山崎ナオコーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なぜかすごくドキドキする文章。
「リアルについて」書かれている文章がいくつかあったけれど、私はこのエッセイを読んで「リアルだな」と思った。
例えば、
「黒いストローでジュースを飲むのが好きである。
理由は蝶々の仕草に似ているような気がするからだ。」
という書き出しで目が止まった。
そこに山崎さんがいて、黒いストローでジュースを飲みながらその言葉をさらりと言ったのを、目で見て耳で聞いたかのような生々しい感触があったのかもしれない。
本当は一瞬静止した理由が自分でもちゃんと分かってないけど、すごくドキッとしたという感覚だけが強烈に残っている。
そして1番は「あきらめるのが好き」。
ドキドキを超 -
Posted by ブクログ
大きな会社の中の小さな班の職場小説。その班には正社員と契約社員がいて、それぞれ立場や生活は違うのだけれども、みんな働いている。思い思いに一生懸命に働いている。
納得いかないことの方が多いし、大変が当然。
でも仕事って内容が良いにこしたことはないと思うが、何より人間同士の付き合いが何より重要なのではないかと思う。
職場に好きな人たちがいる。尊重し合えたり、思いやりを持てたり、優しくしてもらったり。
きっと仕事の内容なんてそこが良ければ、どんなに面倒であろうが、地味な作業であろうが、頑張れるのではないだろうか。
社会ってそんなに居心地の悪い場所ではない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画より好きかも。
きれいな小説です。
なんだかおしゃれ。
んでもって、無駄なところがなにもなくて、シンプルで。
やっぱりユリがかわいすぎる。旦那が猪熊さんっていうのがまたいい。
好きなとこ。
ユリのことば。
「自分が楽しければ、相手も楽しいと信じること。絵と同じ」
年越しのシーン。
もし神様がベッドを覗くことがあって、誰かがありきたりな動作で自分たちに酔っているのを見たとしても、きっと真剣にやっていることだろうから、笑わないでやってほしい。
小説を読んで、うっとりして、いいきもちになりました。
ナオコーラさんって、タイトルの付け方とかむっちゃセンスあるなぁ〜。
2015. -
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Posted by ブクログ
ネタバレキラーワードいっぱい書いてあるじゃん!
「ユリの世代は、オレの世代よりも安定した時代に青春を過ごした世代なんじゃないだろうか。「甘さ」や「弱さ」が見える。
オレは人生について考えるとき、「自分の中身」や「自分の成功」というようなことより、「サバイバル」という感覚の方が強い。」
「恋してみると、形に好みなどないことがわかる。好きになると、その形に心が食い込む。そういうことだ。オレのファンタジーにぴったりな形がある訳ではない。」
「この人は相当の変わり者だ。でも、おそらく常識も持っていて、人に合わせることができる。しかしその能力がある分、殻が厚く、中は風変わりなものがそのままになっている。ユ