斜線堂有紀のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
切ないけど心に刺さる作品
梓と遙川悠真の関係性が素晴らしい。この本を一言で表すなら共依存がいちばん相応しいと感じる。遥川悠真の梓に対する感情の変化を持ちながらも結局愛していた姿も梓の遥川悠真に対する幼い頃から見てきた小説家として姿への執着も遥川悠真に対する期待と愛もとても深くて面白い。人間が相手に理想像を押し付け求め憎悪し妬み、また愛す。その姿が生々しく綺麗に描写されているところが素晴らしいと思う、人間の醜く美しいほどの執着と愛情と嫉妬が詰め込まれている作品。メリーバットエンドが好きな人、人間の生々しい感情が見たい人には是非とも奨めたい
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Posted by ブクログ
幼くして天才小説家として持て囃されていた主人公。しかし、三作目のベストセラー以後、全く作品を出せずにいた。そんなときに参加をすすめられた謎のプロジェクト。そこには主人公と同じようなかつての天才たちがいた。
天才って、神様から与えられた才能だから天才なんじゃんって思ってたけど、ずっと天才でい続けるための計り知れない努力と苦悩があって。そこがとても丁寧に描かれていて、展開と合わせて絶妙な作品でした。登場人物一人一人の設定もしっかり描き込まれててみんな魅力的でした。
それぞれが選ぶ結末も、最後まで読んでいけば納得できるものだと思うし、みんな幸せになってほしいなぁと思う。個人的には天才でい続けられ -
Posted by ブクログ
ネタバレついにカレイドミステリー終結!
前作が少し不穏な終わり方をしていたのでドキドキしながら読み進めましたが、最悪な結末にならなくて良かった…!
見た目普通(むしろ好青年)なのに中身が最凶に歪んでいると言うのはゾッとしますね。
無害なフリして途轍もない悪。
罰を受けさせる事が出来なかったのが少し残念だけど、全ての謎が解き明かされ、お姉さんのお墓参りにも行けるようになって本当に良かった。
この先、奈緒崎と一緒に大学にも復帰できるようになれば嬉しいな…。
否定していたけれど、教授は知っていた(と言うか分かっていた)のではないかと言う疑念が拭えない。
分かっていたけどどうする事も出来なかったから、打 -
Posted by ブクログ
天才は期待という名のプレッシャーと、自分の分野に対する愛と、人生との板挟みにあるものなんだと思った。
よく捻られたストーリーにグッと引き込まれ、感情を強く揺さぶられた。スラスラ読めた。
作中の人物に僕が重なるシーンがいくつもあって、たくさんの共感があった。
過去の僕にはできたのかもしれないが、今の感動を自分の言葉で表すのは今となっては難しい。
だから、文中で一番共感できた、一番心に響いた主人公の台詞で代えようと思う。
"「勝手に期待されて失望されて、・・・・・・そんな目で見るなら、最後まで愛してくれればいいのに」"
(P308 L16より)
何度も読み返したい -
購入済み
自分達のエゴを隠さず、堂々と生きる詐欺師の二人は、読んでいてスカッとした。
二人の執着も、ストーリーに程良い歪みを出している。
ミステリー部分は引っ張り過ぎないので、初心者でも読みやすかった。
一冊だと物足りないので、ぜひ続編を読みたい。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ筆者あとがきの「役割を委託される奈緒崎と友人として協力する嗄井戸が揃うと探偵になります」という言葉がなんとなく好きだ。探偵と助手ではなく、二人合わせて探偵なんだな。
前作では何かと物騒な事件が多かったので、今回の3本は「不思議な出来事」くらいのエピソードが多くて穏やかに楽しかった。(そう思ってたから余計にラストでゾッとしたわけだけども)
お人好しで物事をいい方向に考えがちな奈緒崎は、そう上手くはいかない何かを抱える人にとっては時に残酷に見えるかもしれないけれど、その無責任な明るさが何かを救えることもあるのだと思う。
嗄井戸と束ちゃんだけでは友好的ながら停滞していただろう関係が、全くタイプの違う -
Posted by ブクログ
初、斜線堂さん。
すごい、すごいわ…これが令和のオタクなのか。?
どのキャラクターもなかなか拗れてた。
アイドル世界とオタク界隈を垣間見たような読書体験。こんなストレートに「ブス」とか「草」とか言われたら超ゆとり世代の私は立ち直れないかもしれない…
現実にも自分にも他人にもシビアな世代なのだろうか、あまりにも温かみが感じられないキャラクターたちの心。
彼女たちの心がこんなにも冷えた原因は何なのだろう?
三宅香帆さんが『Z世代は報われたい世代』というようなことを仰っていてイマイチ理解が及んでいなかったのだけど、心が冷えているのではなく、表面を凍らせて鎧を被った状態で世の中と闘っているのであって内