斜線堂有紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ前作アンソロはエッジが効いた作品が多かった印象。個人的に百合は甘味を求めて嗜むのが好みなので、今作のほうが感覚にフィットした。とはいえミステリ作家が多いので、単に好き→好かれていちゃいちゃ、だけではない工夫?を面白く読んだ。
織守さんの「いいよ」は正に「こういうのでいいんだよ!」(孤独のグルメ的な)とゆっくりじっくり楽しみました。いい百合だった…。
収録順に感想
武田→オチは読めるとしても印象に残る作品。地味なイモ子が大人の女性に磨かれるとか、タイプ違いのかわいい親友に密かに思われてるとか、百合への目配せが嬉しい
円居→これも百合、そうか百合かぁ。面白い。
木爾→アイドル…。文章が今風
青崎→ -
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルと表紙に惹かれて
ストーリーが美しく、歌劇のようだった
物語の中の言葉がとても好き。台詞のひとつひとつを切り取って、ショーケースに入れて飾りたいくらいには好き。
「お前への弔辞は読まないと決めていた。いつかの葬式でだって一人お前の復活を信じてやるつもりだった。」
この言葉を見た時の衝撃をなんと表せば良いのかわからない。それなのに、その衝撃を超える台詞がいくつも出てくるものだから。
この世界観に、関係性に心酔しきってしまう。
要と冴昼の2人が、当たり前のように言い放っている台詞全て壮大な愛の告白じゃないですか…。
関係性があまりにも美しくて最高すぎる
ラストまで曖昧な所も含めて -
Posted by ブクログ
収録作
「屋上からの脱出」 阿津河辰海
閉じ込められた深夜の学校の屋上から抜け出す方法を探せ
「名とりの森」 織守きょうや
入ると自分の名前を奪われる森から、親友を助け出せ
「鳥の密室」 斜線堂有紀
魔女として処刑される前に、塔の最上階から逃げ出せ
「罪喰の巫女」 空木春宵
不可解な仕掛けに囲まれた神社の秘密を解き明かせ
「サマリア人の血潮」 井上真偽
謎の研究上の出口を目指し、失った記憶を取り戻せ
どれも面白い話でした。物語を全て読んだ後にもう一度読んでみると「あっそういうことだったのか!」と気づかせてくれる作者にはもうやばいとしか言いようがないです(笑)また記憶を消してもう一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ文庫化したので速攻で手に入れて読んでみた。
斜線堂有紀さんを読むのはこれで2作目。
2人殺すと“天使”により地獄に堕とされる世界線。
そんな中、孤島で起きるはずのない連続殺人が起きてしまい…
あらすじから既に面白いのは確定だなと思っていましたが、やはり面白かった。
2人以上殺せないから良いように感じるが、この仕組みを悪用する奴はいるし、それに巻き込まれる”善人”にやるせなくなってしまいました。
主人公の青岸も、天使により様変わりした世界の黒い部分の犠牲を受けた1人。
バックボーンがしっかり描かれていて、感情移入してしまいました。
ハッピーエンドとは言えないのかもしれないけど、結末がとても好きで -
Posted by ブクログ
阿津川辰海『水槽城の殺人』
水槽の館だなんて、何だかあの『中村青司さん』が建てた館のようでワクワクする。
刑事の川村のキャラクターが面白くて、川村をシリーズで見たいと思うくらいに好きになってしまった。鯖江の存在も面白くしている。
斜線堂有紀『ありふれた眠り』
初めての斜線堂さんの本だったけど、読み始めてすぐに「好きだ」と感じた。
心情が詳しく書かれているので感情移入しやすい。他の作品も読みたくなった。
そして、いよいよ挑戦状を開ける。
読者にこんな楽しみをもらえるなんてありがたい。ドキドキしながら開封すると、そういうことか!!この発想は面白すぎる〜。本はこれだから楽しくて最高だ^_^
-
Posted by ブクログ
ネタバレあなた=読者 のいつものパターンかと思いきや、まさかの阿津川先生×斜線堂先生のお互いの挑戦状だったんですね。
各々の作品のみでしたら★3かも。お互いに挑戦するという、ありがちな競作本ではなかったため★4。巻末の日誌のようなお二人の備忘録が読み応えありました。これで★5。
テーマだけ相手に与えて、それで書いてもらう。騙されました。とても素敵。この競作方法、ぜひ他の作家さん同士でやってほしい企画です。(もちろん、此方のお二方ぐらいの仲の良さは必要かもしれないが。)
館三部作など、阿津川先生の作品を読んでいつも思うことは、阿津川先生の性格の根っこ部分は大変優しい方なんではないでしょうか。水槽城でも