三浦しをんのレビュー一覧
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カトリックの女子校へ通う少女たちの其々の秘密と葛藤が描かれている作品。
那由多、淑子、翠と主に3人の少女たちの秘密が各章で描かれているのですが、広い意味で其々が「性」に対してのコンプレックスを持ち、皮肉にも処女信仰であるカトリックの学校が舞台という設定は面白かったです。
作中で其々の少女をお姫様に例える描写に凄く納得してしまいました。
どんなに打ち解けた友人でも知らない秘密は誰だってあると思います。罪悪感や羞恥心から言葉に出来ないままに心の底に鬱々と育った秘密を、間接的な言葉でありながらも発することの出来た那由多に、この作品の救いを感じました。 -
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娘が送ってくれた本。
ワインを楽しむという観点で、ワインのうんちくを教えてくれる。
以下は、娘に送った読後感。
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私は、自分が好みのワインが分かればいいと思っていることが分かった。
お母さんと好みが合わないのも当然ということが分かった。
白はシャブリとかマコンとか好きだと思っているワインがあるが、それがブルゴーニュにあることがわかった。
赤は年によって違いがあって、いいと思ったワインを翌年頼むとイマイチだったりするが、ブドウの収穫年をもっと気にするべきということが分かった。
適温で保存することの他に、適温で提供することの大事さが分かった(→ワインセラーを買おう! -
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那由多、翠、淑子を中心に描かれる
カトリック系女子校を舞台にした物語。
少女性というくらいで
なぜかこの年頃の女の子にはなにかしらの神秘性がある。
実際は、恋と勉強と食欲と未来への希望と不安、てなとこだろうけど
小説の世界では、その日常の中のほんの少しの聖なる輝きを取り上げることが多く
そんな感覚は男目線独特なのかと思っていたけど
三浦しをんは同じ女性。
なんだろうこの人、不思議…
とはいえ、
社会を知る前の、大人になる前の、
女子特有の潔癖な感じとか孤高な感じとか凛とした思考回路とか
とうに過ぎ去った身にしてみれば
まぶしいかもしれない。
だってもう、私は自分の身を案じる男性教師側の思 -
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三浦さんが気軽に隣でおしゃべりしている感じのエッセイ。
久しぶりにお茶をのみながら、のんびり、近況を語り合い、「そういえばこんなことあったのよ、あはは~」とくつろぐような。
そんな雰囲気。
子供向けの文章のワークショップを開催した一篇。
走れメロスの「メロス以外の登場人物になって、考える。」ってのはなかなか面白いな。流石小説家の目の付け所。
日比谷野外音楽堂の描写、たしかにあのオープンスペースの独特の解放感ってあるよなーと共感。
私も数回しかいったことが無いが、ジャズ、レゲエどちらも絶妙に場にあってたなー。とか。
ただ、三浦さんのすごいところは、
『音への集中力が増せば増すほど、思考や -
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昔からのしきたりを守る、閉鎖的な島。人と人のつながりは濃く、淀みすらそのうちに抱く。同じころに生まれた長男同士にはじねんきょうだい(漢字忘れた…)という関係を結ぶ。主人公は高圧的な父親と島の世界に息苦しさを覚え、高校を島外に進んだ少年。彼は一年に一度、お盆の時期に行われる村のお祭りのために帰省していた。船に弱く、島の中では“不思議”を見てしまう少年。親友でじねんきょうだいであるもう一人の少年にだけはその質を話していて、助けてくれるが、そのことにも彼は心の中で少しばかりの卑屈を育てていた。
長男だけが残ることを許された島。その中で確かに力を持つ神社の次男が居座っている。それがもたらす島の中の保守