山崎ナオコーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
作家として、社会を変える使命を持って文章を紡いでいると感じるエッセイでした。
序盤は、「うーん、主張が強いなぁ」とちょっと疲れる印象を感じながら読んだ。読み進めていくうちに、後半には、うんうんと頷きながら読めた。
だんだんと、主張が染み込んできて、なるほどなぁと納得できる読書となりました。
著者のナオコーラさんは、自分のことをブスと認識している。そして、ブスによって誹謗、中傷を受けた経験を持つ。が、ブスによって自信を失っているわけではなく、克服したいとも思っていない。
ブスと言われる人が、ブスを克服し、自信を持って前向きに生きようと主張したいわけではない。そういうエッセイでは、全くなかった。
第17回から21回までの「新聞様」の章。報道機関の「新聞」様に対する批判は、なかなかだ。報道機関は、報道することに正義、使命を持っているが故にありのままの状況を伝える。写真を撮り、載せる。しかし、被写体となった人にとっては、納得のいかない写真があったり……
著者が納得のいかない写真(目が半開きのブスに写ったもの)削除してもらうまでの流れを通じ、報道機関の尊大さを感じた。やはり、人がやる仕事。謙虚さと、人の気持ちを慮ることが大切だ。
最後の章と、あとがきに全て集約されてる。
差別をなくしたい。社会を変えたい。
この一言に尽きる。ここがこの本の主旨。
確かに、劣等感を克服するということも個々人の人生を輝かせることには重要だろう。
しかし、社会全体の問題として、容姿で差別をする人がいない社会、もしくは少ない社会を標榜し、実現する方向に進むことが大切だろう。全員がより心安らかに過ごすことができる社会。より成熟している社会だ。
受け皿の広い、懐の広い、許容範囲が広い、お互い認め合える関係で溢れる社会。
ナオコーラさんの発信は、とても重要だ。と感じた。 -
Posted by ブクログ
源氏物語の、ご都合主義な部分や現代の価値観にはそぐわない部分も認めつつ、それだっていいじゃない、または、それはおかしい、という点を、テーマごとにポイント解説している本。と書くと参考書みたいだけど、実際こういうのが高校の古文の授業であれば面白かったのにと思った。
平安時代、天皇を頂く貴族の男性中心社会で、(貴族の)女性はその道具でしかないというのは、今の価値観で考えるとひどいけど、世界史を振り返ればどこの王国やら帝国やらでも婚姻関係で繋がりまくりだった、そういえば。
一部の権力者や政治家等は、今も引き続きその伝統を守っていそう。
平安時代に限らず、結構最近まであったと思われる「夜這い」について。
いくらその前後に歌だの贈り物だのを散りばめたとしても、合意がなければレイプだよね、と言い切ってくれたことにはスッキリ。マザコンやロリコンについても、肯首。 -
Posted by ブクログ
著者の強めの文体や夫を「経済力も判断力もない」などと表現をすることにやや馴染めなさがあり、途中で読むのをやめそうになった。ただ、後半に著者のフェミニズムや夫に対する考えなどがまとまって書かれている箇所があり、それを読んで著者の視点がようやく少し理解できた気がした。「女性が弱者のように言われるが実は逆なのでは」といった趣旨の指摘は面白い。確かにと思いつつも、政策決定の場面においてはまだまだだとも思う。
来月に出産を控え、このフレーズは折に触れて思い出したい。
「新生児にとって私は親ではなくて、世界だ。世界を信用してもらえるように、できるだけ優しくしようと思った。」 -
Posted by ブクログ
「ドゥマゴ文学賞」受賞の記事を見て、ずっと読みたかった古典エッセー本。
ナオコーラさんの文章はとてもわかりやすく、
平安時代が丸ごと現代にやってきたようなワクワク感があった。
「源氏物語」の読みにくさを越えるには
①現代語訳で物語を楽しむ
②平安時代の社会規範を知る
平安時代の身分制度はしっかりあるのに、婚姻制度はなく「正妻」のような人がいて「妾」のような恋愛相手が何人もいて…と、次第に「雅な世界」を裏側から覗き見ているような心境にさせられた。ルッキズム(容姿差別)、ロリコン、マウンティングなどの視点で登場人物をみていくと、これはさすがに酷いのではと思う場面も少なくなかった。
「若菜下」で柏木が女三宮にした行為は今なら犯罪だが、女三宮を「光源氏を裏切った人」との描かれ方は私でもモヤモヤしてしまう。
ジェンダーに興味を持つナオコーラさんは「なぜ人間はカテゴライズをしてしまうのか?」と問い続けていると言う。
文中で「女性」「男性」の言葉を排し「その性別の人間には〜」と書かれてあった理由がようやくわかった。
〔ナオコーラ訳〕はとても滑らかだ。
現代語訳『源氏物語』が出たら是非読んでみたい。
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Posted by ブクログ
年を重ねて味覚とか感性とか変わるけれど、
好きなものが変わらないってなんか嬉しい。
2011年の積読本です。苦笑
当時は495円(税別)でした。
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若き文豪が放つ、
入魂の小説集
「こんな作品は、もう書けない」
恋と別れ。文学と音楽。光と風。ブエノスアイレスと秋葉原。
人は繋がり、世界はどこまでも広がっていく。
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14編がつまっていますが、
読み終わったあとに抱いた感想は、
「一貫してむちゃくちゃ。
でもナオコーラさんの言葉選び、
感覚がやはり好きだ。」でした。
表題作に登場する、
神田川歩美と真野秀雄は他の作中にも登場します。
自分たちがそれぞれに生きてきた時間を感じて、
改めて距離を認識する場面は印象的でした。
積読から10年以上も時を経て、
私もだいぶ年を取り、
アラフォーに差し掛かっているのに
仕事の昼休みに1編を読んで元気になったことに、
驚くとともに嬉しくありました。
10年前の自分と通じ合ったような。
なんですかね、生きてきたなというか。
そんな気持ちにさせてくれた一冊でした。
積読も寝かせる分だけ良いこともあるのかもです。笑