山崎ナオコーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近は本当に読書に時間を割けず悲しい。
久々に以前から読みたかったナオコーラさんの作品を手に取るも、1時間もあれば読めそうな本作も本当にちびちびと読み切った。(時間をかけすぎて、本に挟んだ栞の跡がついてしまった)
「リボンの男」。
タイトルも素敵だし、帯に下手な字で書かれている(お子さんが書いたのかな?)「おとうさんはねえ、ヒモじゃなくてリボンだよ。」が愛おしすぎる。
本作もナオコーラ節全開で、ステレオタイプであるジェンダーロールをぶち壊して物語は展開される。
主人公はシュフの男性。書店員の妻と3歳の息子・タロウとの生活の話。
"物語は展開される"と書いておいてなんだ -
Posted by ブクログ
ネタバレがんで余命わずかの妻との最後の半年あまりの日々が夫の視点で淡々と描かれる。
病の家族を見送った経験を思い起こすと、体調の異常に気がついて検査を受けるところから、入院して亡くなるまで、さらに葬儀とか含めると、家族はジェットコースターみたいに感情が揺さぶられっぱなしだった。
しかし、この小説では「看病もの」と呼ぶには終始カロリーが低い。冒頭からすでに妻の病は相当進行していて、夫は病室に通い、顔を洗ったり、髪を編んだり、爪を切ったり、妻の世話をし、何気ない会話をする。それは「好きな人」のための幸せな行為と感じている。
義父母や病室を訪れるケアマネージャー、見舞い客に気をつかい、時々違和感を覚え -
Posted by ブクログ
シンプルな言葉で温かみのある文章を書く人だなあと思った。愛も恋も考え方は人それぞれ。嫌な登場人物がいなくて穏やかに読める。美代梨ちゃん・アカネちゃん・俊輔の話がすきだった。すれ違いの演出がお茶目。
あとは金太郎・華子が死後スーパーバリダを登山?登サボテンするの、死後の世界としてとっても理想だな。
それぞれのショートストーリーがサボテンを通じて繋がっていく構成素敵だった。
金太郎の言葉を引用。
愛というのはなんだろう、と金太郎は考えた。側にいてくれるだけでいい、というものだろうか。いや、遠くに行ってくれたって構わないのだ。 その人が素敵な人でなくたっていい。他の人たちに劣る存在でもいい。自 -
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幼い頃、花とか、花火とか、天邪鬼であまり好きではなかった。すぐ消えるし。(まあ花束にはいつも憧れてはいたか)
でも大人になった今ではすぐ消えるものの方が良いな、と思う節がある。
儚さ云々ではなく、単にものが増えることに少し躊躇いが出てきた。
恋人には、毎年記念日に観葉植物をプレゼントする。いつか気付いた時にジャングルみたいになっていたら面白いなと思う。
今年は苗だけで鉢植えは一緒に買いに行くことにした。自分でもほんの少し植物を育てたり、月に1回か2回生け花をするようになり、切り花も美しく、何となく気持ちが晴れやかになって良いな、と思うようになった。
そんなタイミングでたまたまこの本に出会 -
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単行本「手」を改題して文庫化
4編の短編集
・手
・笑うお姫さま
・わけもなく走りたくなる
・お父さん大好き
おじさんと若い娘さんが共通点か?
山崎ナオコーラを読むのは「人のセックスを笑うな」以来2作目
読書会で表題作の「お父さん大好き」に興味を持って読んでみた
・手
実の父親を嫌いながら、おじさんと付き合い、世のおじさんの手を隠し撮りした「ハッピーおじさんコレクション」というホームページを作っている女性のお話
配信会社で新聞のラテ欄をを作る仕事をしている寅井サワコ 25歳
サワコの先輩社員で、転職する森
サワコの上司の大河内 58歳
サワコは父親を若干嫌悪しているようにも思え -
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好きです、ナオコーラさん。
以前から気になっていた本。
エッセイだから、小説以上に書き手の考えがダイレクトに伝わって嬉しい。
ナオコーラさんの好きなところは、なるべくニュートラルであろうとしているところ。
周りに流されず、"世の中"が喜ぶことは書かないけれど、天邪鬼で書かないわけではない。そして色んなことを総合的に判断し、おかしいと思ったことはハッキリ述べるのが気持ち良い。
そしてそれ以上に、考えを柔軟に変えるところが好きだ。こう考えていたんだけど、こういう意見を聞いて、またはこういう経験をして、やはりこう思うようになったと素直に認めて変えられるところが、正直でとても -
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ここに出てくる「夫」の家事の仕方、
・夫の作る食事は一品料理ばかりだ
・仕事では想像力豊かで、自分で仕事を見つけているのに家事のシーンでは指示のみを気にするのか、想像力をオフにするのか
が、すごく共感出来た。
特に一つ目に関してのエピソードは「料理はパズル」という著者の考え方がすごく自分に当てはまった。
冷蔵庫の中身の賞味期限や組み合わせを考えながら献立を考えたり、季節を意識できるような献立にしたいと思うこと、それらは全てパズルを組み立てていくようなものなのだなと。
このエッセイの中には普段何気なく行なっている家事についての著者なりの考え方が書いてあって面白かった。
(ローリングストックや -
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