斜線堂有紀のレビュー一覧
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ナツイチにて購入した。
地獄×恋愛という表現がピッタリの短編集。
•「ミニカーだって一生推してろ」•••「めるすけ」1人のファンにただならぬ気持ちを持ってしまった地下アイドルの赤羽瑠璃。「衣装を黒にしたら似合う」という投稿を実践したり、彼の本名や職業•住所を特定し部屋に入ったりと、エスカレートしていく狂気がまさに地獄。
•「君の長靴でいいです」•••10年来のパートナーとも呼べる男性からロマンティックな「ガラスの靴」を送られた翌日、彼から突然の結婚報告。え、私の事すきだったんじゃないの?!
彼はあくまで唯一無二の”普通でないファッションデザイナー灰羽妃楽姫”とともに恋ではなくパートナーとして共にいただけでした。
自分の恋心を打ち明けたあとに彼が示した困惑の反応「灰羽妃楽姫 も意外と普通なんだね」
10年以上自分だけが恋心を持ってたと気付いた時のあの背筋が凍る感じ、恐怖ですらある。
•「愛について語るときに我々の騙ること」•••高校の頃からの男2人女1人の仲良し3人組。
ある日、園生から「新太を好きである」「新太は鳴花が好きだから」と衝撃的な告白を2つもされてしまった鳴花。
新太を鳴花に取られないために、自分が鳴花と付き合う選択をした園生。
“3人でいること”が最優先な鳴花。
男2人女1人という仲良し3人組は世間では決して珍しくないが、男側が恋に落ちないように意識していたり、仲がいいという事はきっかけがあれば恋にも落ちやすいなどなど、なるほどなぁと思う部分が沢山ありました。
みんな拗らせてて面白かった。
•「健康で文化的な最低限度の恋愛」•••転職でやってきた後輩の津籠に、ちょっとしたやり取りで惚れてしまった美空木絆。
「私もサッカー観戦好き」という、仲良くなるためについた小さな嘘をキッカケに、徐々に自分を捨てていく絆。
彼とLINEをするために、全く興味のないサッカーの試合をみたり、彼との距離を縮めるために、全くやったことのない登山グッズを揃えトレーニングをしたりと、健気ながら異常ともとれる程の行動をしていきます。
挙げ句の果てには、彼の「映画にはあまり興味がない」という発言により、自分の趣味である映画は気付け全く観なくなってしまう。
最終的に2人は付き合うが、これは本当に幸せなのかと、なんとも言えない気持ちになりました。
•「ささやかだけど、役に立つけど」•••鳴花、園生、新太の仲良し3人組の続き。結局3人で居られているが、園生と鳴花は、それぞれの気持ちを知っているので、仲はいいが決して本音で語り合えない関係になってしまった切なさがとても感じられた。
•「星害を受ける」•••赤羽瑠璃率いる「東京グレーテル」に所属する同期の伏暮珠子。
圧倒的な人気を誇る完璧なリーダーの赤羽瑠璃に身の内を焼くような嫉妬心を感じづけながらも、どこかで彼女には敵わないと認めている自分もいる切なさ。
赤羽のファンであるという「めるすけ」に、ファンを装い公園に誘きだし、わざと遭遇するシーンがある。
対面で話すことで、推しを赤羽から自分に変えさせ、赤羽を落ち込ませようとするも、「めるすけ」はしっかりとアイドルとファンの間にある壁を認識している人間であり、あっさりその場を去ってしまい、悔しさと羞恥が凄いだろうなと読んでいて胸を掻きむしられる心地でした。
どれもこれも普遍とはかけ離れた癖が強い話でした!
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Posted by ブクログ
埋め部の合宿の健全さよ、と思いきやちゃんと『部活動』しててさすがだなと…旅先であろうとなんだろうと死体は発生するものですからね。織賀先輩が戻ってくるのと戻ってこないパターン、どちらも書かれているけど戻ってくるほうが正史なのかなあ。戻らないパターンは立ち直ってすこしはマシになっているけど、戻ってくるほうがよっぽど救いがないというかよりいっそう信仰が深くなってて恐ろしかった。織賀先輩どんどん人ならざるものになっているな。神さまであり幽霊であり怪物でもあり。一度失ったからこそ祝部はもう二度と離れられないんだろうなあ。救いのない旅路はいったいどこまで続くのだろう。
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最近のアンソロジーは本当に豪華というか、ハズレがなくおもしろいよね。
有栖川有栖『ミステリ作家とその弟子』は【砂男】で既読だったけれど、再読でも作家と弟子のやり取りがおもしろい。
退職代行とかZ世代とか、境界知能、ペロペロ動画に闇バイト…すごく今が詰まっている一冊だった。
何十年後かに読まれたら「あ~令和っぽい」ってなるんだろうな。
米澤穂信『供米』は途中まで「うーん、好きな米澤穂信ではない」なんて思ったけど、最後がすごく良くてさすが!という感じ。
中山七里『ハングマン-雛鵜-』は最後続きが気になる終わり方だったな。スッキリさせてほしい!
せっかくだから『祝祭のハングマン』を読んでみよう。 -
Posted by ブクログ
児童向けホラーアンソロジー。しかし執筆陣を見てわかるように、子供向けだと侮れはしません。
一番怖かったのは澤村伊智「靴と自転車」。ちょっと心温まる系……かと思いきや、とんでもなかったです。それでも起こってしまう悲劇は予想されたものの、まさかこんな結末だとは。
表題作の斜線堂有紀「部分地獄」、これは子供の頃だったら一番読みたくなかった作品です。たぶん一番怖く感じたかもしれないし。ある意味「部分」の方が凄惨かも。
井上雅彦「きれいずかん」、芦沢央「ログインボーナス」、宮部みゆき「よあるきのうた」もお気に入りです。怖さもあるけれど、そればっかりではない。どれも素敵です。 -
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ネタバレたぶんわたしは斜線堂有紀の二次創作っぽい設定と地の文がドツボなんだ。ラノベより洗練されてて、純文学よりポップな感じ。
これもねっとり重めの話で面白かった~~!!
オリガマウンテンは笑った。その名の通りなんかい。
織賀と祝部の関係も好き。まあほぼ洗脳なんだけどね。織賀のことを崇拝したり嫌悪したり、きっちり重い感情を持っているのが……いい!
しかもちゃんとミステリーとして成り立ってておもしろかった。ジャガーの中で語る死因究明。
特に好きだったのは三話目の同級生の女の子が死んじゃった話と、書下ろしの閑話休題。織賀は一体なにを持っていたのでしょうね。
気になる終わり方もしたのではやく続編が読みたい! 明日発売!? 最高!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画を全然見ないので楽しめないかと思って手を出せずにいたのですが、もっと早く読めば良かったです。話ごとのキーになっている名作映画は見たことがなくても問題なく楽しめます。
シリーズを貫く嗄井戸くんの話は最後までドキドキでもちろん面白かったのですが、個人的に好きだったのは1冊目の「断崖絶壁の劇場演説」と3冊目の「逆行無効のトライアンフ」。ともに嗄井戸くんが「力作」「良作」とトリック(?)を仕掛けた人物の頭脳や映画愛を高く評価しています。明るくない話もある中で誰かのために使われた映画トリックは心温まって良かった、、、4冊目の新刊もとっても楽しみ! -
Posted by ブクログ
嗄井戸の台詞じゃないけど、傑作だったな。
どの事件も趣向が凝らされていて面白いけど、主軸は嗄井戸高久の事件だ。
彼を解放するための、とびっきりの友情物語だ。
この際、黒幕が誰かなんて些末な事で(犯人コイツだなって予想できるぐらいだし)彼らがどうやって幕を引くのかが重要なんだよな。
クライマックスでの奈緒崎の行動には驚かされるけど、こういう性質を持った彼だからこそ救える人がいるのも事実。
嗄井戸も奈緒崎も束も全員愛おしい。
あと『俺たちに明日はない』って映画が気になる。
あそこまで熱弁されて気にならない方が無理だよなあ。
虚構が現実を超える瞬間、観てみたいよね。