あらすじ
終戦前夜の岡山で谷崎潤一郎は牛肉を手に入れ、敬愛する永井荷風を精一杯にもてなした。
森鴎外に憧れていた太宰治の墓は、鴎外の斜め向かいに建てられた。
生涯独身だった深沢七郎は、自分の葬式用に、自らお経をテープに吹き込んだ。
中島敦に太宰治、澁澤龍彦、幸田文、夏目漱石、そして深沢七郎まで。
現代の人気が、26人の昔の作家に会いに行く。親しい人と一緒に、時には一人で。
電車に乗り、最寄り駅で降りて花を買い、ついでに食事処でお腹を満たし、
そしてお墓の前へ。墓の中の人と存分に語り合えば、自分の生き方も見えてくる――
楽しく豊かな墓参り案内&文豪人生ガイド!
(文庫あとがき「世界の文豪お墓まいり記」収録)
※この電子書籍は2019年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
実は山崎ナオコーラさんは初読みです。
素敵な文章ですねぇ。そして、私も好きな作家さんのお墓参り。
読んでいて、気持ちが落ち着くと思いながらページをめくりました。
私は織田作之助や中島敦も好きなのですが、作品を紹介しながらのお墓参り、本当に素敵です。
中島敦は行こうと思えば行けますが、織田作之助はこのコロナ禍ではしばらく我慢ですね。
秋の一日、お花を持って好きな作家の元へ行く。
とても素敵なエッセイでした(*^^*)
Posted by ブクログ
お墓まいりのエッセイとは!
文豪同士の結びつきだったり、現代作家との関わり合い方だったり、興味深い。
もっともっと近代文学を読み込んだあとに、わたしもお墓まいりしてみようかなぁ。
Posted by ブクログ
読む本、好きな本は風雪(出版の嵐)に耐えて昔から現在まで残っている本(作品)が多い。
つまり文豪と言われている作家の作品ということか。
山崎ナオコーラさんの『文豪お墓まいり』の文豪お墓は、わたしの好みの文豪が多々。お墓の前で作家の作品を思い、自身のあれこれを思う作者に親しみを感じた。
文豪とは何ぞや、100年も50年も名前が残っている作家?作品が長く読み継がれている作家?
たまたま、夕べBSNHKの「西村賢太」のドキュメンタリー映像(再放送?)を観た。
一昨年突然死なさったそのお墓は、郷里でもない石川県七尾市の西光寺だという。
しかも、西村賢太が晩年「藤沢清三」という永らく埋もれていた作家に「没後弟子」として、私淑したその方のお墓の隣に割り込んだかたち。生前「藤沢清三」のお墓の管理もされているので、無理がきいたのか。(今は番組見ただけでは正確には記憶に残らない詳細もネットで再見できる便利さ!)
『文豪お墓まいり』で知ったのだけど、太宰治もあこがれていた森鴎外のお墓の斜め向かいだ。
両方とも後世にあまりにも有名で、訪れておまいりするひとも多かろう。
西村賢太さんの場合はどうだろうか?それをねらったわけでもないだろうけど、そうかもしれない。