山崎ナオコーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こういう本はどうしても女性、
なんなら妊娠中の女性しか手に取らないだろうけど
全日本人にオススメしたい!
赤ちゃん自体の記述より
赤ちゃんという特殊な人間を通して見る
世界が描かれている。
今ある世界も、見せたい、あると信じたい世界も。
次世代へのバトン的なことではなく、
著者がいま向かい合ってる世界をよくするため、
温かいものにするため
きょうどういう行動を取るのか描いていた。
あと赤ちゃんの笑顔が卑しいなど、
ちょっと笑える場面もありスルスルと読めました。
私はもうすぐ出産を迎えるので
自分みたいな子を育ててしまうんじゃないか
何かを押し付けちゃうんじゃないかと不安。
そうい -
Posted by ブクログ
世間のジェンダー感、結婚、仕事などに悩む豆子はちょっとだけ変わったところがあるけど(そこが魅力!)現代日本に生きるアラサー女性は共感することが多いと思います。
うじうじ考えがちで、妹からも面倒くさいと言われてしまう豆子ですが、それでも自分なりの幸せを求め少しずつに進んで行こうとする姿は愛おしく、元気が出ます!
経済力と社会参加に価値をおく女性、豆子は自分では容姿に恵まれていないと思っていて、それゆえまめまめしく働き、社会に「いても良い」と認められたいと思っています。
ある日、同僚から「子どもが欲しいなら35歳までになんとかしなきゃいけない」と言われ、32歳の豆子は焦ります。
今まで他の -
Posted by ブクログ
2年ぶりに再読したが、最高に面白い。
自分が妊娠して興味が向いていることと、同じように妊娠・育児エッセイをいくつか並行して読んだことで良さがより際立った。
まず、ナオコーラさんは徹底して「自分のところにいる赤ん坊」の話をしている点が素晴らしい。自分の経験を一般化せず、あくまでも自分の場合はと、ことあるごとに言及している。そして、正しい情報を調べた上で自分の考えも述べているので、非常にニュートラルで誰も傷つけないやさしさがある。べたべたしないカラリとしたやさしさが。
フジモトマサルさんのお別れ会に、産後子どもを夫に預けて参加した際のエピソードが印象的だった。会自体はとてもよかったが、出産後の -
Posted by ブクログ
ネタバレ私もまめこのように細かいことを気にしてしまうタイプで、人に何かをしてもらってもかわいく喜んだりすることが出来ない
男なら収入が高いと褒められるのに、女というだけで俺より年収高い女無理と謎に上から目線で批評されたりする。同じことをしているのに
何をしても、女だからという理由で正しく評価されていない気がして男だったらどうだったのか考えてしまう
まめこのプライドが高いのではなくて、だれだって努力に対して男女関係なく認めてもらいたいと思うのは普通ではないだろうか
多くの女性が本当は嫌でも男性に媚びた方が生きやすいと分かって可愛く生きているから、女性ではなく1人の人間としての権利を求めるまめこが -
Posted by ブクログ
登場人物たちが超個性的(雑に表現してしまうなら普通ではない)のに、様々な形をしたサボテンを取り上げながら綺麗に纏めている。読後感も良好。
サボテンは個体によって成長スピードも、その仕方も違うそうです。真っ直ぐに伸びたり、曲がりくねったり、他のサボテンにくっついたり…そうやって一つ一つが、唯一の形を持ったものになっていくそう。
エピローグで鳥子さんが言った多肉植物に対する「時間が顔に出るのねえ。生まれ方より育ち方なのね」という台詞、さりげないけどすごく好き。過去の全てがそれぞれの今を作っているのは人間もそうだよなぁ…それがどんな形であれ…
多様性を認める温かさはやっぱり大事にしたいなぁと、 -
Posted by ブクログ
これはにがい 未熟で幼稚な人間をこれでもかというくらい真っ直ぐ捉えて書く
その未熟さ故に譲れない部分がコミュニティの欺瞞だったり、狡猾さだったりする
でも、それは自分も持ってる
その持ってる事も逸らさず書く
だから苦い
ナイフの様な鋭いナオコーラ節に戦慄する
田中という男子大学生を好きになった小笠原
マンドリンサークルの仲間の二人
コミュニケーション能力の低い小笠原はサークルでも浮いている
男子学生からは浮く田中
でも、田中はそのコミュニケーション能力の低さを可愛さに変えて女子の仲良くする狡い奴
恋に幼稚で魅力のない小笠原をいいように利用する田中は本当に狡い
でも、小笠原も負けてばか