたいと思えた。
『誰よりも気づいてしまうがゆえの辛さ』はもちろんあるものの、整えたあとの快感もまた、私にしか得られないものだと思えばまだマシか。
★『子どもとの会話』は愛から行う最たる行為だが、自然に振る舞うだけだと足りない。『時間をかけよう』と心がけなければなかなか十分なことはできない。『家事労働、仕事と捉えてもいいもの』と思った方がきっとうまくできる。
★特に育児は『ありがとう』のない世界だ。ペイフォワードという言葉がある。子どもは親に『ありがとう』と言う必要がない。 -
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ある集団の中で自分の立ち位置を確保するために起きる、自分の心の内と周りからのキャラとの軋轢から入る隙間風にピューピューとさらされ、冷たくもなれば暖かくもなり、時折投げやりになったりして、次第に乾いて壊死していくそういう青春の過程を鮮明に保存していて、すごく好きな雰囲気。行間を登場人物の心情をリアルに想像してしまう。
音楽を人間関係を円滑にする、集団の立場を強固にする道具にしたくない。けれども、立場は確保したいし疎外感は感じたくない。すぐ気折れしてしまう臆病な側面もあり、心を交わし合うセックスもあり、コミュニケーションのためのコミュニケーションという空虚な集団の中で、緻密な乱打戦が繰り広げられてる淡白で不気味なほど等身大な物語。本当に社会を生き方を冷凍保存したような物語。
そういう集団とか立場とか構造とかとの適切な距離感を測り合いながら交わっていくのって難しいよなぁと思わされる作品 -
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初めての山崎ナオコーラさん。
めちゃくちゃサクサク読めた。
無駄がなく読みやすい文だなぁ、という印象。
詩的っていう表現、ピンとくる。
異業種だからかあまりラテ欄の仕事にはピンとこなかったけど、職場の人たちとの会話や雰囲気、とっても共感できるものがあった。
下手したら家族より長く一緒にいる人たちで、家族みたいなのに、この職場で働かなくなってしまったら連絡取り合わないんだろうなぁっていう職場に感じている切なさをまた感じてしまった。
「仕事」と「責任」に関しては自分でも強く意識してる部分だったから、そういう話になるとやっぱり胸がキュッとするなぁ笑 -
Posted by ブクログ
何の変哲もない日常を描いているはずなのに、不思議と読後に強く残り続ける一冊だった。
もちろん物語そのものも素晴らしいのだが、ナオコーラさんは何より表現が素敵だ。花見のラストシーンなんて、文章を読んでいるだけなのに、僕は完全にエリちゃんと一緒に代々木公園を歩き回っていた。あの日の空も人混みのざわめきもエリちゃんの坊主頭も感じながら読み進めた。
キャラクターも魅力的である。
梅田さんやエリちゃんのような、大人になっても自分の欲求や衝動に素直でいられる人に惹かれる感覚はすごくわかる。
大人だから、もういい歳だからと、自分で勝手に制限をかけながら生きてしまう中で、彼女たちは軽々とその線を飛び越えてくる。夜中に大学へ忍び込むこと。深夜2時に遠方の恋人へ別れを告げに行くこと。そんな無茶苦茶さに振り回されたい。
一時は「死ねばいい」といったカツラさんを笑った常連客の顔面にエリちゃんがグーパンチをお見舞いするシーンはさすがに笑ってしまった。
特に印象に残っている一節がある。
「男女の間にも友情は湧く。ーー友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。ドロリとしていて当然だ。恋愛っぽさや、面倒さを乗り越えて、友情は続く。走り出した友情は止まらない。」
よく、女性は知り合った男性を「彼氏候補」か「男友達候補」かで分類し、一度その枠に入るとなかなか覆らないと言われる。
一方の男にとっての女性は、彼女候補兼女友達である場合も多い。友情としての親密さを感じながらも、彼氏ができれば少し嫉妬し、肌の露出にエロさを感じてしまう。その曖昧で、不純で、それでも確かに友情である男の感情を、なぜここまで理解して言語化して描けるのだろうと感心した。
少し変わった誰かの日常を覗いただけなのに、自分の感情まで掘り返されるような小説だった。