あらすじ
働かないものも、どんどん食べろーー「金を稼いでこそ、一人前」に縛られない自由な主婦・鞠子と銀行員・小太郎の生活の行方 は!? 金の時代の終わりを告げる傑作小説。『趣味で腹いっぱい』改題。
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Posted by ブクログ
久しぶりに山崎ナオコーラさんの小説を読んだ。等身大の文体で、恐らくナオコーラさんが感じたこと、考えたことを丁寧に描写しているのが好きだ。ナオコーラさんは、世間の常識や暗黙の了解に疑問を持って、「こういう考え方があってもいいんじゃないか」と小説を通じて投げかけている気がする。
本書で言うと、
・働かなくても、胸張ってご飯を食べていい
・趣味でも社会参加できる
みたいなこと。
自分にない考え方に出会うと、反発することもあれば、癒しや救いになることもある。ナオコーラさんはいつも私に新しい道を示してくれる。私がその道を歩むわけでもないけど、人生の選択肢が増えて気が楽になる。
鞠子との生活を通じて、小太郎が少しずつ考えを変えて、人生の舵を大きく取る様子が読んでいて楽しかった。鞠子の、自由な、悪い言い方をすると緩くて世間を舐めているような考えを頭ごなしに否定しない小太郎が素敵だ。
Posted by ブクログ
今の自分の状態を肯定してもらったような気持ちになった。特に、金氏さんの「大して稼いでいなくても、自分なりに工夫することで幸せに慣れたなら、それはそれで胸を張っていい」この言葉に救われた。
労働や自立が全てだとは思っていないつもりだったけど、いつのまにか小太郎寄りの考え方が染みついていたんだなと思う。
鞠子の生き方は楽しそうだけど極端で、私にはついていけない部分もあった。裏を返せば羨ましいのかもしれない。鞠子の言葉で楽になることもあったから、たまに読み返して彼女の考え方を摂取したい。
Posted by ブクログ
鞠子の考え方を全部受け入れてくれる小太郎さんが本当に単純に素敵で理想である。現実に中々ないなぁ〜。鞠子のように生きれるのは環境がそうさせてくれるのがあってこそ。