山崎ナオコーラのレビュー一覧

  • ボーイミーツガールの極端なもの

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    一つの多肉植物屋さんを中心に人と人が繋がっていく物語。どのタイミングでどんなサボテンが登場するのかワクワクしながら読んだ。サボテンの種類が想像以上に多く、個性豊かで興味深かった。
    文章ひとつひとつが優しく、けれど大切な言葉は力強く感じた。ラブストーリーだけど、人生観を教えてもらっているような、そんな1冊だった。サボテン買おうかなぁ。

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    2024年08月04日
  • 母ではなくて、親になる

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    タイトルに惹かれて手にとってみた。間もなく再び赤子を迎えるというこのタイミングで読んで、本当に良かったと思う1冊。
    仕事と育児と、にだいぶウンウン唸って過ごしてるので、読むことで多少気持ちの整理もできたし、肩の荷もおりた気がする。山崎先生の感覚、物事との向き合い方、捉え方、とても好きだな。他の著作を読んでみたくなってきた。

    文庫版あとがきを読んで、3歳から4歳になろうとする第一子と、0歳の第二子との生活中となっていて、年の差等々が自分の身の上と重なる部分が。この本と出会ったのは必然だったのかもなあ。

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    2024年06月29日
  • 母ではなくて、親になる

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    一万円選書
    読書メモあり

    ①子どものことを、自分のことを邪魔してくる存在だと思っていることに気がついた。
    これは結構我ながらショック。
    でもやりたいことがやれないのは、子どものせいって無意識のうちに思ってたかもなぁ。


    ②自分の中の違和感を見過ごさない。
    時々言われることだけども、自分の中の違和感を見過ごさないっていうのはすごく大変だと思った。
    この著者も、気になったとか違和感を感じたとか、そんなことをきちんとキャッチして、
    どうしてそう思ったのか、
    どうなると良いと思うのかをすごく丁寧に描写してると思った。

    これからも私も生活の中で違和感をそのままにせず、
    なぜそう思うのか?
    どう

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    2024年06月26日
  • ミライの源氏物語

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    Podcastで薦められていたので山崎ナオコーラ氏、久しぶりに読んだ。
    源氏物語を現代の視点を用いて解説し、新たな解釈を与えている。
    「ルッキズム」「マザコン」「性暴力」など、うげっ、と眉を顰めたくなるような目次だが、それらに対して極めて冷静でやわらかい眼差しで語っている(ように自分には読めた)。

    人の価値観は時代や地域によって変わる。
    それでいて想いはいつの時代も同じである。
    この本は源氏物語の書かれた過去からまさに「ミライ」にこの物語を繋いでいくための中間点としての役割を果たそうとしている。

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    2024年06月21日
  • ご本、出しときますね?

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    出てくる作家さんが、すごく豪華!
    性格の悪さもさらしていて、楽しかった。
    最後の光浦靖子と尾崎世界観との鼎談が一番笑った。

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    2024年06月18日
  • ミライの源氏物語

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    今日、京都新聞社で対談。石山寺座主の鷲尾龍華さんと。ナオコーラさんにをサイン頂きました。写真も撮ってもらいました。

    時間があるのでゆっくり読めました。

    『源氏物語』を現代に当てはめる。なるほどーーー。私も違う取り方してたな。でも人それぞれでオッケー。「文学は旅です」ナオコーラ♡

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    2025年11月01日
  • ボーイミーツガールの極端なもの

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    それぞれのなんだかひねくれた生き方が、それでいいんだな、いや、それが当たり前で誰もがひねくれて生きているんだなあって思えた。サボテンのゴツゴツ感、ねじれ感、とってつけた感、適応のすごさ感、すべてが人生そのもの。
    サボテンの育ててみようかな

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    2024年06月11日
  • 美しい距離

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    人物名などの詳しい説明がほとんどなく、妻の看護中に感じた違和感や出来事を淡々と語った小説でした。名前を呼び合わないっていうのが家族っぽいなぁと思いました。

    亡くなった奥さんに手を合わせることなどできない、と固まってしまった場面は泣けました。

    自分も死ぬときは妻と同じがんがいいと思い始めている、というのは看病する中でもはやがんは妻の命を奪った憎いものという存在ではなくなったんでしょう。

    故人との距離は死後も遠くなったり、近くなったりする。距離が変化することは悪いことではない。悲しい話なのに悲観的ではなく、先の未来も感じられる静かな小説でした。

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    2024年05月25日
  • あきらめる

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    ネタバレ

    「人を嫌いになりそうなときは離れるのが一番だ。距離は人を好きにさせる。〜」

    「私は加害をする人間だとあきらめる」

    「理解されなくても愛さえあれば平気らしいのが意外だった」

    「楽しいのは、宇宙にいるからではない。自分にいるからだ。」

    「火星まで来て、やっとわかったことだった。自分の中が、一番遠い。」

    「じぶんの中を見るだけでも、すっごくおもしろいんだよ。歩きながら考えるとね、あたまの中にいるのがたのしいの。自分の中って広いんだよ。」

    「言葉が先で、そのあとに気持ちが動く。考えが変わっていく。」

    「下山を選ぶことができた自分が誇らしいっていうか。」

    「自分をあきらめる。こうやって、

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    2024年05月16日
  • 美しい距離

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    ガンと死についてではなく、死ぬまでは(病気じゃなくても)生きていて、人と関わることが書かれている。人と人との距離って難しいね。夫の心の狭さ、めちゃくちゃ共感。みんな自分が大好きだし、自分の価値観が正しくてそこから発生するストーリーに、他人のことを嵌め込める。悪意はない。それに、ん?と違和感を覚える感じ。で、いちいち争わず、飲み込んだりやり過ごす感じ、わかるわ〜と思いながら読む。

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    2024年05月12日
  • 肉体のジェンダーを笑うな

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    大傑作。今年読んだ本の中で1番かも。
    特に男性が妊娠出産育児から疎外される時の精神的な揺れ動きは、これまで考えたことのないテーマであり、新鮮な視点で非常に学びが多かった。
    生理を含めた身体が要請する感情の波を、どうにか乗り越えながら生きることをサーフィンに喩えるなど、ナオコーラさんは新しい感性を持った天才なのだなと心底思った。

    収録された四篇は全てすばらしく、登場人物全員、自分の中にも生きているように感じた。
    世の中の全ての人に読んでほしいし、また読み返したい。

    著者の『母ではなく、親になる』もポチった。

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    2024年05月07日
  • むしろ、考える家事【電子特典付き】

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    まさに自分はこの本の中で言う「家事をやりたかったのにできなかったかわいそうな人」だ。
    少数派かもしれないが、専業主夫を「仕方なく」でなく、積極的に希望している。
    「「限られた人だけが家事を楽しみ、特定の性別の人を外に追い出して悪かった」という悔い」が社会に浸透してほしいと願っている。
    女性の大黒柱が物珍しくない世の中希望。

    とゆうか、外でお金を稼ぐ仕事の方も、つまらない、意味のない、社会に影響も及ぼさないような内容も多々ある。
    その中で必死にやりがいや面白みを見いだして心に折り合いをつけている人も多い。
    家事の中にも裁縫や料理など面白みを見いだしやすいものもある。
    単純に「生きていくためにや

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    2024年04月13日
  • ミライの源氏物語

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    源氏物語を学校で読んで、雰囲気は良さそうだけど、読み解けないもどかしさを永年、持ち続けていました。
    私と同じように読み進めたいけどギブだわ、と言う人にお勧めしたいです。

    著者の思い切った切り口での分類も「なるほど納得」
    若干、過激?ストレートな切り口なれど、、、
    新しい源氏物語の導入本になると思います。
    ナオコーラさん、アッパレ!

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    2024年03月24日
  • 肉体のジェンダーを笑うな

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    特に『キラキラPMS(または、波乗り太郎)』の後半がとても良かった。
    どの作品も全体的に、女性側に理解を示そうとする男性と独立心のある女性の夫婦の話。
    ちょっと変わったお話に感じるが、これぞジェンダー小説という満足感もあった。

    どの作品の女性も忍耐力と包容力があるように思えたのは気のせいだろうか、それともリアルの女性たちが男性を見限るのが早いのだろうか。

    とてもオススメの小説集です。

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    2024年03月16日
  • むしろ、考える家事【電子特典付き】

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    家事に効率だけを求めるのではなく、想像を。
    家事の誇りを取り戻すエッセイ。
    なんだか、外の仕事>家事みたいになってる世の中。
    同じ女でも、家事できないけどバリキャリだからオッケー!金で時間を買おう!=男女差なくそう、みたいに見えるけど、同じ女の中での序列にも感じてた。
    だけど家事ってそんな不要なもの?絶対にゼロになることはないし、家事もちゃんと社会とつながってる。そういうマインドセットを作る本。
    効率、でもない、丁寧な暮らし、でもない。
    まあでも、悔しさがいっぱいつまった本。

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    2024年02月26日
  • 美しい距離

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    ネタバレ

    タイトルがいいな。
    40代で癌を患って人生の終わりに向かっていく夫婦の物語。夫目線で、弱っていく妻を見ている。さらりとしていて、病室に「きたよ」「きたな」とやりとりしながら入っていく。妻がどう考えているか、胸の内で憶測しながら、もちろん会話も重ねながら日々が過ぎていく。
    主人公の男性は、自分で自分を「心が狭いからいらいらしてしまう」と分析している。医師の一言やしぐさ、介護認定員の職員のおせっかい、見舞いの人の態度にいちいち傷ついたり、怒りを覚えたりする。妻を気遣い、「ちょっと…いやな思いしただろ?」と聞くと「え?いい人だったよ?」と返ってきたりして、「あぁ、自分の心が狭いからいらいらしてしまう

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    2024年02月17日
  • ミライの源氏物語

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    受験対策として源氏物語の漫画を読んだことが出会いでそこから瀬戸内寂聴、田辺聖子などの現代語訳をいくつか読んできた。でも今の感覚で源氏物語を読むとこんなに捉え方、物語が違うんだという驚きを持って読み進めた。「え?そうかな?」と読み始め「あ、そっか。ほんとそうだ」と腑に落ちる。差別というのは無意識で善意の差別というのは生活の中で起こりうるし、お年寄りに対しての対応のくだんで膝を打った。自然としてるかも、、、と。源氏物語の登場人物を現代の感覚にあてはめて読むと新たな気づきがあるかもしれない?かな。山崎ナオコーラさんの源氏物語現代語訳を是非読みたいです。待ってます。

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    2024年02月13日
  • 母ではなくて、親になる

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    カフェに併設された、本のセレクトショップみたいなところで見つけて購入。育児や幼児教育などのジャンルの棚にありました。山崎ナオコーラさんの本はあんまり読んだことはなかったけど、自分の本棚を検索したら「この世は二人組ではできあがらない」を読んでちゃんと☆5つつけていた。もっと読めばよかったな。
    私とほぼ同じ世代で(3つ下)、同じ北九州生まれで、同じように流れで高齢出産のナオコーラさん。とても共感できる部分もあったし、私はそんな風に考えられなかった、尊敬する、あこがれるな、と思う部分も多かった。自分のライフスタイル(というほどではなくてもファッションの路線など)や、子どもとの向き合い方について、すご

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    2024年02月02日
  • ミライの源氏物語

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    大河ドラマ「光る君へ」の導入として(今年は10年以上ぶりに大河ドラマを観ようとしている)。現代におけるいろいろな角度からの視点で『源氏物語』を切り取る試みは他書とは一味違ってなかなか面白い。「ロリコン」「マザコン」「マウンティング」「トロフィーワイフ」「エイジズム」など。山崎さんによる『源氏物語』現代語訳フルバージョンを読んでみたい。

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    2024年01月29日
  • ニキの屈辱

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    写真家のニキと、アシスタントの加賀美の恋愛の物語。
    仕事中は昭和なカメラマン然とあろうと(中川家のコントに出てきそうなああいうやつ)厳しく当たるのだけれど、とあるときに言い返されたことをきっかけに、恋愛関係に発展し、そして別れるまでが描かれる。
    『自分の写真とは何か』を見つけ、制作に没頭し、ある時、加賀美は師匠を超えた存在になる。(師匠というのものは弟子を育て、弟子に超えられる存在ではあるよね)

    それとは別に、ニキのような女性にとって女性性って難しいよね、っていう話でもあると思った。
    素直に女性性を受け入れられればいいのだろうけど、それを拒否してしまうと、愛する人との関係がうまくいかなくなっ

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    2023年12月30日