山崎ナオコーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
山﨑ナオコーラの名前は知っていても、本を読んだことはなかった。そんな未読者にも知られているくらいの知名度があるにもかかわらず、やはりいまどきの純文学作家はなかなか儲けるのがむずかしそうである。(ただ、はっきりとは書いていないが、本書内で舞台となる賃貸物件はけっこうな家賃っぽい。)
「残酷な人間のほうが園芸には向いている」そうだ。そういうスタンスで書かれていて、清く正しいものではないので、読みやすい。どうもむかしから、園芸をする人間たちはなにかどろどろとした陰鬱なものがあるような気がしていた。完膚なきまでの偏見だが。
あと単純に、ぜんぜん園芸のことにくわしくないので勉強になった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ悪くないな〜くらいのあわあわとした雰囲気のまま始まって終わりました。
ヒリヒリするところもあるけれど、「分からない」という距離感がある感じがいい。主人公とエリだけじゃなく、登場人物全員こう。
分かり合えなくても付き合っていけるし、付き合っていって良いんだなぁと思いました。
独特な喋り方だな…と思っていたら、解説で長嶋有さんが「直訳でしゃべる」とお書きになっていて、それだ!!と膝を打ちました。
150頁強というページ数だけれど、彼らを長期間眺めてきた感覚はたしかに残っています。
どこにでもありそうで、でも実際にこんな関係が作れるかというとかなり難しいと思う、皆さん良い関係でした。
「こう答え -
Posted by ブクログ
わが家で日頃家事をしているのは、ほぼ私。家事を時短で終わらせたいということは、いつも思うことです。でも、頭を働かせながら家事をすることは、嫌いではないのです。ただ家族の誰もが家事をひと通りできることが当たり前のことになってほしい、と思っています。生きていくためには必要なことだから、誰かがじゃなくてみんなでがいいと思っています。
山崎ナオコーラさんが、家事について思うことがかかれたエッセイは、そういう考え方もあるなあと参考になりました。私も社会に繋がる家事を目指して、明日も頑張ろうかな。
読書も読者が楽しんで考えてくれればそれでいいということで、なんだか嬉しくなりました。 -
Posted by ブクログ
「ミルクとコロナ」という不思議な題。
コロナにまつわる子育て本かな…と手にしたところ、予想はほぼ的中。
コロナ禍突入時、一番下の娘が小学生になったばかりだった私は、乳幼児を抱える人達がどれだけ大変な思いをしているのかが気になっていた。
職場にも乳幼児を持つ人達はたくさんいたので、時々話は聞いていたものの、いまひとつ想像できずにいた。
ナオコーラさんと白岩さんのエッセイを読んで、在宅勤務をされている方々の苦労と、様々な気づきに驚かされた。
コロナ前と後。
育児に対する姿勢は変わらなくても、今まで通りに行かないことでお二人が楽しみながら工夫して子育てしている様子は微笑ましい。
そして、