山崎ナオコーラのレビュー一覧

  • ご本、出しときますね?

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    若林さんは不思議な人だ。
    めっちゃ自意識過剰で自己防衛本能が強くて、見栄っ張りでカッコつけ。本音は言わない。
    だけどスッと人の懐に入ってくる可愛げもあるんだなぁ。
    この本では、若林さんのそんな部分が遺憾無く発揮されていて、終始ほっこり見守る気持ちで読むことができる。
    人が死ぬ本ばっかり読んでたアタマが癒される〜。

    私が好きなのは、羽田圭介さん&藤沢周さんの回。
    この回は、若林さんが話すボリュームも多くて、羽田さん、藤沢さんとの相性の良さを感じる。話してることもほどよくカタくて、良い意味で、男同士っぽい感じ。小気味よくてずっと読んでたい。一冊丸ごとコレでもいいなぁ。
    あとは角田光代さん

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    2025年02月13日
  • あきらめる

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    「あきらめる」
    あきらめる…明らかにすること。
    自分はこういうものだと欠点も認めたうえで、そのまま生きていく。
    近未来の設定が面白かった。

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    2025年01月14日
  • 美しい距離

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    ネタバレ

    自分にもいつか訪れるかもしれない日々
    「死ぬための準備期間のあるがんという病気
    がんは、それほど悪い死に方ではない」
    考えさせられるフレーズだ

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    2025年01月13日
  • あきらめる

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    あきらむ、は「諦める」の古語で、明らかにする、というプラスの意味だ。
    現在のあきらめるという語とは全く意味が異なるように感じる。
    しかし、一旦あきらめることで、自分をありのままに受け止めてより良く生きられるということでもあるのだなぁと、今作を読んでいて感じた。
    自分の欠点や願いを諦めて手放すことで、冷静に今の自分に向き合い、問題への解決策や改善策を模索できるようになる。
    それは、とても前向きで建設的なことではないだろうか。
    世の中には「あきらめるな」というメッセージが溢れているが、人は完璧ではないし弱い生き物なのだから、むしろ「あきらめる」ことをもっと考えなければいけないのではないか、と思った

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    2025年01月11日
  • 美しい距離

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    「来たよ」
    カーテンから覗いて、片手を挙げる。
    「来たか」
    笑って片手を挙げる。

    こうした2人の、2人だけのやり取りがとてもあたたかくて、やさしくて、今でも心に温もりを宿らせています。

    「ありがとう。気をつけて帰ってね」

    「大好きだよ」
    小さな声で耳元に囁いてみた。

    夫と妻、そして、父と母やお客さん。
    それぞれの、それぞれなりの心づかいや愛情が心に響きました。

    また、"余命の物語“や「妻が死んだ時に距離の開きが決定したのではなくて、死後も関係が動いている。」といった言葉も印象的でした。
    "余命の物語"はネット上などで時々目にする美談化的な営みの中に似たも

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    2024年12月10日
  • 美しい距離

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    サンドイッチ屋を営む妻が末期がんになった。
    夫は勤務先での理解を得ながら介護をし、妻の社会性と向き合い、どのように接するのが良いのか、妻が何を望むのか、深く深く考えながら残り少なくなった妻との時間を過ごす。

    闘病中の友達と家族の気持ちを少しでも理解したくて、手に取った。
    繊細な心情がとても良く表現されていて、まるで自分も家族になったかのような気持ちになる。
    そういう意味でも読んで読んで良かった。

    人生の最期をどうやって、誰と関わって、迎えるのか。
    深く考えた話だった。

    友達は今どんな事を望んで思っているのだろうと思いながら本を閉じて3日後、天国へと旅立ってしまった。

    最後の会話は、あれ

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    2024年11月18日
  • 美しい距離

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    ネタバレ

    とても繊細で静穏とした語り口。
    主人公が介護を経て、周りの物語を見出そうとする反応にいらつく様や、妻が社会的なものと繋がりをもとうとする姿勢が他の小説と違って良かった。

    タイトル「美しい距離」も良い。心に残る小説だった。

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    2024年11月12日
  • あきらめる

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    マイノリティに配慮することが重視され、そうした人への公的な支援も充実して、火星への移住も行われるようになっている未来の話。性差による従来の役割なんて関係ないし、みんなの人権が尊重されるフラットな社会。親が複数いるのもアリ。
    異次元だけど、現社会との相似点も多い未来の世界を体験しているみたいでした。

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    2024年11月11日
  • 美しい距離

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     仰天する表題のデビュー作は知ってましたが、山崎ナオコーラさんの著作は今回が初読みでした。
     共に40代前半なのに、末期がんに侵された妻。本作は、優しく温かく寄り添う夫の視点で描かれる物語です。

     平凡な夫婦を描く一つの手法なのでしょうか、中心人物の固有名詞が現れず、発話者が明かされません。夫婦の自然な関係のリアルさを、誠実に伝えている気がします。

     闘病と介護の壮絶さや劇的な展開を避け、どこまでも夫の内面の心情変化が淡々と綴られます。医師、妻の母、見舞客たちの、機械的だったり無神経な態度や言葉に大いに違和感をもち、心が波立ちます。それでも、夫は痛いくらい他へ配慮し、自分が考え得る適切な距

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    2024年11月09日
  • ご本、出しときますね?

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    西加奈子さん、朝井リョウさん、加藤千恵さん、羽田圭介さんなど、多数の著名な作家さんとのトークがとにかく面白い。
    みなさん言葉選びが秀逸で何気ない話でも深さが出て思わず笑ってしまう。
    親交の深い若林さんだからこそ聞ける攻めた質問も多数あって興味深かった。
    いろんな作家さんの人間性が垣間見れる。
    マイルールやオススメの一冊などを紹介してくれていて、読みたい本も見つけらた。

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    2024年11月03日
  • 肉体のジェンダーを笑うな

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    1番最後が短いのに印象的だった。この本の中では男、女という言葉が一切出てこないし真剣に性について考えすぎて変になってしまった人達がたくさん出てきてまだまだ自分の知らない考え方もあるのかもしれないと思った。
    日々が親子をつくる。
    できるできないじゃなくて誰でもできることを自分がやる。楽しい方を選ぶ。
    波があるから波乗りができる

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    2024年10月31日
  • カツラ美容室別室

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    なんだかタイトルが妙に気になった。
    きっとどこかにこんな人たちがいて、こんなふうに過ごしているような気がした物語だった。

    風来坊で破天荒な梅田さんが、引っ越してきたばかりの淳之介を、散髪と花見に誘ったことから始まったつながり。淳之介が気になったエリとは、時間がたち、色々なやり取りをするうちに、恋心がいつの間にか友情に変わっていったように思えた。

    桂さんがカツラを被って仕事をしていることに、皆が敬意を払っていることがわかったところは、とてもよかった。このときばかりは、ある意味わがままなエリに、拍手といった感じだった。

    大人になると、人間関係は余計に相手の心を探りつつ、どこまで踏み込んでいい

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    2024年10月25日
  • 可愛い世の中

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    結婚式の準備に明けくれる豆子__湯水の如く溢れ出す不満はとどまること知らず。お金がなくなると心の余裕がなくなるとはこのことか。ミステリーじゃないのに味わえるスリル感が面白かった!正直、結婚式やめてしまえと何度も思った。

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    2024年10月24日
  • 指先からソーダ

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    ネタバレ

    小説の言葉って、何かを定義づけたり、説明するわけじゃない。もっと自由に感じていいんだよな、と思わせてくれる。ナオコーラさんの、初エッセイ集。白眉は「あるがままのドロップ」。飴を舐めているとき、私たちは「甘さ」(本質)を楽しんでいると思いがちだ。けれども小説家がしようとしているのは「飴の本質は『砂糖』だ!」ということの説明ではなく、飴の舌触りなり、かみ砕くときの音だったり、「飴そのもの」を楽しんでもらう、ということではないか。窮屈な言葉たちを、もっと解放しよう。

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    2024年10月08日
  • ミライの源氏物語

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    「文学には目指すところも答えもありません。ただの旅なのです」
    源氏物語を現代の社会規範から見るととんでもないモラル違反になる。しかし文学ただの旅、時間も場所も年齢も性別も自由。
    ただ迷い、楽しめばいい

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    2024年09月25日
  • ベランダ園芸で考えたこと

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    ベランダ園芸についてのエッセイ集だなぁくらいの気持ちで読んでみた。違った。植物と一緒に生きる1人の作家の人生が書かれていた。
    「あとがき」を読んでナオコーラさんのその後の境遇に胸が苦しくなり、「そのあとのていたらく」でほっとした。
    読み終わった後にカバーを外した表紙を膝に、感想を書いていて気がついた。
    タイトルが「ベランダ園芸で考えたこと」。
    ちゃんと「考えたこと」が書かれているよ、と表現されていた。

    ナオコーラさんの文章は小説、エッセイ集どちらでもすっきりとしていてどこか爽やか。好みの文章を書かれる作家さんなので、他のまだ読んでいない著書も読んでみたい。

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    2024年09月24日
  • あきらめる

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    山崎ナオコーラさんのお話を読んでいると、マイノリティやマジョリティの目線だったり、自分の気持ちや考えを俯瞰して見るところだったりに共感する。自分は何もできない、ということをちゃんと知っていることの強さというか。

    ちなみにこういうSFならすらすら読める

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    2024年09月07日
  • ミライの源氏物語

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    大河ドラマ「光る君へ」を観ているので、源氏物語に関する本に興味がありました。とはいえ源氏物語をちゃんと読んだことのない私ですが...キャラの特徴、恋愛観、現代との違いなど分かりやすくて面白い〜!ひとつ言えるのは外見似てる人好きになりがち(笑)

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    2024年08月18日
  • ベランダ園芸で考えたこと

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    小林聡美さんの著書で紹介されていた本。

    山崎ナオコーラさんの作品は読んだことがないので
    これが初となった。

    園芸が趣味とのことで、植物が育つ様子と
    日々の暮らしを交えたエッセイ。

    旦那さんの収入とか、家賃のこととか
    割とリアルに書かれていた。

    最後の章の『さようなら、私のベランダ』は
    なんだかこれまでの章と雰囲気が違っていた。

    旦那さんの収入レベルに生活を合わせろって
    いう世間の反応が嫌だったのかなあ。
    ご自身で活躍されているんだから、世間の妬みとか
    僻みなんて気にしないでほしいなあ。

    いろんな”ごみ”として捨てられていく野菜や果物の種を
    植えると、育つってなんだかおもしろい。

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    2024年08月15日
  • あきらめる

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    単なるSF小説ではなく、内面の成長についての本だった。変化を求めて火星へ行くものの、場所の変化ではなく、内面の『あきらめる』が成長の鍵だった。あきらめてから、全てが始まる。さぁ、ここからあなたはどうしたい?そんな問いすら伝わってきた。

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    2024年08月15日