山崎ナオコーラのレビュー一覧

  • ニキの屈辱

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    若くして成功した女性写真家のニキ。
    単に写真家として見られることに執着し、若く可愛い女性として扱われることに強い拒否感を示す。増長と見られることを恐れ仕事では低姿勢。一方、アシスタントの加賀谷に対しては非常に高圧的。
    しかし、そんな彼女が加賀谷を恋人関係になると、2人の時は猫の如くカワイイ女性に変身する。
    いわば極端なツンデレキャラで、なんか微笑ましくも有りますが、ちょっと「過ぎる」かな。
    やがて加賀屋の写真家としての成長とともにその関係は変化して行きます。
    なんだかありがちなストーリーかもしれませんが、ニキの造形の面白さと山崎さんのちょっと不思議な雰囲気をもつ文章とあいまって、なかなか読ませ

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    2016年05月29日
  • ニキの屈辱

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    ニキと加賀美くんが距離を縮めてく過程に幸せな気持ちになる反面、片方の気持ちが離れてからはリアルで胸がキリキリしてしょうがない。
    「私は、人間として自信がないことに集中していて、他人を愛そうということを思いついていなかったのかもな」というニキの言葉がガツンときた。読みやすいのに、自信が持てない人間にはとても胸に堪える恋愛小説だった。

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    2014年06月07日
  • 私の中の男の子

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    久しぶりに読んでみた、山崎ナオコーラ。

    そうそう、このテンポ。
    続けて読むと飽きるけど、たまに読んだらおもしろかった。

    急に話が飛んだようになるとことか、あの映画っぽいなーとか思う。あれやっぱいいよなー。ひさびさ見たいな。(人のセックスを笑うな)

    内容どうこう、というより、読んでる時間が好きだ。
    おもしろかったです◎

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    2014年04月13日
  • 私の中の男の子

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    文才があり、作家としては成功したものの、
    その容姿については
    ひどいバッシングを受け、
    大ダメージを受ける主人公『雪村』(女性)。

    精神にダメージを受けると、
    オモシロイ小説なんか書いちゃいられない。

    書きたいのに。
    容姿のことなんかにとらわれずに、どんどん書いていきたいのに。

    そこで、
    出した彼女の結論、というのが、
    思い切って、<女性>を捨てる事だった…。

    たかが見た目。
    されど、雪村をここまで追い込むとは、
    侮ってはいられない肉体。

    肉体VS精神!(て、違うか?)

    終盤まで
    痛い雪村の行動にはハラハラさせられるが、
    孤独なファイターである精神もやられっぱなしではなかった。

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    2014年01月09日
  • カツラ美容室別室

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    引っ越し当日、主人公は友人の梅田さんに誘われて商店街にある「カツラ美容室別室」で髪を切ることになった。
    そこでカツラを被った店長に、同い年のエリ、年下の桃井さんと出会う。
    エリと友達以上、恋人未満になりながら、主人公は気儘で孤独な生活を続けていく。


    言葉にできないもやもやとして感覚的なことを、上手に文章にするなーと思った。

    特に
    「しかし、会社を辞めて、上司や同僚と飯食うのを止め、友人とべたべた会うのを止めたら、どうなるか。オレは他人によってなんとか自分の形を保てている。他人と会わないでいたら、オレはゲル状になるだろう。」っていう部分が好き。

    主人公は自分のことが好きなくせ

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    2013年12月05日
  • 浮世でランチ

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    14歳の私と25歳の私。
    いくつになってもいつでも、私たちは大なり小なり悩みを抱えて生きているのだ。そして、どんなに年齢を重ねていっても、自分という存在も人間関係もややこしいものなのだ。

    きっと、犬井に会いたくて、ミャンマーを旅の終着地にしたはずなのに・・・出会えたのは・・・。犬井の14歳以降の歩みがとても気になってしまうのです。

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    2013年11月16日
  • 人のセックスを笑うな

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    ネタバレ

    ドキっとする題名だが、そういうのでなくて安心。
    ユリちゃんが一見、外見はポッチャリで30代後半感漂うどこにでもいそうな女性だか、実は計算高く?何だか魅力的。
    すぐ読み終えてしまったが、余韻が残る。

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    2013年11月02日
  • お父さん大好き

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    これまた久々なおコーラ。
    冒頭の『四半世紀も私にくっついたまま離れない指が、今日もキーボードを叩いていた。』という一文を読んだだけで、(そうそう、この人のこの表現!)と思ってぐっと引き込まれた。
    手、の冷静なもう一人の自分がいる感じは共感できるところ。

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    2013年11月01日
  • カツラ美容室別室

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    物語に面白みはないかもしれないが、近年人気のあるアニメにはこの手の波風も立たないような人の交流が描かれているではないでしょうか。

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    2013年10月28日
  • 「『ジューシー』ってなんですか?」

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    ナオコーラさんの本は「人のセックスを~」、「指先からソーダ」に続いて3冊目。

    ものすごくこの人っぽい小説。
    短く詩的な文章をリズムよくつないでく。

    内容もすごく良い。”職場小説”と書かれてたんだけど、まさにこれ。
    特定の職業をテーマにした”職業小説”ではなくて、職場の小説。

    どんな職場で働いている人にも共感できるものなのかはわからないけど、少なくとも東京でサラリーマンやってる20代の男子としては共感する部分も多かった。

    仕事って、まぁ何かを成し遂げたり、向上していったりみたいなところが強調されることが多いというか、強調されるべきみたいなところもあるけれど、やっぱ現実問題として、起きてる

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    2013年09月17日
  • 長い終わりが始まる

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    大学四年生になっても就活もせずサークルに打ち込む小笠原と、彼女の失恋までのちょっと切ない物語。やらなきゃいけないこともなんだかんだと理由をつけて避けてしまったり、素直になれないために何もかもうまくいかない日々に苛立ったり寂しくなったり、そんな描写がまさに同じ頃の自分と重なって胸がキュッとなった。終わりを意識し始めた瞬間はいつもどこかセンチメンタルな気分にさせられる。

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    2013年09月16日
  • 私の中の男の子

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    女性を意識しないできた雪村は、作家になったとたん、女性に区分けされることに違和感を抱く。著者の写真に男性編集者の写真を入れたり。大学のクラスメートとのつきあい、編集者への依存、過食しているときの心理分析など、なるほどと思える内容だった。

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    2013年09月15日
  • 人のセックスを笑うな

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    ネタバレ

    読みやすかった。
    みるめにもユリにもえんちゃんにも感情移入できる部分があって、
    さらっと、簡単そうに、文章にしているのがすごい!

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    2013年09月08日
  • お父さん大好き

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    ナオコーラさんの本はわかりやすくて、読みやすい。
    この本を読んで、私もおじさんのことがちょっと好きになった。

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    2013年07月21日
  • 指先からソーダ

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    「人のセックスを笑うな」の山崎ナオコーラさんのエッセイ集。

    いい。
    すごく、いい。


    「人のセックスを笑うな」を読んだ時も、この人の文章はなんてリズムが良んだろうと思ってたんだけど、このエッセイを読んで再確認。

    この人は言葉をものすごく大切にしている。

    そしてこの人の世界の見方もとても、楽しい。

    小説やエッセイはその筆者の世界の見方というか、
    常識とか普通とか当たり前とされているものとのズレや距離感や違和感を
    その人なりの言葉で描かれているものだと思ってる。自覚的であれ無自覚的であれ。

    んで、この人のズレ方には何かとても共感できる部分が多い。
    苦しさとか楽しさとか。

    恋愛小説が多

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    2013年06月09日
  • 浮世でランチ

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    山崎ナオコーラさんの文章は不思議。
    いつも必ずドキッとさせられる。
    薄暗い部屋のブラインドが上がって太陽の光が射し込んだかのような、3色刷だった世界がフルカラーになったかのような、そんな感覚。
    見慣れた風景が輝きをまして、いとおしくなる。
    私が立っていたのはこういう世界だったのか、と思う。

    いいことばかりじゃない。
    みんなのことが好きで、誰からも好かれて、そんな人間じゃない。

    でも、だからこそ、心が通い合った時の喜びは大きい。
    だからこそ、好きだと思える存在は愛しい。

    神様との文通シーンが特に印象に残っている。
    率直な言葉のやりとりがとても好き。
    神様が「君枝ちゃんは、なんか、熱いよね。

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    2013年06月02日
  • 人のセックスを笑うな

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    軽量な、感じの文章。映画よりもすっきりしてる。ユリが永作博美のような美人ではなく、年相応な容姿である分本の方が甘く感じた。

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    2013年05月27日
  • 浮世でランチ

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    なんだか、定期的に読み返したくなる本。
    単行本購入時に、帯に書かれていた「明日の私は誰とランチを食べるの」が最近ぐるぐると頭を巡って、久しぶりに手に取った次第。

    デビューから二作目ということもあるのか、ナオコーラさんのストレートな書きっぷりが気持ちいい話だなぁと思う。
    ぎゅっと、胸をつかまれる言い回しもあって、付箋たてたくなる。

    三上さんが、最初に読んだ頃よりも好きになってる。

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    2013年05月13日
  • カツラ美容室別室

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    「友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。ドロリとしていて当然だ。」

    なんだってこんな文章が書けるんだろう。
    なんでこんな小説が書けるんだろう。

    学生の頃、お弁当を一緒に食べる子は「友達」だった。
    同世代の間にはどうやら「友達」と「親友」と「幼なじみ」がいて、それぞれ違うものと認識されていたように記憶している。

    では会社帰りに一緒に呑む人がいつまで経っても「友達」にならないのは何故なんだろう?
    そう思っているのは私だけで、相手は私を「友達」だと思っていたりするのだろうか。
    ‥いや、それはないな。

    この物語の中でフワフワと形成される友情のようなものが不

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    2013年04月30日
  • 「『ジューシー』ってなんですか?」

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    「ここに消えない会話がある」でした。タイトルが変わって、中身も修正を加えたものらしいです。

    そして、前読んだときよりも、ぐっときました。
    さらっとした職場の人間関係の中にも体温を感じました。
    辞めれば途切れてしまう関係でも、人は人を想う。
    岸がミスをしたときの出来事に、心がざわつきました。理不尽な組織の仕組み、でも優しい人もいて、だから少しがんばれる。とても大切な気がする。
    広田の良さは、半年くらい働いてわかる、と書いてあるけど、小説でもほんとにじわじわときます。

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    2013年04月28日