山崎ナオコーラのレビュー一覧

  • あきらめる

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    ストーリー自体はソフトSFで大した事はなかったけど、登場人物ひとりひとりの描き方が繊細で凄く共感しました。

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    2024年08月13日
  • あきらめる

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    6章に渡って、色んな視点から「あきらめる」とはどんなことで、どのような感情を抱くのか、それは果たしてネガティブなものなのか?
    そういった自問自答と他者へのあきらめという意味での利他的思考が書かれている。

    文章をすごく素直で、かつ深く考えられているところがとても良かった。

    サイエンスフィクションのような世界線や設定も、これらの主題や情景をはっきりと強く伝わるような仕掛けであると思った。

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    2024年08月11日
  • ミライの源氏物語

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    ネタバレ

    言葉以上に、社会制度の方が、馴染めないという問題意識はなるほどと思えるものだった。
     その上で、現代的なキーワードで登場人物を論じていく。その掘り下げについては、それほど深くはない。一般読者に届くようなレベルで説明してくれる。
     まだまだ分析できる言葉はあるな。

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    2024年08月05日
  • ミライの源氏物語

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    源氏物語についての本がたくさんある中、この本は平安時代と現代の「社会規範」の違いから、各ヒロインを見ていて、とても興味深かった。
    古い映画を見ていても(と言ってもたかだか100年以内で、源氏物語とは一桁違うが)、この社会規範の違いが気になることがとても多い。「1000年違うから、まあそこは仕方がない」「立派な古典文学作品だから」とスルーしてきたことが、ことごとく指摘されていて、目を開かされた。

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    2024年07月01日
  • ミライの源氏物語

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    山崎ナオコーラさんの源氏物語を主としたエッセイ。解釈がナオコーラさんらしくて面白い。紫式部の考えの変遷も垣間見える。ナオコーラさんのお言葉『文学は旅』とても深い言葉だなぁと思いました。わたしが今、源氏物語に魅せられてるように未来の誰かも読み、その世界観にのまれるんだろうなぁー。

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    2024年06月30日
  • ご本、出しときますね?

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    面白い企画。小説家2人とオードリー若林の鼎談。
    お互いへの質問、それぞれのマイルール、おすすめ本という流れで、読みたい本が増えた。
    村田沙耶香さんがすごく個性的で面白い。

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    2024年06月29日
  • あきらめる

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    当たり前だけどみんなそれぞれ違い人間なんだな。
    自分以上のものを求めず、自分を大事に生きる。
    できないことは他人に求めてもいいじゃないか。
    誰かの穴を誰かが埋めるそれが循環してできる社会があったら楽に生きられるかな

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    2024年06月26日
  • 美しい距離

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    ネタバレ

    いつ来るかもわからない死が迫る入院中の妻を、
    お見舞いや世話をする夫の目線でつづられたモノローグ。
    この小説は、精神的に繋がりの強い人の死と向き合い始める良いきっかけになる。

    印象に残ったフレーズが2つある。
    1つめ。「配偶者というのは、相手を独占できる者ではなくて、相手の社会を信じる者のことなのだ」
    家父長制と比べればモダンな考え方だ。この意見に賛成だし、配偶者とはこういう関係を築いていきたい。その方が面白いと僕は感じるから。

    2つめ。「死ぬための準備期間のあるがんという病気に、妻のおかげで明るいイメージを持てるようになった」
    配偶者の死に準備期間があることは、準備のできない突然死よりも

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    2024年06月17日
  • 肉体のジェンダーを笑うな

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    気になっていた山崎ナオコーラさんの短編集。男性が父乳(母乳)を出せるようになったら?テクノロジーの発達で筋力差がなくなり、性別による役割分業が減ったら?もし男性に生理がくるようになったら?性別を非公表とし、人の数だけ性別はあると仰る山崎ナオコーラさんが描く性差が少なくなった未来を描いたユーモラスな短編集。あえて男や女という言い方をせずにここまで描けるものなのかと驚いたし、自分のなかにある抜けきれないジェンダーロールのせいか読んでいる途中で混乱することもあり、まだまだ自分のなかに根付くものの深さに唸った。自分の頭のなかはを暴かれるのは痛くて気持ちいい

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    2024年06月16日
  • ニセ姉妹

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    応用倫理学的な側面にも触れ、家族単位というものを深く考えさせられた。進化論の立場から言えば、血縁を残す、あるいは、血縁に近い人を残すのが妥当ではある。しかし、社会的動物でもある、我々人間は新たな段階に到達しているのかもしれない。そして、予言書的なこの本が多くの人に周知されることを期待したい。

    しかし、宝くじという幸運から始まるこの本が、またもや幸運に恵まれるとは、縁は異なものである。

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    2024年06月14日
  • 反人生

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    ネタバレ

    社会に出ない の
    友だちのはずなのに、いつの間にか、社会になっちゃっていたんだね

    越境と逸脱 の
    友情ってものにも終わりがくるんだなあ

    って言葉
    そう、そう、そう、、、
    そうなんだよ~~~
    って思った
    寂しいけどそういうものなんだな。。。
    時が経てばまた変わりそう

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    2024年06月14日
  • あきらめる

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    登場人物の名前や生業は明らかにされているけれども、性別や一人称はあえて描かれていなかった。
    そのせいか、頭の中に絵が浮かばず、読むのになかなか時間がかかった。
    物語を楽しむというよりかは、自分の信念を確かめるために読む本。
    物語後半から「あきらめる」について易しく噛み砕いて説明されていて、グッとくる言葉に何度も文章を目でなぞった。

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    2024年06月08日
  • あきらめる

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    最初の二章は、登場人物の状況も、置かれた環境もよく飲み込めず、もう読むのやめようかな、、、と思ったけど、三章くらいから面白くなってきて、最後はうんうん、そうだよねって、思い、胸熱くなりました。

    あきらめることについて、丁寧にケーススタディしながら、一つの考え方が提示されている本です。

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    2024年05月26日
  • ミライの源氏物語

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    『源氏物語』を現代の常識で考えると恐ろしいことになります。
    当たり前だけれど。
    現代の常識とはかけ離れた物語ではあるのだけれど、面白い。
    1000年経って、変わっているところもあるけど、実は変わっていないことも多々ある。
    それが楽しい。
    『源氏物語』は永遠ですね!

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    2024年05月14日
  • あきらめる

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    ネタバレ

    あきらめる、は、明らかにする。

    親子間や夫婦間の軋轢、承認欲。かなりストレートに描かれ、身につまされる。

    砂しかない火星に行って初めて自分が明らかになり自由になる。

    火星に移住するなんてかなり大ごとだけれども、そこは軽やかに進んで、みんな自分で自分に落とし前をつけていく様子がよかった。

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    2024年05月09日
  • 指先からソーダ

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    二十代の野心が率直に伝わる。そのまま、いろいろ考えたり感じたり吸収したりしながら、自分の思うままに突き進んで欲しいと親心のような気持ちで読んだ。

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    2024年05月04日
  • ブスの自信の持ち方

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    作家として、社会を変える使命を持って文章を紡いでいると感じるエッセイでした。

    序盤は、「うーん、主張が強いなぁ」とちょっと疲れる印象を感じながら読んだ。読み進めていくうちに、後半には、うんうんと頷きながら読めた。
    だんだんと、主張が染み込んできて、なるほどなぁと納得できる読書となりました。

    著者のナオコーラさんは、自分のことをブスと認識している。そして、ブスによって誹謗、中傷を受けた経験を持つ。が、ブスによって自信を失っているわけではなく、克服したいとも思っていない。

    ブスと言われる人が、ブスを克服し、自信を持って前向きに生きようと主張したいわけではない。そういうエッセイでは、全くなかっ

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    2024年05月04日
  • 肉体のジェンダーを笑うな

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    限りなく★5に近い4.5

    同じようなジャンルの、同じような作家さんの中での読書でしたので新鮮でした。
    教育現場で是非。
    コチコチ頭の大人でも楽しかったので、こどもはどんな反応なのかなぁと興味深いです。

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    2024年04月18日
  • 鞠子はすてきな役立たず

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    春に読むのになんかいい感じの内容だった。
    変わった考えの鞠子が 肩の力を抜いて生きている様子がとても心地よくて、読んでいてゆるく励まされるような感覚になった。
    こんな人になりたいな、とも思う。

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    2024年04月15日
  • ベランダ園芸で考えたこと

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    山崎ナオコーラさんが園芸を通じて考えたことのエッセイ。

    著者も書いているように高齢化社会に於いて趣味はますます重要になると思う。
    どの趣味がいいかと悪いとかはなく、園芸でも登山でも楽器でも趣味を通してテクニックだけを学ぶ人と新たなアイデアや死生観を得たりする人までいて、結局は感性なんだろうな。

    「ともかくも、私はこの先の人生を、読書をし、執筆し、草花を育て、畑を耕し、散歩をして生きていく。」P204

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    2024年04月08日