山崎ナオコーラのレビュー一覧
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余命という言葉で、与えられた生を生きている状態から死に向かっている状態へとストーリーが反転する。
登場人物が妻に対していろんなことを決めつけ、あからさまに無神経だと読者が感じるように描写することで、主人公にとっての正解を示唆するような場面が多々あって、それが最初嫌だったけど、主人公の目の前ではそれが真実であり正解。完全に共感はできないが、現実味があっていい。
当たり前のように感情がゆれうごいて周りにいらいらするけど、あとから、理屈ではこうするべきだった、こういう情動は理に適っていなかったと反省会をする。そしてまた当たり前のように心が頭に先行して反省会を繰り返すのも人間らしい。
延命治療などと -
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ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』1話で、杉咲花が読んでいた本。
ところどころ私は作者に似ているかもしれない、と感じる部分があった。
ナオコーラさんに限らず、作者の恋人との何気ない会話やエピソードを読むのがとても好き。
私は恋人と、夏になったらとか、春になったらとか、ちょっと先の未来の話をしたことがあっただろうか。私からはとても怖くて言えない、本当は話したいのに。と、スケートリンク、というタイトルのエッセイを読みながら思った。
*可愛いね、その桃色のピアス
*私はプレパラートを作るように文章を書きたい。
*私のコンタクトレンズは特別製で、恋の終わりが見える。
*じゃあ、本当は -
Posted by ブクログ
あきらめることにより、新たな気づきを手に入れることが出来ると思えたお話しでした。
山崎ナオコーラさんの、こうなったらもっと生きやすいのではというメッセージを感じました。
近未来、望めば火星に移住も可能だなんて、夢があって行く人、或いは現実から逃げる手段としても、そういうのもいいかもと想像してしまった。
例え世の中が変わっても、家族のあり方、子育て、人間関係、自分についての悩むところは同じというところに何故か安心感。心は同じであってほしい。
自分は思っていたより大きかったのだと、あきらめる気持ちと共に持てば得られるものは大きい。
あきらめるとは、自分自身を理解して折り合いをつけること。
周囲に助 -
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作家同期の二人による交換エッセイ。
ちょうど第二子が生まれるタイミング。
コロナ前から始まり、コロナ禍になっても続けられていく話。
白岩さんの本は読んだことがないが、二人の視点の違う話が順番に進むことで
お互いの話に刺激されて展開したり、気になることを質問してみたりと
行ったり来たりするのが面白かった。
山崎さんの話だけなら重くなったり硬くなったりしすぎてしまいそうだけど
別の切り口が入ることでいい塩梅になる。
山崎さんのコロナ禍での「家での遊び」「おでかけ」が素敵だったな。
ぬいぐるみのかくれんぼ、目をつむって触った木を当てる。
工夫次第で、想像力を刺激する遊びはいくらでもある。 -
Posted by ブクログ
山﨑ナオコーラの名前は知っていても、本を読んだことはなかった。そんな未読者にも知られているくらいの知名度があるにもかかわらず、やはりいまどきの純文学作家はなかなか儲けるのがむずかしそうである。(ただ、はっきりとは書いていないが、本書内で舞台となる賃貸物件はけっこうな家賃っぽい。)
「残酷な人間のほうが園芸には向いている」そうだ。そういうスタンスで書かれていて、清く正しいものではないので、読みやすい。どうもむかしから、園芸をする人間たちはなにかどろどろとした陰鬱なものがあるような気がしていた。完膚なきまでの偏見だが。
あと単純に、ぜんぜん園芸のことにくわしくないので勉強になった。