斜線堂有紀のレビュー一覧
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とても面白かったです!
入間人間さんと時雨沢恵一さんを目当てに読み始めましたが、他の筆者皆さんも大変におもしろい話を書いてくださいました。
※私は、安達としまむら、アリソンシリーズ のファンです。笑
どのお話も面白かったので、いろいろ語りたいことだらけですが、ネタバレ回避のため、抽象的にまとめさせていただきます。
皆さんは本作を読んで何を感じるでしょうか。
私は、「可能性」「未来」「ナカイマ」「命」
だと思いました。これまで長く、そうするべきだと云われてきたことや、伝統には、もちろん尊ぶだけの、それが続いてきたなりの理由はあります。一方、そうでない物は許されないと云うはずないのですから、 -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ好き。1ページの掌編が250も入っていてお得過ぎる。ひとつひとつ読み返したり考えたりで読む前に考えていたより読み切るのにだいぶ時間がかかった。すべてで「私」が「先輩」を愛しているわけでもなく、結ばれるわけでもなく、でもただそこにいるという設定がいい。ときどきアンサーになってる話が出てくるのも良かった。タイトルに戻って読ませるのも綺麗。
だいたい好きだけど特に好きな話
・ステーキも毎日は食べれない
ジョークをねだったことがお互いの大切な思い出になっていて、自由に話すことができなくなっても「私」を笑わせる切り札として抱えていた不器用な「先輩」が切ない。これがあれば笑ってくれるって -
Posted by ブクログ
最近勢いのあるミステリー作家6人の競演。オール讀物か別冊文藝春秋などが初出の読み応え抜群の一冊でした。もし気になる作家さんが入っていたら試し読みに最適です。タイトル的にスカッと爽やかとはいかない内容が多いので、読み心地良いもの求めている人には向きません。
「ヤツデの一家」新川帆立
三代目を継いだ女性政治家の語り。暴君だった父の後妻の連れ子、渉は美しく世渡りがうまく、面倒なことは嫌い。でも私にアプローチしてきて、私も渉なしではいられない。そして私は醜いが、美しく身体の弱い妹がいる。
女の国会みたいな話かと思ったら全く違いました!珍しくドロドロっとしたお話です。
「大代行時代」結城真一郎
世の中流 -
Posted by ブクログ
一体何を食べたらこんな物語を生み出すことができるんですか?????
表題作でまず鷲掴みにされ、この設定だけで長編1冊書けるであろうものを…短編集として何の惜しげもなく繰り出される激烈な異世界に、焼き尽くされたような読後感です。
『デウス・エクス・セラピー』は映画シャッターアイランドをちょっと思い出したな。あとは『ドッペル・イェーガー』が印象に残っています。二重三重の深層が描かれていて、なんともいえない後味。
全編”これは一体何だったんだ…”という、イヤミスともホラーとも言えるような、不完全な結末を迎えつつも、この本の表紙と裏表紙が「十の物語」で綴じられていることで完成してしまう…成ってしまっ -
Posted by ブクログ
短編集。どれも面白いアイディアがギューっと詰まっていて、密でディープな世界を楽しめます。
「ある女王の死」
榛遵葉は七十三になる守銭奴で冷血漢の闇金業界の金貸し。彼女の殺人現場から話が始まる。彼女は誰に殺されたのか?どんな人生を歩んできたのか?
主人公の生きざまがカッコいいのと、小道具がチェスなのと、最後に、最初の現場で何が起こったのかがわかるところがよかった。
「妹の夫」
荒城務は繰り返しワープを続けて遥か彼方へ飛ぶ有人宇宙飛行に選ばれた。しかし、彼は会えなくても妻の姿を見たくて、太陽系内だけでも自宅の映像データを見ることにした。その映像で妻に起こったとんでもない事をどうにかしてワープごとの