山崎ナオコーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一万円選書
読書メモあり
①子どものことを、自分のことを邪魔してくる存在だと思っていることに気がついた。
これは結構我ながらショック。
でもやりたいことがやれないのは、子どものせいって無意識のうちに思ってたかもなぁ。
②自分の中の違和感を見過ごさない。
時々言われることだけども、自分の中の違和感を見過ごさないっていうのはすごく大変だと思った。
この著者も、気になったとか違和感を感じたとか、そんなことをきちんとキャッチして、
どうしてそう思ったのか、
どうなると良いと思うのかをすごく丁寧に描写してると思った。
これからも私も生活の中で違和感をそのままにせず、
なぜそう思うのか?
どう -
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Posted by ブクログ
人物名などの詳しい説明がほとんどなく、妻の看護中に感じた違和感や出来事を淡々と語った小説でした。名前を呼び合わないっていうのが家族っぽいなぁと思いました。
亡くなった奥さんに手を合わせることなどできない、と固まってしまった場面は泣けました。
自分も死ぬときは妻と同じがんがいいと思い始めている、というのは看病する中でもはやがんは妻の命を奪った憎いものという存在ではなくなったんでしょう。
故人との距離は死後も遠くなったり、近くなったりする。距離が変化することは悪いことではない。悲しい話なのに悲観的ではなく、先の未来も感じられる静かな小説でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「人を嫌いになりそうなときは離れるのが一番だ。距離は人を好きにさせる。〜」
「私は加害をする人間だとあきらめる」
「理解されなくても愛さえあれば平気らしいのが意外だった」
「楽しいのは、宇宙にいるからではない。自分にいるからだ。」
「火星まで来て、やっとわかったことだった。自分の中が、一番遠い。」
「じぶんの中を見るだけでも、すっごくおもしろいんだよ。歩きながら考えるとね、あたまの中にいるのがたのしいの。自分の中って広いんだよ。」
「言葉が先で、そのあとに気持ちが動く。考えが変わっていく。」
「下山を選ぶことができた自分が誇らしいっていうか。」
「自分をあきらめる。こうやって、 -
Posted by ブクログ
まさに自分はこの本の中で言う「家事をやりたかったのにできなかったかわいそうな人」だ。
少数派かもしれないが、専業主夫を「仕方なく」でなく、積極的に希望している。
「「限られた人だけが家事を楽しみ、特定の性別の人を外に追い出して悪かった」という悔い」が社会に浸透してほしいと願っている。
女性の大黒柱が物珍しくない世の中希望。
とゆうか、外でお金を稼ぐ仕事の方も、つまらない、意味のない、社会に影響も及ぼさないような内容も多々ある。
その中で必死にやりがいや面白みを見いだして心に折り合いをつけている人も多い。
家事の中にも裁縫や料理など面白みを見いだしやすいものもある。
単純に「生きていくためにや -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルがいいな。
40代で癌を患って人生の終わりに向かっていく夫婦の物語。夫目線で、弱っていく妻を見ている。さらりとしていて、病室に「きたよ」「きたな」とやりとりしながら入っていく。妻がどう考えているか、胸の内で憶測しながら、もちろん会話も重ねながら日々が過ぎていく。
主人公の男性は、自分で自分を「心が狭いからいらいらしてしまう」と分析している。医師の一言やしぐさ、介護認定員の職員のおせっかい、見舞いの人の態度にいちいち傷ついたり、怒りを覚えたりする。妻を気遣い、「ちょっと…いやな思いしただろ?」と聞くと「え?いい人だったよ?」と返ってきたりして、「あぁ、自分の心が狭いからいらいらしてしまう -
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受験対策として源氏物語の漫画を読んだことが出会いでそこから瀬戸内寂聴、田辺聖子などの現代語訳をいくつか読んできた。でも今の感覚で源氏物語を読むとこんなに捉え方、物語が違うんだという驚きを持って読み進めた。「え?そうかな?」と読み始め「あ、そっか。ほんとそうだ」と腑に落ちる。差別というのは無意識で善意の差別というのは生活の中で起こりうるし、お年寄りに対しての対応のくだんで膝を打った。自然としてるかも、、、と。源氏物語の登場人物を現代の感覚にあてはめて読むと新たな気づきがあるかもしれない?かな。山崎ナオコーラさんの源氏物語現代語訳を是非読みたいです。待ってます。
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Posted by ブクログ
カフェに併設された、本のセレクトショップみたいなところで見つけて購入。育児や幼児教育などのジャンルの棚にありました。山崎ナオコーラさんの本はあんまり読んだことはなかったけど、自分の本棚を検索したら「この世は二人組ではできあがらない」を読んでちゃんと☆5つつけていた。もっと読めばよかったな。
私とほぼ同じ世代で(3つ下)、同じ北九州生まれで、同じように流れで高齢出産のナオコーラさん。とても共感できる部分もあったし、私はそんな風に考えられなかった、尊敬する、あこがれるな、と思う部分も多かった。自分のライフスタイル(というほどではなくてもファッションの路線など)や、子どもとの向き合い方について、すご -
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写真家のニキと、アシスタントの加賀美の恋愛の物語。
仕事中は昭和なカメラマン然とあろうと(中川家のコントに出てきそうなああいうやつ)厳しく当たるのだけれど、とあるときに言い返されたことをきっかけに、恋愛関係に発展し、そして別れるまでが描かれる。
『自分の写真とは何か』を見つけ、制作に没頭し、ある時、加賀美は師匠を超えた存在になる。(師匠というのものは弟子を育て、弟子に超えられる存在ではあるよね)
それとは別に、ニキのような女性にとって女性性って難しいよね、っていう話でもあると思った。
素直に女性性を受け入れられればいいのだろうけど、それを拒否してしまうと、愛する人との関係がうまくいかなくなっ