山崎ナオコーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を買ったのは2010年、9年前です。
そのときはまだ24歳とかで、
とにかく手当たり次第本を読んでて、
そのときに「この本は読むの勿体ない」と思い、
仕舞い込んでいた一冊。
あのとき読んでおけばよかった。
感性にまで貧乏性だった、私。笑
30を過ぎた私には、あのとき感じた瑞々しい感情が遠くに感じました。
世間や世界と繋がりやすくなったことを「成長」と呼びたくない、というような言葉が出てきて、泣きそうになりました。
そうなんだ、器用になったからって、うまく付き合えるようになったからって、それは能力でも成長でもなくて、私は私なんだよね、って。
ぱらぱらとこぼれ落ちてくような言葉たちを掴むような作業。
それがナオコーラさんの本を読むこと。
今度は久しぶりに小説を読もう。 -
Posted by ブクログ
単行本『手』の改題、文庫化。
含まれている中短編(4編)は単行本と同じのようです。
不思議な雰囲気を持った作品集です。
おじさん生態コレクターの若い女性を描いた『手』、民話風の『笑うお姫さま』、著者の心象風景を描いたような掌編『わけもなく走りたくなる』、そして妻の出奔と仕事の行き詰まりから自殺しそうなサラリーマンを主人公にした『お父さん大好き』。
特に一つのテーマでまとめられた様子はなく、主人公の年齢性別もバラバラです。山崎さんの心の中にある幾つもの心象風景を描き出した感じ。
とても読みやすく、何か訴えるものもあるのですがそれをどう表現したら良いのやら。困ってしまいます。 -
Posted by ブクログ
大学時代の終わりは、急にやって来ない。でもみんないつか終わる。大学3回生の私は、今月サークルを引退し、来月最後の講義を受ける。あと1年、沢山の最後を経験して、私の大学時代は終わる予定である。主人公小笠原と同じく協調性の無い私は、サークルの活動方針や目的意識の違いに悩まされてきた。けれど彼女がわかっているように、私もわかっている。何かに一生懸命打ち込むのは素晴らしいし、それはそれで認められなくもないけれど、結局はみんなと仲良くやっている人の方が平和なのだ。私たちは周りからしたら疎ましいことが往々にしてあるのだ。大学生活が終わるということを、一事実としてではなく、自分の感情の上で認識し始めた人に読んでもらいたい。
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Posted by ブクログ
タイトル名が面白かったので読んでみました。『ニキの屈辱』なんて、なかなか秀逸なタイトルですね。
性別を離れて一人の「写真家」として生きたいニキが「女性」となった時、下剋上となってしっぺ返しを喰らった・・・という感じなんでしょうかね。
そのニキの人物設計は、上に媚びて下に厳しいという、いかにもフリーランスの仕事人間という感じが出ていてなかなか良かったです。それに反して、一人称目線の加賀美は今風の若者っぽさを演出しているようで、ちょっと共感しづらかったかな。(笑)大体、将来を目指してがんばっているなんて、ありきたり過ぎる。(笑)そして、すんなりいくところなんかも。(笑)この加賀美の存在が物語全体として軽いノリの雰囲気となってしまった可能性もあります。ですが、今時風の、そして、一見陳腐な関係を装いながら、実はこんな2人の関係なんて現実にはあまりないような気がして、こういう設定自体はなかなか面白かったと思います。
しかし如何せん、こんな恋愛関係って本当に成り立つんかいな?と思えるような展開になっていて、いまひとつニキの変節にも理解し難たくて、こんなところにも共感しづらい部分がありました。どうせなら、関係性を維持したままSMっぽく突っ走った方が面白かったかも。(笑)
本書では2人の会話が重要な流れを形作っているのだと思いますが、その会話や情景描写は、山崎ナオコーラならではの読みやすさと文章の感性が上手くフィットしていたように思います。ともすると軽い関係性の物語のようにも思えてしまいますが(笑)、本来は展開が難しい、移り変わる2人の関係性を何気ない形で表現できていたとも思います。
しかし如何せん、メインの流れがね・・・。(笑)
ラストの場は良かったですね。