山崎ナオコーラのレビュー一覧

  • むしろ、考える家事【電子特典付き】

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    ここに出てくる「夫」の家事の仕方、
    ・夫の作る食事は一品料理ばかりだ
    ・仕事では想像力豊かで、自分で仕事を見つけているのに家事のシーンでは指示のみを気にするのか、想像力をオフにするのか
    が、すごく共感出来た。

    特に一つ目に関してのエピソードは「料理はパズル」という著者の考え方がすごく自分に当てはまった。
    冷蔵庫の中身の賞味期限や組み合わせを考えながら献立を考えたり、季節を意識できるような献立にしたいと思うこと、それらは全てパズルを組み立てていくようなものなのだなと。

    このエッセイの中には普段何気なく行なっている家事についての著者なりの考え方が書いてあって面白かった。
    (ローリングストックやポイントカードを貯めないことを損だと思わないこと、料理本以外のところにあるレシピを探したいなど)

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    2022年11月01日
  • 美しい距離

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    末期がんと診断された妻を看病する夫視点の小説。だけどこれは、ありきたりな御涙頂戴系の物語ではない。
    事柄と事柄を繋げてステレオタイプの物語を作りたがる人間の軽薄で愚かな好奇心や、死後急激に離れていく故人との関係/距離に対する違和感など、あらゆる物事に対し思慮深く心遣いのできる夫が抱いた想いや考え、怒りを、この小説は丁寧に丁寧に描いている。
    そして、「近いことが素晴らしく、遠いことは悲しいなんて、思い込みかもしれない」という文章は私が持っていたステレオタイプな考え方に気付かせてくれた。

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    2022年10月24日
  • ボーイミーツガールの極端なもの

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    サボテンとの出会いと人生の転機。
    恋愛小説というよりは迷子になった人が自分にとっての大切なものに気付くあたたかくて勇気の出る物語といった感じ。

    サボテンは生まれ持った性質だけではなく生きた過程が自身の形に反映されるところが人生を表しているようで面白いと思った。

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    2022年10月23日
  • ご本、出しときますね?

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    西加奈子、朝井リョウ、長嶋有…。小説家は普段何を考え、どうやって作品を生み出しているのか。無類の本好き芸人・オードリー若林正恭と作家たちが“自分のルール”を語りつくす。BSジャパンの同名番組を書籍化。

    作家が何を考えているかがうかがえて面白い。

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    2022年10月14日
  • 文豪お墓まいり記

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    太宰のお墓参りには行ったことがあります。好きな作家さんが結構出てきたので自分も一緒にお参りしたような気持ちになりました。

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    2022年10月08日
  • ブスの自信の持ち方

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    予備知識なく、自虐的なエッセイ本を想像してしていたら、全く違った内容で驚きました。ルッキズムが引き起こす様々な問題について、これでもかというほどに掘り下げて語っていて、いろいろ気づかされました。
    この方の本は初めて読みましたが、作家というのは、ここまで深く物事を考えるものなのかと感心した一冊です。

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    2022年10月07日
  • ニキの屈辱

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    すごく良かった。

    今まで読んできた、山崎ナオコーラさんの小説の文体(あの、なんとなくカタコトっぽいんだけど自然なセリフたち。すごくすき)とは、すこし違う感じがした。

    恋愛小説と聞くと、なんとなく主人公が女性であることをイメージしてしまうが、本作はあくまでも、男性であるアシスタントの加賀美の視点を中心に、若くして成功したカリスマ女性カメラマン村岡ニキを映し出しているような、そんな感じ。新鮮。

    自分の信じるものが強くあって、でも時々自信がなくなって。ひと以上に敏感に、ひとからの見られ方を気にするけれど、大切なひとを心から信じられない不器用なニキ。
    すごくわかるし、愛おしい。女だからってナメられたくないと、悔しい涙を飲み込んで踏ん張る気持ちは、きっと真っ直ぐな加賀美にはわからないんだろうと思う。
    これは予想でしかないけれど、ニキは、誰かに当たってしまう自分の弱さもわかっていて、それを省みてまた苦しくなったりしているんだと思う。


    加賀美が、自分を恋人として周囲に紹介してくれないニキに不満を持つシーンがある。
    これに対するニキの言い分には、首がもげるほど頷けた。

    女性=恋バナが好き という図式に、私はいつも迷惑している。
    自分の中での恋愛というのは、誰かに伝えるものじゃなくて、恋人との中だけで共有されるものだと思っている。ので、距離を縮めようと恋愛話をしてくる人がニガテで、そういうプライベートなことをずかずか聞いてこない人としか、友人関係は築けない。(自ら、自分の恋愛話をする分には大いに結構)

    なんで恋バナがキライなんだろうと考えた時に、自分が鼻の下を伸ばしているさまを友人に見られるのがイヤだし、その逆もまた然り、なのだった。平たく言うと、『オンナの顔』が見え隠れするのが嫌なのだった。
    ナオコーラさんの小説では、この人のジェンダーに対する考え方が織り交ぜられていることが多く、そのどれもが自分を肯定してくれる材料になるから、安心できる。

    心に残ってしまう部分は、筆者の意図したところではないかもしれないけれど、芸術家同士の恋愛を描いた、なんてそんなあっさりすぎる感想は言いたくないと思った。そんな小説。大好きだった。

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    2022年09月17日
  • 鞠子はすてきな役立たず

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    最近ハマりつつある山崎ナオコーラさん。
    タイトルにすごく惹かれて購入。

    ワークライフバランス、働くことに対する価値観、趣味に対する価値観のお話。

    社会人になってから、手当の出ない残業ばかりで自分の時間が削られ、何度となく「働くために生きてるんじゃないのにな」と思ってきた私を肯定してくれた。

    小説では、主人公が何かに苦しみ悩み、成長していく様が描かれることが多いけど、山崎さんの小説は、自分の理想を形にしていることが多いのかな、という印象。
    だからいつも、心がほくほくと温かくなり、大丈夫、と少し思えるようになる。

    とんとん拍子すぎる節はあるけれど、人生を豊かにするために趣味を楽しむ余裕は持っていたいと思わせてくれた。
    最近、小説の執筆を趣味にするのも楽しそう、とPCに向かい始めたので、なおのこと読んでいてワクワクした。

    職場とプライベートの服装が同じようになってきたら、ワークライフバランスが崩れてヤバいらしいよ、という内容に、やはり私はヤバい、となった。

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    2022年09月10日
  • ボーイミーツガールの極端なもの

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    好きになった人をわかりたいっていう思いでいたことがあっただろうか。
    優しい話だったけど、ハッとさせられるところがあった。

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    2022年08月04日
  • 文豪お墓まいり記

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    お墓まいりのエッセイとは!
    文豪同士の結びつきだったり、現代作家との関わり合い方だったり、興味深い。

    もっともっと近代文学を読み込んだあとに、わたしもお墓まいりしてみようかなぁ。

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    2022年08月03日
  • ボーイミーツガールの極端なもの

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    さらっと書かれているものの現代の問題が上手に組み込まれている。ただの恋愛小説かなぁと思って読んだら期待を良い意味で裏切られた。流石ナオコーラ先生だ!

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    2022年07月18日
  • ボーイミーツガールの極端なもの

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    山崎ナオコーラさんのいい感じに力の抜けた小説が好きで、タイトルからして恋愛ものなのかしらと思いながら読み始めたのだけど、なんと主軸(?)にあるのがサボテン!
    全9話の短篇集で、すべてのお話に1つずつ違う種類のサボテンが登場する。親切に写真と解説付きで。
    これだけ説明するとなんじゃそりゃ?って感じだろうけど、なんの違和感もなくサボテンたちは登場してくる。
    それぞれお話の登場人物たちは、みな同じサイトに関連したところからサボテンを購入する。
    1〜3話、4〜6話、7〜9話がそれぞれ繋がっていて同じ人物で構成されているのだけど、途中でそれらをまたいだ相関図を感じさせる描写が出てきて、エピローグにてすべてに合点がいくというつくりが心憎い。ミステリじゃないのに謎が解けた!みたいな気分になる。

    ドラマティックではなくどちらかというと淡々と進むのだけど、人には様々な生き方があるのだな、としみじみ思わされる。
    恋を知らないままお婆さんになった人、40代後半で劇的な恋に落ちて再婚する人、いじめが原因で引きこもりになったがネットに活路を見出す人、友人に秘めた恋心を持つ同性愛者、などなど。
    生きている人間全員にドラマがある、というのは常日頃から思うのだけど、そういうことを描いている作品はすごく好きだ。ジェットコースターのような物語も悪くないけれど、淡々としていることに読み応えを感じる場合もある。

    サボテンって育てやすいイメージがあるけど意外と難しい植物だとよく聞く。日に当てちゃダメでじめじめした場所を好む種もあるとか。
    砂漠でも強く生きる的なイメージだけで接して私もダメにしてしまったことがあるので、以来サボテンに近づくのはやめることにしたのだけど。笑
    色んな種類があるのだなぁと物語とは関係ない部分で感心しつつ、よく読むときちんと物語と繋がった要素があるところもまた心憎い。

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    2022年06月28日
  • 浮世でランチ

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    14歳と25歳の主人公。宗教や他人との関わり、自分の思う価値観。旅行先での情景は自分の中でとても想像できて、頭の中でタイヘ旅行できました。山崎ナオコーラさんは心を動かされる言葉や文があって、今回も読んでよかったととても思いました。

    個人的な話で、小学生の頃くだらない理由で『絶交!!』って言って絶交した子がいて中学時代は一切口も聞かなくんです。その子に成人式の時に数年ぶりに会って『あの時は若くて見栄張ってた、ごめん』と何年か越しに仲直りしたことを思い出しました。

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    2022年05月21日
  • 可愛い世の中

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    豆子の考えすぎな性格、とても共感できるところがあって身近に感じました。
    『誰からも賛同されなくていい。ひとりでこっそりと出かけ、誰にも感想を言うわけでもなく、自分の心にとどめておく。』
    『タダでもらえるものならなんでも喜ぶような経済力の人間だと思われたんだ』
    結婚、社会での立場や家族での立場、夫婦の関係、経済力など豆子みる世界がハラハラして指が進みました。

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    2022年05月10日
  • 鞠子はすてきな役立たず

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    働かざるもの食うべからず」と幼い頃から育てられた高卒の銀行員の小太郎と、大学院で文学を研究し現在書店アルバイトの鞠子。そんな二人が結婚する。鞠子は専業主婦を希望し、いろいろな趣味に没頭。そんな鞠子に小太郎も影響される。
    鞠子のマイペースで自分の生き方を貫き、自分の満足を大切にする生き方に羨ましいとも思いました。鞠子が「自己満足は大切だよ」と言っていますが、結局はどんな生き方をしても、自分自身に満足し、自分で自分を肯定しないとしんどいかも。生き方に正解はない。

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    2022年05月06日
  • ニキの屈辱

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    人前では強がるけど彼の前ではか弱くて自信がないニキ。自分の全てを加賀美に受け入れてもらえると思ったのかな。ニキの甘えが加賀美には辛かったのかな。失恋が自分のことのように辛い。素直になれないせいで大好きなのに相手を傷つけちゃう人は反省必至の小説。

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    2022年03月17日
  • カツラ美容室別室

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    ネタバレ

    エリ、やばい人じゃん…
    そりゃ、店長任せられないよ…
    カツラさんがみんなを引っ掻き回す話だと思って読み始めたら全然違った
    めっちゃまともな人だった

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    2022年03月02日
  • 母ではなくて、親になる

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    ネタバレ

    コロナ禍で人と会う機会が減ってるし、そもそもデリケートな話題なので、あまり出産育児に関して人と話すことがあまりできていない。
    だから出産育児エッセイは、読んでいて純粋に楽しい。わかるわかるって思ったり、逆にそれは違うでしょーって思ったり、頭の中であれこれ意見交換している感じがある。
    著者の山崎ナオコーラさんは、割とはっきり自身の考えを持っている方なので、そういう考え方もあるんだなーって気持ちで読めた。
    そして子育てに関して、あまりネガティブな感想が書かれていなかったのが新鮮だった。

    SNSでは出産育児に関してしんどいとか大変だっていう考えに触れることが不思議と多い気がする。(周りの協力が得られず孤独だとか、寝れなくて体力的にしんどいとか、自分の時間が取れないだとか…)だから自然と、子どもを持つことは自分をある程度犠牲にすることだという意識がどこかにあったけど、その考えが少し溶かされた気がする。

    出産も育児も自分にとってかけがえのない経験で、一瞬一瞬が「かけがえのない今」なんだろう。

    まぁ、適性もあるから、そんなこと言ってられないってなるかもしれないけど、楽しみながら、しんどかったら都度調整しながらやっていこうかなって思えた。

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    2022年02月06日
  • 私の中の男の子

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    いわゆる女らしくあることを忌避する大学生であり作家でもある雪村という女性の数年間が描かれる。雪村が女性であることを忌避する言動はしばしばあり、乳房切除をしてしまうほどなんだけど、全編通して雪村がどうなりたいのかがよくわからなかった。男性になりたいのか? 女性でないものになりたいのか? ……女性でも男性でもない意識で生きればいいじゃんと思うんだけど、そういう感じでもない雪村の言動な気がする。自然のままだとドレッシーな服とか選んでしまうようだし、好きだと思うのも男性だし、つき合ったのも男性だったり、捨てきれない女性的な面がけっこうあるようなんだけど、何だか意識にとらわれて自由に振る舞えていないみたいな雪村。
    そんな感じで雪村のこじらせぶりを面倒くさく感じながらも読み続けたのは、雪村がしばらくつき合い、好きでないと思い込んで別れを告げ、その後友だち関係になる時田くんがすごく気持ちのいい性格と考えをもつ好男子だったから。
    たとえば、時田くんが雪村に告白するとき、「オレは雪村さんが好きなんだ。オレを彼氏にしてほしい」(p.86)って言うんだよ。「オレの彼女になって」的な男性の告白って定番だと思うんだけど、ある意味それの逆をいくような「オレを彼氏にしてほしい」って言い方が新鮮に思えた。どっちも似たようなもんだけど、「オレの彼女に」はやっぱりオレワールドに入れって感じがするのに対し、「オレを彼氏に」は彼女のワールドに入れてもらえますかっていうニュアンスが感じられないだろうか。
    さらに、雪村が時田くんと3か月つき合ったあげく「やっぱり付き合えない」と別れを告げたときの時田くんがいいこと連発で言う(p.103)。

    「もうひとつ聞きたいことがあるよ。『やっぱり付き合えない』ってことは、今までのことをなかったことにしたいってことなの? 最初から付き合ってなかった、って思いたいの? 確かに、三ヵ月くらいのことだし、ゼロも同然なのかもしれないけど。オレは、雪村さんと友だちだった期間も楽しかったけど、この三ヵ月はそれの何倍も楽しかったよ。散歩が意味のないことだと思ってないよ」
    「私も、楽しかったよ。楽しかったって言う資格ないけど」
    「資格あるよ。オレのこと好きじゃなくても、楽しかったって思ってほしいよ」
    「うん」
    「せめて、この話は『別れ話』にしてほしいよ。『間違いだった』とか、『つい、付き合いたい、って言っちゃった』とか、『やっぱり、なしにしたい』とか、それって、あんまりだよ。ひどいと思う」

    っていう感じ。その後、時田くんと雪村は大学卒業時に友だちとしてつき合い続けることにし、国際協力関係の仕事に就き海外で暮らすようになった時田くんとの仲が続いていく。
    この小説を、ちょっとうがった見方をすると、時田くんの言動には意志的に生きている姿が反映されている気がする。そしてそれは旧来「男性的」とされているもの(実際に時田くんのように気持ちのいい考えをもっている男性はまれ)。かたや雪村の落ち着かないこじれぶりは旧来の「女性的」なものがしっかりしみ込んでいるように思える。書題からは、雪村の内面に男の子的な面があるところが示唆されるが、果たしてどうだろうか。「私って男っぽい性格だから」という女性がそうでもないこと、ままある気がするんだけど。

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    2021年12月30日
  • 「『ジューシー』ってなんですか?」

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    詩的な文章。スルスル読めて、心に残るとかそういうのではなく淡々とした職場小説ではあるが、また読みたくなる文章。解説が羽田圭介さんでこれも面白い。

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    2021年12月18日