斜線堂有紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
文春文庫のアンソロは面白い!
前作の「神様の罠」が好きだったので今回も購入。
新川帆立「ヤツデの家」
初読みだったけど読みやすかった。アンソロの最初のとっかかりに最適。内容も好みで二回読んだ。
結城真一郎「大代行時代」
こちらもまた初読み作者だったけど面白かった。ありえそうな話だ。
こういう新入社員おるおる~。最後のオチもよかった。
米澤穂信「供米」
この話を読めただけで大収穫です。大好き米澤穂信。愛してる米澤穂信。
3ヶ月ぶりに本を読んだんだけど、2023年最後にこのお話を読めてよかった。やっぱ本読むの大好きだ。
最初読み始めたときは「うわっ苦手な歴史ものだ!」と若干引いたものの、あれよあれよと読み進められた。文章がうますぎる。途中まではどういう話なのよと不思議に思っていたけれど、最後の奥さんとの会話で鳥肌。ああああそういうことだったの!?慌てて読み直し。もう大好きすぎる……。見事でした。
あとはそんなに心に残りませんでした。
斜線堂有紀「妻貝朋希を誰も知らない」
なんとなく彼の正体がわかっていたので特に心に響かず。
てかこれを読んでなにを思うべきなのだろうか。
中山七里「ハングマン」
これなんかのスピンオフ?
そろそろ中山七里だからといって買うのはやめそうです。
有栖川有栖「ミステリ作家とその弟子」
ウサギとカメについての着眼点は面白かったし、なるほどと思った。
でも肝心のオチがわかりきっていたので、うーんって感じ。 -
Posted by ブクログ
副題が「改変歴史SFアンソロジー」と書かれ、帯には「5人のSF作家が語る偽史」と書かれ、知っている書評家の2人が「大推薦!」としている。5人の作家はいずれも知っている人で、今回は私の嫌いな伴名練もいるが短い作品なので一応読んでみようと思う。しかし、大袈裟に歴史改変SFって言っているが、ちょこちょことタイムスリップさせる程度のレベルじゃないかと思い、あまり肩肘張らずに読み始めた。
全体を読み終えた感想としては、石川宗生が意外と健闘している、宮内悠介は全く響かなかった、斜線堂有紀は新しい概念で歴史を引き戻し、小川一水はスパイ系の要素を加え、一番驚いたのは伴名練。伴名練、やればできるじゃないか、ダラダラ無駄に長い長編よりもコンパクトに纏まった短編の方が合っているんじゃないか?感心した!見直した!
それでは、いつものとおり各作品について簡単なコメントをさせて戴こう。
〇 石川宗生「うたう蜘蛛」
最後のどんでん返しでSF登場。それまではどうしてこの作品がSFなんだろうかと思ったが、読み返してみると結構伏線を撒いている。このなかなか巧みな技術に感心した。広義の錬金術師は何でもできる、所謂何でも屋。中にはいかがわしいイカサマ野郎もいただろうに。人を甘利信用し過ぎることは昔も今も危険行為だ。警戒感の薄い偉い人は破滅する。あれ、これってネタバレか?
〇 宮内悠介「パニック――一九六五年のSNS」
おもしろくない。
〇 斜線堂有紀「一一六二年のlovin' life」
「詠語」って素晴らしい当て字。これだけでこの作品を最高評価せざるを得ない。それと、時間旅行者(女房)が昔改変させられた歴史を元に戻す地味な歴史改変とも思えるが、違う背景シナリオの可能性もある。主人公の心の動きも考えると百合の要素もある。結果として、かなり盛沢山な作品になり、今後の作品にも期待がかかる。
〇 小川一水「大江戸石廓突破仕留(おおえどいしのくるわをつきやぶりしとめる)」
ちょっと大雑把な展開、更に悪く言うとこじつけの様な気がするが、エンタテインメントの要素もあり、小川作品らしい面も垣間見られた。
〇 伴名練 「二〇〇〇一周目のジャンヌ」
こちらは石川作品と真逆で、最初からSFの世界、典型的なパラレルワールド、王道ですね。これまで主人公が何回も何回もループする作品はあり、本作品の様に少しずつ良い方向に改変するものはあったが、さすがに20,001回も繰り返すアイディアは凄い。それだけでも伴名作品を十分に評価できる。余談だが、最近の将棋中継では形勢判断にAIが用いられる。AIが読みを深める度に形勢が徐々に変化していく。1万手読むのと1億手読むのとではかなり未来が違ってくる場合がある。まあ、AIほどではないが、この世界も場面を少しずつ変化させることで無数の将来が生じる。勿論、今回は億レベルまでには行かないが、主人公は永遠に繰り返す世界を体感する訳だ。ある意味、凄まじい程のパラレルワールドが折り重なった世界を漂流しているとも言える。素晴らしい作品だ。
今年突然現れたこのアンソロジー、日本SF界に楔を撃ち込む一冊になる可能性を秘めている。
藤井竜王、棋王戦挑決敗者復活戦、頑張れ! -
ネタバレ 購入済み
切ないけど心に刺さる作品
梓と遙川悠真の関係性が素晴らしい。この本を一言で表すなら共依存がいちばん相応しいと感じる。遥川悠真の梓に対する感情の変化を持ちながらも結局愛していた姿も梓の遥川悠真に対する幼い頃から見てきた小説家として姿への執着も遥川悠真に対する期待と愛もとても深くて面白い。人間が相手に理想像を押し付け求め憎悪し妬み、また愛す。その姿が生々しく綺麗に描写されているところが素晴らしいと思う、人間の醜く美しいほどの執着と愛情と嫉妬が詰め込まれている作品。メリーバットエンドが好きな人、人間の生々しい感情が見たい人には是非とも奨めたい
-
Posted by ブクログ
幼くして天才小説家として持て囃されていた主人公。しかし、三作目のベストセラー以後、全く作品を出せずにいた。そんなときに参加をすすめられた謎のプロジェクト。そこには主人公と同じようなかつての天才たちがいた。
天才って、神様から与えられた才能だから天才なんじゃんって思ってたけど、ずっと天才でい続けるための計り知れない努力と苦悩があって。そこがとても丁寧に描かれていて、展開と合わせて絶妙な作品でした。登場人物一人一人の設定もしっかり描き込まれててみんな魅力的でした。
それぞれが選ぶ結末も、最後まで読んでいけば納得できるものだと思うし、みんな幸せになってほしいなぁと思う。個人的には天才でい続けられないことに絶望しても、そこに必死にしがみついて生きていく御堂くんが好きです。読んでくと彼の強がりも愛おしくなってくる。凪ちゃんとの掛け合いもすき。 -
Posted by ブクログ
ネタバレついにカレイドミステリー終結!
前作が少し不穏な終わり方をしていたのでドキドキしながら読み進めましたが、最悪な結末にならなくて良かった…!
見た目普通(むしろ好青年)なのに中身が最凶に歪んでいると言うのはゾッとしますね。
無害なフリして途轍もない悪。
罰を受けさせる事が出来なかったのが少し残念だけど、全ての謎が解き明かされ、お姉さんのお墓参りにも行けるようになって本当に良かった。
この先、奈緒崎と一緒に大学にも復帰できるようになれば嬉しいな…。
否定していたけれど、教授は知っていた(と言うか分かっていた)のではないかと言う疑念が拭えない。
分かっていたけどどうする事も出来なかったから、打開するべく嗄井戸と奈緒崎を引き合わせたのでは?
もしそうならこの教授、なかなかに喰えない御仁だ(笑) -
Posted by ブクログ
天才は期待という名のプレッシャーと、自分の分野に対する愛と、人生との板挟みにあるものなんだと思った。
よく捻られたストーリーにグッと引き込まれ、感情を強く揺さぶられた。スラスラ読めた。
作中の人物に僕が重なるシーンがいくつもあって、たくさんの共感があった。
過去の僕にはできたのかもしれないが、今の感動を自分の言葉で表すのは今となっては難しい。
だから、文中で一番共感できた、一番心に響いた主人公の台詞で代えようと思う。
"「勝手に期待されて失望されて、・・・・・・そんな目で見るなら、最後まで愛してくれればいいのに」"
(P308 L16より)
何度も読み返したい大好きな一冊になった。 -
購入済み
自分達のエゴを隠さず、堂々と生きる詐欺師の二人は、読んでいてスカッとした。
二人の執着も、ストーリーに程良い歪みを出している。
ミステリー部分は引っ張り過ぎないので、初心者でも読みやすかった。
一冊だと物足りないので、ぜひ続編を読みたい。