山崎ナオコーラのレビュー一覧

  • ベランダ園芸で考えたこと

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    山﨑ナオコーラの名前は知っていても、本を読んだことはなかった。そんな未読者にも知られているくらいの知名度があるにもかかわらず、やはりいまどきの純文学作家はなかなか儲けるのがむずかしそうである。(ただ、はっきりとは書いていないが、本書内で舞台となる賃貸物件はけっこうな家賃っぽい。)

    「残酷な人間のほうが園芸には向いている」そうだ。そういうスタンスで書かれていて、清く正しいものではないので、読みやすい。どうもむかしから、園芸をする人間たちはなにかどろどろとした陰鬱なものがあるような気がしていた。完膚なきまでの偏見だが。

    あと単純に、ぜんぜん園芸のことにくわしくないので勉強になった。

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    2025年05月10日
  • 肉体のジェンダーを笑うな

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    眼差す性と眼差される性の境目について、肉体的特徴により社会的な分断が行われてきたことを前提に、もはやそんな時代でもないのでは?と問いかけてくる短編集
    SFチックな寓話であるが、物語としてはやや突拍子もない印象があり、イマイチ入り込めなかったのが残念。

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    2025年05月05日
  • 可愛い世の中

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    登場人物の考え方が強く全面に出てきて、1人の人間というより、考え方が述べられていると感じるところもあったかなという印象。
    タイトルがひらがなの「かわいい」でなく普段あまり見ない漢字表記の「可愛い」であることに、皮肉や違和感が込められてる。

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    2025年05月03日
  • 可愛い世の中

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    【再読】
    たとえ好かれたいとか良い女に見られたいとかの感情が無いにしても、豆子は可愛いが得意ではない。
    私は豆子とは違い経済力もないので良い女に見られたい。

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    2025年04月13日
  • 鞠子はすてきな役立たず

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    徹底して趣味だけに生きる鞠子。
    卑屈でもなく、威張ることなく、全く堂々としている。
    そりゃお金さえあれば私だってそうするよ、という私の永遠の葛藤を鞠子は実現しているわけだが、鼻じらむことなく読めるのは、鞠子が実に淡々としてるからか。

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    2025年04月13日
  • あきらめる

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    現実的な近未来小説?家族それぞれの目線で描かれるといかにすれ違い多くて理解し合えてないかわかる。
    博士が他人からの評価っていう呪縛から解き放たれてよかったけど雄大さんには最後まで共感できなかったかな。母親と長女目線のほうも読みたかった。

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    2025年02月28日
  • あきらめる

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    火星という言葉が出てきた瞬間、本書はSFの要素が出てきたように思う。
    あきらめるということは悪いことではない、という一点を書くためにある本だとしたら、随分遠くまで来てしまったんだなぁという印象。
    と言っても火星に来てもそんなに火星の描写がないため、読んでいてもあまりピンとこないのだが。

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    2025年02月24日
  • カツラ美容室別室

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    ネタバレ

    悪くないな〜くらいのあわあわとした雰囲気のまま始まって終わりました。
    ヒリヒリするところもあるけれど、「分からない」という距離感がある感じがいい。主人公とエリだけじゃなく、登場人物全員こう。
    分かり合えなくても付き合っていけるし、付き合っていって良いんだなぁと思いました。

    独特な喋り方だな…と思っていたら、解説で長嶋有さんが「直訳でしゃべる」とお書きになっていて、それだ!!と膝を打ちました。

    150頁強というページ数だけれど、彼らを長期間眺めてきた感覚はたしかに残っています。
    どこにでもありそうで、でも実際にこんな関係が作れるかというとかなり難しいと思う、皆さん良い関係でした。
    「こう答え

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    2025年02月15日
  • 浮世でランチ

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    淡々とした日常を、淡々と綴った本。
    明言はない。

    14歳の丸山と25歳の丸山は
    並行して展開する必要があったのか?
    新田との再会くらいしか交わりは見つけられず。

    こう言うのあるなーとは思ったものの
    心の芯をぐっと捉えられた度でいうと
    「美しい距離」や「人のセックスを笑うな」の方が上回る。

    ミカミさんとの文通に対して
    「思った通りに書いたつもりなのに、通じさせたいことは違うんだ。」という丸山の立ち止まり方はグッときた。

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    2025年01月09日
  • 文豪お墓まいり記

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    そういえば昔、太宰治のお墓に行ったことを思い出した。
    好きな作家さんならお墓参りもしたくなるものだ。
    「細雪」読んでみようと思った。

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    2024年12月09日
  • ニキの屈辱

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    読み進めて結末まで至るとなんて安直な展開に脆弱な構成の物語だったのだろうかと唖然として、ありきたりな凡作を読んだ印象しか残らなかった。もちろん気持ち良く読ませてくれたし、加賀美とニキの会話や態度はいじらしくてかわいかったのに、そのままの良い読後感はなかった。タイトルやカバーデザインは絶品なのに中身は伴わない残念作。

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    2024年12月03日
  • むしろ、考える家事【電子特典付き】

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    わが家で日頃家事をしているのは、ほぼ私。家事を時短で終わらせたいということは、いつも思うことです。でも、頭を働かせながら家事をすることは、嫌いではないのです。ただ家族の誰もが家事をひと通りできることが当たり前のことになってほしい、と思っています。生きていくためには必要なことだから、誰かがじゃなくてみんなでがいいと思っています。

    山崎ナオコーラさんが、家事について思うことがかかれたエッセイは、そういう考え方もあるなあと参考になりました。私も社会に繋がる家事を目指して、明日も頑張ろうかな。

    読書も読者が楽しんで考えてくれればそれでいいということで、なんだか嬉しくなりました。

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    2024年11月11日
  • ミライの源氏物語

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    源氏物語って古典の授業でやった車争いのイメージが強かったけど、そんな話もあったんだ〜となった。原作を通して現代社会の問題について考えさせられる一冊でした。

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    2024年11月11日
  • むしろ、考える家事【電子特典付き】

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    ナオコーラさんくらいボーダーレスな感覚をお持ちの方でも、【家事】となるとこれくらいこねくり回さないと前向きになれないのか、という感覚。

    「金のあるなしが、発言権に関わってはいけない」とあるが、みんながそう思ってないとなかなかな〜、、難しいな〜、、としみじみ。

    洗濯と日向ぼっこの章の
    「日差しや風が無料」という表現が良かった。

    家事の地位を!あげよう!と高い志は持ち合わせていないけど、
    社会の受け止め方、関わり方みたいなことについては、これからも日向ぼっこしながらのんびり考えていきたいな、もやもや晴らしたいな、とは思う。

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    2024年11月05日
  • あきらめる

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    子育て、いじめ、親子関係とマイノリティ、それに火星移住というイベントが加わってぐるぐる考えさせられる小説。砂場で知り合った子どもたちの様子が微笑ましかった。
    頂上を目指さない登山。それもいいかなぁと思えました。

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    2024年11月02日
  • あきらめる

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    SFで近未来のはずなのに、まったくその感じがしない。でも安定のナオコーラさん。自分には面白く読めた。どんな作品でもそうだが、合う人と合わない人はいると思う。

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    2024年10月25日
  • ミルクとコロナ

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    「ミルクとコロナ」という不思議な題。
    コロナにまつわる子育て本かな…と手にしたところ、予想はほぼ的中。

    コロナ禍突入時、一番下の娘が小学生になったばかりだった私は、乳幼児を抱える人達がどれだけ大変な思いをしているのかが気になっていた。

    職場にも乳幼児を持つ人達はたくさんいたので、時々話は聞いていたものの、いまひとつ想像できずにいた。

    ナオコーラさんと白岩さんのエッセイを読んで、在宅勤務をされている方々の苦労と、様々な気づきに驚かされた。

    コロナ前と後。

    育児に対する姿勢は変わらなくても、今まで通りに行かないことでお二人が楽しみながら工夫して子育てしている様子は微笑ましい。

    そして、

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    2024年10月05日
  • あきらめる

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    応募者が火星に移住し、意識を分身ロボットに移して動き回る近未来。あきらめる、の語源は明らかにすること。幼馴染への同性愛に気付き妻に去られたシニア。5歳の難しい子・放置で自立した子、その保護者。難病の動画製作アーティストが火星に移住を決める。

    ポリティカル・コレクトネスが行き渡っていても、社会の様々なサポートがあっても、人間が人間であり、それぞれに普通ではないという悩み。

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    2024年09月09日
  • あきらめる

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    多様性とか平等とか、言うは易いが難しいことに、気負いすぎず現実的に向き合うにはどうすればよいか。そういうことを本気で考えていることが伝わる。
    あきらめて、受け入れる。自分にもそれができるのかはまだわからない。でもいつかあきらめたい。そのときにこの小説を思い出すかもしれないなと思う。

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    2024年09月08日
  • ミライの源氏物語

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    懐かしい気持ちになりました。
    もう30年以上前に、何度も何度も読んだ『あさきゆめみし』
    思春期なので色々思うところもありましたが、大体において、男性陣に腹をたてていました。
    みんな浮気もので、自分勝手で腹立つ〜!と。

    大人になってちょっと離れた視点からみるとまた違った発見もあっておもしろいです。

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    2024年08月16日