山崎ナオコーラのレビュー一覧
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山崎ナオコーラさんのいい感じに力の抜けた小説が好きで、タイトルからして恋愛ものなのかしらと思いながら読み始めたのだけど、なんと主軸(?)にあるのがサボテン!
全9話の短篇集で、すべてのお話に1つずつ違う種類のサボテンが登場する。親切に写真と解説付きで。
これだけ説明するとなんじゃそりゃ?って感じだろうけど、なんの違和感もなくサボテンたちは登場してくる。
それぞれお話の登場人物たちは、みな同じサイトに関連したところからサボテンを購入する。
1〜3話、4〜6話、7〜9話がそれぞれ繋がっていて同じ人物で構成されているのだけど、途中でそれらをまたいだ相関図を感じさせる描写が出てきて、エピローグにてすべ -
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Posted by ブクログ
ネタバレコロナ禍で人と会う機会が減ってるし、そもそもデリケートな話題なので、あまり出産育児に関して人と話すことがあまりできていない。
だから出産育児エッセイは、読んでいて純粋に楽しい。わかるわかるって思ったり、逆にそれは違うでしょーって思ったり、頭の中であれこれ意見交換している感じがある。
著者の山崎ナオコーラさんは、割とはっきり自身の考えを持っている方なので、そういう考え方もあるんだなーって気持ちで読めた。
そして子育てに関して、あまりネガティブな感想が書かれていなかったのが新鮮だった。
SNSでは出産育児に関してしんどいとか大変だっていう考えに触れることが不思議と多い気がする。(周りの協力が得ら -
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Posted by ブクログ
いわゆる女らしくあることを忌避する大学生であり作家でもある雪村という女性の数年間が描かれる。雪村が女性であることを忌避する言動はしばしばあり、乳房切除をしてしまうほどなんだけど、全編通して雪村がどうなりたいのかがよくわからなかった。男性になりたいのか? 女性でないものになりたいのか? ……女性でも男性でもない意識で生きればいいじゃんと思うんだけど、そういう感じでもない雪村の言動な気がする。自然のままだとドレッシーな服とか選んでしまうようだし、好きだと思うのも男性だし、つき合ったのも男性だったり、捨てきれない女性的な面がけっこうあるようなんだけど、何だか意識にとらわれて自由に振る舞えていないみた
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Posted by ブクログ
山崎ナオコーラさんのエッセイ。
小説は読んでるけど、エッセイって初めてだなあ。
表紙がすごくいい。
机挟んで向かい合って、お互いの大事なことをやってるって、すごく素敵。
これ、という大きな事件はもちろん起こらない。
波風は当たり前に当たるけれど、それに対して、過度に意味を持たせないよう、これは罰でもご褒美でもなく、生きていたから降ってきたものなんだと受け止める姿勢が、ていねいにていねいに書かれている。
何度も出てくる、話すことは苦手だけど、文章でならできる、面白く書ける、魅力を伝えられる、そういう自身の書くことへの信頼と自負が覚悟のようでもあり、親愛の表明のようでもある。
自分自身が、性別や役