斜線堂有紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大好きな斜線堂有紀先生の短編集
SFチックな話が多く、かなり読み応えがあった。
個人的には「奈辺」と「回祭」が好み。
「奈辺」
黒人を心底見下す白人のヒューソン、
優秀だが産まれから奴隷として生きるシーザー、
16世紀の差別真っ只中の時代で、
肌の色から交わるはずの無い2人が
ある日“緑色の肌”を持つ宇宙人との出会いから、
親交を育み、とある事件を起こす。
昔からSFはよく読むので、
受け入れやすいストーリー構成だった。
かなりサッパリした終わり方で、
斜線堂先生にしては珍しい(?)読後感。
「回祭」
性格の悪いお嬢様と
親を亡くし貧困に喘ぐ主人公の交流。
主従関係の百合的な属性を持つ話は
「玉野五十鈴の誉れ」「荊の城」などを読んできたが、
単なる恋や愛ではない、複雑な心境の落ちどころをどう描くかが良作足る基準だと考えている。
そこを、SFならではの特殊設定でオチをつける運びから、斜線堂先生得意の耽美で陰があり、
それでもどこか満足に至る登場人物の心理描写を
味わうことができた。 -
Posted by ブクログ
たった一ページ。だけれど繊細で濃密な、先輩と後輩の物語が250編。奇想天外でシュールでポップで、甘かったり苦かったり少し恐ろしかったりも。少しずつ、ゆっくりじっくりと読みたい一冊です。
どの物語にも登場する「私」と「先輩」ですが、二人の関係は相思相愛だったり片思いだったりそもそもたいした関係もないふたりだったり、とさまざまです。それらがすべて同じ人物なのかどうかもわかりません。だけれど読むうちに、彼らの関係は切っても切れないものなのだと実感できてきます。名前も何もない彼らの姿が具体的に思い浮かんでくるような気も。そして無性に「先輩」が魅力的な人のように思えてくるのが不思議です。いろいろとけっこうダメな人のような気もするのにね(笑)。
お気に入りは「自縛家のマリッジ」「夢想家のマリッジ」。少し間をあけてさりげなく出てくるこの二編、タイトルからわかるように繋がっているのですが。これぞ究極の愛、のように思えてしまうのは錯覚なのでしょうか。ちなみに憧れは、しません。 -
Posted by ブクログ
読後感が悪くならないギリギリのラインを押さえている。見事。全体的に相手との距離感と理想像の問題なのかなぁと思った。第4話は間違いなく距離が向こうが自分より近くまで踏み込んでくる相手なんだろうなと思う。慣れてないと巻き込まれちゃう。
第1話 24歳のアイドル赤羽瑠璃はアイドルをやめたい。ただの地下アイドルだが、ここまで来るのも大変だった。めるすけというツィッターアカウントが心の支えだった。
第2話 28歳のバースディプレゼントに妃楽姫はガラスの靴をもらった。妻川がプレゼントしてくれたのだ。しかし妻川は他の女と結婚する。
第3話 園生は新太がずっと好きだった。でも私は鳴花だ。3人は高校の放送部でずっと仲が良かった。
第4話 親友の茜がストーカーで捕まった。絆菜は仕事の後輩への恋に悩んでいる。
第5話 第3話の3人。新太からの話。 -
Posted by ブクログ
不穏なSF短編集。あまり好きじゃなかった。
第1話 人間が本になっている国のお話。
第2話 人間がいつか他の動物に転化する世界。
第3話 ケイジュは仮想空間で自分の複製を虐待していたが、それを婚約者に見られてしまった。
第4話 人類は痛みを痛妃に肩代わりさせることにした。
第5話 ある時から、傘を刺そうが何をしようが雨が一人の人間に降り注ぐという事態が起き始めた。憂にもそれが起きている。
第6話 フリーデは精神病だとされて、治療のために島に送り込まれる。途中で医師だと名乗る青年に、これから目を抉られ、耳を使い物にならないようにされると言われるが信じられない。
第7話 十は綴にとって最も大切な本だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ天才小説家が崩壊していく姿がどこか生々しくて。
救いたい一心で始めたはずの創作がその崩壊を加速させていき、次第に少女自身も壊れていく描写も痛々しくて。
お互い大切に想いあっているはずなのに、段々とかけ違えていくボタンが、解くことさえできないところまでいってしまったのがなんとも言えなくて哀しかった。
最後の結末は分からないけど、1度目の「俺はお前を、見ているからね」はまだ純粋な慈愛の気持ちから発せられた言葉のはずで、それを思いだすってことは前向きに生きていく気持ちの現れかもしれない。
でも個人的には、線を飛び越えた先で、今度こそしがらみとかそういった事柄一切なしに、敬愛でも執着でもない第三の感情で、平和な時間を二人で過ごしていて欲しいなと思う。 -
Posted by ブクログ
斜線堂先生お久しぶりです!
タイトル勝ちです!『死体埋め部』って
人生初の単語ですよ!部って何さ( ´θ`)
死体を山に埋める!バイト?でも部活?
大学3年の織賀(おりが)と
新入生、祝部(はふりベ)の2人しかいない
死体埋め部。
はふりベ・・・
何度も読み方見直しましたΣ('◉⌓◉’)ムズカシイ
どうやって依頼がくるのか?報酬は?とか
今作では明かされません。織賀に教えた人の
影はうっすらと描かれますが、
はっきりとはしないのです。匂うくらいです。
なぜこの死体は死に至ったのか?を2人が話していくシーン。死体運搬中のジャガーの中での
会話劇がいい!安楽椅子というか
ウミガメのスープというか
リズミカルな謎解きが面白い。ホントに
ページを捲る手が止まらないし、あっというま!
そこからのラストの疾走感!
斜線堂先生さすが!
この締め方はシビレルよ。
これ以上はかたるまい。。。
ぜひ ご一読あれ♪( ´▽`)