【感想・ネタバレ】論理と感性は相反しないのレビュー

あらすじ

神田川歩美と真野秀雄は、つき合い始めた頃にときどきケンカした。真野の論理と、神田川の感性は、ぶつかり合いながらも共生の道を探っていくが……(表題作)。男と女、宇宙、音楽と文学、伊勢物語……それぞれの登場人物がオーバーラップして展開していく十四編。意欲に満ちた、著者初の書下ろし小説集。(講談社文庫)

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ネタバレ

山崎ナオコーラさんの作品を初めて読んだ。
恐怖の脅迫状とアパートにさわれないが特に印象に残った。
自分も小学生の時に、松本のように一歩引いて「自分は大人の考えを持ってる」と思ってたな〜と昔の感覚が蘇った。
アパートにさわれないは、神田川の恋愛観が年齢に応じて変化した一方で、真野は変わっていなかったということに神田川が気づいてしまい、もう話すことはないだろうと決心するところがラストで伝わってきて良かった。

あと、矢野マユミズの由来を読んで山崎ナオコーラさんはコーラが好きだからこのペンネームにしたのだろうか、と思った。

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2024年08月17日

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論理と感性は相反しない。
だって、論理は世界に意味をもたせて、感性は世界を彩色するものだから。言語化難しいけど、なんだか好きな音楽見つけたときとにてる心地よいそわそわ感。
「終わらない後書き」で、そうそう!だから私は山崎ナオコーラが好きなんだー!ってなった。好き。涼しくてリアルで軽やか。

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2022年06月15日

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あるある。

わたしはとても感性寄りな人間なので、こうゆうシチュエーションあるある。

論理的思考と、感性的思考の違いからくるコミュニケーションの齟齬を、ほっこりユーモラスに描くナオコーラさん、さすが。

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2013年05月06日

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表紙買い。でも大当たり。山崎ナオコーラさんの作品はこれが初めて。
どこかゆるく繋がっている短編集。特に表題作とその続きの「アパートにさわれない」が好き。ピタッとはまっていたはずのものが微妙にずれていく様子がほんとうに悲くて。

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2013年01月21日

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ナオコーラ作品を散々読み尽くしてきて、これは傑作だと思う。何人もの友だちにプレゼントしたくなっちゃうような、そういう作品。

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2012年11月08日

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男の子と話してるとこういうのある
となんとなく感じる瞬間はあっても
うまく取り出せていなかったことがずらずら。

ナオコーラ、神。

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2012年04月27日

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年を重ねて味覚とか感性とか変わるけれど、
好きなものが変わらないってなんか嬉しい。

2011年の積読本です。苦笑
当時は495円(税別)でした。
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若き文豪が放つ、
入魂の小説集

「こんな作品は、もう書けない」
恋と別れ。文学と音楽。光と風。ブエノスアイレスと秋葉原。
人は繋がり、世界はどこまでも広がっていく。
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14編がつまっていますが、
読み終わったあとに抱いた感想は、
「一貫してむちゃくちゃ。
 でもナオコーラさんの言葉選び、
 感覚がやはり好きだ。」でした。

表題作に登場する、
神田川歩美と真野秀雄は他の作中にも登場します。
自分たちがそれぞれに生きてきた時間を感じて、
改めて距離を認識する場面は印象的でした。

積読から10年以上も時を経て、
私もだいぶ年を取り、
アラフォーに差し掛かっているのに
仕事の昼休みに1編を読んで元気になったことに、
驚くとともに嬉しくありました。
10年前の自分と通じ合ったような。
なんですかね、生きてきたなというか。
そんな気持ちにさせてくれた一冊でした。
積読も寝かせる分だけ良いこともあるのかもです。笑

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2023年12月17日

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面白かった!

短編集なんだけど、少しずつ繋がってるってのもあってすごく読みやすかった。

登場人物も話も全体的に少し奇妙な感じなんだけど、そんなおかしな話の中で共感できる事や、なるほどなーっと思える事が多くて飽きずに楽しんで最後までゴールって感じ。

誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない事を、という作者のテーマが詰まったような小説だなと思う。

音楽と小説の話が特に好き。

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2020年01月04日

Posted by ブクログ

これは面白い。 普段ミステリーを主として読むがこういったよくわからないジャンルを読むと新鮮に感じる。 著者も言っているがふざけてるけど一生懸命書いているってことが犇々と伝わる。 クスッと笑ってしまう場面もあれば比喩の使い方に驚かされた場面もある。 これは一見本を読まない人でも読みやすいと思うかもしれないが実際には本が好きな人ならでは気づく部分が多い。特に表題作の「茶色の殻」がなぜその表現として現れているのかって場面。とても印象に残っている

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2019年10月13日

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一話一話くるくると変わって、時々交差して、目線が人になったり、人ではないもっと別なものに変わったり、時間が凝縮されていたり、何気ない会話がゆるく続いたり、万華鏡みたいな話。

真剣な話をする時に半笑いになってしまう神田川と、
水飲み依存症の小説家矢野マユミズ(後にマユミミズ)、
この2人がとにかくキュート。
ほかに出てくる人たちもみんな癖があって、可愛らしくて憎めない。
面白かった!

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2019年08月07日

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読み終わってもどこにも辿りつけなくて、頭の中に余白だけが広がる。そんな表現の世界が心地よかったです。
それと、あとがきが好きです。

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2013年01月11日

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かわいい本だった。
表題作が特にラブリー。
仲直りのためにホットケーキを焼くのがとてもかわいかった。
この話があるからこそ、『アパートにさわれない』がとてもとてもかなしい。ラストシーン、神田川の視点の話なのに、わたしは完全に真野に感情移入していました。
いつか自分も昔の彼氏(あるいは今付き合ってる人と別れたあと)に同じようにそっと失望されるときが来るような気がして。
すっと生まれる温度差とか、小さな違和感とか書くのがうまい人だな。

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2013年08月12日

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なかなか自由で適当(失礼)なところがすき。

☆ミルフィーユ
清水マユミズさんは、画数が悪いの。といって改名したころは吹いてしまいました。
なんでまた・・・
マユミズも、ちゃんと考えられていていい名前なんですよ。
でも、なんで。。。

☆嘘系図
山崎ナオコーラさん説の進化論、これはまた適当ですき。
理屈じゃないと思うし、神さまがおつくりになったもん、でもないと思う(進化論も、アダムも全然信じてない。私は。進化論だって、途中の化石(羽が中途半端に進化しているの、が出土しないのは説明できない。目や耳だって、キリンの首が長くなるように徐々に進化したとしても、その中間状態は使い物にならないわけで、突然できたとしか思えないわけです。だれか説明して。。。「キリンの首―ダーウィンはどこで間違ったか」をよもう!)ので、こうした適当なところから生命は生まれた、というのが正しい! 私はこちらに1票。

☆終わらないあとがき
ノンフィクションかな?
軽いノリのお友達と出会いと。
あとがきなのだけれど、ストーリーが展開していく。

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2021年09月05日

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すぐに読みきっちゃった。
これを読んでも、山崎ナオコーラがどんな本書く人なのかはわからなかった。
やっぱ長編読まないとだよね。
好きなフレーズちょいちょいあったけど、また忘れちゃった、、。

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2020年06月14日

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初見すぐにあれこれと内容が想像ができないタイトルだけど、現代的で読みやすい内容ではあった。ジャンルなど関係なしに自由な発想で描いている感じがした。とくに「人間が出てこない話」は、前後の話とはまったく脈略もない物理化学のような内容なのだが、なぜかドラマがあるようでおもしろい。
ふざけているようで大真面目。そんな印象を受けた。

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2019年01月04日

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面白くなくは無いのだけど、ワクワクするような話でも無い。話があっちこっちに飛ぶようであり、実はそうでも無い。違う短編で登場人物が重なります。
この本の良さは残念ながら私にはピンとこなかった。もっと若い頃読んだら別な感想を持ったかもしれない。

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2018年06月27日

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タッチが今的。今っぽい。今に比例したタッチという感じ。それをどう感じるかって感じかな。連作みたいになっててサクサク読める。面白い試みもふんだん。堅苦しい読書が嫌な人にはいいかもしれない。

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2017年12月18日

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短編集。
この人の作品を読んでいると、きっと世界をひっくり返すようなドラマは今も身の周りで起きているんだろう、と気づかされる。
出来事に色を付けて自分の中に保存していく。
その過程や配色が、みんな人それぞれ違うんだと思う。

本編の内容からは逸れたが、これがこの作品を読んだ直後に感じたこと。

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2017年01月15日

Posted by ブクログ

山崎ナオコーラの掌編集。

著者の小説観を文章化したものというか、
いやそんなに分かりやすいものじゃないか。

掌編集というのはこういう雰囲気のものが多いんですかね。
今まで読んだいくつかからはだいたい同じ雰囲気を感じた。
いや、雰囲気自体はそれぞれ全然別なんですけども。

なんというか、話の筋自体がどうこういうわけではなくて、
全体を通してか、もしくは一文一文を通して何かを伝えようとする感じ。
それでいて、いやそうだからこそなのか、表現は実験的。

この作品の場合は、著者の小説観だったり、小説家である自分であったり、それに対する周りとのあれこれであったり、そういうものを表現したものなのかな、とか思ってみます。
通して読んでみると、確かにこれを普通のインタビューとかで語られるよりはなんだかずっと伝わってきたような気がする。まぁあくまで気がする、ですけど。

そういう勘ぐりを著者が求めているのかどうかはよく分かりません。
あとがきで本人が称する通りであれば、あくまでこの小説は「フィクション」であり、「気兼ねなく、自由に、遊び心満載に、ふざけにふざけ」た産物です。

ふざけにふざけた感じはもう大成功でしょう。が、これ、ファン以外が読むのはなかなか大変だろう。
特に、1話目の表題作「論理と感性は相反しない」はファンからしても若干違和感のある文章だった。
なんというか、三人称視点がぎこちない感じ。その後は慣れた感じの一人称に戻るので、違和感はすぐなくなりますが。わざとなんですかね。文章的なぎこちなさ、というか軽さというか。

著者の小説に興味があるなら、「人のセックスを笑うな」か「カツラ美容室別室」あたりから入るのをオススメします。
著者の感性に興味があるなら「指先からソーダ」をオススメします。
この本はそこら辺読んでから、もうちょっといってみようかなと思えた人が手にとったらいいと思う。
著者のことがいろいろわかった気になれるような慣れないような、本編(他の小説)を楽しむだけなら読まなくても良いようないろいろが書かれているという意味では、わりと中級以上の人向けの攻略本という感じ。

それにしてもこういう掌編集を読むと本当に作家という職業で生きる人が羨ましく感じる。
文章でこんな風に遊べるというのはなんて素敵なことなんだろう。

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2014年10月13日

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この小説に登場する「矢野」のペンネーム「矢野マユミズ」の由来は「水が好きだから」というものだった。

はっ、とする。

じゃあ「山崎ナオコーラ」という風変わりなペンネームの由来は「コーラが好きだから」なのだろうか。

翻って。

「矢野」のように「山崎」も生きてたのだろうか。

登場人物と著者を同一視する読み方は野暮だと思いながら、ぬるい想像にふけるのでした。

そう、ぬるい。

大学を卒業してからの残りの20代は、なんだかぬるくて、身に覚えがあって(今まさに)、くすぐったい。

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2014年09月07日

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ネタバレ

【オナコーラじゃないよ、ナオコーラだよ】

ただの嫉妬からの嫌悪だけど、人のセックスをなんちゃらで売れた方の本。僕は底意地が悪いので嫌いな人の本は積極的に読むタイプ。他には嶽本野ばらとか藤沢周とかね。苦手な奴の作品ほど読み込む癖がある。

言い訳や、都合のいい弁解を覗き込む様でもあり、何かキラキラしたものを浜辺で拾った気にもなり、ああ、ああという喜怒哀楽の全てで読めるような作品だった。

作品に罪はない。むしろ作者にも罪はない。僕の心が狭すぎるだけなのだ。わかると頷けば違うといわれ、わからないといえば、少しは知る努力をしてくれといわれそうなそんな作品。

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2014年07月17日

Posted by ブクログ

ナオコーラでなく、マユミズという小説家の周囲で起こる物語。 自伝的ではないと言うが… 本人曰く、二十代最後の可愛らしいという短編集。 この文庫版は、あとがきに何回出て来るねん! と言うくらい本人の「あとがき」が続くのだが、それだけ思い入れも強いのかしら。 ちょうど、直前に読んだ「悪人正機」が作中に出て来て、私的に縁も感じつつ。

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2014年07月08日

Posted by ブクログ

この作家さんの本はこれで二冊目やけど、不思議な文章を書く作家さん。
つかみどころがない感じ。
いくつか連なる短編集で、『プライベートをなくせ』が妙に生々しい20台後半の働く女性を描いていてよかった。
特にこの部分。

矢野はもう二十八歳で、どんなときでも、やるべきことはやった方が楽になるし、仕事相手と会ったらにっこり笑う方が過ごし易い。
それは少し寂しいことではあった。矢野は大人になってしまっていて、失恋したら学校を休みたくなるような頃には、二度と戻れないのだった。

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2014年01月31日

Posted by ブクログ

とても実験的な短編集です。
以前、好きだった作家のエッセイを読んで、どうもその人間性が気になりその作家の小説が読めなくなってしまってから、私は小説家のエッセイを読まないようにしています。小説が良ければ良いのであって、作家さんには興味を持たない様にしようという考えです(著者来歴くらいは見ますけど)。
しかし、この本を読んで「この人はどういう人なのだろう?この人の頭の中はどうなっているんだろう?」と、興味一杯になりました。まあ、調べたりはしないだろうけど。
荒削りな気

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2016年06月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

出来事の羅列みたいな乾いた感じがいい。
伊勢物語の独自の現代訳「芥川」とか、「架空のバンドバイオグラフィー」とか、小説家・矢野マユミズの身の回りの話、(上司の前で、自分で言いにくいことを小説家に言わせようとする弱腰の男の編集者の話とか、親密になりたいと思ったのに相手の男があくまで自分を有名人としか見てくれない話とか、)面白かったです。

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2013年05月21日

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ずいぶん楽しそうに書いてるなぁ、と思ったら、
後書きに「原稿料をもらってないから好きなように書いた」とか、解説に「かなりふざけている」とか書いてあって、
自分の感性が彼女の感性に共感できたみたいでうれしかった。

解説にもあったけど、彼女はやっぱり相当センスがあると思う。

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2012年12月03日

Posted by ブクログ

和歌山出身地のバンドマンがミカンジュースを配るってのが何度か出てきて、きっとそれはポンジュースじゃなくて、ジョインジュースだよねっておもった。

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2012年10月12日

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どこかつながっている短編集。

うーん、うーん。なんかそのときはそれなりに楽しく読んだけど
あまり印象に残らなかった。。。
感想になっていないけど本当にそんな感じです。

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2012年09月23日

Posted by ブクログ

ナオコーラさんの作品2回連続短編集。

男と点と線よりは読みやすい作品。


この本もナオコーラさんが描く不思議物語がたくさん詰まってます。

日常的なんだけど、微妙にねじ曲がってる感じ。

ねじ曲がってるっていうと意味的に悪い感じになっちゃうかな。


「架空のバンドバイオグラフィー」って話(?)はなかなか面白い。

そのままの流れで次の話に進むんかい!って感じで。


「三十代で会社の後輩にやさしくしてごはんをたくさんおごると、四十代で仕事が軌道に乗ります」って曲はぜひ聴きたいw




全体的にふわっとしていて終わりのない、ナオコーラさんの書く話がやっぱり好きです。

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2012年05月22日

Posted by ブクログ

「人間が出てこない話」と「嘘系図」
頭が良くない私は感心して、何でか理由がわからないまま、読んで良かったなぁと思うのだ。

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2012年04月01日

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