山崎ナオコーラのレビュー一覧
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シンプルな言葉で温かみのある文章を書く人だなあと思った。愛も恋も考え方は人それぞれ。嫌な登場人物がいなくて穏やかに読める。美代梨ちゃん・アカネちゃん・俊輔の話がすきだった。すれ違いの演出がお茶目。
あとは金太郎・華子が死後スーパーバリダを登山?登サボテンするの、死後の世界としてとっても理想だな。
それぞれのショートストーリーがサボテンを通じて繋がっていく構成素敵だった。
金太郎の言葉を引用。
愛というのはなんだろう、と金太郎は考えた。側にいてくれるだけでいい、というものだろうか。いや、遠くに行ってくれたって構わないのだ。 その人が素敵な人でなくたっていい。他の人たちに劣る存在でもいい。自 -
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幼い頃、花とか、花火とか、天邪鬼であまり好きではなかった。すぐ消えるし。(まあ花束にはいつも憧れてはいたか)
でも大人になった今ではすぐ消えるものの方が良いな、と思う節がある。
儚さ云々ではなく、単にものが増えることに少し躊躇いが出てきた。
恋人には、毎年記念日に観葉植物をプレゼントする。いつか気付いた時にジャングルみたいになっていたら面白いなと思う。
今年は苗だけで鉢植えは一緒に買いに行くことにした。自分でもほんの少し植物を育てたり、月に1回か2回生け花をするようになり、切り花も美しく、何となく気持ちが晴れやかになって良いな、と思うようになった。
そんなタイミングでたまたまこの本に出会 -
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単行本「手」を改題して文庫化
4編の短編集
・手
・笑うお姫さま
・わけもなく走りたくなる
・お父さん大好き
おじさんと若い娘さんが共通点か?
山崎ナオコーラを読むのは「人のセックスを笑うな」以来2作目
読書会で表題作の「お父さん大好き」に興味を持って読んでみた
・手
実の父親を嫌いながら、おじさんと付き合い、世のおじさんの手を隠し撮りした「ハッピーおじさんコレクション」というホームページを作っている女性のお話
配信会社で新聞のラテ欄をを作る仕事をしている寅井サワコ 25歳
サワコの先輩社員で、転職する森
サワコの上司の大河内 58歳
サワコは父親を若干嫌悪しているようにも思え -
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好きです、ナオコーラさん。
以前から気になっていた本。
エッセイだから、小説以上に書き手の考えがダイレクトに伝わって嬉しい。
ナオコーラさんの好きなところは、なるべくニュートラルであろうとしているところ。
周りに流されず、"世の中"が喜ぶことは書かないけれど、天邪鬼で書かないわけではない。そして色んなことを総合的に判断し、おかしいと思ったことはハッキリ述べるのが気持ち良い。
そしてそれ以上に、考えを柔軟に変えるところが好きだ。こう考えていたんだけど、こういう意見を聞いて、またはこういう経験をして、やはりこう思うようになったと素直に認めて変えられるところが、正直でとても -
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ここに出てくる「夫」の家事の仕方、
・夫の作る食事は一品料理ばかりだ
・仕事では想像力豊かで、自分で仕事を見つけているのに家事のシーンでは指示のみを気にするのか、想像力をオフにするのか
が、すごく共感出来た。
特に一つ目に関してのエピソードは「料理はパズル」という著者の考え方がすごく自分に当てはまった。
冷蔵庫の中身の賞味期限や組み合わせを考えながら献立を考えたり、季節を意識できるような献立にしたいと思うこと、それらは全てパズルを組み立てていくようなものなのだなと。
このエッセイの中には普段何気なく行なっている家事についての著者なりの考え方が書いてあって面白かった。
(ローリングストックや -
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すごく良かった。
今まで読んできた、山崎ナオコーラさんの小説の文体(あの、なんとなくカタコトっぽいんだけど自然なセリフたち。すごくすき)とは、すこし違う感じがした。
恋愛小説と聞くと、なんとなく主人公が女性であることをイメージしてしまうが、本作はあくまでも、男性であるアシスタントの加賀美の視点を中心に、若くして成功したカリスマ女性カメラマン村岡ニキを映し出しているような、そんな感じ。新鮮。
自分の信じるものが強くあって、でも時々自信がなくなって。ひと以上に敏感に、ひとからの見られ方を気にするけれど、大切なひとを心から信じられない不器用なニキ。
すごくわかるし、愛おしい。女だからってナメら -
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最近ハマりつつある山崎ナオコーラさん。
タイトルにすごく惹かれて購入。
ワークライフバランス、働くことに対する価値観、趣味に対する価値観のお話。
社会人になってから、手当の出ない残業ばかりで自分の時間が削られ、何度となく「働くために生きてるんじゃないのにな」と思ってきた私を肯定してくれた。
小説では、主人公が何かに苦しみ悩み、成長していく様が描かれることが多いけど、山崎さんの小説は、自分の理想を形にしていることが多いのかな、という印象。
だからいつも、心がほくほくと温かくなり、大丈夫、と少し思えるようになる。
とんとん拍子すぎる節はあるけれど、人生を豊かにするために趣味を楽しむ余裕は持