【感想・ネタバレ】私の中の男の子のレビュー

あらすじ

雪村には19歳まで性別がなかった。小説家としてデビューした彼女は、周囲に“女性”として扱われることに何よりも戸惑い、それを次第にコンプレックスと感じるようになる。苦渋の果てに彼女が下した決断とは……!? 「FIGARO japon」好評連載、働く全ての女性に届けたい意欲作。

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Posted by ブクログ

いわゆる女らしくあることを忌避する大学生であり作家でもある雪村という女性の数年間が描かれる。雪村が女性であることを忌避する言動はしばしばあり、乳房切除をしてしまうほどなんだけど、全編通して雪村がどうなりたいのかがよくわからなかった。男性になりたいのか? 女性でないものになりたいのか? ……女性でも男性でもない意識で生きればいいじゃんと思うんだけど、そういう感じでもない雪村の言動な気がする。自然のままだとドレッシーな服とか選んでしまうようだし、好きだと思うのも男性だし、つき合ったのも男性だったり、捨てきれない女性的な面がけっこうあるようなんだけど、何だか意識にとらわれて自由に振る舞えていないみたいな雪村。
そんな感じで雪村のこじらせぶりを面倒くさく感じながらも読み続けたのは、雪村がしばらくつき合い、好きでないと思い込んで別れを告げ、その後友だち関係になる時田くんがすごく気持ちのいい性格と考えをもつ好男子だったから。
たとえば、時田くんが雪村に告白するとき、「オレは雪村さんが好きなんだ。オレを彼氏にしてほしい」(p.86)って言うんだよ。「オレの彼女になって」的な男性の告白って定番だと思うんだけど、ある意味それの逆をいくような「オレを彼氏にしてほしい」って言い方が新鮮に思えた。どっちも似たようなもんだけど、「オレの彼女に」はやっぱりオレワールドに入れって感じがするのに対し、「オレを彼氏に」は彼女のワールドに入れてもらえますかっていうニュアンスが感じられないだろうか。
さらに、雪村が時田くんと3か月つき合ったあげく「やっぱり付き合えない」と別れを告げたときの時田くんがいいこと連発で言う(p.103)。

「もうひとつ聞きたいことがあるよ。『やっぱり付き合えない』ってことは、今までのことをなかったことにしたいってことなの? 最初から付き合ってなかった、って思いたいの? 確かに、三ヵ月くらいのことだし、ゼロも同然なのかもしれないけど。オレは、雪村さんと友だちだった期間も楽しかったけど、この三ヵ月はそれの何倍も楽しかったよ。散歩が意味のないことだと思ってないよ」
「私も、楽しかったよ。楽しかったって言う資格ないけど」
「資格あるよ。オレのこと好きじゃなくても、楽しかったって思ってほしいよ」
「うん」
「せめて、この話は『別れ話』にしてほしいよ。『間違いだった』とか、『つい、付き合いたい、って言っちゃった』とか、『やっぱり、なしにしたい』とか、それって、あんまりだよ。ひどいと思う」

っていう感じ。その後、時田くんと雪村は大学卒業時に友だちとしてつき合い続けることにし、国際協力関係の仕事に就き海外で暮らすようになった時田くんとの仲が続いていく。
この小説を、ちょっとうがった見方をすると、時田くんの言動には意志的に生きている姿が反映されている気がする。そしてそれは旧来「男性的」とされているもの(実際に時田くんのように気持ちのいい考えをもっている男性はまれ)。かたや雪村の落ち着かないこじれぶりは旧来の「女性的」なものがしっかりしみ込んでいるように思える。書題からは、雪村の内面に男の子的な面があるところが示唆されるが、果たしてどうだろうか。「私って男っぽい性格だから」という女性がそうでもないこと、ままある気がするんだけど。

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2021年12月30日

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変人の話かと思ったけど変なのは行動だけだった。恋や性や仕事に対してよく理解してなくて他人からの評価で自分のそれを決めてしまう、ということは若い女性ならよくあることだと思う。
普通ならそのまま人生進めていくけど主人公は考え込んで試行錯誤して成長していく。

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2018年08月26日

Posted by ブクログ

久しぶりに読んでみた、山崎ナオコーラ。

そうそう、このテンポ。
続けて読むと飽きるけど、たまに読んだらおもしろかった。

急に話が飛んだようになるとことか、あの映画っぽいなーとか思う。あれやっぱいいよなー。ひさびさ見たいな。(人のセックスを笑うな)

内容どうこう、というより、読んでる時間が好きだ
おもしろかったです◎

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2014年04月13日

Posted by ブクログ

文才があり、作家としては成功したものの、
その容姿については
ひどいバッシングを受け、
大ダメージを受ける主人公『雪村』(女性)。

精神にダメージを受けると、
オモシロイ小説なんか書いちゃいられない。

書きたいのに。
容姿のことなんかにとらわれずに、どんどん書いていきたいのに。

そこで、
出した彼女の結論、というのが、
思い切って、<女性>を捨てる事だった…。

たかが見た目。
されど、雪村をここまで追い込むとは、
侮ってはいられない肉体。

肉体VS精神!(て、違うか?)

終盤まで
痛い雪村の行動にはハラハラさせられるが、
孤独なファイターである精神もやられっぱなしではなかった。

容姿、見た目を全く無にしてしまう場所にて
ようやくそれは目を覚ました様だ。

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2014年01月09日

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女性を意識しないできた雪村は、作家になったとたん、女性に区分けされることに違和感を抱く。著者の写真に男性編集者の写真を入れたり。大学のクラスメートとのつきあい、編集者への依存、過食しているときの心理分析など、なるほどと思える内容だった。

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2013年09月15日

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女性である前に作家でありたい、という主人公。
現実にいたら、とる行動が突飛すぎて目立ちたいだけのように見える、ただの「イタい女」だろう。
ただ、絶対的に男性的価値観の膜に包まれている社会のなかでは、男性である僕にはわからない、雪村の、作者の葛藤があるのかもしれない。
ざわざわする小説だった。

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2012年12月02日

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19歳で作家としてデビューしたとたんに「女性作家」として世間に認識されて、女性、とつくことに対して葛藤を覚えた作家雪村の自分の性別をみとめるまでの軌跡。
ナオコーラさん自身とかぶる設定に思える。ネットの暴言とかも。

ナオコーラさんの文章、全く気取りがなくて好きだ。かっこいい。今更、って思えるようなことを素直にずばずば書いていることろがいい。いい文章を書くということよりも自分が書くべきことに真剣になっている度合いのほうが大切なんじゃないかって思えてきたこのごろ。

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2012年09月15日

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あ、読まなきゃ、ナオコーラ、と思う瞬間があって
それは、新刊がでたときでも、ずっと読みたかった作品をようやく見つけたときでもなくて、ふと、今だ、というとき

そして、今のわたしが、いつも出てくるので
ぞぞぞ、とする

不思議なくらいに、わたし

今の、わたし


わかっているのだけど、気付かれないように、言葉を積み上げようとしてこなかった気持ちを、暴かれてしまう

こんな人がいるのだなぁ
こんなにも、おなじことを抱えている人がいるのだなぁ



でもって
いつも物語としては、うーん、と思ってしまうよ
なんだろう
科白ひとつひとつ、これ、言いたいっていうのが際立っているというか、物語が途切れているような気がしてしまう

あまりにも、科白にはっとしてしまうからかも

すきです、山崎ナオコーラ

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2012年07月07日

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ネタバレ

作家、「山崎ナオコーラ」が考えていることなのか、主人公「雪村」が
考えていることなのか、どっちも正しいのだと思う。

そのせいで、雪村が自分と同世代という設定を幾度も忘れそうになった。

性にとらわれず、一人の人間として見られたい、というのはきっと誰しもが持っている。

時田が、友達になりたい、と言う卒業式のシーンがすごく良かった。

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2012年12月31日

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本人が一番女性性というものに捉われているのでは?

著者が一時期やたら私はブスだからと連発していて鬱陶しいなと思ったんだけど、おそらくその時期にあったこととか本人なりの理由みたいなものはなんとなく分かった。
とは言え、これって内向的?社交性が薄い?女の子が家族や周りの大人たちが「かわいい」と構ってくれることを「容姿が良い」「特別な」「お姫様」と勘違いしていて、いきなり他者に忖度なく特に悪気もなくブスって言われてやっと現実に気付くっていうよく女芸人ネタになるようなあるある話にしか感じない。そこで私は男の部分があるからっていうのは脳内お姫様設定とやってることはたいして変わらない気がする。
時田くんのような人ともっと対話が出来ればいいのになと思うけど、『男ともだちを作ろう』でも女なんて面倒でバカだけど私は違うからそっち入れてよー的なスタンスを感じたのでジェンダーというよりは自己に向き合うべきだと思う。結婚妊娠後もジェンダーのひとをやってるけど。運動を頭を使ってするものだ、と自分に引き寄せていったように。

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2022年05月01日

Posted by ブクログ

山崎ナオコーラさんは、身体的特徴による性差やジェンダーに対しての独特なアンテナがあるように思う。
今作は不思議な自分の性への捉え方だった気がする。
女性として見られる前に作家として捉えてほしい。
自分の中に男の子がいる。
彼女なりの苦しみやもがきも描かれていたように思う。
目からうろこの発想だったり、気づかされるたびに、自分もしがらみにとらわれているのだなと気付かされる。

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2021年06月04日

Posted by ブクログ

「母ではなくて親になる」を読み、ナオコーラさんの性別に対する考え方がおもしろいなーと思って読んでみた。

小説家になったとたんに「女性作家」と取り沙汰され、外見をネットでたたかれて…という導入部、本が売れなくて悩む…というあたりは、エッセイで読んだナオコーラさん像と重ねあわせて読んでしまった。
だからなのか、主人公の雪村の行動が急に極端に感じてしまって、半分過ぎた頃からついて行かれなくなってしまった。
小説の雪村と、作者は別人格、小説はフィクションである、とわかってはいるんだけど。
胸の切除(乳腺の切除ではなく、乳房のほう)、ネパールへ行きエベレストを目指す…。
唐突すぎて、え?!と驚いた。

胸の切除については、それにたいする心の葛藤を読みたかったな。
私は女ではなく小説家だ、という意識だけで、雪村の行動を納得するのは私には難解だった。

でも、自分の中に異性がいて、それに満たされるってのは、なんとなく分かる。
それだけで生きてくことは、私には出来ないけど、なんとなく分かるんだよな。

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2020年12月24日

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ネタバレ

ここまで性別を意識したことないけど、当事者は悩んでるし楽しんでるんだろう。最後の展開が意外性もあり、ほっこり

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2020年06月29日

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ネタバレ

19歳で作家になった雪村の女である容姿と自分の中にある男の部分。

作家ではなく、女性作家と言われるようになったことで
雪村は自分が女性だと見られていることへの違和感。

担当編集者の紺野にたいする思いが、果たして同志なのか恋なのかわからなくなり、
いっとき紺野と距離を置いてみたり
大学で知り合った時田との波長の合っている感じが、友情なのか恋なのかわからなくなったり

作家業に専念し、女性としての胸を取ってみたり、時田と恋人関係になったときもあった雪村だったが
山に登ったり、ジョギングをしたり、ジムトレーナーの服部との出会い、食事とまじめに付き合っていくことで
自分の性別と折り合いをつけていく様子。

私は自分が女性であることに違和感を覚えたことがないので
正直雪村の考えていることはわかりません。

でも、食事にたいする姿勢は、無駄食いばっかしてる自分にとってハッとさせられるような、気もした。
体脂肪が27%は、やばい、と。。。。

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2018年11月09日

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女の子って何、男の子って何。

性別って何だろう。主人公・雪村の認識する「男の子」はジェンダーの男性だと思う。でも、結局雪村が選んでいる道は、男でも女でもないような。性別という記号をつい気にしてしまう、特に作家の性別を。筆者が女性だと知っているのに、近影が男性の写真だったらどう思うだろう。男性作家と女性作家と、分けることに、「らしさ」を求めることに、意味があるのだろうか。でも、している。ジェンダーから自由になれない話なのか。消化不良のまま。

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2017年10月16日

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ネタバレ

「雪村には十九歳まで性別がなかった。」で始まる物語。この一文、心まるごと掴まれるよね。

 19歳で小説家としてデビューした途端、周りから女性であることを求められた。主人公・雪村は、他者から見られる自分、社会から規定される自分に戸惑い、作家として生きる決心として、性を捨てる。他人にも、異性を求めない
 こういった、「職業人」として認められたいという気持ちは著者の心情を如実に表してるんやろうなあ。
 自分を規定するものはなんだろう。精神的な統一が図られ、自分の体を自分の体だと自覚する、そんなふうに完璧にコントロールできるものではない気がしてる。わたしは鈍感だから考えすぎないストッパーを心に設置してるんやろう。著者近影をおっさんにするだけならまだしも、おっぱいまでなくしちゃう雪村の気持ちは、やっぱり理解しがたい。別れ話のときの時田のように、それって結局自己愛やん、ってどちらかというと怒りの情感まで湧いてるのかも。

 そんな生きづらそうな雪村が、誰かと関わりながら雪村らしく生きる方向性を見出せた最後でよかった。

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2017年09月28日

Posted by ブクログ

人に依存しない生活を求めているのだろうけど、終盤からの山登りのくだりの脈絡のなさがよくわからなかった。
原点に立ち返るとか人生を見つめ直すきっかけになったということなんだろうか。

一貫して主題がよくわからないままだったのが消化不良気味かな。

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2015年09月20日

Posted by ブクログ

タイトルの意味が想像してたものと違った 相変わらずしずかな世界を描いている なんだろ、村上春樹を少し分かりやすくした感じ だから、2人の文章は読めばすぐに分かると思う

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2015年01月04日

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相変わらず変人が主人公。
でも、今回は自己愛とか自意識とかそのようなものに共感したりもした。
小説家が主人公の話は一部ノンフィクションなのかと思ってしまう。
ピンクの背景に女の子の本、あるしね。

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2014年10月27日

Posted by ブクログ

他人に異性を求めない雪村が、自分の中の異性を見つめる過程とその後。ナオコーラさんふたつ目だけど、同じ事を叫んでいると思う。軽んじられることもまたよしとし、自分を嫌っている人のことも好きだと言えること、誰かと二人ではなく、みんなと生きて行くと言い切る意思の揺るがなさは今回も感じた。そこに心動かされもするし、雪村の、というか、誰かの正直な気持ちを突きつけられることに怖れを感じる自分もいる。 嫌な気はしないが声はわりと大きい。

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2013年10月08日

Posted by ブクログ

タイトルはこういう意味だったのか、と納得。
主人公の男の子になりたい願望は、女性なら全然わからないこともないかも。

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2013年06月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実話ではないけど、作者のどこかを投影した物語なのかしら?と思わせるうまさがある。

ところどころ、文章が技巧的で初期のころの角田光代さんと似ているような。

でも角田さんは初期のころより今のほうがずっとずっとうまいと思うし面白いのでこの作家さんも今後が楽しみ~

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2013年06月03日

Posted by ブクログ

性別の問題なので、難しいテーマかなぁ、と。周囲の人たちのバックアップが必要不可欠であって。でも結局の所、主人公がどう思い、どう考えてこの先の自分自身の人生を思い描けるか、ってコトが大切なんだと思いました。全体的には前向きな内容でしたよ。

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2012年09月16日

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ネタバレ

性別ってなんだろうなあ、と。女であることに違和感を持ったこともないし、嫌な思いもしたことはないけど、私は女なんだわ…!ってしっかりと自覚したこともないや。男か女って、きっちり2つに分けられるわけでもないんじゃないかなあ。持って生まれた身体の性別に「なろうとする」からそうなるわけで。だめだ、よく分からない。

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2012年08月26日

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雪村には十九歳まで性別がなかった。第二次性徴はあったし、体は膨らんだし、性交の経験もしたが、とくに性別はなかった。十九歳で作家デビューしたときに、初めて性別ができた。

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2015年10月09日

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「男性」を主体として書くことに長けている作者が、今回は性別を超越した「人間」を描く。

女性でも男性でもない「作家」をめざして物語は進む。
主人公は自分を自在にコントロールしようともがく。ただ、ナオコーラさんの文体は「もがき苦しむ」という重々しいものではない。もがくことも人生の一部分ととらえているかのように、実にかろやかに表現する。
普遍の世界があることを信じながらも、作家としてただ強く、そしてより良くなるために孤独と歩む。

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2012年07月21日

Posted by ブクログ

今回の物語のテーマは「性別」。
10代で作家デビューを果たした主人公が、女性扱いされることに疑問と嫌悪感を抱いて、それでも仕事に生きるのだ!ともがき苦しみつつ、周りの人間と、社会の中で生きて行くという物語。

ナオコーラさんの文体に目が慣れてきました。
さくさく読めてしまう。

ただ、雪村(主人公)の性格があんまりイメージできなかったのと、前半と後半の繋がりが「…ん?」という感じだったので☆みっつ。

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2012年07月21日

Posted by ブクログ

音訳ボランティアで読んだ本。
なにがいいたいのかよくわからなかった。
男の子のような部分は女性誰でももっていると思うし、その反対も大いにあると思う。
自意識が過剰なだけでは…。

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2012年06月24日

Posted by ブクログ

 著者近影のあたりについては、最近読んだ山本文緒のエッセーで、「この人は顔にコンプレックスがないことが不思議」みたいなことをネットで書かれ、「そーかー、この顔はコンプレックスを感じなきゃいけないような顔なのか」とはじめて思った、という話を思い出した。結局彼女は顔は自分でもあまりポイントにならなかったらしいけれど(ただし太ることについては気になるらしい)。
 文章を書くことによって、身近な=物理的な人間関係から超越することができると思っていたのに、ネットなどの双方向メディアを通じて、かえってそれを意識させられるというのは、たしかにそうなんだろうなぁと思った。ネット社会になるまでの作家は、実際、生身の肉体からある意味超越できたのかもしれない。
ネットの匿名性も、程度の問題にすぎないということを人々は意識するようになり、日本にはなじまないと言われてきた(実名登録の)FACEBOOKも遅まきながら流行をはじめ、人々の認識もまた変わってきたんだなと感じさせられた。

 それ以外は、今までのナオコーラ節の繰り返し観は否めなかった。もうちょっと冒険が欲しいかなぁ。

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2012年06月15日

Posted by ブクログ

山崎ナオコーラは好きな作家だが、
この作品を読み始めたときは
いつもと似たような登場人物に少し飽きたかなという印象だった。
しかし読み進めるにつれてやっぱり引き込まれた。

性別に対する不満や不安、こんな風に考えることある、と感じた。
思ったこと、考えたことを文章にするのが上手だなぁと
作家なんだから当たり前だけども素直に感心した。

自分とリンクする部分を感じつつ
この作品はどこまでフィクションなのかな?と思った。
そして案の定、著者紹介の絵に笑った。

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2012年06月12日

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