山崎ナオコーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久々に再読したけれども、やっぱり視点が独特。独特であろうとしているような感じではなく、自然に、変わっている。最初の短編『手』は、なんとなくマスコミっぽいけれど、たぶん誰でもできる切り抜きのような仕事(配信会社で新聞のラテ欄をつくる仕事)をしている主人公が、調子のいい同僚(彼女あり)とセックスをし、還暦間近の上司と、ご飯を食べるなどのデートをし、おじさんの写真を、叔父さんコレクションとしてネットで公開している話。おじさんコレクションも、なんだそれ?、だったけれど、主人公の、仕事ができないのに堂々としている感が、ちょっと、衝撃だった。
「昨日の残業で私がこなした仕事に、たくさんのミスが発見されているのだった。もはや私は自責の念を感じなくなっていて、それを機械的に直したあと、大河内さんのところへ持って行き、謝った。
「寅井さんみたいな人は初めて見ましたよ」
と、穏やかに笑う。私が仕事を覚えないということは、周知の事実だった。
「ごめんなさい」
「もう入社してずいぶんになるのにね」
「はい」
私は、この間、大河内さんとデートをした。デートと言うのは、意外と簡単にできるものだ。」
最後に置かれた『お父さん大好き』は、職場の若い女の子と一緒にランチをするお父さん側の話。このお父さんは、妻に出ていかれ、妻の連れ子だった血のつながらない娘と二人で暮らしている。
「生きているだけで、「自殺をすることに、反対です」というシュプレヒコールをあげていることになる。
-略-
朝というものは、絶対的に美しい。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ不思議な文体というか、これまで読んだことのないタイプの小説だった。詩のような文章が合間にあり、誰が語り手なのか分からない部分もある。掴みどころがないように感じた。でもたまに何だか分からないけどグサッと来る一文や箇所があり、すごく気になる。初めての山崎ナオコーラさんの作品だったので、他のも読みたいと思った。
【印象に残った文章】
就職するために進学したのではなくて、単に勉強をしただけです。
不幸ならば人生を嘆いていれば済む。楽ではないか。
世界の規範から外れた幸せが欲しい。
ひとりだけで、こっそり笑うような。
岸は、どこでも、歩ける。どこまでも、いつまでも、歩ける。
得するように考えることは、自分の神経をすり減らす。
波があるから、波乗りできる。
二人で黙るのは楽しい。