三浦しをんのレビュー一覧

  • 私が語りはじめた彼は(新潮文庫)

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    ネタバレ

    この本を読んだときに唐突に思い出したのは、「桐島、部活やめるってよ」だった。物語の中心である桐島、(私が語りはじめた彼はの場合は村川融)について、周りの登場人物たちの描写からしかわからず、その主観は語られることなく、物語が終わっていく。
    それと独特な表現。何かを表現するときの、〜のような〜といったような個性的な表現がとても気になった。三浦しをんさんは女性だそうで、男性視点からの物語だったが、男性の自惚れている様子や自尊心高めな様子、ああ、女性からみた男性はこういう風に考えられている、そしてそれは合っている、と思わざるを得なかった。

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    2022年05月27日
  • 秘密の花園(新潮文庫)

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    知り合いの女子校出身者曰く、
    学校の中はガサツで下品で動物園だと言う。

    本書は随所でたおやかで神秘的な品が感じられ、なんとなく「外から見た女子校」いう印象を受けてしまった。

    女子同士なら、もっと陰湿でもっともっと意地悪なことをするのでは、と思ってしまった自分は、相当心が荒れているかもしれない。

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    2022年05月19日
  • 私が語りはじめた彼は(新潮文庫)

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    重い。救いもない。
    不倫からの家庭崩壊が子どもに落とす陰。
    奪い取った妻の座。故に次は奪われるかもしれない立場になり、心からの幸せは得られなかった。

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    2022年05月07日
  • 秘密の花園(新潮文庫)

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    えっ、ちょっと待って、、、終わるの、ここで?
    それとも何か読みこぼしたのかな、、、
    ラストの動揺はさて置き、
    女子校に通う3人の女子高生をそれぞれの視点からみたお話。
    あの頃特有の友情、恋と性、有り余る情熱、葛藤、家族、終わる=死、、、
    稔子どうなったぁー

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    2022年05月07日
  • 泥酔懺悔

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    どうも、私です。
    ただいま絶賛禁酒10日中(そんくらいで自慢するなっ!)

    お酒で「やらかした!」と冷や汗まみれ(あるいはゲロまみれ)な出来事はここ数年一度や二度はありまして。人の泥酔エピソードはふふふと笑っていられるが、いざ自分の身になるともはやホラー映画より恐ろしい。できれば宇宙の闇に葬りたいけれど、そういう時に限って記憶力を発揮し、うんこのように記憶は脳内にへばりつく(汚っ!)

    この一冊は12名の女性著名人の、酒にまつわるエッセイが書かれています。酒豪と呼ばれる人も居れば、代々下戸な人もいる。酒で失敗した話や、酒に対する思いなど綴られていて、さまざまな視点が見れて。20代後半によく

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    2022年05月06日
  • 新装版 三四郎はそれから門を出た

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    敢然と立ち向かっていく 沈思黙考 羞らいと、人間関係の距離を測る冷静な眼差しを感じる。 含羞の人 『黙って行かせて』 豚を絞めて一滴の血も無駄にせず腸詰を拵える 克己の日々 含蓄地獄 〈「走る」という行為の中には、才能と努力に纏わる根源的ドラマが潜んでいるに違いない〉と抱いた直感は

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    2022年05月10日
  • 『罪と罰』を読まない

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    ドストエフスキーの『罪と罰』を読んだことのない四人が、断片的な情報を手がかりに、その内容についての憶測を語りあった本です。最後に、四人がじっさいに『罪と罰』を読み、その感想について話しあっています。

    「教養の崩壊」が論じられるようになって久しく、本書のタイトルを目にしたときには、教養主義の逆張りのようなネタで、はたしてどれだけおもしろく料理できるのだろうかと、あまり期待はせずに読みはじめたのですが、予想以上にたのしく読むことができました。

    とりわけ、三浦しをんが現代の小説家としての観点から、次々に彼女なりのストーリーを展開していくのがおもしろくて、現代の小説と19世紀のロシア文学のちがいが

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    2022年04月13日
  • むかしのはなし

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    ネタバレ

    ちょっとオイラには難しかった。帯に〝かぐやひめ、花咲か爺、天女の羽衣、浦島太郎、鉢かづき、猿婿入り、桃太郎……。日本昔話は、昔の話なんかじゃない。今、ここで起こりつつある物語なのだ〟って書いてあるから〝現代版 かぐや姫〟とかになっていると思っていた。もちろん、そういう風になっているんだろうけど、オイラは元の話の記憶も怪しいものだからなんだかまったく別の物語を読んでいるみたいだった。いちばん読みやすかったのは「懐かしき川べりの町の物語せよ」。桃太郎のことは考えないで読めたから。

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    2022年04月04日
  • 星間商事株式会社社史編纂室

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    コロナウイルス ワクチンの3回目、モデルナですが、その副反応対策に買った。
    うとうとして少し良くなるとこの本を読んで笑って、を繰り返す事で、発熱とダルさを乗り切った。三浦しをんさま、ありがとうございます。

    社史編纂室や資料室は、左遷場所の象徴ですが(私が見てきたテレビドラマではそうだった)主人公の川田幸代は腐る事もなく淡々と仕事をしている。幸代には、仲間と同人誌を作ってコミケで売る趣味がある。幸代はBLを書いている。それを課長に知られてしまい、課長から「編纂室でも同人誌を作ろう!」と提案されてしまう。編纂室の個性的な面々、彼氏の自由人っぷり、長年の同人誌仲間の同人誌への揺れる気持ちが描かれる

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    2022年04月03日
  • むかしのはなし

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    この中で語られている記録も、遥か未来の人達からしたら私達が語り継がれてきたよくある昔話みたいなむかしのはなしになるって事かしら。
    少しずつリンクしている連作短編集。途中までは気づかなかったけど、さりげなく差し込まれてる感じ。

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    2022年03月27日
  • 悶絶スパイラル(新潮文庫)

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    三浦しをんのエッセイ。大昔に別の有名なやつ(友達からのやつ)を読んだ気がしたが、気になってたので、読んでみた。なんというか、この人はやっぱりすごい…適切な言葉が思いつかないけど根っからのオタク気質なのが文章読んだだけでわかる。最近ジョジョ4部を嗜んだので、そこだけはオタク話についていけたのが良かった。あとは世代的にもついていけず、いまいち乗り切れなかった(これはわたしが全面的悪い)

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    2022年03月05日
  • むかしのはなし

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    しをんさんの作品は、自分がどこにいるのかわからなくなる感覚が好きだ。
    むかしのはなしを参考にせずに読んでしまった。
    んーもったいなかったかも。

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    2022年02月21日
  • ビロウな話で恐縮です日記(新潮文庫)

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    名作『風が強く吹いている』の著者による日記の形をとったエッセイ集。著作をイメージすると、ギャップに目眩がする。いやはや、著者の腐女子っぷりには潔ささえ感じる。理屈っぽくて、めんどくさそうで、BL好きで、母親とよく喧嘩して、、、なかなか、興味深い方である。

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    2022年02月20日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    能は実際に観た時も分からんかったけど読んでも分からんかった
    狂言は面白かった
    説経説も面白かった
    出家した旦那追いかけ回すなよって思ったけど、私も絶対追いかけ回すタイプ
    浄瑠璃は世話物も時代物も人情味があって面白い
    時代物の戦闘シーンはやっぱり生で観たらさぞ面白いんじゃないかなって思う
    女殺油地獄は胸糞すぎて無理だったでもリズムがすごく良かった

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    2022年02月11日
  • 『罪と罰』を読まない

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    読まない、というか…部分読みしつつ、推理する。
    新しい読書会みたいなもの、かな?

    4人の想像が当たったり当たらなかったりで面白い!この本が楽しかったのと、『罪と罰』を読むか読まないかという問題は別なので…私はきっと読まないと思う。やはり本編は陰鬱とした面倒くさい類のロシア文学なのだろうなぁという予想。

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    2022年02月09日
  • 秘密の花園(新潮文庫)

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    彼女たちの思いや考えに共感できるところもあれば理解できないところもある、といったところでしょうか。それは同質で閉鎖的なカトリック系女子校で青春時代を過ごした経験がないから、もう「少女」ではないからなのか。彼女たちの求めるものは人間の根源的な欲求のような気がしました。私たちが日常生活の中でそれとなく満たせるものの本質を、彼女たちはストレートに求める。だからこそ、理解が追いつかないのかもしれません。

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    2022年02月04日
  • 政と源

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    あったかいお話。
    ゲンもマサもどちらの生き方もリアルで
    今のままだと自分はマサのようになりそうだなと思った。
    そして自分が持ってないものをゲンは沢山持っててかっこいいなと思うけど、昔の自分と比べて
    ゲンみたいになりたいとは別に思わなくなってきた。
    今の自分をしっかり愛して、周りの人にも優しくできる人生でありたいと思わせて貰えた本でした。

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    2022年02月01日
  • 格闘する者に○

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    タイトルの意味、なんだろうなぁと思ってずっと読み進めていたのだけれどまさかそういう事だったとは。

    就職活動がいかに学生をスポイルして、精神を荒廃させるかは、実のところ就職活動らしきものをしたことのないワタシには実は想像がつかないのだけれど、石田伊良さんの「シューカツ!」とかこの本を読んでいると本当に辛くて気持ちが萎えるものだなぁとひしひし思う。とてもじゃないけれど、自分では耐えられそうもない。

    早々に就活を諦めてドロップアウトする若者や、社会に出てくるなり疲れ果てている新入社員を見るとさもありなん、と思うもの。

    非常にとんでもない家庭環境の主人公だけれど、実におおらかで愉快な性格。こう

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    2022年01月10日
  • 星間商事株式会社社史編纂室

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    星間商事の一角にある社史編纂室は、左遷先と言われるほどパッとしない。
    生活の中心は同人誌製作の腐女子川田、オンナであることを誰よりも楽しんでいるみっこちゃん、ヤリチン先輩、川田の同人誌を読んで社史編纂室でも同人誌を作って冬コミに参戦しようとする課長、本当にいるのかいないのかわからない幽霊部長…。
    パッとしない部署に集った個性的な面々が、星間商事の“裏”社史こと「高度経済成長期の穴」に挑む。
    主人公川田が作中で披露する自作小説(オヤジ受BL)をさらに腐女子の作者三浦しをんが書いているの、メタだなぁ…。

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    2021年12月31日
  • むかしのはなし

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    元々存在する昔話を現代風に……というわけではなく、モチーフ?といった感じでそれぞれの話が進んでいく形式で、初めに粗筋が書いてあるので全て読み終わったあとになるほどこういう形でお話を取り入れてるのか。と納得できるのが面白かった。
    改めてしをん先生の物語の構成力に脱帽でした。

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    2021年12月18日