山崎ナオコーラのレビュー一覧

  • ニキの屈辱

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    ネタバレ

    #1
    劇中の中盤で最も心を惹かれたシーンがある。加賀美とニキが新宿の路上で写真をとる家族に遭ったあと、ニキが言う。
    「さっきのお母さんの、『美人に撮ってよ』ってセリフ、良かったね。結局のところ、写真ってそういうことだよね」

    ニキは不器用で、人間関係の機微よりも無機質な被写体を得意とする写真家だと自称し、それが写真にも表れていた。そしてそれを自身の姿、アイデンティティだと信じ込むために気を張っていた。それでも、物語の終わりについにニキは自身の人間ぽさに向き合った。
    『美人に撮ってよ』のシーンは、二人がきっとその感覚に気がついていたんだとおもわせる瞬間だった。あのときに何かが起きていれば結末は変

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    2022年10月23日
  • ボーイミーツガールの極端なもの

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    この本に出会って、自分の生活にサボテンがいて欲し〜!!!って思った!
    ひとつひとつの物語ごとにサボテンの紹介が入り、元々図鑑が好きな私は小説でこの手のタイプは初めてだったので楽しかった。

    上野の園芸屋さんでバニーカクタスを購入し可愛い陶器に入れて一緒に生活しています。私のバニーカクタスは右足の形をしていてとても可愛い…

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    2022年09月19日
  • ニセ姉妹

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    ちょっと嫌だなと思う他人の欠点をさらっと認め合う感じがいいなと思った。私もこの子と姉妹になったら楽しそうと思ったことが以前あり、その頃の心の動きを思い出した。

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    2022年08月17日
  • 可愛い世の中

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    九月の午後の日差しをつける金色のシャンパンは、ブレスレットのように光る泡を空に向かって長く伸ばしていく。
    姉妹それぞれの生き方が、現代の女性の生き方の多様性を表現してて、面白かった。

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    2022年07月23日
  • 鞠子はすてきな役立たず

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    私も刺繍が好きです。ゆっくりまったりと、時間を忘れてチクチクする事が好き。
    でもそれを仕事にしたときに、締め切りがあったり、クオリティーを求められたり、ニーズに応えなきゃだったり、そうすると楽しめないのかなあ、と思ったり。
    やっぱり趣味は趣味で、仕事にしたらそれだけ大変なこともある。
    だから好きなことを仕事にしている人は、すごいなぁと思う。


    趣味を無限にできる時間なお金があればいいのになぁ。
    鞠子と小太郎の真逆の価値観の2人の会話、小太郎の心の中が面白かった。

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    2022年08月05日
  • 論理と感性は相反しない

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    論理と感性は相反しない。
    だって、論理は世界に意味をもたせて、感性は世界を彩色するものだから。言語化難しいけど、なんだか好きな音楽見つけたときとにてる心地よいそわそわ感。
    「終わらない後書き」で、そうそう!だから私は山崎ナオコーラが好きなんだー!ってなった。好き。涼しくてリアルで軽やか。

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    2022年06月15日
  • ニセ姉妹

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    自分には姉妹はいないが、いたらいいなぁと妄想したことはある。幼い頃から一緒に育って、分かり合えて、味方になってくれる自分とそっくりな存在なのだろうなと。
    でもこの本の姉妹はそうとは限らない。同じ親から生まれても価値観や性格はバラバラ、なんなら少し理解しがたい考えや反応を持つ、ちょっと邪魔くさくてでも途切れない繋がり。
    かと思えば、真逆の気質を持って似てるところなんかないのになぜか一緒にいると楽しくなってくる、自分のことが少し好きになれるような他人もいる。
    一緒に育ってなくても、大人になってからでも、姉妹は自分で手に入れられることをこの本は教えてくれる。
    ぜひとも、阿佐ヶ谷姉妹のエッセイと一緒に

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    2022年05月28日
  • ブスの自信の持ち方

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    本筋とは逸れますが、新聞社が受賞式で無断で撮った写真を掲載することがあるのは驚きでした。
    SNS時代、とかく盛れることがフォーカスされがちで、見た目に自信がない私は肩身が狭く暮らしていましたが、どんな人も胸を張って生きていていいんだ!という勇気をもらえる1冊でした。

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    2022年04月08日
  • ボーイミーツガールの極端なもの

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    短編が緩く繋がっていく、私の好きなタイプの小説。

    型にはまらないお話が多くて、自由な恋愛をテーマにしているのが心地よかった。

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    2022年03月30日
  • ニセ姉妹

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    やっぱりナオコーラ先生の書く物語が好きだなあと改めて思わされた。分かりやすい言葉や表現で、ひとつひとつの場面を丁寧に描いていく感じが本当に好き!
    ルールに反してる人のことを批判したい気持ちも、もっと寛大な心で受け入れていきたいという気持ちも、どちらも分かるからすごく考えさせられた。
    この物語を読んで、叶姉妹や阿佐ヶ谷姉妹、そしてこのニセ姉妹たちの関係性に憧れずにはいられない。

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    2022年03月01日
  • むしろ、考える家事【電子特典付き】

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    時短や効率化が叫ばれる"家事"。
    でも結局なくなることはない。15分が5分になったところで消えはしない。それならばむしろ考えよう。家事を楽しもう。家事の時間をプラスにしよう、そういう本だ。
    ナオコーラさんの、前向きで強い意志、作家としての姿勢、そういうものにハッとして胸を打たれるシーンもある。
    一人の母、妻としてのぼやき?にクスッとさせられ、母でも妻でもないけど、分かる分かるーと言いたくなる。
    実家暮らしで家事の大半を母におんぶしている私だけれど、見習わないといけないところが満載だ。

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    2022年02月25日
  • 「『ジューシー』ってなんですか?」

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    サクサク読める
    ほとんどが職場の描写なので、登場人物の深いところまではわからない
    あー職場って感じ
    それぞれがいろんな思いを抱えながら、日々働く
    みんな、えらい

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    2022年02月17日
  • 鞠子はすてきな役立たず

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    ネタバレ

    今の自分の状態を肯定してもらったような気持ちになった。特に、金氏さんの「大して稼いでいなくても、自分なりに工夫することで幸せに慣れたなら、それはそれで胸を張っていい」この言葉に救われた。
     労働や自立が全てだとは思っていないつもりだったけど、いつのまにか小太郎寄りの考え方が染みついていたんだなと思う。
     鞠子の生き方は楽しそうだけど極端で、私にはついていけない部分もあった。裏を返せば羨ましいのかもしれない。鞠子の言葉で楽になることもあったから、たまに読み返して彼女の考え方を摂取したい。

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    2021年12月15日
  • ミルクとコロナ

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    これからも読み返していきたいと思う本。
    子育てをしていく身として、またコロナ禍で出産経験したこともあり、手に取った一冊。
    価値観は人それぞれで、その「それぞれ」を読むことが出来て良かった。
    共感深いものもあれば、その価値観はなかったと思うものもあり面白い。
    コロナ禍の子育てというものが本になって残るということも感慨深い。

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    2021年12月15日
  • むしろ、考える家事【電子特典付き】

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    ネタバレ

    なんかいい。ちなみに、娘によるとうちのカレーも定型がないそうです。いや、カレー粉かカレールーを入れる、くらいはあるんだけどな。
    家事は社会作りかどうかは、思うところがないわけでもないけれど。

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    2021年10月29日
  • ベランダ園芸で考えたこと

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    ベランダ園芸私もしてるので、どんなふうにベランダ園芸してたのかなあ、と思って買いました。解説にもあるのですが「生きていく」といく気概を感じるというか、植物を通して自分のいのちを見るような一冊でした。あと、「いつか一軒家に住みたい」「庭がほしい」って、思っていいんだ、という許しみたいなものがありました。

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    2021年10月14日
  • 鞠子はすてきな役立たず

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    「鞠子はすてきな役立たず 山﨑ナオコーラ 河出文庫 2021年 840円」世の中の当たり前の考え方の逆を、普通の言葉で書かれていて、腹落ち感がすごい。あるべき論から解放されたらどれだけ楽なんだろうか。日曜日に読んですごく気持ちが楽になった。文庫が840円は高いけど、楽しい本だった。

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    2021年10月10日
  • 文豪お墓まいり記

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    ネタバレ

    実は山崎ナオコーラさんは初読みです。

    素敵な文章ですねぇ。そして、私も好きな作家さんのお墓参り。

    読んでいて、気持ちが落ち着くと思いながらページをめくりました。

    私は織田作之助や中島敦も好きなのですが、作品を紹介しながらのお墓参り、本当に素敵です。

    中島敦は行こうと思えば行けますが、織田作之助はこのコロナ禍ではしばらく我慢ですね。

    秋の一日、お花を持って好きな作家の元へ行く。

    とても素敵なエッセイでした(*^^*)

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    2021年09月28日
  • ボーイミーツガールの極端なもの

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    自分のようなサボテンを探したくなる本。

    登場人物それぞれの視点で描かれる短編集。
    全く別の話かと思いきや、所々で繋がりや接点が見えてくる。
    さまざまな恋愛観を各々の視点で描いていくが、どれも正解のように思う。

    多様性のある恋愛観に触れられる1冊。

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    2021年09月14日
  • 母ではなくて、親になる

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    良いなあって思う考え方がたくさんあった。なんていうか、プライドとか意地とかそういうのから離れて、純粋に人間としてこうありたい、みたいな、そういう考え方。実際にそうなるのは難しくても、そうありたいと思って過ごすことだけで大分素敵だと思う。山崎ナオコーラさんの本をもっと読んでみたい。私もいつか自分の赤ちゃんがほしい。そして、親になりたい。

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    2021年05月30日