【感想・ネタバレ】鞠子はすてきな役立たずのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりに山崎ナオコーラさんの小説を読んだ。等身大の文体で、恐らくナオコーラさんが感じたこと、考えたことを丁寧に描写しているのが好きだ。ナオコーラさんは、世間の常識や暗黙の了解に疑問を持って、「こういう考え方があってもいいんじゃないか」と小説を通じて投げかけている気がする。
本書で言うと、
・働かなくても、胸張ってご飯を食べていい
・趣味でも社会参加できる
みたいなこと。

自分にない考え方に出会うと、反発することもあれば、癒しや救いになることもある。ナオコーラさんはいつも私に新しい道を示してくれる。私がその道を歩むわけでもないけど、人生の選択肢が増えて気が楽になる。

鞠子との生活を通じて、小太郎が少しずつ考えを変えて、人生の舵を大きく取る様子が読んでいて楽しかった。鞠子の、自由な、悪い言い方をすると緩くて世間を舐めているような考えを頭ごなしに否定しない小太郎が素敵だ。

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2023年09月02日

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まず鞠子の口調が「〜だわ」とかじゃないのがいい。

「自分と異なる価値観の人と話すと心に風穴があくような気持ちになる。」根底で共感がないとそうもいかないかもしれないし、そういう余裕があるかどうかという見方もある。でも自分と異なる価値観の人と出会った時に、敵だ!と心を閉じてしまうか、風穴を開ける人が現れたのかも!と一旦受け入れるかの選択肢を持っておくのは良いことだと思った。

お金を稼がない人を責めない、無理に受け入れない、でも良さを認める、そんな作品。

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2022年11月12日

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私も刺繍が好きです。ゆっくりまったりと、時間を忘れてチクチクする事が好き。
でもそれを仕事にしたときに、締め切りがあったり、クオリティーを求められたり、ニーズに応えなきゃだったり、そうすると楽しめないのかなあ、と思ったり。
やっぱり趣味は趣味で、仕事にしたらそれだけ大変なこともある。
だから好きなことを仕事にしている人は、すごいなぁと思う。


趣味を無限にできる時間なお金があればいいのになぁ。
鞠子と小太郎の真逆の価値観の2人の会話、小太郎の心の中が面白かった。

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2022年08月05日

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ネタバレ

今の自分の状態を肯定してもらったような気持ちになった。特に、金氏さんの「大して稼いでいなくても、自分なりに工夫することで幸せに慣れたなら、それはそれで胸を張っていい」この言葉に救われた。
 労働や自立が全てだとは思っていないつもりだったけど、いつのまにか小太郎寄りの考え方が染みついていたんだなと思う
 鞠子の生き方は楽しそうだけど極端で、私にはついていけない部分もあった。裏を返せば羨ましいのかもしれない。鞠子の言葉で楽になることもあったから、たまに読み返して彼女の考え方を摂取したい。

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2021年12月15日

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「鞠子はすてきな役立たず 山﨑ナオコーラ 河出文庫 2021年 840円」世の中の当たり前の考え方の逆を、普通の言葉で書かれていて、腹落ち感がすごい。あるべき論から解放されたらどれだけ楽なんだろうか。日曜日に読んですごく気持ちが楽になった。文庫が840円は高いけど、楽しい本だった。

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2021年10月10日

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春に読むのになんかいい感じの内容だった。
変わった考えの鞠子が 肩の力を抜いて生きている様子がとても心地よくて、読んでいてゆるく励まされるような感覚になった。
こんな人になりたいな、とも思う。

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2024年04月15日

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最近ハマりつつある山崎ナオコーラさん。
タイトルにすごく惹かれて購入。

ワークライフバランス、働くことに対する価値観、趣味に対する価値観のお話。

社会人になってから、手当の出ない残業ばかりで自分の時間が削られ、何度となく「働くために生きてるんじゃないのにな」と思ってきた私を肯定してくれた。

説では、主人公が何かに苦しみ悩み、成長していく様が描かれることが多いけど、山崎さんの小説は、自分の理想を形にしていることが多いのかな、という印象。
だからいつも、心がほくほくと温かくなり、大丈夫、と少し思えるようになる。

とんとん拍子すぎる節はあるけれど、人生を豊かにするために趣味を楽しむ余裕は持っていたいと思わせてくれた。
最近、小説の執筆を趣味にするのも楽しそう、とPCに向かい始めたので、なおのこと読んでいてワクワクした。

職場とプライベートの服装が同じようになってきたら、ワークライフバランスが崩れてヤバいらしいよ、という内容に、やはり私はヤバい、となった。

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2022年09月10日

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働かざるもの食うべからず」と幼い頃から育てられた高卒の銀行員の小太郎と、大学院で文学を研究し現在書店アルバイトの鞠子。そんな二人が結婚する。鞠子は専業主婦を希望し、いろいろな趣味に没頭。そんな鞠子に小太郎も影響される。
鞠子のマイペースで自分の生き方を貫き、自分の満足を大切にする生き方に羨ましいとも思いました。鞠子が「自己満足は大切だよ」と言っていますが、結局はどんな生き方をしても、自分自身に満足し、自分で自分を肯定しないとしんどいかも。生き方に正解はない。

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2022年05月06日

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お金を稼いでからが幸せと自分の中で思っていたところがあって、
そうではない幸せや、鞠子のような素敵な人もいるという違う価値観に触れると 
心がほっとしました。

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2021年10月31日

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今の時代には珍しい専業主婦志望の鞠子。自分の信念に揺るぎのないのが潔い。(やり過ぎの感はあるけど)
でもそうやっていろんな趣味に没頭できるのも小太郎の稼ぎがあってこそ、というのを凡人なら考えてしまうところ、鞠子はびくともしないのよね。
最終的に夫婦が仲良くいるならそれでいいし、他人と比べなくてもいいんだけど、
でもやっぱり凡人は他人と比べてしまう。

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2022年12月30日

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ネタバレ

鞠子の考え方を全部受け入れてくれる小太郎さんが本当に単純に素敵で理想である。現実に中々ないなぁ〜。鞠子のように生きれるのは環境がそうさせてくれるのがあってこそ。

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2022年01月27日

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ネタバレ

「働かざる者食うべからず」の教えで育ってきた銀行員の夫・小太郎とマイペースに趣味を楽しむ専業主婦・鞠子、働く立場と働いていない立場それぞれの二人の会話に時にハッとさせられ、時に考えさせられる。
趣味は生活=お金という基盤があってこそで鞠子の考えを全面的に支持できないが、仕事でも趣味でも自分が幸せだと感じられる時間を持つと人生豊かになるのは間違いない。
アンナさんの「自立に美しい立ち方があるように、他立にも美しい立ち方があるのかもしれない」の言葉が沁みた。働いていない間は“すてきな役立たず”を目指そうと思う。

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2021年12月18日

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作者名とタイトル名がいつも素敵過ぎて、ずっと読まずにいた作家さんだったのだが、ついに手を出してしまった。面白かった。こんないい関係性の夫婦になりたいものだ。

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2021年11月27日

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