三浦しをんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文楽への熱い想いを綴ったエッセイ。作者独特の”桃色解釈”もあって、自分のような文楽初心者には向いてると想う。
小説「仏果を得ず」とセットで読むと、文楽への知識・その世界に生きる人たちの息遣いがより身近に感じられると想う。ただ、読む順番は、本書から先に読む方がより楽しめると想う。自分の場合、小説の方を先に読んだので、文楽の用語や演目について、理解するのに少し難儀した。もっとも、これは文楽に素人の自分なので、普通に文楽についての知識がある人は、どちらから読んでも楽しめると想う。
本書は、人気のある演目についての作者の”桃色”的解釈の章と、太夫、三味線、人形遣いの方へのインタビューで構成されている。
読みどころは、なんといってもインタビューの章。
文楽の大ファンである作者のドキドキぶりが、読んでいて楽しい。インタビューのため楽屋を訪ねる前からのドキドキ感から、いざインタビューでの少しピントのズレた質問など、読んでいてクスリとさせられる。この軽妙さは作者の味なんだよね。
一方、人気の演目についての解説の章。
ポイントを押さえて作者独自の”桃色”解釈は楽しく読める。ただ、つい2~3日前まで文楽が何かも知らなかった人間には、いささかクドイんだよなぁ。軽~いタッチで解りやすく、かつ面白く解説してくれてるんだけど、どの演目も似たような話に見えてきてしまって・・・・。
このあたりは、作者の責任じゃなくて、あくまで文楽の素養のない自分の責任なんだけどね。
しかし、パワーのあるエッセイだった。
パワーってのは、作者の文楽に寄せる想いのパワー。
読んでいて、「ホントに文楽に恋してるんだなぁ」と作者の熱が伝わってきた。
三浦しをんをここまで夢中にさせる文楽、生で観てみたいと思う。
☆3個
背表紙~
あなたは人形浄瑠璃・文楽を知っていますか?え、知らない?大丈夫、ぜったい退屈しない仕掛けが満載!ほぉ、ご存知ですか。でもちょっと待った。あなたの知らなかったことが、こっそり書かれています。若き直木賞作家が、いかにして”文楽くん”に恋をし、はまっていったのか。文楽の真髄に迫るべく資料を読み、落語を聞き、突撃インタビューを敢行する愛と笑いに溢れたエッセイ。小説「仏果を得ず」と合わせて読むと、おもしろさ10倍増!
全編、インタビューの章で構成されてても良かったと思う。もっと文楽の世界での人間関係とか私生活とかを掘り下げて書いて欲しかったな。 -
Posted by ブクログ
三浦しをんさんの本は「舟を編む」しか読んだことがなかったのだけれど、印象が変わった。さきの本は静かな雰囲気が本全体に漂っているけれど、今作は浄瑠璃を見て感じたままを素直にありのままに綴っていらしゃって、少しはっちゃけた感じもして印象が変わった。
本作は浄瑠璃を見たことがない人ようだが、それはどうだろう?初心者に対する方が向いているかもしれない。
私は関西出身在住で、実は一度軽い文楽を見たことがある。そして、眠くならないかと心配していったが、その面白さに開眼した者なのである。それ位の私でふむふむと読めた。
すごく色々な体験をしてくださっていて、導入として楽しめる。人形、太夫、三味線へのインタビュー、各浄瑠璃小屋の訪問、読書、著名作品の鑑賞、関連歌舞伎および落語の鑑賞、襲名公演など。3作品しか見たことない私にも知っている題があり、楽しく読めた。
寝てしまった話やら、一日帳場のもので足が痛くなった話など敷居も高くない。
私自身は、谷崎潤一郎の「蓼喰う虫」を読んで、浄瑠璃に興味を持ち、実際に見に行ってみたので、この本を読んで同じように文楽を見に行く人がいたらいいなと思った。