山崎ナオコーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私は経済力を誇る気持ちはないし(誇れる経済力もない)、自立しているということを殊更主張したい気も、消費や納税で社会に貢献しているという悦びもそんなに感じないが、自分をブスだと評し、かわいく見せることに興味が湧かないというところは自分のことかなと思うくらい共感した。
そうなのよ、そもそも可愛くない上に、少しでも可愛くなりたいという欲すら湧かないのよね〜と。
(こんな薄い理解になって申し訳ない。豆子はもっとちゃんと言語化しています)
こんなに自分を客観視して言語化して理解しているのに、自分をぶすと評したり発言小町を見たり、きっとするべきではないと思いながらも見てしまう思ってしまうところも等身大 -
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Posted by ブクログ
これ凄い好き。
私なんか全然本読んでないなーって思った。
若林さんがそもそも繋がっている、なんなら飲み仲間作家さんとの鼎談から始まって。初めましての作家さんも登壇してくるんだけどこんな会話繋がって凄いなー掘り下げてるなー面白いなーってのが連続するんだから。
タイムリーにみたかったなー。もっと対談して欲しい作家さんいるなー。私が好きな作家さんの本がお勧めされてて嬉しいなー。
もう紹介されてる本片っ端から全部読みたいっ!!すべての回でその時話題に上がったテーマでお勧めの本を作家さんが紹介するんだが、これが垂涎なんです。紹介の仕方にも唸る、だってどれもこれもすっごく読みたくなる。
沢山の本 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「好きな人の爪を切るというのは、こんなにも面白いことだったのか」
最近読んだ本の中で断トツ素晴らしかった…!生涯大切にしたい本です。
がんに罹患した妻を看取る夫の心情と、夫を通して見た妻の物語。
当たり前のことのようですが、日本人の死亡原因1位のがんで亡くなるとしても、一人として同じ最期を迎える人はいません。
夫は、妻をがん患者としてではなく、社会生活を営んできた一人の人間として、妻自身がなにをしたいのか、誰に会いたいのか、そして自分とどうやって共に過ごしていきたいのかを看取る瞬間まで、悩みながらも考え続けます。
フィクションとして読むと、そんなの当たり前やんって感じもしますが、実際看取り -
Posted by ブクログ
めっちゃ良かったー!
よく、「若い高齢者」に対する呼称について迷うことがある。
「老人」は率直すぎるし、日常会話の中で「年配の方」と言うのはやや堅苦しい気がするし…
そういうわけで、“成熟者”と表現しているのがすごくユニークに感じられた。果たして、本当に成熟しているのかは疑問だけれども…。
愛と理解の違いについてよく分かっていなかった。
私を苦しめていたものは、愛情の不足というより、無知や無理解だったのかもしれない。
私も博士のようにずっとだれかに「生まれてきてくれてありがとう」と言われたかった。
だけどそれは、他でもない自分自身にかけて欲しい言葉だったんだと、納得した。
親への期待を手 -
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Posted by ブクログ
古典の読み方は時代に沿って更新し続ける必要がある。源氏物語研究の主立った面子が男性だった昭和を経て女性研究者が出てくると全く違った読み方や解釈がなされ、これまでのスタンダードとされる読み方がいかに男性主義的であったかが浮き彫りになっているという話もあるし、その中でこれは山崎ナオコーラさんが読み方を模索していく試みで、とても興味深く読んだ。しかも現代的な視点で読んだとて、それに応えうる強度をもつ「源氏物語」のすごみもまた感じられた。浮舟をめぐる読み方、とても良いなと思った。ジェンダーにとらわれない描き方で、ナオコーラさんの完訳をぜひ読んでみたい。
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